映画『野球少女』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
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『野球少女』
(2019年製作/105分/G/韓国)
原題『Baseball Girl』
【監督・脚本】
チェ・ユンテ
【音楽】
チョン・チハン
【撮影】
ハン・スンヨン
【編集】
チョ・ユンテ
【出演】
イ・ジュヨン
イ・ジュニョク ヨム・ヘラン ソン・ヨンギュ クァク・ドンヨン チュ・ヘウン
【HPサイト】
映画『野球少女』公式サイト
【予告映像】
映画『野球少女』トレーラー
映画『野球少女』のオススメ度は?
星3つです
野球は男だけのスポーツではない
女子でも「プロ野球選手になれる」韓国社会
「諦めないこと」って大事
「好きこそ物の上手なれ」
映画『野球少女』の作品情報・概要
『野球少女』原題『Baseball Girl』2020年公開の韓国映画。1997年に韓国で女性として初めて高校の野球部に所属し、その後韓国プロ野球(KBO)主催の公式戦に先発登板したアン・ヒャンミ選手がモデル。
映画『野球少女』のあらすじ・ネタバレ
かつてリトルリーグで「天才野球少女」として全韓国中を熱狂させたチュ・スイン(イ・ジュヨン) 。今は高校生になっている。幼馴染のイ・ジョンホ(クァク・ドンヨン) はめでたくプロ野球選手になる。スインは夢を諦めることができない。女性という理由だけでプロになれないのはおかしいと訴える。しかし問題はそれだけではない。「体力不足」が立ちはだかる。高校の先生も母親も「ハンドボールをやれ」とか「就職しろ」と口うるさく言うスインは聞かない。新しいコーチ・チェ・ジンテ(イ・ジュニョク) がやってくる。彼は40過ぎまでプロ野球選手を夢見ていた男。最初こそはスインに冷たくしていたが、一心不乱に練習する姿に胸を打たれる。135キロの球速だけではプロでは通用しないからナックルボールを覚えさせる。嫌々ながらナックルボール習得に励むスイン。そしてプロ野球のトライアウトに参加することになる。
映画『野球少女』の感想・内容
「野球が大好きな少女が夢を勝ち取る映画」です。女性というだけで「夢を諦めてしまった人」って多いと思います。その最たるジャンルはスポーツになるのではないでしょうか。政治家、起業家、学者、作家などの知的労働への女性進出も遅れましたが、現在では女性の方が優秀と言われており、歓迎されています。しかし、身体的なパワーを用いるスポーツ分野ではまだまだです。本映画『野球少女』のチュ・スイン(イ・ジュヨン) は幼少の頃から野球一筋で、「絶対にプロ野球選手になる」と決めています。しかし、女性として生まれた体が野球選手になるには限界があることに気がつき、挫折します。
韓国映画と言ったらこれ!
本映画『野球少女』は韓国も日本と同じように「根性論」が多少なりとも存在することがわかります。選手を指導するコーチや監督の命令第一で、理不尽な練習を要求されても文句を言えません。グランドを100周とか言っています。これはキツイです。根性論から言えば「それくらいで根をあげるなら野球をするな」となりますが、非科学的な練習には意味はないでしょう。チュ・スインが夕暮れまで走る姿には胸が痛くなりました。
さて、本映画『野球少女』のテーマは単に「プロ野球選手になる」だけではありません。韓国社会の生き辛さも描写しています。スインの父・スインの父(ソン・ヨンギュ) は無職で、不動産関係(宅地建物取引士)の試験を受けようと勉強しています。しかし試験の不正がバレて逮捕されます。過去において、韓国社会はカンニングや替え玉試験などが横行していた事実を揶揄しています。また親友のハン・バングル(チュ・ヘウン)は歌手を目指しています。歌手はダンスの習熟度が要求されます。ハンは必死になって練習しますが、オーディションに落ちてばかりです。ハンも夢へ向かっていますが、韓国の音楽産業は世界的にレベルが高く並大抵では夢を掴み取ることはできません。日本の芸能界のように少し歌が唄えるだけで、CDデビューができほど甘くありません。実際、日本のアイドルが韓国のオーディション番組で「全く使い物にならない」と烙印を押されたことが物語っています。韓国も日本の華やかな世界に夢を抱くのも良いですが、やはり努力をしないと本物にはなれないことを表していると思います。
とても切ない少女の物語です
映画『野球少女』の考察・評価
ですから本映画『野球少女』のチュ・スイン(イ・ジュヨン) の努力する姿には胸が熱くなりました。コーチのチェ・ジンテ(イ・ジュニョク) に「力が足りない」と言われて、筋力トレーニングに励む姿、指に血豆を作り投げ込みを続けますが、球速は増しません。普通ならここで諦めて別の道を模索するのが普通の人ですが、スインには意地があります。話は逸れますが、スポーツにしろ、音楽にしろ、ビジネスにしろ、人より秀でる才能がある人の意志は凡人と違いって「強靭」だと思うのです。その目的を達成するためには生活の全てをかけて貫くことがあります。時には自分の家族を犠牲にしてまで、夢を実現させるために力を注ぎます。
このスインも然り。観ているわたしたちですら、「体力も才能」とか「努力だけでは解決できない」と考えがちです。スインも百も承知です。でも諦めきれない理由は「野球が好きだから」という純粋な気持ちからでしょう。日本が生んだ世界のスーパースターのイチロー選手はいつも「野球が好きだ」とか「もっと野球が上手くなりたい」と言っていたことを記憶しています。「好きこそ物の上手なれ」が通用するほど甘くない世界ですが、頑張っている人を応援したくなるのが人間というものです。
タクシー運転手の活躍がもたらした未来は!
映画『野球少女』の結末
本映画『野球少女』の結末は、スインの念願叶ってプロ野球選手になって終わります。実力的には通用しないかもしれませんが、球団はスインの野球にかける想いを汲み取ったのと、女性選手というビジネスアピールのそろばん勘定をした結果だと言えます。スインはどんな形にせよ、プロ野球選手になったのですから、今後も活躍を期待したいです。本映画『野球少女』を観て、スポーツって素晴らしいなあと思いました。また、本映画『野球少女』には韓国映画独特の「恨み」や「復讐」と言ったネガティブな演出がなかったことも良かったです。
こんなに児童虐待・失踪が多い国とは知らなかった
映画『野球少女』のキャストについて
チュ・スイン(イ・ジュヨン)
チェ・ジンテ(イ・ジュニョク)
スインの母(ヨム・ヘラン)
スインの父(ソン・ヨンギュ)
イ・ジョンホ(クァク・ドンヨン)
ハン・バングル(チュ・ヘウン)
まとめ 映画『野球少女』一言で言うと!
「もう一度スポーツに熱狂したい」
わたしも子どもの頃、スポーツに熱中していました。しかしながら他の人よりも身体能力が劣るため、、レギュラーにはなれませんでした。当時の練習は「根性論」を絵に描いたような内容で、コーチからの暴力もありました。今考えると「腹ただしい」です。殴れるのが嫌で練習に熱が入らなくなったのも事実でしょう。今になって、もう一度熱中ではなく「熱狂」できるようなスポーツをしたかったです。
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映画『野球少女』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
チェ・ユンテ
脚本
チェ・ユンテ
チュ・スイン(イ・ジュヨン)
チェ・ジンテ(イ・ジュニョク)
スインの母(ヨム・ヘラン)
スインの父(ソン・ヨンギュ)
イ・ジョンホ(クァク・ドンヨン)
ハン・バングル(チュ・ヘウン)
2019年製作/105分/G/韓国
原題:Baseball Girl
配給:ロングライド