映画『キューブリックに魅せられた男』ネタバレ・あらすじ・感想。キューブリック映画を愛することが人生の“フィルムワーカー”

映画『キューブリックに魅せられた男』ネタバレ・あらすじ・感想。キューブリック映画を愛することが人生の“フィルムワーカー” 2019年製作
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映画『キューブリックに魅せられた男』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。

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『キューブリックに魅せられた男』(94分/G/アメリカ/2017
原題『Filmworker

【監督】
トニー・ジエラ
【製作】
エリザベス・ヨフィー トニー・ジエラ
【出演】
レオン・ビタリ
ライアン・オニール
マシュー・モディーン

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映画『キューブリックに魅せられた男』のオススメ度は?

4.0

4つです。

面白いです。

ため息が出ます。

でも苦笑してしまいます。

キューブリック愛がすごいです。

何かに夢中になっている人は必見です。

みんなで観に行ってください。

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映画『キューブリックに魅せられた男』の作品概要

2017年製作/94分/G/アメリカ映画。原題は『Filmworker』放題は『キューブリックに魅せられた男』『バリー・リンドン』で念願のキューブリック作品に出演したレオン・ビターリは俳優を引退してキューブリックに弟子入りする。信頼を得てあらゆる雑務を命じられる。24時間365日寝食を忘れ尽くす。なぜからがこれほどまでにキューブリックに心酔するのかをキャメラは捉えている。肉体も精神も疲れ果てはレオン・ビターリに神々しく見えてくる。

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映画『キューブリックに魅せられた男』のあらすじ・ネタバレ

キューブリック映画の関わった人たちのインタビュー形式で全編が進められていきます。主役はレオン・ビタリ。彼は元々、俳優であった。若い頃、キューブリックの『2001年宇宙の旅』を観て以来、彼の虜になった。そして『バリー・リンドン』の出演後、キューブリックのでしいり果たす。それからは苦難の連続。24時間365日寝食を忘れ、キューブリックに尽くす。映画にはライアン・オニール 、マシュー・モディーン、ステラン・スカルスガルドなどキューブリック作品に出演した俳優たちのインタビューも差し込まれて展開していく。

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映画『キューブリックに魅せられた男』の感想・評価・内容・結末

この映画を観て何度もため息と苦笑を繰り返してしまいました。とにかくキューブリックの映画人として、いや人間狂気が全編にわたって紹介されており、しかもその狂気に惚れてしまった男の物語であることに驚きを禁じ得ないのです。そしてあまりにも無謀な要求や突然命じられる命令にも従順な男レオン・ビタリの老々たる姿に笑ってしまうのです。これだけ苦労すれば肉体も精神もボロボロになって今にも死にそうな雰囲気になるのも無理はないと思ってしまったのです。映画の中のレオン・ビタリは痩せてシワシワで一見哀れなんです。

まずこのレオン・ビタリは自身のことをフィルムワーカーと言っています。普通、映画製作者のことをフィルムメーカーと言いますが、あえて彼はワーカーと言っています。わたしから見るとフィルムワーカーホリックあるいはキューブホリックと言った方が良い気がします。彼はキューブリックの後半の人生に全てを捧げました。24時間365日、寝食を忘れ捧げています。

まずレオン・ビタリの経歴について簡単に説明します。元々は俳優でした。でもある日、キューブリックの『2001年宇宙の旅』を観て強い衝撃を受けます。その時に「キューブリックと仕事がしたい」と誓ったそうです。そしてキューブリックの新作『バリー・リンドン』のオーディションを受けて合格し出演を果たします。キューブリックと仕事をしたことで彼の役者人生は輝かしい未来が約束されます。しかし、レオン・ビタリはあっさりと役者をやめてキューブリックに弟子入りします。映画製作の裏方へと転身するのです。

最初は雑務ばかりでした。でもキャスティングを任され『シャイニング』の現場でも子役のダニーの面倒をみます。キューブリックの信頼を得ていつしか俳優の演技指導、プリント・ラボ作業、サウンド・ミキシング、効果音制作、字幕と吹替の監修、宣材レイアウトの作成、海外テリトリー向け予告編の制作、在庫管理、配送、全世界での公開スケジュール管理、配給調整まで任されるようになります。

ちなみにレオン・ビタリが仕えた25年間でキューブリックは『シャイニング』 The Shining 1980年)『フルメタル・ジャケット』 Full Metal Jacket 1987年)『アイズ ワイド シャット Eyes Wide Shut 1999年)の3本撮っています。人によっては「3本しか?」と思うかもしれませんが、完璧主義のキューブリックの仕事の密度を考えたら宇宙の彼方へ旅するような過酷さだったと思います。

キューブリックの映画への固執いや愛は尋常ではありません。彼に関する逸話、あるいは伝説はどれが本当かわからないくらい多く、時には大仰な噂となっています。セリフで一度でもミスをした俳優は即クビ、リハーサルはしないと言いつつ何百回もテイクさせる、役者の怒りの表情を出すために容姿の欠点を罵倒しけなし、人間否定さえもする、、、。原作の物語を大幅に改変する、、、。あげたらキリがありません。

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またスピード恐怖症で絶対に飛行機には乗らなかったそうで、運転手は低速走行を命じられ警察に捕まったとか、、、。ありとあらゆる逸話があります。今では笑い話になっていますが、実際にキューブリックと接した俳優はキューブリックについて尋ねられると苦笑いをしたり、舌打ちをします。でも往々にして彼らは初対面のキューブリックはとても優しかったと言うところでこちらは笑ってしまうのです。皆、現場を知って疲れ果てていきます。

さて、本映画『キューブリックに魅せられた男』のレオン・ビタリですが、キューブリックを尊敬していたことは言うまでもありません。でも彼はやっぱりキューブリックの作り出す映画のことを愛していたのだと思います。今現在でもキューブリックの作品全般のクオリティー管理をやっていますし、キューブリック作品が世界のどこで上映されるかを把握しており、不完全な状態で上映されないように注意を払っているそうです。

日本人には徒弟制度がありますから、このレオン・ビタリに気持ちがわかると思います。でも欧米の人でまるで日本の主君に仕える侍文化のような生き方をしている人はあまりいないでしょう。キューブリックのように偏屈でしかも労働環境が厳しい仕事は大抵の人は根をあげます。でもレオン・ビタリは25年間尽力したのです。キツかっただろうなあ、と労いたい気持ちを抱きますが、本人は疲れ果てた容姿で「素晴らしい日々だった」などと語っています。それが救いでした。

冒頭にもあげましたがこの映画を観ながらため息と苦笑が漏れてしまうことは悲劇ではありません。映画愛に人生を捧げた人、現在も捧げているフィルムワーカーたちに勇気と希望を与えてくれる映画なのです。

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まとめ 映画『キューブリックに魅せられた男』一言で言うと!

「藍より青し」

映画作家としてはキューブリックを越えることは出来なかったかもしれないけれど、キューブリックの作品愛は本人の思いを超えているのではないでしょうか。これほどまでに愛を貫く人がいることを知って幸せな気持ちになります。

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映画『キューブリックに魅せられた男』の作品情報

映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
トニー・ジエラ
製作
エリザベス・ヨフィー トニー・ジエラ
撮影
トニー・ジエラ
編集
トニー・ジエラ
音楽
ルーク・ジェニングス デビッド・ベン・シャノン
レオン・ビタリ
ライアン・オニール
マシュー・モディーン
R・リー・アーメイ
ステラン・スカルスガルド
ダニー・ロイド
2017年製作/94分/G/アメリカ
原題:Filmworker
配給:オープンセサミ

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