映画『君が世界のはじまり』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『君が世界のはじまり』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『君が世界のはじまり』
(115分/PG12/日本/2020)
【監督】
ふくだももこ
【脚本】
向井康介
【製作】
【出演】
松本穂香
中田青渚
片山友希
金子大地
甲斐翔真
小室ぺい
【HPサイト】
映画『君が世界のはじまり』公式サイト
【予告映像】
映画『君が世界のはじまり』トレーラー
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映画『君が世界のはじまり』のオススメ度は?
星4つです
若い才能です
キャラクター設定が良いです
俳優さんも新鮮です
ふくだ監督を応援したくなります
映画『君が世界のはじまり』の作品情報・概要
小説家・映画監督ふくだももこ最新作品。月刊誌『すばる』に掲載した小説『えん』と『ブルーハーツを聴いた夜、君とキスしてさようなら』を原作としている。二つを絶妙な脚本に仕上げたのは向井康介。主演は『おいしい家族』でタッグを組んだ松本穂香。共演は中田青渚、片山友希、金子大地、甲斐翔真、小室ぺい。
映画『君が世界のはじまり』のあらすじ・ネタバレ
関西方面の地方都市が舞台。その町の中心にショッピングモールは、間も無く取り壊される予定にある。同じ高校に通う6人(女3男3)にはそれぞれ抱える問題があった。優等生の縁、ヤンキー気質の琴子、父を恨む純、継母と情事を重ねる伊尾、精神を病んだ父と暮らす業平、校内一のイケメン岡田。ある日、同校の生徒が父親を殺した、、、、。6人はショッピングモールに集まる。
映画『君が世界のはじまり』の感想・内容
小説家・映画監督として期待しているふくだ ももこ最新作です。良い感じで仕上がっていると思います。
まだまだ“若い”作品ですが、将来性がある監督さんだと思っています。
やはり大阪府出身ということを全面に押し出して映画を撮っていくのだろうと改めて感じました。
ふだんあまり大阪弁を聞かないので新鮮でもありますが、「キッツイ言葉」と感じてしまうことも多々ありました。
確かに本映画『君が世界のはじまり』を標準語で撮ったら「なんだか味気ない」気がします。
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映画の構成はとても複雑だと気が付きました。
主要となる高校生が6人登場します。男女3人ずつです。彼らの抱えてる問題をうまく挿入していきます。
6人もの登場人物が存在すると観ている方の感情移入が少し雑になりがちです。また上映時間も長くなりますが、本映画『君が世界のはじまり』は115分にまとめあげています。すごい!
そしてふくだ監督は実に丁寧にしかもわかりやすく物語を紡いでいると感じました。やはり小説家という才能を持っているから成せる技でしょう。
6人のキャラクター設定が上手いのです。際立ってくるのです。
例えば主演の縁(ゆかり/えん)松本穂香 は頭が良くて、両親と仲が良く家庭環境にも恵まれています。
縁の親友の琴子(中田青渚)は超ヤンキー気質のおバカさんで母子家庭で男好き。
そして純(片山友希)は父子家庭で、父親と断絶状態。縁は京都大学進学を考えていますが、琴子は母親のスナックを継ぐような印象を持ちます。
そして純は人生に投げやりで刹那的なセックスを繰り返しています。観ているわたしたちは3人のキャラクターに心が終始震えてしまうのです。
「嫌いになれない」のです。
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男子生徒も同様です。業平/ナリヒラ(小室ぺい)は心を病んだ父親と二人で暮らしている大人しい少年で緑に恋します。
岡田(甲斐翔真) は学内一のイケメンで、緑のことを狙っています。
伊尾(金子大地) は東京からの転校生で孤独、しかも継母と肉体関係があり、純ともセックスをしています。
映画はこの6人が“恋”と“青春”を謳歌するのか、と思わせながら展開しますが、全くその方向には行きません。
これがふくだ監督のあざといところだと思います。
大阪の町を舞台にしていますが、このような高校生の実態は地方都市にもあり得るのだと思わせるのです。
まず大きなショッピングモールの存在も見逃せません。
間も無く閉鎖を迎えるのですが、高校生6人は暇ができるとそのショッピングモールへ出かけるのです。
ショッピングモール自体が彼らの唯一の遊び場所であり、町の人々の生活の柱となっているのです。映画の中で純のドキッとするセリフがありました。
「このショッピングセンターで遊んで、買い物して、バイトして、就職して過ごしていく」それに対して伊尾が「俺は絶対にこんな町、出ていく」と言うのです。
実はわたしも高校生の時、生まれた町を出ていくことが目的でしたから、このやり取りを聞いて胸が軋みました。
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それと6人の物語にあるひとつの事件が覆い被さってきます。高校生の父親殺しです。
このプロットが必要であるか否か賛否が別れるかと思います。
1991年生まれのふくだ監督がもの心がついた時、見聞きしたニュースや体験への記憶の源泉にたどり着くのだろうと想像されます。
おそらくではありますが、ふくだ監督世代は少年少女による猟奇的な犯罪が多発し、メディアの大騒ぎによって記憶に深く刻まれているのではないでしょうか(しかしながらこう言った少年少女の犯罪は全体のパーセンテージから分析するとそんなに変わっていません)
映画『君が世界のはじまり』の結末・評価
本映画『君が世界のはじまり』の中に入れた理由の回答は「人間なんてわからんもんや」と言うやり取りになるのかなって思います。
ここはもう少し深刻な展開にするべきだったと思います。
やはりいかなる理由でもあれ、他者によって命が失われたことに対して「大事にしなきゃいけない」と言う明確なメッセージが欲しかったです。
しかも殺人者が同じ学校の生徒であるのですから。ここだけが勿体無いと感じました。
主役を演じた舞台の快感は忘れられなかった
わたしのお気に入りはやはり、夜中のショッピングモールをジャックする場面です。「わたしもやりたい」と胸を熱くしました。
誰もいないショッピングモールであんな風に遊べたら最高じゃあないですか!もうめっちゃくちゃに暴れたいですよ。
映画ならでは演出です。最高でした。そしてあれだけの大騒ぎをしておきながら、警備員は何もお咎めしません。
それがまた良いのです。昔、こういう大人がいました。
ここでもし警察に突き出すような展開へ持って行ったのならふくだ監督にゲンナリしていたと思います。
さてさて、本映画『君が世界のはじまり』のエンディングも良かったと思います。
6人それぞれがなんとなくですが、前へ進んで行きます。未来へ向かっての人間成長物語が期待できるのです。
タイトルの『君が世界のはじまり』はもちろん友だちに対してもありますが、わたし的の“君”はショッピングモールのような気がしました。
小さな町のショッピングモールは人生の始まりだったのです。うまく比喩で現れていました。
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映画『君が世界のはじまり』のキャストについて
縁(ゆかり/えん)松本穂香
琴子(中田青渚)
純(片山友希)
伊尾(金子大地)
岡田(甲斐翔真)
業平(ナリヒラ)小室ぺい
まとめ 映画『君が世界のはじまり』一言で言うと!
「2度と訪れない日々を思いっきり遊べ!」
わたしが高校生時代は実に大人しい生徒だったと思います。田舎だったので遊びに行くところもありませんでした。お休みの日はただ家にいただけです。長い夏休みに日帰りでちょっとだけ大きな町へ行ったくらいです。今思うと「もっと遊んでおけば良かった」となります。ですから若者は遊ぶに限ります。
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映画『君が世界のはじまり』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ふくだももこ
原作
ふくだももこ
脚本
向井康介
撮影
渡邊雅紀
照明
林大智
録音
西正義
整音
原川慎平
美術監修
小坂健太郎
衣装
宮本茉莉
ヘアメイク
有路涼子
編集
宮島竜治
音楽
池永正二
助監督
伊藤希紗
スチール
木村和平
縁(ゆかり/えん)松本穂香
琴子(中田青渚)
純(片山友希)
伊尾(金子大地)
岡田(甲斐翔真)
業平(ナリヒラ)小室ぺい
桑田(板橋駿谷)
縁の父(山中崇)
縁の母(正木佐和)
業平の父(森下能幸)
ミナミ(億なつき)
楓(江口のりこ)
忠司(古舘寛治)
2020年製作/115分/PG12/日本
配給:バンダイナムコアーツ