映画『ティファニーで朝食を』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ティファニーで朝食を』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『ティファニーで朝食を』
(114分/G/アメリカ/1961)
原題『Breakfast at Tiffany’s』
【監督】
ブレイク・エドワーズ
【製作】
マーティン・ジュロー リチャード・シェファード
【原作】
トルーマン・カポーティ
【出演】
オードリー・ヘプバーン
ジョージ・ペパード
パトリシア・ニール
バディ・イブセン
マーティン・バルサム
ミッキー・ルーニー
【HPサイト】
映画『ティファニーで朝食を』IMDbサイト
【予告映像】
映画『ティファニーで朝食を』トレーラー
映画『ティファニーで朝食を』NHK BSプレミアム放送 11月18日(水)午後1時00分〜2時56分
11月18日(水)午後1時00分〜2時56分
トルーマン・カポーティー原作小説を映画化
原作と映画は天と地ほと異なる内容にカポーティーが激怒
出産後オードリー・ヘプバーンです
日本人蔑視の描写が大問題になります
映画『ティファニーで朝食を』のオススメ度は?
星2つ半
オードリー・ヘプバーン出産直後の演技を観よ
ニューヨークのティファニーを一躍世界に!
日本人を馬鹿にしている表現あり
映画『ティファニーで朝食を』の作品概要
『ティファニーで朝食を』原題『 Breakfast at Tiffany’s』アメリカ合衆国の小説家トルーマン・カポーティによる中編小説を元に1961年映画化された。監督はブレイク・エドワーズ。主演はオードリー・ヘプバーンとジョージ・ペパード。
トルーマン・カポーティの真実を追求した映画も必見!
映画『ティファニーで朝食を』のあらすじ・ネタバレ
田舎から大都会ニューヨークへ単身移り住んだ女性ホリー。教養のない彼女が生きていくためには“女”を使うこと。夜ごと、お金持ちを探してパーティー三昧。数人のパトロンから援助を受けている。彼女の目的は一生、お金に困らないほどの大金持ちを見つけて結婚すること。ある日、彼女の住むアパートに作家崩れのハンサムな男が引っ越してくる。二人は価値観の違いから反目するが、やがて心を寄せていく。
映画『ティファニーで朝食を』の感想・内容
オードリー・ヘプバーンが長男を出産して3ヶ月後にクランクインというが「痩せすぎ」感が半端ない
オードリー・ヘプバーンが長男を出産して3ヶ月後にクランクインしているそうです。とても出産直後の体とは思えません。
あまりにも細すぎます。痩せているというより“スキニー”です。観ていて倒れないだろうかと心配になります。
ヘプバーンはニューヨークのティファニーに憧れる女性を演じています。彼女はざっくり言って娼婦のような女です。
お金になる木、つまり男を探して援助してもらって暮らしています。30分喋るだけで300ドルもらうとか、トイレへ行くだけで50ドル貰えるとか、パーティーへ行くだけでいくらとか、マフィアのボスの伝令を受けたり、、、。
シャーリー・マクレーンが演じる娼婦がエレガント
ティファニーのショーウインドウの前でパンを食べる場面が有名
でもどことなく寂しげな雰囲気あります。まずトップカット。朝もやのニューヨーク五番街のティファニーのショーウインドウの前でパンを食べています。
それが本映画の『ティファニーで朝食を』になっています。バックに流れている音楽がまた切ないです。ヘンリー・マンシーニ作曲の永遠の名曲です。
田舎から都会に出てきた女の子が女の武器を使いながら生き抜いていく物語
物語はど田舎から都会に出てきた女の子が女の武器を使いながら生き抜いていく様をユーモアたっぷりに描いています。
しかしながら彼女は拝金主義的で、とても嫌な女です、時折、優しさを見せますが、幼少の頃の貧乏のせいで「とにかくお金第一」なのです。
そして何不自由せずに暮らせる結婚相手を探しています。時代の違いはあれどこういう女性はいます。
わたしは決して悪いことではないと思います。苦労するより楽させてくれる男性といた方が幸せなのではないでしょうか。
キャル・トラスク(ジェームズ・ディーン)の母親は史上最悪の「性悪女」
“清貧は美徳”という人がいますが“貧乏は罪だ”
“清貧は美徳”という人がいますが、わたしは“貧乏は罪だ”です。
お金がないと一緒に生活していて、不安になりますし、ストレスがたまりいずれ爆発します。そして愛は冷めるのです。
その貧乏な育ちの女性ホリー・ゴライトリーをオードリー・ヘプバーンが演じていますが、あまりにもエレガントするぎるもの否めません。
彼女の育ちの良さが出てしまいます。タバコを吸いまくっていますが、それも綺麗なのです。
映画『ティファニーで朝食を』の結末・評価
オードリー・ヘプバーンへキャスティング変更で「脚本」も改正
この映画の展開はできることならもっとホリーという女性をクズ女として描く予定だったのではないでしょうか。
最低最悪の好感度ゼロに描いて、最後の最後に本当の愛に気がつくという狙いがだったと思います。
しかしながらやはりヘプバーンをキャスティングしたことで脚本の改正があり、小悪魔的な女性になったのではないでしょうか。
観ているとずっとこの女性に好感を抱き続けている自分がいます。
この娼婦を心から応援したくなります
『ティファニーで朝食を』の一番の俳優はネコちゃん
ホリーの恋人のポール・バージャク(ジョージ・ペパード)も役不足に感じます。世界的な大スターであるヘプバーンに気後れしています。
彼女と共演した過去の俳優グレゴリー・ペック『ローマの休日』、ハンフリー・ボガート『麗しのサブリナ』、ゲイリー・クーパー『昼下りの情事』と言った名優の後ですから、相当なプレッシャーがあったと思います。
その中でやりきったと言っていいでしょう。それとこの映画の中で一番素晴らしい演技をしていたのはネコです。茶色のネコです。
どうやってしつけたのかわかりませんが、素晴らしいのです。
キャメラがネコが歩くアップから始まって、人へ抱かれていく場面がありますが、脚本通りならびっくりです。
そして最後の雨の中。ホリーとポールが抱き合ってキスする場面で、ネコちゃんはしっかりと二人の愛に花を添えています。
その場面を観た瞬間、物語の内容は全部吹っ飛んで「良かった」と思われてしまうのです。
ホリーの幸せよりネコちゃんの幸せを願ってしまった自分がいました。
*この映画は日本人役のユニヨシ演じるミッキー・ルーニーに人種差別的だと批判が集まりました。いまだアメリカ映画史に残る差別的表現のワーストをなっています。
ソンドラ・ロックが「娼婦」を演じる理由は?
映画『ティファニーで朝食を』原作との違い
原作者のカポーティーは完成した映画を観て激怒した
映画『 ティファニーで朝食を』は原作小説とはかなり異なる内容になっています。
原作者のカポーティーは完成した映画を観て激怒したという逸話は有名です。
まず当初の主演はマリリン・モンローだったそうです。モンローはアメリカを代表するセックスシンボルであり、彼女を主演にすれば大ヒットが見込めたと算段したのでしょう。
しかし、モンローは『 ティファニーで朝食を』のオファーを断ります。理由はホリーというキャラクターが奔放すぎる女性だったからです。
奔放であるからこそモンローが適任だと思われがちですが、この時のモンローは「セクシー路線からの下車を目指していた」のです。つまり演技派女優への転身を図っていたのです。
それでお鉢が回ってきたのが、清純派のオードリー・ヘプバーンです。オードリーも当初は断ります。
やはり娼婦のようなキャラクターは彼女のそれまでの経歴を台無しにする可能性があるからです。
そこで製作陣は原作とはかなり違うキャラクター設定と脚本を書き上げ、オードリーを口説き落としたのそうです。
新しい脚本には過激な性描写はありません。
もちろん原作者のカポーティーに脚本を見せていません。
「娼婦」だけを狙った変質者
映画『ティファニーで朝食を』日本人・ユニヨシ問題
本映画『ティファニーで朝食を』では日本人に対する蔑視表現があります。ユニヨシというで名前でカメラマンです。演じているはミッキー・ルーニーです。日本人ではありません。このユニヨシの風体が正直言って気持ち悪いのです。出っ歯、短足、メガネ、ハゲ、そして短気で、口うるさいというキャラクターです。そしてスケべなイメージを与えます。ホリーが「今度、写真のモデルになってあげるわ」というとほくそ笑むのです。
このユニヨシ問題は以後のアメリカ映画に暗い影を落とすことになります。当時はそんなことは眉唾にも思わなかったでしょう。アメリカ映画史の中で「最も恥ずべく表現」として残っています。いまこのような表現をすると国際問題に発展しかねません。
ただなぜカポーティーがこのような日本人像を描いたのかというと、やはり第二次世界大戦で日米が戦ったことに起因します。1940年代です。当時のアメリカは日本人に対して全米をあげて「敵視」していました。そしてバカにしていました。日本人こそ悪の象徴であり、憎っくき人種です。アメリカにとって国威高揚のために国民の気持ちをまとめなければいけません。その政策の一環として、日本人のイメージを植えつけたのが、出っ歯、短足、メガネ、ハゲ、そして短気というキャラクターなのです。カポーティーもそれを小説の中で描いただけなのです。
ただ『ティファニーで朝食を』が製作されたのは1963年頃ですから、日本とアメリカの関係は良好へと向かっていると思うのです。日米安保も締結していますし、映画を作る人たちは知性教養が高いので、こういう差別的な表現は削除できたと思うのです。でも削除しなかったのは、おそらく一般の国民たちにとってはまだ日本人が「憎っくき存在」であったからだと思います。そして笑い者にしたかったと思うです。
今となっては消すことができない演出ですが、本映画『ティファニーで朝食を』を観ることで、当時のアメリカ社会全体が見えてくるから良いとしましょう。
この後のアメリカは泥沼のベトナム戦争へと突入していきます。
映画『ティファニーで朝食を』のキャストについて
ホリー・ゴライトリー(オードリー・ヘプバーン)
もう世界の恋人ヘプバーンです。彼女はどの作品を観てもとても細いです。しかし本作は特に細く感じます。特に腕を見ていると本当に悲しくなるほど細いです。ヘプバーンは1929年生まれで本作 『ティファニーで朝食を』は1961年だから32歳。しかも1960年の7月に長男を産んで、10月から撮影に入っています。それでいてこの細さはちょっと違和感を覚えます。演技ですが、ヘプバーンの弾ける演技が全快のように見えます。ニューヨークで男を手玉にとる娼婦のような役ですが、この美しさのギャップに驚かされます。タバコを吸いまくり場面にショックです。歌もうたっています。どことなく退廃的な感じの声がいいです。
ポール・バージャク(ジョージ・ペパード)
この人はとても上品で動きがスマートな演技をする人です。もちろん容姿端麗ですからヘプバーンの相手役に選ばれたと思いますが、あまりにも綺麗な顔すぎて今ひとつ個性に欠けていたのか、その後の俳優としてのキャリアは平凡です。青い目が特徴ですが、喜怒哀楽の表現に深みがないのが残念です。本映画『ティファニーで朝食を』でも世界の大スターオードリー・ヘプバーンに押されているような印象でした。
ユニヨシ(ミッキー・ルーニー)
この映画『ティファニーで朝食を』に出演したことで彼の人生は一変します。彼は日本人を演じていますが、出っ歯、チビ短足、メガネという敗戦国だった日本人に対するステレオタイプのイメージを世界に風潮してしまいました。今ではこの演技は映画史に残る人種差別的表現だとレッテルを貼られています。以後のミッキー・ルーニーは方々でバッシングされます。ただ演技的には笑えます。監督に命じられるまま精一杯の演技を行なっていると思います。
2E(パトリシア・ニール)
本作でポール・バージャク(ジョージ・ペパード)のパトロンをやっているのは彼女が適任だった?と判断したのだろうか。彼女は若き日にゲイリー・クーパーと3年間不倫関係の末、子供を妊娠し、中絶した。スキャンダルにまみれた女優だったそうだ。そして本作では夫がいながら若い男を逢瀬を楽しむ奔放な女性を演じています。当時のアメリカ社会はこのような女性が多かったのかなあと変な印象を持っていまします。同時に公開された映画『アパートの鍵貸します』に登場する女性たちも奔放な人が多いです。
まとめ 映画『ティファニーで朝食を』一言で言うと!
「清貧は美徳ではない、貧乏は罪だ」
お金が全てだとは言いません。お金が汚いという人がいますが、わたしはそうは思いません。お金の使い方を間違えると汚いものになるのです。わたしたちのような一般庶民は生活ができるだけのお金は必要ですし、少しくらいの贅沢もしたいものです。それは家族の笑顔を作るために必要で、幸せを生み出すために使えばお金は美しいものです。
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映画『秒速5センチメートル』
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映画『ほしのこえ』
映画『COLD WAR あの歌、2つの心』
映画『リヴァプール、最後の恋』
映画『ティファニーで朝食を』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ブレイク・エドワーズ
製作
マーティン・ジュロー リチャード・シェファード
原作
トルーマン・カポーティ
脚本
ジョージ・アクセルロッド
撮影
フランツ・プラナー
編集
ハワード・スミス
音楽
ヘンリー・マンシーニ
ホリー・ゴライトリーオードリー・ヘプバーン
ポール・バージャクジョージ・ペパード
2Eパトリシア・ニール
ドク・ゴライトリーバディ・イブセン
O・J・バーマンマーティン・バルサム
ユニヨシミッキー・ルーニー
1961年製作/114分/G/アメリカ
原題:Breakfast at Tiffany’s
配給:マーメイドフィルム
日本初公開:1961年11月4日