映画『マディソン郡の橋』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『マディソン郡の橋』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
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『マディソン郡の橋』
(134分/アメリカ/1995)
原題『The Bridges of Madison County』
【監督】
クリント・イーストウッド
【脚本】
リチャード・ラグラベネーズ
【製作】
クリント・イーストウッド
【出演】
クリント・イーストウッド
メリル・ストリープ
【予告動画】
映画『マディソン郡の橋』NHK BSプレミアム放送 6月8日(月)午後1時00分~3時16分
6月8日(月)午後1時00分~3時16分
映画『マディソン郡の橋』が公開された際、日本中から当地へツアー客が押し寄せたほどです。それだけ大きな影響を時の主婦たちに与えました。
決して不倫を推奨している映画ではないと思います。文芸作品です。
しかし、クリント・イーストウッドのプライベート感が強すぎる気がします。当時、クリント・イーストウッドは65歳です。メリル・ストリープは46歳です。
人生で何か「思い残した」ことを探すように激しく愛し合います。
映画『マディソン郡の橋』のオススメ度は?
星3つ半です
クリント・イーストウッドの生き様が見えます
メリル・ストリープを狙っているのか、、、
夫のいぬ間に恋に落ちるって、、、
裏切りなのか、、、純愛なのか、、、、
その後の人生は幸せでした
映画『マディソン郡の橋』の作品情報・概要
原題『The Bridges of Madison County』1992年にアメリカ合衆国の恋愛映画。ロバート・ジェームズ・ウォラー(Robert James Waller)の小説を元に製作。クリント・イーストウッド製作・監督・主演。キャスリーン・ケネディが共同プロデューサー、リチャード・ラグラヴェネーズ脚本担当。メリル・ストリープを主演女優に迎える。不倫映画として異例の大ヒット。世界中で1億8,200万ドルを売り上げた。1996年、第68回アカデミー賞でアカデミー主演女優賞にノミネートされた。
映画『マディソン郡の橋』のあらすじ・ネタバレ
農夫で真面目な夫と一男一女と平凡に暮らしているフランチェスカ。夫が子供たちを牛の品評会に連れて行くことになり、4日間一人で過ごすことになった。そこへ一人の男が現れる。ロバート・キンケイド(クリント・イーストウッド)はナショナルグラフィックのカメラマンで、ローズマン橋といく屋根付きの橋の撮影にやってきた。彼を見た途端にフランチェスカの女としての性が疼き出す。夫と子どもがいない間に二人は激しい恋に落ちる。一度は駆け落ちを決意するが、、、
映画『マディソン郡の橋』の感想・内容
公開時のクリント・イーストウッドは65歳
クリント・イーストウッドと聞いて多くの人は「何歳だろう?」って聞いて来ます。1930年生まれですから本年は90歳です。
もう伝説です。
若い人のイメージは映画監督ですが、年配の人から見たら間違いなく「大スター」なのです。
『ダーティーハリー』シリーズが強烈ですが、やはり西部劇時代のクリント・イーストウッドが最高です。
近年は出演を控えてますが、それは年齢的に演じる物語がないからで、もし良い脚本があれば再びスクリーンに戻ってくるでしょう。
88歳でこの演技を観よ!美女二人と過ごす
クリント・イーストウッドの贖罪映画?
本映画『マディソン郡の橋』はクリント・イーストウッドの過去の女性たちへの贖罪的な作品とみる趣もあります。
クリント・イーストウッドの女性遍歴は本当に華やかです。
本映画『マディソン郡の橋』の2年前の63歳の時に6女フランチェスカを設けています。
相手はフランシス・フィッシャーです。この時のクリント・イーストウッドはフリーなので不倫ではありません。
愛した女性と子どもは映画出演
フィッシャーは『許されざる者』の売春婦たちの女ボス役で共演した女優です。もっとわかりやすく言うと『タイタニック』でローズ(ケイト・ウインスレット)の意地悪な母親を演じた女性です。
この時、クリント・イーストウッドはソンドラ・ロックと泥沼裁判の真っ最中にも関わらず、しっかりと恋愛を楽しんでいます。
さらに1999年の『トゥルー・クライム』ではフランシス・フィッシャーと共演し、実娘フランチェスカをスクリーンデビューさせています。
いやはやここまでやればもう「ご立派」でしょう。
フランシス・フィッシャーとの共演作も見ものです
63歳で6女をもうけるバイタリティー
それで、何が贖罪かと言うと、クリント・イーストウッド63歳、フランシス・フィッシャー41歳の恋愛を本映画『マディソン郡の橋』でイメージできるのです。
ロバートは世界を駆け回るカメラマン、演じるのは世界のスターであり映画監督のクリント・イーストウッド。そして芽の出ない女優フィッシャー。いい歳の二人です。
そしてメリル・ストリープが演じるのはフランチェスカ。なんか名前が似てませんか?
フランシス・フィッシャー、娘はフランチェスカ・フィッシャー=イーストウッドです。
この時期のイーストウッドは裁判で辛かったと思います。おそらくフィッシャーが支えになっていたと思われます。
ですからフィッシャーに映画の中のセリフのように「生涯一番の恋だ」など囁いて作ったのではないでしょうか。
勝手な予想ですが、もしそうであるなら「やりますね」さすがです。ちなみに96年に7女を他の女性ともうけています。
すごいバイタリティーです。
実娘アリソンとの共演作品はとっても暗い
夫のいぬ間に「女」が疼いた主婦
さて、本映画『マディソン郡の橋』は大女優メリル・ストリープと組んだ不倫映画の代表的作品です。
でも、不倫がバレてドロドロの展開にはなりません。良い言い方をすれば「大人の純愛」となります。
果たしてそう言うのが妥当かわかりませんが、「夫のいぬ間に妻を寝取った」という言い方もあります。
妻は夫がいなかった隙間の時間に「女としての欲情」が抑えきれず流れ者の男に身を任せてしまった、となります。
実息子カイル・イーストウッドとも共演しています
人は不倫になぜ惹かれるのか
いやはや、端的に述べるとそうなります。でも本映画『マディソン郡の橋』は公開されるや否や世界中で大ヒットしました。
日本からも熱狂的なファンが舞台となったアメリカ・アイオワ州マディソン郡に押し寄せたほどです。
では、なぜ本映画『マディソン郡の橋』がこれほどまでの大ヒットになったのかを紐解いていこうと思います。
まずは主人公演じるロバート・キンケイド(クリント・イーストウッド)とフランチェスカ・ジョンソン(メリル・ストリープ)の年齢ですが、65歳と46歳と設定できます。
と言うのはクリント・イーストウッドが1930年生まれ、メリル・ストリープが1949年生まれに当てはめれば良いのです。
次男スコット・イーストウッドにもチャンスを与えてます
ティーンエイジャー並みに愛し合います
フランチェスカ役のストリープは役作りをしたのかは不明ですが、腰回りの肉付きの良さから中年女性独特の体型が、アメリカの田舎町で暮らす雰囲気にぴったりです。
一方、ロバート演じるクリント・イーストウッドはさすがに“おじいちゃん”というイメージが拭いきれません。
頭も薄くなっていますし、裸になった際のたるみを帯びた体にガクッと来ます。
でも二人は一心不乱にお互いを求め合います。相当激しいです。
一旦、結ばれたらずっと求め合います。朝も昼も夜も忘れて、、、。「おいおい、ティーンエイジャーかよ!」とツッコミを入れたくなります。
ソンドラ・ロックとは青春ラブストーリーです
平凡な毎日に訪れた男が扉を開けた世界
さて、この映画『マディソン郡の橋』のフランチェスカですが、田舎町で普通に暮らす主婦です。退屈な主婦です。
イタリアから嫁いできました。夫は真面目な農夫です。男女二人の子宝に恵まれました。
「このまま人生が過ぎ去っていくのだろう」と思っていた矢先にロバートが現れます。
彼はナショナルジオグラフィックのキャメラマンです。華やかな職業に惹かれたのも理由のひとつでしょう。
世界中を撮影して回ったロバートの話を夢中で聞きます。
ここです。退屈な毎日、でも夫は真面目。何不自由ない生活。
「わたしは違った自分になっていたのかもしれない」という空想的な世界が目の前で開けたのです。
それを広げたのはロバートでした。
映画『マディソン郡の橋』の結末・評価
田舎町を舞台にしたからヒットした映画
舞台がアメリカ・アイオワ州マディソン郡という田舎町での出会いだったからこそ、生まれた恋物語です。
これが洗礼された男たちが闊歩するニューヨークであったのなら、フランチェスカは心惹かれなかったでしょう。
ロバートも都会の女性より、フランチェスカの田舎っぽさが良かったのだと思います。
フランチェスカの清楚で純粋なところに惹かれたのではありません。清楚で純粋な女性が出会ってすぐに肉体関係を持ちません。
ましてや夫を裏切るようなことはしません。
友達の恋人と一夜を過ごすクリント・イーストウッド
映画は人生の「夢」を体現させてくれる
つまりこの映画『マディソン郡の橋』が世界中でヒットしたのは、わたしたち自身の内面には羨望という感情があるからです。
特に女性たちは毎日来る日も来る日も夫と子育てに追われ、何も新しい刺激がない暮らしに辟易しているのです。
そして自分も映画のようにわずか4日間だけで構わないので「燃え盛るような恋をしたい」と願っている証しです。
一方、男性も毎日仕事に追われてばかり、家に帰れば妻に愚痴を言われる、、、。
「俺の人生は何だったのか、一度くらいロバートみたいに自由になりたい」と思ってしまうのではないでしょうか。
超能力が結んだ究極の愛
中年以降の人たちから圧倒的な支持を得て大ヒット
そして映画『マディソン郡の橋』は若くない、人生の終盤も見える二人が演じており、体型的にも共感を得られるのです。
世界中の多くの主婦や男性が「わたしたちはまだまだ頑張れる!」と勇気付けられたことでしょう。
これが世界的に大ヒットした要因だと思います。
ちなみにわたしは若い時に映画『マディソン郡の橋』を観た際は何も惹かれませんでした。
同年代の友人も同様です。つまり映画『マディソン郡の橋』のヒットを支えたのは40歳以降の人たちだと言えます。
ケビン・コスナーを潰した映画と言われてます
「背徳感」が生み出す共有感覚が不倫を快感に導く
また不倫をしているという「罪の意識」とそれを打ち消す「愛を交わした快感」が波のように訪れては消える繰り返しが心地よくなるのです。
「背徳感」とでも言いましょうか、これが平凡だった日々を特別にするのです。
二人は共通した背徳感を持つことでさらなる結束を固めるのです。
それが不倫という魔物です。
何か途轍もない存在になった二人、世界中でたった二人っきりの秘密を持ってしまった、この愛は誰にも邪魔させない、などと誓い合うのです。
身の丈にあった人生を選択したフランチェスカ
映画『マディソン郡の橋』ではロバートがフランチェスカに対して、駆け落ちを求めます。しかしフランチェスカは受け入れません。
理由としては夫と子どもがいるからでしょう。フランチェスカは勇気がなかったのでしょうか。そうではない気がします。
もしロバートに付いて行っても思い描いた人生を手に入れられないと想像したからでしょう。
彼女はギャンブルはしなかったのです。
目の前にある平凡ではありますが、静かに安定した生活の方が自身の身の丈にあっていると本能的に悟ったのだと思います。
若いシークレット・サービスと恋に落ちます
女は過去をエネルギーに生きていけるのか、、、
そしてフランチェスカはロバートと過ごした、たった4日間の日々を糧にその後25年間を過ごします。
過去からエネルギーを貰うことで生き永らえるのです。
わたしはここが理解できません。わたしは過去のことは良いことであっても悪いことであっても、すべて捨て去って生きたいと思っています。
思い出を懐かしむノスタルジックな感傷的な気持ちはポジティブなエネルギーを産まないからです。
人生を振り返るのは死ぬ3分前で十分です。ですからこの映画『マディソン郡の橋』はわたしの心をそれほど揺さぶりませんでした。
近作の中で最高の恋愛映画
フランチェスカの子どもへのメッセージだった
ただ物語はロバートとフランチェスカだけの話では終わらなかった点が良いのです。
フランチェスカの息子と娘が共に結婚生活に悩んでいます。離婚の危機的状況です。
そんな二人が母フランチェスカが残した手紙を読むことで、自分の人生について前向きに考えるところが良かったです。
当初は母の裏切りに困惑しますが、許します。母フランチェスカは確かに父を裏切りました。
でも死んでからの告白なので、父は傷ついていません。それはそれで良かったとしましょう。
純愛といったらこの映画です
クリント・イーストウッドの演出の賜物で珠玉の恋愛になった
この映画『マディソン郡の橋』は一歩間違えると官能映画(ポルノ)になってしまいます。
でもそうならなかったのはやはりクリント・イーストウッドの演出の賜物でしょう。
フランチェスカがロバートが裸で体を洗う姿を遠くから見つめる場面はゾクッとしました。
体の芯が疼き、女としても自我が一気に湧き上がってくる様をストリープは巧みに演じていました。
そして最大の見せ場は夫が帰宅して街へ買い物へ行き、土砂降りの雨の中の場面です。雨に打たれるロバートを車から見るフランチェスカ。
買い物から夫が戻り車を走らせる。前方にはロバートが運転するピックアップトラック。左に方向指示器を出します。
フランチェスカはドアに手をかけ、飛び出そうとします。でも我慢します。
そして号泣。静かに見守る夫、、、、。これは映画史の中でも名場面になるのではないでしょうか。
素晴らしき愛の世界に驚愕しました
映画『マディソン郡の橋』のキャストについて
ロバート・キンケイド(クリント・イーストウッド)
ナショナルジオグラフィックのカメラマン。世界中を旅して写真を撮っている。未婚。アイオワ州マディソン郡の屋根付きの橋を撮影に訪れてフランチェスカに出会い、恋に落ちる。もうクリント・イーストウッドのいちゃつきぶりがなんとも言えません。若い時のクリント・イーストウッドなら「カッコいい」と思いますが、さすがに長時間のラブシーンはキツイものがあります。だいぶ歳をとってます。立ち姿もそれなりの年齢です。
フランチェスカ・ジョンソン(メリル・ストリープ)
イタリアから夫の住むアメリカへ嫁いできました。農家です。一男一女の子どもに恵まれています。夫が子どもと連れて4日間の留守に“生涯最高の恋”をします。別れた後もその思い出に浸って生きていきます。メリル・ストリープの後ろ姿に子どもを産んだ女性らしさが見てとれます。演技もやりすぎるとポルノっぽくなってしまいます。そこはさすがストリープ、文芸作品のイメージを守り切った演技をしています。イタリアン訛りの英語も良かったです。アカデミー賞は獲得できませんでした。
まとめ 映画『マディソン郡の橋』一言で言うと!
「人生の炎を燃やし尽くせ!」
生きている中で一番美しい季節はやはり「恋愛している時」だと思います。そして一番幸せな季節は「子育てしている時」と言います。この映画『マディソン郡の橋』は不倫映画ですが、二人は人生の中盤と終盤の季節において激しい炎を燃やすことで、存在理由を確認したのでしょう。産まれて来たからには好きなことをやりきって死にたいです(誰も傷つけなかったのが良かったのかもしれません)
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映画『マディソン郡の橋』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
クリント・イーストウッド
脚本
リチャード・ラグラベネーズ
原作
ロバート・ジェームズ・ウォーラー
製作
クリント・イーストウッド キャスリーン・ケネディ
撮影
ジャック・N・グリーン
美術
ジェニーン・オッペウォール
音楽
レニー・ニーハウス
編集
ジョエル・コックス
字幕
戸田奈津子
Robert Kincaidクリント・イーストウッド
Francesca Johnsonメリル・ストリープ
Carolynアニー・コーレイ
Michaelビクター・スレザック
Richardジム・ヘイニー
1995年製作/アメリカ
原題:The Bridges of Madison County
配給:ワーナー・ブラザース映画