映画『ゴッドファーザーPARTII』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ゴッドファーザーPARTII』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『ゴッドファーザーPARTII』
(202分/アメリカ/1974)
原題『The Godfather Part II』
【監督】
フランシス・フォード・コッポラ
【脚本】
フランシス・フォード・コッポラ マリオ・プーゾ
【製作】
フランシス・フォード・コッポラ
【出演】
アル・パチーノ
ロバート・デュバル
ダイアン・キートン
ロバート・デ・ニーロ
ジョン・カザール
タリア・シャイア
【HPサイト】
映画『ゴッドファーザーPARTII』IMDbサイト
【予告映像】
映画『ゴッドファーザーPARTII』トレーラー
- 映画『ゴッドファーザーPARTII』NHK BSプレミアム放送 2月20日(土)午後10時30分〜1時53分
- 映画『ゴッドファーザーPARTII』のオススメ度は?
- 映画『ゴッドファーザーPARTII』の作品情報・概要
映画『ゴッドファーザーPARTII』NHK BSプレミアム放送 2月20日(土)午後10時30分〜1時53分
2月20日(土)午後10時30分〜1時53分
映画『ゴッドファーザー』シリーズは三部作となっています。三部作の中で最も傑作と言われているのが本映画『ゴッドファーザーPARTII』です。マフィアのドンとなった二人の人物ヴィトーとマイケルの人間として対比が見事に描かれています。共に「家族愛」を貫きますが、まるで光と陰なのです。
舞台をキューバ革命というアメリカにとって忌まわしき出来事に置いているのも見逃せません。
ニノ・ロータの音楽が心地良かったり、悲しかったり、恐ろしかったりと最高です。
映画『ゴッドファーザーPARTII』のオススメ度は?
星5つです
文句ありません
アメリカ映画史上最高傑作です
人間成長物語
「家族愛」貫く二人の違いは何か?
何度観ても勉強になる映画です
映画『ゴッドファーザーPARTII』の作品情報・概要
『ゴッドファーザー PART II』原題『The Godfather Part II 』1974年に公開されたアメリカ映画。監督はフランシス・フォード・コッポラ。脚本はコッポラとマリオ・プーゾの合作。『ゴッドファーザー』の続編。9歳でアメリカへ逃れ、マフィアのドンになったヴィトー・コルレオーネの成長と光、そしてファミリーの2代目ドンであるマイケル・コルレオーネの同じく成長と影の双方を対比しながら描いている。キューバ革命を舞台にしたことも秀逸。ヴィトーは家族・友人から好かれている温情な人物として描いているが、マイケルは家族のために犯罪を犯す冷酷非道な人間として描いている。
映画『ゴッドファーザー』『ゴッドファーザーPARTIII』も観るべし!
![](https://undazeart.com/wp-content/uploads/2020/04/the-godfathereyecatching-320x180.jpg)
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映画『ゴッドファーザーPARTII』のあらすじ・ネタバレ
9歳のヴィトーはシシリー島で暮らしていた。ある日、父親が地元のマフィアのボスの悪口を言ったため殺される。兄が敵討ちに出るが返り討ちにあって殺害される。残された母はボスに懇願するが、やむなく殺害される。一人残ったヴィトーはアメリカへ逃れる。リトルイタリー妻子を持ってささやかな幸せの中暮らしていたが、仕事を奪われたことで窃盗で身を立てる。やがて地元のボスを殺害して町の顔になる。一方、マイケルは父ヴィトーから受け継いだ組織を合法化するために躍起だった。しかし過去のしがらみを断ち切ることができず混迷していた。仲間の裏切り、妻ケイとの関係も悪化、さらに兄のフレドとの絶縁。時代に孤独を深めていくマイケル。舞台はネバダ州、キューバ、ニューヨークへ移しながらヴィトーとマイケルの光と陰を対比させながら描いていく。
映画『ゴッドファーザーPARTII』の感想・内容
アメリカ人が最も愛する映画作品
この映画『ゴッドファーザーPARTII』はアメリカ映画史上最も愛されている作品と言われています。アメリカ人が愛する映画ナンバーワンです。
もちろんその他にも愛されている作品はありますが、総合的評価としてナンバーワンと言って良いでしょう。
第一作目『ゴッドファーザー』の大ヒットを受けてコッポラはほとんど自由自在に『ゴッドファーザーPARTII』を作ることができました。
『ゴッドファーザー』製作時、パラマウントの上層部からコッポラの力量を問われれることが数度あり、心中穏やかではなかったコッポラ。演出においての介入等など指示に悩まされて相当な嫌な思いをしたそうです。
コッポラの思うがままに製作された映画
上層部の不安を一蹴したのが、マイケルがトイレに行って拳銃を探し出すシーンの出来が素晴らしかったことだそうです。
あの場面の撮影以降、パラマウントの上層部のプロデューサー連中は一切口を出さなくなったそうです。
後にコッポラは「マイケルがトイレに行かなかったらPARTIIもPARTⅢも製作されてなかっただろう」と回想しています。
そういった経緯もあって『ゴッドファーザーPARTII』はとにかくコッポラの思い通りに製作できる環境を整えました。
まず予算面は無制限、スケジュール、キャスティング自由、編集もコッポラの裁量で。さらに興行収入における取り分も大きく貰うという契約です。
パラマウントはすべての条件を受け入れました。そして映画は大ヒットです。
アカデミー賞では6部門、作品賞、監督賞、助演男優賞、脚色賞、美術賞、作曲賞を制覇しました。
前作『ゴッドファーザー』でもアカデミー作品賞を受賞しており、続編もので二作連続のアカデミー賞受賞は未だかつてありません。それほどの名作です。
アメリカの光と影を二人に見ることができる
さてこの映画『ゴッドファーザーPARTII』はわたしたち日本人にはわかりにくい箇所が多々あります。
それはアメリカの移民の歴史、政治経済、そして多民族国家の抱える問題も呈しているからです。
この映画は2人の人物の光と影をうまく表しています。
光となるのは初代ドンであるヴィトー・コルレオーネ、影となるのは2代目ドンのマイケル・コルレオーネです。
2人ともマフィア会のトップに君臨しました。ヴィトー・コルレオーネはイタリアからアメリカに逃れてきました。移民です。
故郷のシシリーで、父も兄もそして母も殺されました。9歳だったヴィトーはたった一人でアメリカへやってきたのです。
入国時に英語がわからず係員が名札に書いてあった出身地のコルレオーネを苗字と間違えてヴィトー・コルレオーネとアメリカで名乗ることになりました。
ヴィトーは真面目にイタリア街で働きました。結婚もし子供(ソニー)も設けています。
しかしある日、ヴィトーが働く雑貨店をクビになります。理由はその地区を支配していたファヌッチというチンピラが自分の甥っ子を押し込んだためです。
家族を持っているヴィトーはクレメンスという友達と窃盗を始めます。羽振りが良くなると噂がファヌッチの耳に入り高額のみかじめ料を要求されます。
さすがのヴィトーは我慢できません。最初の殺しがファヌッチでした。町の嫌われ者のファヌッチを始末した噂はすぐに広がります。
それからヴィトーは表稼業は貿易会社、裏稼業では町のいざこざやトラブルを解決しながら力を強大にしていきます。
ヴィトーがマフィアのドンになっていく心情光景が非常にうまく表されています。
ロバート・デ・ニーロの腰を据えた演技には恐ろしさもありますが、絶対的な安心感を与えてくます。
ここでヴィトーに注目して欲しいのはヴィトーは愛する妻子と友人、そして地域の人たちに愛される存在であることです。
ここにマイケルとの違いが表されています。
マイケルの心の歪みが痛いほど伝わってくる
一方、現在版のマイケルの場合はどうでしょうか。父親ヴィトー・コルレオーネが亡くなってからマイケルがファミリーを束ねていきます。
あの海兵隊帰りの優しい青年の顔はありません。冷酷非情な男になっています。
ほとんど笑いません。マイケルは裏稼業ではなく合法的なファミリービジネスを目指しニューヨークからネバダ州に移します。
そこでホテルとカジノで大儲けしてのし上がっていくのです。裏稼業は消し去ろうとしています。
しかし多くの血を流しているのも事実です。ヴィトーと同じくマイケルは家族・友人を「大事にしよう、大事にしよう」と思っていますが、妻のケイ・アダムス・コルレオーネ(ダイアン・キートン)の心は離れていきます。
マイケルの冷酷が恐ろしくなり付いていけないのです。
ケイはコニー(タリア・シャイア)の夫殺害もマイケルの仕業と気がついています。
兄のフレド・コルレオーネ(ジョン・カザール)も面白くありません。
弟のマイケルに命令ばかりされるし、周囲の連中もバカにしています。マイケルに対して不信感を持っています。
コニーなどはマイケルに罵詈雑言を浴びせています。
映画『ゴッドファーザーPARTII』の考察・評価
二人の光と影の差は一体どこにあるのか
ここにヴィトーとマイケルの人間成長物語の対比が見事に描かれています。
この映画『ゴッドファーザーPARTII』がアメリカ人から世界の人々の心を魅了するのはまさにこの二人の心情光景を1900年代にアメリカの成長と発展の歴史を通して描いているからです。
同時にこの映画が公開された時はベトナム戦争の影響でアメリカは真っ暗闇でした。それもアメリカ人の心の琴線に触れているのです。
ヴィトーは義理人情を重んじての人心掌握力がとても上手かったのです。
しかしマイケルはどちらかというと合理的な考えを優先したばかり人々が離れていくことになります。
ここに二人の光と陰があるのです。
キューバ革命を舞台に入れたのが良かった
そしてこの映画『ゴッドファーザーPARTII』の設定が実に壮大なのです。
これはアメリカに住んでいるアメリカ人にとっては如実に感じる歴史的な物語なのです。
まず1959年に舞台を設定したのはキューバ革命を取り入れるためです。キューバはそれまでは親米バチスタ政権が治めていました。
キューバにある企業や、農作物もすべてアメリカの企業が支配していました。労働条件も最悪です。
この状況に異議を唱えたのがカストロです。そしてチェ・ゲバラです。
彼らはアメリカの傀儡政権のバチスタを倒し、キューバ国民自身の国を作ろうとゲリラ戦を展開していました。そしてキューバ革命が起きてアメリカ企業は一掃されます。
キューバ革命の最中、展開される数々の陰謀劇
コッポラがこのキューバ革命を舞台にしたことは映画史としても、世界史としても燦然と輝く功績でしょう。
キューバはアメリカ人にとって楽園であり、無限のお金を産む国だったのです。
ですからマイケルたちのようなマフィアにとっては最大のビジネスチャンスがあったのです。
しかしキューバ革命によってキューバに投資していた者たちはすべてを失う結果になります。
マイケルはキューバに投資していなかったので助かりました。
ここで注目して欲しいのは混迷を極めるキューバ革命の最中行われる陰謀の数々です。
これがとてもスリリングなのです。まずハイマン・ロス(リー・ストラスバーグ)とのやりとり。
一見、余命いくばくかのおっちゃんに見えますが、これがなかなかの食わせ物です。
なんら迫力のない演技に見えます。でもマイケルにかつての盟友モー・グリーンを殺したことに文句を言い放つ時はゾッとしました。
そして兄のフレドとの決定的な場面。その後、革命の混乱の中で二人は袂を分かちます。この演出が素晴らしいです。
アメリカにとってキューバ革命は歴史的な屈辱
このキューバ革命を舞台にすることでマフィアという存在を浮き彫りにすることができたと当時に、陰謀渦巻く状況を革命という混乱の中で描くことでさらに恐ろしさを浮き立たせています。
アメリカ人にとってはキューバ革命は忘れることのできないのです。
未だにキューバとの関係は良好ではありませんし、できることならキューバを取り戻したいと考えています。
公聴会の場面は映画史に残る最高の演出
そしてもう一つ。ロスの差し金により連邦議会上院で犯罪調査委員会の公聴会が開かれました。
この公聴会という場面を入れたのもコッポラの功績です。わたしたち日本人はあまり知りません。
でもアメリカではこのような公聴会はテレビ中継されており、身近な出来事です(裁判などの中継もあります)実に民主的な公聴会と言えます。
ここでのコッポラの演出に鳥肌が立ちます。フランク・ペンタンジェリ(マイケル・V・ガッツォ)が遠くシシリーにいるはずの兄がマイケルの横に座っている様を見た瞬間に証言を変えるのです。
もうこれは本当に恐ろしい演出です。映画に残る演出ではないでしょうか。
映画『ゴッドファーザーPARTII』の結末
マイケルの横顔で始まり横顔で終わる
さて、映画『ゴッドファーザーPARTII』はマイケルが敵対勢力や自身に危害を加える者を殺害し、さらに権力を手にし、絶対王国を築き上げた雰囲気で終わります。
しかしマイケルは失ったものばかりです。
トップカットはマイケルの横顔から始まります。
そしてエンドカットもマイケルの横顔で終わります。
その顔には不安と恐れと失望、そして困憊の色が見え隠れします。
映画『ゴッドファーザーPARTII』のキャストについて
Michael(アル・パチーノ)
Tom_Hagen(ロバート・デュバル)
Kay(ダイアン・キートン)
Vito_Corleone(ロバート・デ・ニーロ)
Fredo_Corleone(ジョン・カザール)
Connie_Corleone(タリア・シャイア)
Hyman_Roth(リー・ストラスバーグ)
まとめ 映画『ゴッドファーザーPARTII』一言で言うと!
「義理人情はビジネスにつながる」
もう古き良き時代の言葉かもしれません。一宿一飯の恩は忘れないも過去のことかもしれません。日本人は義理人情に厚いと言われていますが、この映画のヴィトーはイタリア人であって、相当な人情のある人物として描かれています。そしてその人情が将来にわたって多大な利益を生むことに繋がるのです。その利益は人の心です。一方、マイケルは、、、。
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映画『ゴッドファーザーPARTII』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
フランシス・フォード・コッポラ
脚本
フランシス・フォード・コッポラ マリオ・プーゾ
原作
マリオ・プーゾ
製作
フランシス・フォード・コッポラ
撮影
ゴードン・ウィリス
音楽
ニーノ・ロータ
編集
ピーター・ツィンナー バリー・マルキン リチャード・マークス
衣装デザイン
セオドア・ヴァン・ランクル
指揮
カーマイン・コッポラ
Michael(アル・パチーノ)
Tom_Hagen(ロバート・デュバル)
Kay(ダイアン・キートン)
Vito_Corleone(ロバート・デ・ニーロ)
Fredo_Corleone(ジョン・カザール)
Connie_Corleone(タリア・シャイア)
Hyman_Roth(リー・ストラスバーグ)
Frankie_Pentangeli(マイケル・ヴィンセント・ガッツォー)
Senetor_Pat_Geary(G・D・スプラドリン)
Al_Neri(リチャード・ブライト)
1974年製作/202分/アメリカ
原題:The Godfather Part II
配給:パラマウント映画=CIC