映画『天国の日々』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『天国の日々』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『天国の日々』
(1978年製作/94分/アメリカ)
原題『Days of Heaven』
【監督】
テレンス・マリック
【脚本】テレンス・マリック【製作】バート・シュナイダー ハロルド・シュナイダー【音楽】エンニオ・モリコーネ【撮影】ネストール・アルメンドロス ハスケル・ウェクスラー【編集】ビリー・ウェバー
【出演】
リチャード・ギア
リンダ・マンズ サム・シェパード ブルック・アダムス スチュアート・マーゴリン
【HPサイト】
映画『天国の日々』IMDbサイト
【予告映像】
映画『天国の日々』トレーラー
映画『天国の日々』NHK BSプレミアム放送 未定
映画『天国の日々』のオススメ度は?
星5つです
マジック・アワー(魔法の時間)のみで撮影
奇才・テレンス・マリック監督
クロエ・ジャオ監督『ノマドランド』に多大な影響
映画『天国の日々』の作品情報・概要
『天国の日々』原題『Days of Heaven』1978年のアメリカ製作の映画。テレンス・マリック監督作品(映画『名もなき生涯』や映画『ソング・トゥ・ソング』)撮影はネストール・アルメンドロスとハスケル・ウェクスラー。音楽はエンニオ・モリコーネ(『荒野の用心棒』や映画『ザ・シークレット・サービス』や映画『ニュー・シネマ・パラダイス』)。マジック・アワー(魔法の時間)のみで撮影し、世界中のフィルムメーカーに多大な影響を与えた。【第93回アカデミー賞総括】『ノマドランド』が作品賞、監督賞、主演女優賞の主要3部門含む3冠を達成したクロエ・ジャオ監督もその一人。リチャード・ギア主演(映画『プリティ・ウーマン』や映画『愛と青春の旅だち』)。リンダ・マンズ、サム・シェパード、ブルック・アダムス、スチュアート・マーゴリン。
映画『天国の日々』のあらすじ・ネタバレ
1916年のシカゴ。血気盛な青年ビル(リチャード・ギア) は製鉄所で働いていました。しかし、工場の上司と揉め事を作り、喧嘩します。そして殺してしまうのです。ビルはすぐさま街から逃亡します。逃避行に同行したのは恋人のアビー(ブルック・アダムス)と妹のリンダ(リンダ・マンズ) でした。三人は汽車で南下して、テキサス州北部までやってきました。お金がありありません。三人はある農場で収穫の手伝いとして雇われます。なんとか日銭を稼ぐようになります。ビルは「殺人犯の身分を隠す」ため、アビーを妹として偽装します。三人は一時的に穏やか暮らします。しかし、農場の所有者のチャック(サム・シェパード) がアビーに恋します。ビルの心中は穏やかでは要られません。ある日、ビルはチャックが重病で余命が少ないという情報を聞きつけて、アビーに「チャックと結婚した方が良い」と提案します。算段はチャックが死ねば、農場が自分のものになるからです。しかし、ビルとアビーの関係を疑う人が現れて、、、、。
映画『天国の日々』の感想・内容
「とにかく美しい映画」です。
オープニングから結末まで柔らかい光を浴びている、いや「浴びていたい」気持ちにさせてくれます。例え結末が残酷でも。
展開する物語を追いかけるのを忘れてしまうくらい気持ちいいのです。タイトル通りまさしく“天国”を感じることができる映画なのです。
映画を撮ったのはテレンス・マリックです。とても変わり者です。マリックは人工的な光を好みません。
映画撮影は光と影で構成される芸術であるから撮影監督は徹底的にスタジオでその照明技術を磨きます。
しかしマリックはそういった手法を得意とする撮影監督より、自然光を存分に生かすネストール・アルメンドロスとタッグを組んで完成させたのが本映画『天国の日々』です。
クロエ・ジャオ監督を活躍を祝福したい「芸術映画」
二人の感性が合致したことで凄味を増し、世界中のフィルムメーカーを驚愕させました。
もちろん、映画はヒットし、不朽の名作として映画史に燦然とした輝きを今も放っている。
本映画『天国の日々』はマジック・アワー(魔法の時間)と言われる時間帯のみで撮影されています。
マジックアワーとは「日没後の約20分間、幻想的な光が放たれる時間帯」の事。
この時間に撮影した理由はマリック自身が敬虔なキリスト教徒に通じていると言われています。
マジック・アワーの時間は最も心地よく、神さまの懐に抱かれているような気分になるということでしょう。
マリックのこだわりはつまり「神さまへの信仰心」を示す製作過程にもなっています。
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映画『天国の日々』の考察・評価
薄明かりで撮影した写真や映画は芸術性が高まる一方、人の心をリラックスさせる効果もあると言われています。
実際、夕暮れの街の中、海辺、山で日没後に降り注ぐ太陽の光はとても心地よいものです。本映画『天国の日々』の撮影は大変だったと思います。
映画の撮影は順番撮りが理想ですが、スケジュールの関係上、オープニングとエンディングを1日で撮ってしまうこともあります。
それと映画の撮影ショットは多角的に行います。演者の正面ショット、左右の切り返しショットなどたくさん撮っていきます。
いまでは複数台のカメラで撮影するマルチ撮影が中心ですが、当時は一台か二台のカメラで撮影していると思われます。
照明をたいてのショットであるなら、露出・明度・色調の調整でなんとかしのげますが、自然光のみ、しかも太陽の光がどんどん薄暮になっていく時間の中で切り返しショットを撮らなければいけないという、凄まじいスケジュールです。
これは演者たちにとっては大きなプレッシャーになったのではないでしょうか。
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もちろんこの映画の美しさは映像の中の若く美しい男女の危険な戯れにあります。
やがて衝突が起きるであろうと予測しながら観る切なさが時間と共に心を覆ってきます。
美しさの中にある悲劇はとても残酷です。しかしその残酷さもマリックに手に掛かると美しいとさえ感じるのです。
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映画『天国の日々』の結末
さて本映画『天国の日々』は後のフィルムメーカーたちに多大な影響を与えた作品です。
そして本年度大きく花開いた映画監督が世界に名を知らしめたことになります。
映画『ノマドランド』で【第93回アカデミー賞総括】「ノマドランド」が作品賞、監督賞、主演女優賞の主要3部門含む最多3冠!を達成したクロエ・ジャオ監督です。
彼女自身「テレンス・マリックに多大な影響を受けた」と公言しています。是非とも、映画『天国の日々』と映画『ノマドランド』を観て欲しいです。
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映画『天国の日々』のキャストについて
リンダ(リンダ・マンズ)
チャック(サム・シェパード)
ビル(リチャード・ギア)
アビー(ブルック・アダムス)
スチュアート・マーゴリン
まとめ 映画『天国の日々』一言で言うと!
「浴びるように観たい映画」
こんなに心地よい映画は滅多にありません。スクリーンから放たれる光がとても心地よいのです。ずっと浴びていたいのです。わたしはキリスト教徒ではありませんが、確かに神さまの懐に抱かれるとはこういうことなのかと感じさせてくれた映画です。
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映画『ほしのこえ』
映画『COLD WAR あの歌、2つの心』
映画『リヴァプール、最後の恋』
映画『天国の日々』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
テレンス・マリック
製作
バート・シュナイダー ハロルド・シュナイダー
リンダ(リンダ・マンズ)
チャック(サム・シェパード)
ビル(リチャード・ギア)
アビー(ブルック・アダムス)
スチュアート・マーゴリン
1978年製作/94分/アメリカ
原題:Days of Heaven
配給:日本スカイウェイ、アダンソニア