映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。
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『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』
(98分/G/アメリカ・イギリス合作/2019)
原題『The Capote Tapes』
【監督】
イーブス・バーノー
【製作】
ローレンス・エルマン ザラ・エイケスター イーブス・バーノー
【製作総指揮】
ニック・フレイザー ピエール・ラグランジュ レックス・ルッツス
【脚本】
イーブス・バーノー ホーリー・ホイストン
【撮影】
アントニオ・ロッシ
【編集】
アレン・チャールトン デビッド・シャラップ
【音楽】
マイク・パット
【ナレーション】
ステファン・ミッチェル
【出演】
トルーマン・カポーティ
ディック・キャベット ケイト・ハリントン ルイス・ラファム アンドレ・レオン・タリー ジェイ・マキナニー サリー・クイン ドットソン・レイダー ジョン・リチャードソン セイディ・スタイン コルム・トビーン ノーマン・メイラー
【HPサイト】
映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』公式サイト
【予告映像】
映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』トレーラー
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映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』のオススメ度は?
星3つです
現代アメリカ文学の寵児の物語
まあまあでしょうか
もっと「真実」に迫ると良いでしょう
最後は「酒」と「ドラッグ」で身を滅ぼすことに
これは哀れです
映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』の作品情報・概要
ミシェル・オバマのアドバイザーを務めたイーブス・バーノー監督作品。20世紀のアメリカ文学を代表する作家であるトルーマン・カポーティが栄光を掴み、そして堕落していく様を描いたドキュメンタリー作品である。小柄で自らゲイであるとカミングアウトした作家カポーティーは、ニューヨークのセレブたちのアイドルとなった。才能ある者だけが成功できるニューヨーク。カポーティーは執筆よりも社交界のパーティーに夢中になる。そして新作「叶えられた祈り」を発表するや、社交界から締め出されてしまう。以降のカポーティーは見る影もなく死へ向かっていく。
LGBTQにテーマをおいた映画
映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』のあらすじ・ネタバレ
アメリカ文学に突然現れた若き作家トルーマン・カポーティは全米に衝撃を与えた。繊細な文章表現もさることながら、ハンサムで小柄な風貌と自ら「ゲイ」を公言したからだ。ニューヨークで一番の有名人になることは世界一の有名人である証拠。カポーティーは次々と名作を発表しニューヨークに君臨する。そしてセレブたちとパーティー三昧にのめり込んでいく。そして問題作「叶えられた祈り」を発表したことで運命は流転することになる。
カポーティー原作ですが「納得いかない」と憤慨したことでも有名な作品
映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』の感想・内容
「誰もが一度は会いたいと願うが、一度合会えば二度と会いたくない男」というキャッチに惹かれます。「面白い映画」だと思います。トルーマン・カポーティといえばアメリカを代表する作家です。彼がアメリカの文壇に登場した時の衝撃は大きかったそうです。美しく小柄な白人、そして自身が「ゲイである」ことをいち早く公言したことで一躍有名になりました。しかも彼の書く物語が従来の作家とは異なる感性だったことも人気を後押ししました。アーネスト・ミラー・ヘミングウェイのようにタフで男っぽい姿とは真逆と言って良いくらいの風貌と仕草も注目を浴びたのでしょう。
カポーティーの母親も「毒親」だった可能性がある
さて本映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』はドキュメンタリー映画です。もうすでにカポーティーは死んでいますから、彼の過去の映像ならびに音声を再編集しています。でもそれだけでは単なる「思い出映画」になってしまいます。ですから生前のカポーティーを知る人物や交流のあった人たちの発言や証言を徹底的に分析して「新しいカポーティー」を描いている映画と言って良いでしょう。ただ本映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』は「カポーティーの作家としての生き様」を描くというより「カポーティーはなぜ失墜したのか」に重きを置いているところが勿体無いと感じました。
カポーティーは「養女」の女の子を育て上げました
『ティファニーで朝食を』『冷血』という問題作を発表し、アメリカ文壇のトップに立ったカポーティーを世間が放っておくはずがありません。時代の寵児です。彼はニューヨークで一番有名な人間になりました。ニューヨークで一番ということはアメリカで一番、そして世界で一番ということです。ロスで一番とかシカゴで一番であっても何も意味がないそうです。「ニューヨークで一番であることが全て」がアメリカにはあるのです。カポーティーが街を歩くと誰もが振り向きます。カポーティーがレストランに入った瞬間に店内は「シーン」と静かになるくらいの有名人です。
荒木伸二監督の特異な世界観は「カポーティー」に通じる
カポーティーは自ら言っています。「私はアル中である」「私はヤク中である」「私はホモセクシャルである」「私は天才である」と。実際、どれも当たっているのではないでしょうか。ニューヨークの名だたるセレブたちがそんな男を放っておきません。作家たるや「物を書く」ことが生業であり、書かなくなったらおしまいと言われています。カポーティーは『冷血』を発表したあとの筆の進み具合が遅くなっています。それはニューヨークのセレブたちとの社交界に忙しかったからでしょう。もちろん、彼には新作執筆という目的があり、そのためにセレブたちとのパーティーに没頭したと言われていますが、それが仇となったのです。
クライムサスペンスの源流を作ったのは「カポーティー」と言える
カポーティーが交流したセレブたちは心から彼を信頼して、プライベートを赤裸々に話したそうです。カポーティーはそれを短編小説として発表しました。『叶えられた祈り』です。いわゆるゴシップ記事、つまり「暴露本」です。もちろん仮名でも発表ですが、想像すれば誰のことかわかってしまいます。中には自殺した人もいますし、離婚に至った人もいます。そのせいでカポーティーは社交界から締め出されてしまうのです。しかもカポーティー自身もますます堕落していきます。先にあげた酒、ドラッグ街道まっしぐらです。
何が楽園で地獄なのかわからないほど「恐ろしき世界」
『叶えられた祈り』は未完の作品です。わずか一章だけしか書かれていません。遅々として筆は進みません。いや、脱稿したと本人は言っていますが原稿は見つかっていません。カポーティーの死後、彼をさらにミステリーな存在にした理由もここにあります。本映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』の前半のカポーティーは意気揚々として輝きを持っていますが、後半になると多くの自伝映画と同じく「哀れな男」になっていきます。深酒のままテレビの生出演の映像は見るに耐えないほど哀れです。
映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』の結末・評価
ただ救いなのはカポーティーには多少なりとも友人、恋人、家族がいたことです。過去の偉大な人物たちを描く作品の多くは「孤独な人」だった的なテーマが多いのですが、本映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』を観ていると、信頼できる人もいたという印象を受けました。一番はやっぱり義理の娘ケイト・ハリントンでしょう。彼女はカポーティーが愛した男性の娘です。愛する男性の娘を養女として引き取って育てました。ケイトが語るカポーティーこそ真実なのではないでしょうか。ケイトとカポーティーのやりとりで面白かったのは、カポーティーと一緒にレストランで食事をするのが苦痛だったケイトに「隣の人の会話を後から教えてくれ」というくだりです。ここにカポーティーの作家たる所以を感じるのです。面白い話はすぐ隣にあるのです。確かユーミンこと松任谷由実さんも同じようなことを言っていました。「ファミレスへ行って、隣のカップルの話を聞いて曲を書く」と。やっぱり創造的な才能を持つ人の着眼点は違うなあと思いました。
真実を暴く勇気が何かを失うことになろうとは「カポーティー」も同じだった
カポーティーの才能が築かれた要因は何と言っても「母の存在」なくしてあり得ないでしょう。若くしてカポーティーを出産した母はろくに子育てをせずに新しい男の元へ行きます。今でいう「毒親」ですね。カポーティーは叔母に育てれれます。母はいつもセレブを夢見ていたそうです。そして母は自殺します。これはカポーティーも心に大きな衝撃を与えたことでしょう。小説『ティファニーで朝食』の主人公ホリーは母親をイメージしたと言われています。
日本がまだ戦後を背負っていた時期に「カポーティー」はニューヨークで一番になった
カポーティーは「何を求めて生きたのか」「何をしたかったのか」については他者がとやかくいうのは大きなお世話です。しかし一般読者として知りたいのです。作家としての人生を全うしたのかも不明です。素晴らしい作品が残っていますからまだ救われますが、永遠にギミック扱い、フリーク扱いされることに何だか違和感を覚えます。本映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』はドキュメンタリーとして製作していますが、タイトルにある“真実”を追求するには至っていないと感じました。従来のカポーティーを題材にした作品同様「変な人」という印象が深まった映画でした。
映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』のキャストについて
トルーマン・カポーティ
ディック・キャベット
ケイト・ハリントン
ルイス・ラファム
アンドレ・レオン・タリー
ジェイ・マキナニー
サリー・クイン
ドットソン・レイダー
ジョン・リチャードソン
まとめ 映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』一言で言うと!
「天才の考えていることは常人にはわからない」
ありきたりですが、本当に理解できないことが多いです。カポーティーは知性教養も高い人です。でも自ら刹那的に生きているような気がしました。「酒」と「ドラック」に溺れれるところです。多くの天才と言われている人たち同様です。それは逃げなのでしょうか。彼らほど頭の良い人たちならこれらが身を滅ぼすとわかっているのに、、、。なぜでしょうか?
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映画『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』
愛する人と農業だけで暮らせたら本当に幸せ
映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』
三島由紀夫がたった一人で全共闘と対峙します
映画『M 村西とおる狂熱の日々 完全版』
村西とおるさんはすごい「嘘が全くありません」
映画『キューブリックに魅せられた男』
キューブリック捧げ過ぎてこんな姿に、、、
映画『ドリーミング村上春樹』
村上春樹が好き過ぎて翻訳家になった女性がいます
映画『サウナのあるところ』
フィンランドではサウナに入れば誰もが「平等」です
映画『ジョアン・ジルベルトを探して』
最後の最後にジルベルトが登場、、、
映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』
図書館とは人なんです
映画『アートのお値段』
アート作品の値段はこうして決定されます。
映画『フリーソロ』
命をかけて岩山を登る男アレックス
映画『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』
芸術はいつの世も戦争に翻弄される運命にある
映画『イメージの本』
神さま、仏さま、ゴダールさま。
映画『シード 生命の糧』
タネを消滅させて人間は何を得るのだろうか?
映画『イル・ヴォーロ with プラシド・ドミンゴ 魅惑のライブ 3大テノールに捧ぐ』
イタリアの地で実際の歌声を聴けるなら本望です
映画『カーライル ニューヨークが恋したホテル』
確かにニューヨークの代表のホテルですが、、、
映画『RBG 最強の85才』
アメリカ最強の女性弁護士はほっこりバアさんだった
映画『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』
永遠にエレガンスでいてください
『ホイットニー ~オールウエイズ・ラブ・ユー〜』
ホイットニー、なぜ「ヘルプ!」と叫ばなかったのだ
『私は、マリア・カラス』
あなたの一途な生き方が世界に響いてます
『エリック・クラプトン~12小節の人生~』
とにかく死ななくて良かったね
映画『カニバ パリ人肉事件38年目の真実』
佐川くんはなぜ殺人を犯したのか、その真実
映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
イーブス・バーノー
製作
ローレンス・エルマン ザラ・エイケスター イーブス・バーノー
製作総指揮
ニック・フレイザー ピエール・ラグランジュ レックス・ルッツス
脚本
イーブス・バーノー ホーリー・ホイストン
撮影
アントニオ・ロッシ
編集
アレン・チャールトン デビッド・シャラップ
音楽
マイク・パット
ナレーション
ステファン・ミッチェル
トルーマン・カポーティ
ディック・キャベット
ケイト・ハリントン
ルイス・ラファム
アンドレ・レオン・タリー
ジェイ・マキナニー
サリー・クイン
ドットソン・レイダー
ジョン・リチャードソン
セイディ・スタイン
コルム・トビーン
ノーマン・メイラー
2019年製作/98分/G/アメリカ・イギリス合作
原題:The Capote Tapes
配給:ミモザフィルムズ