映画『ミス・マルクス』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
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『ミス・マルクス』
(2020年製作/107分/PG12/イタリア・ベルギー合作)
原題『Miss Marx』
配給:ミモザフィルムズ
【監督】
スザンナ・ニッキャレッリ
【製作】マルタ・ドンゼッリ グレゴーリオ・パオネッサ【製作総指揮】アレッシオ・ラッツァレスキ【脚本】スザンナ・ニッキャレッリ【撮影】クリステル・フォルニエ【美術】アレッサンドロ・バンヌッチ イゴール・ガブリエル【衣装】マッシモ・カンティーニ・パリーニ【編集】ステファノ・クラベーロ【音楽】ガット・チリエージャ・コントロ・イル・グランデ・フレッド ダウンタウン・ボーイズ
【出演】
ロモーラ・ガライ パトリック・ケネディ ジョン・ゴードン・シンクレア フェリシティ・モンタギュー カリーナ・フェルナンデス エマ・カニフェ ジョルジュ・アレンデル セレスタン・リーラント オリバー・クリス アレクサンドラ・ルイス ジョージナ・サドラー ミエル・バン・ハッセル フレディ・ドレイブル フィリップ・グレーニング
- 【オススメ女性活躍映画】
- 映画『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
- 映画『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』
- 映画『エデンの海(1976)』
- 映画『風の谷のナウシカ』
- 映画『空に住む』
- 映画『プラダを着た悪魔』
- 映画『鵞鳥湖の夜』
- 映画『ばるぼら』
- 映画『新聞記者』
- 映画『私をくいとめて』
- 映画『ノッティングヒルの恋人』
- 映画『ボディガード(1992)』
- 映画『オフィシャル・シークレット』
- 映画『フェアウェル』
- 映画『となりのトトロ』
- 映画『透明人間』
- 映画『スキャンダル』
- 映画『ミリオンダラー・ベイビー』
- 映画『キューポラのある街』
- 映画『コレット』
- 映画『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』
- 『天才作家の妻 40年目の真実』
- 映画『マリッジ・ストーリー』
- 映画『プライベート・ウォー』
- 映画『マイ・フェア・レディ』
- 映画『追憶(1973)』
映画『ミス・マルクス』外部リンク
【HPサイト】
映画『ミス・マルクス』公式サイト
【予告映像】
映画『ミス・マルクス』トレーラー
映画『ミス・マルクス』のオススメ度は?
星2つです
正直言って「もうすこし」でした
心の描写をもっと、、、
とても「悲しい人生」でした
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映画『ミス・マルクス』の作品情報・概要
『ミス・マルクス』原題『Miss Marx』2020年のイタリア・ベルギーの伝記映画。 スザンナ・ニッキャレッリ監督作品。出演はロモーラ・ガライ、パトリック・ケネディ、ジョン・ゴードン・シンクレア、フェリシティ・モンタギュー、カリーナ・フェルナンデス 、エマ・カニフェ、ジョルジュ・アレンデル、セレスタン・リーラント、オリバー・クリス、アレクサンドラ・ルイス、ジョージナ・サドラー、ミエル・バン・ハッセル、フレディ・ドレイブル、フィリップ・グレーニングら。哲学者、思想家、経済学者のカール・マルクスの末娘でイギリスの社会主義者として活動したエリノア・マルクスの人生を描いている。
映画『ミス・マルクス』のあらすじ・ネタバレ
哲学者、思想家、経済学者として偉大なる父カール・マルクスの四女として誕生したエリノア・マルクス(ロモーラ・ガライ) は幼い頃より父の秘書を務めてきた。父の死後、自身も活動家として、女性や子供、労働者の権利向上のために邁進していく。そして彼女は劇作家で社会主義者のエドワード・エイヴリング(パトリック・ケネディ)と恋に落ちる。しかしながら彼には妻がいた。正式な妻になることは出来ない。しかもエドワードは浪費家であり、女たらしで、ドラッグを好む男だ。しかしエレノアはエドワードとの生活を手放すことができない。次第に心は摩耗していく、、、、。
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映画『ミス・マルクス』の感想・内容
「報われない気持ちになる」映画です。映画『ミス・マルクス』を観終わった後の感想です。本当に辛いです。こんなに尽くしたのに「あの裏切りは酷いだろう」と思いました。ただ映画にするには十二分なコンテンツだとも思います。偉人の娘、知性教養が高い、早熟、不倫、活動家、ダメ夫、裏切り、自殺という数奇な人生を送ったのがエリノア・マルクス(ロモーラ・ガライ) です。彼女の父親は『資本論』を唱えたカール・マルクスです。
本映画『ミス・マルクス』の訴求点は間違いなく「女性活躍社会」を指していると思います。それは男女の性差別によって、過去の女性たちが虐げられていた歴史、さらに能力を発揮できなかった時代へのアンチテーゼと、これからは女性は「堂々と社会進出できる」ことを説いていると思います。
本映画『ミス・マルクス』のエリノア・マルクス(ロモーラ・ガライ)労働者の権利獲得と女性の社会進出をいち早く牽引した女性です。1855年1月16日生まれで、1898年3月31日に亡くなっています。100以上前、それも第一次世界大戦前、もっと言うなら産業革命真っ只中で、労働者の権利を向上させようという思想にたどり着いたこと自体が驚異です。世界中で工場が稼働して経済・産業活動が活発になっていました。労働者は低賃金ですが、働かないと食べていけません。雇用主のいうことは絶対だったと思います。本音を言えば労働者でさえ「楽して儲けたい」と思っていたはず。でも、そんなことはできないですよね。
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エリノアがなぜ、それほどまでに労働者の権利、そして女性の社会的立場の改善を目指したのは、やはり出自にあると思います。偉大なる父カール・マルクスの四女として生まれて、最もカールの頭脳を引き継いていたからです。幼い頃より、カールの仕事の手伝いから身の回りの世話に勤めていました。生活の中で研究・執筆する習慣が身についていたのでしょう。そして父の偉大なる功績を次代へ伝える義務を背負ったのです。「労働者の味方」を旗印にしていましたが、それだけでは足りません。自身のように能力のある女性を救おうを考えたのでしょう。先駆者です。
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映画『ミス・マルクス』の考察・評価
ただ彼女の人生は女性という“性”に抗えることが出来なかったようです。多くの女性は恋愛対象に「父性を求める」ところがあると言われています。いわゆる父親像です。あまり良い例えではありませんが、暴力的、支配的な父親のもとで育った女性は、同じような男性に惹かれてしまうと言うデータもあります。惹かれてしまうというより“支配体質”に抗うことができなくなっているのです。逆に知性教養が豊富で聡明な父親のもとで育った女性は、やはり同じような男性に惹かれるそうです。
エレノアは「男運がなかった」と言えます。でも逆にこの男であったら、功績を残せたのかもしれません。夫のエドワード・エイヴリング(パトリック・ケネディ)はどうしようもない男として描かれています。女たらしで、浪費家、酒、ドラッグもやり放題です。一応、作家としての才能はあるようですが、自由を愛する人間です。「お前の金は俺の金」的な生き方をしています。現代風に言うば“ホスト”だと思うのです。本映画『ミス・マルクス』では、「クソみたいな男」と描かれていますが、エレノアにとっては「最高の男」だったのは間違いないでしょう。ホストの男性というのはとても女性の面倒を見るのが上手なんです。エドワードは誰にでも優しくできる男性だったと思われます。だからエレノアは彼から離れられなかったのでしょう。彼女の“性”として、男がいない人生は選択できなかったのでしょう。
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映画『ミス・マルクス』の結末
エレノアは気がついていたと思います。エドワードがあちこちで浮名を流すことくらい知っていたでしょう。でも、最後の相手が自身よりのかなりの年下女性ということが許せなかったのです。若さには絶対に勝てるはずがありません。女性にとって、男が若い娘に走ることほど屈辱的なことはありません。エレノア自身もエドワードを略奪しています。しかしながら、妻は離婚していないため、エレノアはいつまでも愛人のままです。社会的立場もありますから、正式な結婚を望んでいたのでしょう。でも、エドワードは若い女性との婚姻届にサインをしてしまっているのです。途轍もない屈辱、苦痛、悲壮、絶望の気持ちに襲われない方がおかしいです。
本映画『ミス・マルクス』はロックやパンクミュージーックを多様しています。ロック、パンクは反逆の音楽と言われています。若者たちが体制に「反対票を投じる」ためのツールとして音楽は古くから用いれています。ですから、エレノアの発言や行動する場面で、ロックが流れる演出は素晴らしいと思いました。
ちなみにエレノアはエドワードの極秘結婚が発覚した後、青酸カリを飲んで自殺しています。43歳でした。とても悲しい。
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映画『ミス・マルクス』のキャストについて
エリノア・マルクス(ロモーラ・ガライ)
エドワード・エイヴリング(パトリック・ケネディ)
フリードリヒ・エンゲルス(ジョン・ゴードン・シンクレア)
ヘレーネ・デムート(フェリシティ・モンタギュー)
オリーヴ・シュライナー(カリーナ・フェルナンデス)
エマ・カニフェ
ジョルジュ・アレンデル
セレスタン・リーラント
フレディ(オリバー・クリス)
アレクサンドラ・ルイス
ジョージナ・サドラー
ミエル・バン・ハッセル
フレディ・ドレイブル
カール・マルクス(フィリップ・グレーニング)
まとめ 映画『ミス・マルクス』一言で言うと!
「ひとりぼっちになるって恐ろしい」
人間は歳をとればとるほど、一人になります。配偶者、友人などがどんどん亡くなっていきます。そして「ひとりぼっちになる」ものです。歳をとってからのひとりぼっちはつらいでしょう。
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映画『マイ・フェア・レディ』
レディになることが果たして「正しいのか」
映画『追憶(1973)』
バーブラ・ストライサンド「キレッキレッ」の演技です
映画『ミス・マルクス』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
スザンナ・ニッキャレッリ
製作
マルタ・ドンゼッリ グレゴーリオ・パオネッサ
製作総指揮
アレッシオ・ラッツァレスキ
脚本
スザンナ・ニッキャレッリ
撮影
クリステル・フォルニエ
美術
アレッサンドロ・バンヌッチ イゴール・ガブリエル
衣装
マッシモ・カンティーニ・パリーニ
編集
ステファノ・クラベーロ
音楽
ガット・チリエージャ・コントロ・イル・グランデ・フレッド ダウンタウン・ボーイズ
エリノア・マルクス(ロモーラ・ガライ)
エドワード・エイヴリング(パトリック・ケネディ)
フリードリヒ・エンゲルス(ジョン・ゴードン・シンクレア)
ヘレーネ・デムート(フェリシティ・モンタギュー)
オリーヴ・シュライナー(カリーナ・フェルナンデス)
エマ・カニフェ
ジョルジュ・アレンデル
セレスタン・リーラント
フレディ(オリバー・クリス)
アレクサンドラ・ルイス
ジョージナ・サドラー
ミエル・バン・ハッセル
フレディ・ドレイブル
カール・マルクス(フィリップ・グレーニング)
2020年製作/107分/PG12/イタリア・ベルギー合作
原題:Miss Marx
配給:ミモザフィルムズ