映画『私はいったい、何と闘っているのか』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
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『私はいったい、何と闘っているのか』
(2021年製作/114分/G/日本)
配給:日活、東京テアトル
【監督】
李闘士男【原作】つぶやきシロー【脚本】坪田文【製作】鳥羽乾二郎 太田和宏 臼井正人 佐竹一美【エグゼクティブプロデューサー】福家康孝 新井勝晴【プロデューサー】吉田憲一 沢村敏 宇田川寧【ラインプロデューサー】濱松洋一撮影【製作】神田創【照明】丸山和志【録音】山本タカアキ【美術】寺尾淳【衣装】篠塚奈美【ヘアメイク】竹下フミ【音響効果】勝亦さくら【編集】岩切裕一【音楽】安達練【主題歌】ウルトラ寿司ふぁいやー【助監督】増田伸弥【スクリプター】石川愛子【キャスティング】南谷夢【制作担当】後藤一郎
【出演】
安田顕 小池栄子
岡田結実 ファーストサマーウイカ
SWAY 金子大地 菊池日菜子 小山春朋 田村健太郎 佐藤真弓 鯉沼トキ 竹井亮介 久ヶ沢徹 伊藤ふみお
伊集院光 白川和子
【コメディ映画】『私をくいとめて』ネタバレ・あらすじ「のんちゃん、頑張れ!」感想「“おひとりさま”じゃあないよ」結末。
- 【家族がテーマの映画】
- 映画『朝が来る』
- 映画『罪の声』
- 映画『めぐり逢えたら』
- 映画『空に住む』
- 映画『ミッドナイトスワン』
- 映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』
- 映画『オン・ザ・ロック』
- 映画『浅田家!』
- 映画『望み』
- 映画『となりのトトロ』
- 映画『WAVES ウェイブス』
- 映画『ゴッドファーザーPARTIII』
- 映画『リメンバー・ミー』
- 映画『家族にサルーテ!イスキア島は大騒動』
- 映画『ポルトガル、夏の終わり』
- 映画『フェアウェル』
- 映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』
- 映画『借りぐらしのアリエッティ』
- 映画『この世界の片隅に』
- 映画『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
- 映画『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』
- 映画『黒い司法 0%からの奇跡』
- 映画『ファイティング・ファミリー』
- 映画『人生の特等席』
映画『私はいったい、何と闘っているのか』外部リンク
【HPサイト】
映画『私はいったい、何と闘っているのか』公式サイト
【予告映像】
映画『私はいったい、何と闘っているのか』トレーラー
【公式Twitter】
映画『私はいったい、何と闘っているのか』
【IMDbサイト】
映画『私はいったい、何と闘っているのか』
【 Rotten Tomatoesサイト】
映画『私はいったい、何と闘っているのか』
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映画『私はいったい、何と闘っているのか』のオススメ度は?
星4つです
結構「感動」します
安田顕さんに「高倉健」が被った
小池栄子さんが「綺麗だ」
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映画『私はいったい、何と闘っているのか』の作品情報・概要
『私はいったい、何と闘っているのか』李闘士男監督作品。同名のつぶやきシローの小説を映画化。安田顕主演。小池栄子、岡田結実、ファーストサマーウイカ、SWAY、金子大地、菊池日菜子、小山春朋、田村健太郎らが出演。スーパーで真面目に働くも店長への道は遠い現実と、家族愛を持って謙虚に生きる男の姿を描いている。
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映画『私はいったい、何と闘っているのか』の受賞歴
無し
映画『私はいったい、何と闘っているのか』のあらすじ・ネタバレ
スーパーうめやで万年主任の伊澤春男(安田顕) は美しい妻・伊澤律子(小池栄子) と二女一男の幸せな家族を持っている。性格は真面目、誠実、謙虚を絵に描いたようなもの。休日、息子・伊澤亮太(小山春朋) の野球の試合の応援をしている最中に店長の上田店長(伊集院光)から緊急呼び出しを受けて仕事に駆けつける。大量に誤発注したそうめんの販売を命じられる。社員、パートからは賞賛を浴びる。しかし井澤の本心は「いつか店長になりたい」と思っている。そして長女・伊澤小梅(岡田結実) の結婚話が舞い込む。実は長女と次女・伊澤香菜子(菊池日菜子) は律子が元彼氏との間にできた子どもだった、、、、。
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映画『私はいったい、何と闘っているのか』の感想・内容
「とても面白かった映画」です。まったくノーガードの映画でしたが、本当に良い映画だと思いました。本映画『私はいったい、何と闘っているのか』は観終わってからも、心に温かいぬくもりを与えてくれる一本だと感じています。何と言っても主演の安田顕さんの賜物でしょう。つまりは「安田顕に尽きる」あるいは「してやられた」と言えます。
伊澤春男(安田顕) はスーパーの店長であり、3人の父親です。妻・伊澤律子(小池栄子) との馴れ初めは何やら複雑な過去があります。その過去が後々、大きく物語を引っ張る展開に驚きました。
井澤はとても真面目なんです。誠実なんです。謙虚なんです。優しい男なのです。そしてトラブルを嫌っています。波風を立てないように、人を守りますが、それが却って仇となるサラリーマンの辛さも経験します。“お人好し”と言えば、聞こえは良いのですが、それが現代社会では反作用となって、デメリットな結果になることも教えてくれます。「お人よしでは出世できません」これは事実です。会社員生活において、遠慮してはいけないのです。人を押しのけて、前面に出なければいけない時代です。でも井澤は前へ出て行きません。
縁の下の力持ちと言うようなポジションを保っています。でも心のどこかでは「いつか出世する」と切に願っていることは間違いないのです。でもそれを公に口に出してしまうのは「格好悪い」と思っているのでしょう。日本人が大事にしている「恥の文化を貫いている」男だと思われます。それは自ら公言しなくても、みんながわかってくれると言う承認欲求でもあるのです。黙っていることが美徳であり、目立つような行動は“恥”なのです。
こういった思想は昔の日本人同士であれば、以心伝心のように伝わって、評価されたと思います。しかし、西洋化された現代の日本人にはまったく無意味と言って良い思想となりつつあります。こういう不器用な日本男児っていました。かつていました。昭和に時代にはいました。映画で言えば日本を代表する映画スター・高倉健さんです。彼が演じる男の姿こそ、日本男児の象徴だった時代です。無口で、謙虚で、威張らず、飾らず、実直で、誠実で、そして強く優しい男です。
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映画『私はいったい、何と闘っているのか』の考察・評価
安田顕さんの演じる井澤が高倉健さんに被りそうになりました。でも、コメディ要素が強すぎるため残念ながら、「高倉健にはなれない」のです。でも、井澤のような生き方はある意味、「令和の日本男児」らしい恥の文化の象徴と言えるのかもしれません。
それは井澤の心の中には強い出世願望が見え隠れしており、高倉健が演じた昭和の男にはそれがないところが異なります。出世願望は悪いことではありません。
ただ現代社会に於いて、井澤のような男っているようでいないと思うのです。少なくともわたしの周りには、「出世を目指す」か「諦めている」かの両方しかいません。実は後者を選ぶと、人生が楽になるってみんな知らないのです。仕事以外のことに楽しみを求めるので、「穏やかな生活」を築けるのです。本映画『私はいったい、何と闘っているのか』を観ていて、お気づきになったと思いますが、井澤は会社人間です。余暇は何をして過ごしているか不明です。ただ一点、食堂のおばあちゃん(白川和子)のところで、カレーを密かに食べることが楽しみのひとつとなっています。良いことがあっても、悪いことがあっても食堂へ行って、ブツブツ言いながら、カレーを食べるのです。
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家へ帰れば綺麗な妻と可愛い二人の娘と息子の5人家族です。とても幸せそうです。井澤は万年主任であるならば、家族から小馬鹿にされるという設定になっていないところが素晴らしいです。それだと民放の安っぽいテレビドラマになってしまいます。井澤の家族には温もりがありました。ここは本当にホッとしました。
さて、話を戻しますが、現代社会に於いて、井澤のように「縁の下の力持ち」あるいは「陰に隠れている」ことに“快感”を得る事はもはや美徳ではありませんし、評価されません。もし本当に出世を望まないのであれば、淡々と業務をこなすだけで良いのです。けれども、本映画『私はいったい、何と闘っているのか』のテーマは日本人の失ってしまった謙虚さ、厳か、誠実さ、やさしさ、さらには思慮深さを再確認するというところにあると思うのです。
謙虚さとは何も見返りを求めないように感じますが、実際は上層部の人間からは多大な評価を受けていた時代があります。それは出世における最大でした。
つまり謙虚な姿勢を保つ事は、同僚たちの「いいね」を獲得して、上層部へのセールスアピールとなったのです。上層部は同僚からの評価が高いことが、仕事ができると判断して出世させるのです。
繰り返しますが、こういう風潮って過去の産物です。今はあり得ません。ですから、謙虚さをわかってわかって実行するのと知らぬまま実行するのでは大きな違いが出てくるのでしょう。もし天然的に実行していると、いつか「棚からぼたもち」のようにご褒美を貰います。しかし打算的に謙虚さを武器にしていると、逆に見透かれてしまい逆効果になっていまうのが令和の時代なのです。その証拠に井澤が同僚女性の内引き(内部の人間が万引き行為をすること)を見逃していたことで、店長への道が閉ざされる場面で表れています。大らかな昭和でしたら、「心やさしい人」と評価されたのかもしれません。
ひょっとしたら井澤は上層部の人間には打算的に謙虚さを前面に出す卑しい人間と写っていたのかもしれません。それを本映画『私はいったい、何と闘っているのか』のテーマにしているのであればとても深い映画となります。
まあ、それは考えすぎですが、本映画『私はいったい、何と闘っているのか』を観ていると「日本って、素晴らしい精神を持っている国だなあ」と懐かしくなってきました。重ねて言いますが、今どき井澤ような人間はいないでしょう。
自身のメリット・デメリットになることを即座に考えることが現代社会を生きていく術になっています。「評価社会」の到来です。悲しいですかそれが現実なんです。ですから今の若者たちはとてもタイトな社会を生きていると言わざるを得ません。SNSを通して自分を積極的にアピールしすることが大事な社会なのです。「共感・共鳴」である「いいね」をたくさん貰うことで、人間としての価値観が決まってくるのです。もはや評価とは「貨幣」に直結しているのです。
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映画『私はいったい、何と闘っているのか』の結末
学生たちは会社の入社試験で、Facebook、Twitter、ブログ、YouTubeをやっているか否かも対象になってきます。自己セールスができる人間が求められているのです。これって非常に重たいです。評価社会の到来なんです。ですから井澤のように自分を主張できない人間はこれからの社会では生き方を変えなければいけません。そういう評価社会が嫌なのであれば、逆にSNSの世界でペンネームを用いて活動することをオススメします。わたし自身がそうしています。かつてわたしも人のため、会社のために陰ながらに頑張ってきました。井澤と同様、あまり「自己主張」しませんでした。出世もしませんでした。何だか馬鹿らしくなって、ネットの世界へ身を寄せたのです。SNSを用いての活動ってとても「面白い」しかも「やりがい」があります。別に前面に出なくても楽しく生きる方法があります。
本映画『私はいったい、何と闘っているのか』を観て、改めて自分の生き方に自信を持たせてくれたことに感謝しています。
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映画『私はいったい、何と闘っているのか』のキャストについて
伊澤春男(安田顕)
伊澤律子(小池栄子)
伊澤小梅(岡田結実)
高井(ファーストサマーウイカ)
梅垣聡(SWAY)
金子(金子大地)
伊澤香菜子(菊池日菜子)
伊澤亮太(小山春朋)
西口新店長(田村健太郎)
佐藤真弓
鯉沼トキ
竹井亮介
久ヶ沢徹
金城正志(伊藤ふみお)
上田店長(伊集院光)
食堂のおばあちゃん(白川和子)
まとめ 映画『私はいったい、何と闘っているのか』一言で言うと!
「実は結構、打算的な男だったりする」
主演の安田さんのキャラクターが全面に出ていました。謙虚な姿と映りましたが、実際は結構、出世欲が強い人物ってわかりました。
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頑固オヤジが愛娘と仲直り、、、
映画『私はいったい、何と闘っているのか』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
李闘士男
原作
つぶやきシロー
脚本
坪田文
製作
鳥羽乾二郎 太田和宏 臼井正人 佐竹一美
エグゼクティブプロデューサー
福家康孝 新井勝晴
プロデューサー
吉田憲一 沢村敏 宇田川寧
ラインプロデューサー
濱松洋一
撮影
神田創
照明
丸山和志
録音
山本タカアキ
美術
寺尾淳
衣装
篠塚奈美
ヘアメイク
竹下フミ
音響効果
勝亦さくら
編集
岩切裕一
音楽
安達練
主題歌
ウルトラ寿司ふぁいやー
助監督
増田伸弥
スクリプター
石川愛子
キャスティング
南谷夢
制作担当
後藤一郎
伊澤春男(安田顕)
伊澤律子(小池栄子)
伊澤小梅(岡田結実)
高井(ファーストサマーウイカ)
梅垣聡(SWAY)
金子(金子大地)
伊澤香菜子(菊池日菜子)
伊澤亮太(小山春朋)
西口新店長(田村健太郎)
佐藤真弓
鯉沼トキ
竹井亮介
久ヶ沢徹
金城正志(伊藤ふみお)
上田店長(伊集院光)
食堂のおばあちゃん(白川和子)
2021年製作/114分/G/日本
配給:日活、東京テアトル