映画『ラストナイト・イン・ソーホー』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ラストナイト・イン・ソーホー』公式サイト・IMDbサイト・ Rotten Tomatoesサイトにて作品情報・キャスト情報ならびにレビューをご確認ください。
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『ラストナイト・イン・ソーホー』
(2021年製作/115分/R15+/イギリス)
原題:Last Night in Soho
配給:パルコ
【監督】
エドガー・ライト
【製作】ティム・ビーバン ナイラ・パーク エドガー・ライト エリック・フェルナー【脚本】エドガー・ライト クリスティ・ウィルソン=ケアンズ【撮影】
チョン・ジョンフン【美術】マーカス・ローランド【衣装】オディール・ディックス=ミロー【編集】ポール・マクリス【音楽】スティーブン・プライス
【出演】
アニヤ・テイラー=ジョイ トーマシン・マッケンジー マット・スミス ダイアナ・リグ シノーブ・カールセン マイケル・アジャオ テレンス・スタンプ リタ・トゥシンハム ジェシー・メイ・リー カシウス・ネルソン
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- 映画『ラストナイト・イン・ソーホー』のオススメ度は?
- 映画『ラストナイト・イン・ソーホー』の作品情報・概要
- 映画『ラストナイト・イン・ソーホー』のあらすじ・ネタバレ
- 映画『ラストナイト・イン・ソーホー』の感想・内容
- 映画『ラストナイト・イン・ソーホー』の考察・評価
- 映画『ラストナイト・イン・ソーホー』の結末
- 映画『ラストナイト・イン・ソーホー』のキャストについて
- まとめ 映画『ラストナイト・イン・ソーホー』一言で言うと!
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【HPサイト】
映画『ラストナイト・イン・ソーホー』公式サイト
【予告映像】
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映画『ラストナイト・イン・ソーホー』 Rotten Tomatoesサイト
映画『ラストナイト・イン・ソーホー』のオススメ度は?
星3つ半です
音楽が良い
歌詞の内容に注目
「女性活躍社会」を祝福したい
映画『ラストナイト・イン・ソーホー』の作品情報・概要
『ラストナイト・イン・ソーホー』原題『Last Night In Soho』2021年のイギリスのサイコロジカルホラー映画。エドガー・ライト監督作品。脚本はクリスティ・ウィルソン=ケアンズと共作。アニヤ・テイラー=ジョイ、トーマシン・マッケンジー、マット・スミス、ダイアナ・リグ、シノーブ・カールセン、マイケル・アジャオ、テレンス・スタンプ、リタ・トゥシンハム、ジェシー・メイ・リー、カシウス・ネルソンらが出演。現代と60年代のロンドンのソーホーをタイムリープしながら、女性差別撤廃を訴求している。
映画『ラストナイト・イン・ソーホー』のあらすじ・ネタバレ
イギリスの田舎でエロイーズ(トーマシン・マッケンジー)は祖母と暮らしている。母は6歳の時に自殺。父は行方知れず。エロイーズの夢はファッションデザイナーになること。ロンドンにあるデザインスクールに合格して、意気揚々として旅立つ。ロンドンでは寮生活が待っている。さっとく同部屋のジョカスタ(シノーブ・カールセン) から手作りの服装をバカにされる。パーティーへ誘われ行くが、飲めない酒を飲まされ意識が朦朧となる。しかもジョカスタは男を連れ込みセックスし放題。たまらずアパートを探し、ミス・コリンズ(ダイアナ・リグ) の持っている部屋を借りることに。しかしその部屋は曰く付きの物件だった。エイロイーズは“何か”が見える能力を持っており、サンディ(アニヤ・テイラー=ジョイ) という女性が出現する。しかも時代は60年代だった。
映画『ラストナイト・イン・ソーホー』の感想・内容
「とっても重たい映画」だと思います。予告はとてもポップで華やかなイメージを与えてくれました。美しい2人の女性が鏡合わせのように登場しています。何やら妖艶な世界が繰り広げられるのではないかと想像させられました。美術セットも豪華絢爛なイメージで、若い人たちは「絶対に観に行こう!」という気持ちにさせたことは間違い無いでしょう。しかしながら本映画『ラストナイト・イン・ソーホー』を観ると「女性が置かれている立場」とはいつの時代も男性側に主導権があるという、悲しいメッセージを受け取ります。いわゆる“性の玩具”としてのビジネス世界では取引され、翻弄されたということです。とても悲しいです。
エドガー・ライト監督は、女性の置かれる状況に胸を痛め、“性差別反対”を前面に出して、映画制作を行ったと言えるでしょう。しかしながら、後述しますが、英語を母国語しないわたしたちは完全に理解できなかったと思います。その理由は劇中に流れる歌詞をストレートに理解できないからです。
では、なぜエドガー・ライト監督が本映画『ラストナイト・イン・ソーホー』を思いついたがについて説明します。、数年前に友人から『Hammer Glamour』という著書をプレゼントされ、衝撃を受けたそうです。内容は60年代の芸能界で活躍した女性たちのその後に人生のほとんどが悲劇で終わっていたからです。それは、映画やテレビやファッションなどを含むエンターテイメントビジネスにおいての全てです。
つまり、女優や歌手やデザイナーなどは公に男性の“性の玩具”にされており、心も体も傷つき、その後の人生の経歴は不遇であり、不幸せであったと記されていたそうです。そして本映画『ラストナイト・イン・ソーホー』の舞台を現代と60年代のふたつを“合わせ鏡”として作ったのです。「過去を振り返ることで、現代社会を公平に生きる!」「二度と同じ過ちは犯さない」というメッセージが込めらています。一見タイムリープものにホラーテイストを加味した映画って思われるでしょうが、実際は「女性活躍社会」を祝福しようという作りだと言えます。脚本は男性目線のエドガー・ライトと女性目線のクリスティ・ウィルソン=ケアンズが執筆した点も見逃せません。ただですね、実際の社会は「女性の社会進出はまだまだ」と言うメッセージで終わっていると言えます。
映画『ラストナイト・イン・ソーホー』の考察・評価
オープニングでエロイーズ(トーマシン・マッケンジー) が軽快な音楽に乗って踊り出します。彼女の部屋にはオードリー・ヘプバーンのポスターが貼ってあります。映画『ティファニーで朝食を』https://undazeart.com/breakfast-at-tiffanys/です。現代のエロイーズにとってオードリーは憧れの存在のようです。一見、『ティファニーで朝食を』は華やかな女性の成功物語の映画ですが、よくよく考えてみるとオードリーの演じたホリー・ゴライトリーは貧乏な出自で、14歳で嫁に出されて、夫から逃げてきているのです。そして、「人生はお金がすべてなのだ」という生き方をしています。お金を持っている男を次から次へと乗り換えているのです。すでにここに女性の立場が弱いと言うことが描かれているのです。
『ティファニーで朝食を』は世界で大ヒットしましたがオードリー・ヘプバーンの可憐さと華やかなニューヨークの街並みに隠されて、前面に出ていた映画の本当の内容までにはあまり着目されていません。冷静に考えてみると性を利用しなければ、幸せをつかむことができない「女性の悲劇」ということがわかります。そういう時代だったのです。ですから、冒頭に『ティファニーで朝食を』のポスターを貼っているは、その時代へのアンチテーゼだと思います。先にも書きましたが、「もうこんな悲しい女性は描かない」とか「真実に目を向けよう」という意図があったと思います。まかり間違っても『ティファニーで朝食を』の時代が素晴らしいと言っているのではありません。こういった小さい伏線を入れているところに脚本を素晴らしさを感じます。
そして本映画『ラストナイト・イン・ソーホー』のエロイーズと鏡合わせになるサンディ(アニヤ・テイラー=ジョイ) の存在はまさに60年代という時代の中、芸能界というショービジネスを生きた典型的な女性として描かれています。彼女は「歌手になりたい」のです。しかし、体を売らなければ成功はないという現実に直面します。屈辱でしょう。その屈辱を記憶している人が本映画『ラストナイト・イン・ソーホー』に出演しています。下宿屋のミス・コリンズ(ダイアナ・リグ) です。彼女は当時の男性は、「わたしと頭のてっぺんからつま先まで舐めるように見た」と語っています。
彼女の証言にリンクするかのようにエロイーズがロンドンに出てきてタクシーに乗った際のタクシーの運転手の目つきのがいやらしいに活かされています。さらにサンディ(アニヤ・テイラー=ジョイ) がクラブに出入りしてる時、多くの男たちはみんな舌舐めずりをしながら、彼女を「見て」います。とっても気持ち悪いです。本映画『ラストナイト・イン・ソーホー』のテーマには「性的な対象として見られる」とことが明確にあることがわかります。
途中の展開はホラーテイストになっていくように作られています。現在と過去を行き来しながら現実か夢かわからないような世界をエロイーズは彷徨ます。その答えは下宿人のミス・コリンズに導かれます。つまりエロイーズがタイムリープしていた先のサンディはダイアナだったのです。ダイアナがサンディだった時代への復讐劇が行われていたのです。彼女は男たちを憎んでいます。それは映画の終盤で一気に結実する形で浄化します。
さて、エロイーズは男性だけからの差別を受けていたのではありません。デザイナーの学校に入った時に田舎者と言うことで同様に女性から差別を受けています。ジョカスタ(シノーブ・カールセン) が中心です。これはイギリスという階級社会がなせる悲劇なのかもしれません。田舎から出てきた小娘を同級生たちは馬鹿にしたような目で見るんですよね。ファッションをからかい、お化粧をからかい、お酒を無理やり飲ませたり、、、、。もちろんエロイーズはうまく逃げ出します。
そしてちょっとホッとするのは、エロイーズのことを好きになる男がいます。彼は黒人の少年です。ここは賛否両論ありますがエロイーズの恋人としてこの黒人少年・ジョン(マイケル・アジャオ) です。黒人少年をキャスティングしたのはオーケーだと思います。ただこのジョンの描き方をもっと丁寧にして欲しかったんです。ただの「良い人」って感じなのです。物足りないのです。女の人って男の人のどこに惚れるかと言うと、優しさだけではないのでしょう。何か夢に向かって頑張っている人や、特殊な才能持っているところにも惹かれると思うんです。この少年・ジョンにはそれが無いのです。本の少しだけエロイーズのために命を張って戦うという場面があったにすぎません。まあ、恋愛要素を前面に出した映画ではないので致し方ありませんが、、、、。
映画『ラストナイト・イン・ソーホー』の結末
さて、話を60年代に戻します。60年代のイギリス・ロンドンというのは世界のファッション、音楽、アートの中心になろうとしていた時代です。それ以前はパリでした。特に音楽ではビートルズやストーンズが世界を牽引していました。さらにイギリスの封建的な社会に楔を打ち込んだのは「ツイギーのミニスカート」と言われています。ミニスカートに登場によって、イギリスの女性たちは開放的になり、社会進出が進んだと言われています。
恋愛も奔放的になったそうです。ただ本映画『ラストナイト・イン・ソーホー』で使われている音楽を聴くと、曲調やメロディーはとてもポップで明るいのですが、歌詞においては「どす黒い」としか言いようがありません。悲惨な女性の物語を歌っている楽曲ばかりです。
最終的にエロイーズはサンディーと決別してファッション業界で生きていく現代で終わっています。これはこれで良いと思います。しかしながらいまひとつ違和感が残ってしまうのです。本映画『ラストナイト・イン・ソーホー』において最も訴求したかった「女性の立場向上」や「性差別撤廃」というニュアンスが弱かったという点です。これはわたしが日本人だからかもしれません。つまり歌詞の内容があまりわからなかったからだと思われます。英語を母国語にしている人、あるいは英語が理解できる人にとっては、歌詞と映画がリンクしていたと思うのです。わたしたちは非英語圏なので、出来るのであれば、もっと映像で直接的な表現で、「女性差別」について描いた方がわかりやすかったでしょう。
しかしながらエドガー・ライト監督の作品は『ベイビードライバー』もそうですが、音楽と映像のセンスが抜群だと痛感させられたのは間違いなしです。心に残る一本になりました。
映画『ラストナイト・イン・ソーホー』のキャストについて
サンディ(アニヤ・テイラー=ジョイ)
エロイーズ(トーマシン・マッケンジー)
ジャック(マット・スミス)
ミス・コリンズ(ダイアナ・リグ)
ジョカスタ(シノーブ・カールセン)
ジョン(マイケル・アジャオ)
銀髪の男(テレンス・スタンプ)
ペギー(リタ・トゥシンハム)
ララ(ジェシー・メイ・リー)
カミ(カシウス・ネルソン)
まとめ 映画『ラストナイト・イン・ソーホー』一言で言うと!
「ロンドンの秘密を知りたくなった」
世界の大都市って様々な歴史をくぐり抜けて、魑魅魍魎のような世界が形成されていることが如実にわかりました。一度、ロンドンへ行ってみたくなりました。
『運だぜ!アート』本日の総合アクセスランキング
合わせて観たい映画
【オススメ女性活躍映画】
映画『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
ルイーザ・メイ・オルコット&グレタ・ガーウィグは偉大だ
映画『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』
ハリウッド映画は「女性が作ったのだ」と胸を張りたい
映画『エデンの海(1976)』
女子高生の時から「女性としての意識」が高いです
映画『風の谷のナウシカ』
宮崎アニメは「女性の立場を尊重」した映画が多いです
映画『空に住む』
一人になっても強く生きてやる!
映画『プラダを着た悪魔』
今では絶対に「パワハラ」間違いなしの女上司です
映画『鵞鳥湖の夜』
男の言いなりにならない「お金ゲット」してみせる
映画『ばるぼら』
こんな魅惑的な女性が実在して欲しくなる
映画『新聞記者』
腐りきった政府にメスを入れてやる!
映画『私をくいとめて』
本当は一人が好き「自分の世界で暮らしたい」
映画『ノッティングヒルの恋人』
女優を続けるのって大変
映画『ボディガード(1992)』
本当は「淋しくてたまらない」歌姫
映画『オフィシャル・シークレット』
「暴露」やっぱり真実から目を背くことはできない
映画『フェアウェル』
これがわたしの生きる道!
映画『となりのトトロ』
お母さん「早く帰ってきて!」
映画『透明人間』
「このストーキング野郎!」退治してやる
映画『スキャンダル』
ニューヨーク野郎から「お金巻き上げてやる!」
映画『ミリオンダラー・ベイビー』
貧しいけれど「世界チャンプの夢」は捨てられない
映画『キューポラのある街』
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映画『コレット』
フランスの女流作家の先駆け的存在
映画『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』
ローラ・アルバートの才能をもっと評価したい
『天才作家の妻 40年目の真実』
夫のゴーストライターでは終われない
映画『マリッジ・ストーリー』
もう一度女優として活躍したい
映画『プライベート・ウォー』
戦争がわたしを呼んでいる
映画『マイ・フェア・レディ』
レディになることが果たして「正しいのか」
映画『追憶(1973)』
バーブラ・ストライサンド「キレッキレッ」の演技です
映画『ラストナイト・イン・ソーホー』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
エドガー・ライト
製作
ティム・ビーバン ナイラ・パーク エドガー・ライト エリック・フェルナー
脚本
エドガー・ライト クリスティ・ウィルソン=ケアンズ
撮影
チョン・ジョンフン
美術
マーカス・ローランド
衣装
オディール・ディックス=ミロー
編集
ポール・マクリス
音楽
スティーブン・プライス
サンディ(アニヤ・テイラー=ジョイ)
エロイーズ(トーマシン・マッケンジー)
ジャック(マット・スミス)
ミス・コリンズ(ダイアナ・リグ)
ジョカスタ(シノーブ・カールセン)
ジョン(マイケル・アジャオ)
銀髪の男(テレンス・スタンプ)
ペギー(リタ・トゥシンハム)
ララ(ジェシー・メイ・リー)
カミ(カシウス・ネルソン)
2021年製作/115分/R15+/イギリス
原題:Last Night in Soho
配給:パルコ