映画『ワイルド・ローズ』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『ワイルド・ローズ』
(102分/PG12/イギリス/2018)
原題『Wild Rose』
【監督】
トム・ハーパー
【脚本】
ニコール・テイラー
【製作】
フェイ・ウォード
【出演】
ジェシー・バックリー
ジュリー・ウォルターズ
ソフィー・オコネドー
ジェイミー・シーベス
クレイグ・パーキンソン
ジェームズ・ハークネス
【HPサイト】
映画『ワイルド・ローズ』公式サイト
【予告映像】
映画『ワイルド・ローズ』トレーラー
映画『ワイルド・ローズ』のオススメ度は?
星2つ半です
シングルマザーの挑戦
カントリー歌手になりたい
足を引っ張る人は誰?
「夢破れて、、、」
音楽映画は難しい
映画『ワイルド・ローズ』の作品情報・概要
『ワイルド・ローズ』原題『Wild Rose』2018年に公開されたイギリスの音楽ドラマ映画。監督は『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』のトム・ハーパー。主演はジェシー・バックリー。スコットランド・グラスゴー出身のシングルマザーがカントリー歌手を目指し奮闘する物語。カントリーの本場アメリカのナッシュビルへ行き自身を見つけて帰国。
映画『ワイルド・ローズ』のあらすじ・ネタバレ
麻薬密売の罪で一年間服役したローズ=リン・ハーラン(ジェシー・バックリー) は釈放されてすぐに男を訪ね体を重ねる。ローズはスコットランド・グラスゴー出身で自称歌手。ローズには幼い二人の子どもがいるが、面倒は母親のマリオン(ジュリー・ウォルターズ) に任せっきり。歌手の仕事はないから家政婦をやることになる。その家のスザンナ(ソフィー・オコネドー) がローズの歌声を聴いて応援することに、、、
映画『ワイルド・ローズ』の感想・内容
音楽映画は感動&ヒットが比例するのか?
音楽映画はやっぱり難しいです。「何が?」というと感動&ヒット作に導くことが難しいと思います。
今年も何本か音楽映画を観ました。映画『ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル!』はとても良かったです。北欧の人たちのヘビメタ愛も伝わりましたし、「思いっきりバカになれる」何かを持つ大切さを学びました。ですが、大ヒットに至っていません。
映画『ティーンスピリット』はエル・ファニングのプロモーション的な映画でした。確かに可愛いのですが、内容がいまひとつ。ポーランド移民の苦悩が描き切れていませんでした。感動しませんでした。ヒットしていません。
そして映画『ポップスター』は最悪でした。映画としての成り立っていませんでした。ナタリー・ポートマンに心寄せることができませんでした。ちょっと横暴な歌姫すぎました。感動皆無で大コケでした。
そんな愚作が相次ぐ中でもやっぱりレネー・ゼルウィガー主演の映画『ジュディ 虹の彼方に』は格が違いました。もう絶賛でした。涙がとめどなく流れました。大感動でアメリカでは大ヒットしましたが、日本ではコロナの影響でいまひとつでした。
『アナ雪』も音楽映画として高評価ですね!
音楽映画の多くは“薬物絡み”が多いのはちょっと問題ありだが、、、
おそらく今年の下半期も音楽青春映画が公開されると思いますが、わたし的に音楽映画は「伝記物」に限ると思います。
つまり実在したアーチストの苦悩、挫折、挑戦、復活、成功という常道の物語が人々の心をワシ掴みにするのです。
一見華やかな音楽業界ですが、様々な障害があることはわかっています。
それを乗り越えていく様を音楽と一緒に描くと第六感すべてが刺激されて、途轍もない感動に包まれるのです。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』のフレディー・マーキュリーも、映画『ロケットマン』のエルトン・ジョンにも心寄せられました。
ただ音楽映画の多くは酒、ドラッグ、マリファナを過剰に摂取する描写があります。日本に住んでいるとそれらは非日常的で理解に困るのですが、欧米のアーチストたちが薬物を近い距離にいる悲劇に愕然とさせられます。
ですから、音楽映画を観ていると「あ、堕落するんだ」という期待を持ってしまう自分もいるのです。
しかも「薬物に身を落とすなんて」とちょっと軽蔑することで自分の方が「良い人間だ」と思えてくるのです。
そういった自己確認のためにも「伝記物」の音楽映画は観たくなります。
RADWIMPSの主題歌が物語を引っ張りました!
シングルマザーの成功物語ではあるが、、、
さて、本映画『ワイルド・ローズ』はシングルマザーのローズ=リン・ハーラン(ジェシー・バックリー) がカントリー歌手を目指す物語です。
カントリーの本場アメリカのナッシュビルでデビューを夢見ています。当然ながら苦悩し、葛藤し、挫折します。
そしてそこから立ち上がり歌手になるというお決まりの展開になります。ただ先にも書いた通り実在のアーチストであったのならもっと感動したでしょう。
ジェシー・バックリーの歌唱力は確かにありました。
クリント・イーストウッドの息子は作曲家でも有名
冒頭の「クズ女」演出に期待したが、、、
物語はスコットランドのグラスゴーを舞台にローズのドタバタを描いています。ローズは麻薬密売の罪で刑務所にいます。
刑期を終えて出所しますが、すぐに男と体を重ねます。一年ぶりだから仕方ないかと思いますが、彼女には二人の幼い子供がいるのです。
普通であったらまずは子どもに会いにいくと思うのです。この冒頭の演出はいかにローズが「クズであるか」を表すには良いと思います。
その後もローズの傍若無人ぶりが紹介されていきます。出所したばかりなのにライブハウスで暴れたり等。
足音を忍ばせるような効果音が恐ろしい
作曲できない苦悩も描いている
出所ホヤホヤなので仕事もありません。ローズのいう仕事はライブハウスで歌う「歌手」の事です。
仕方なく家政婦をします。お金持ちのスザンナ(ソフィー・オコネドー) の屋敷です。スザンナはとても慎ましくローズを見守ります。
そしてローズの歌声に魅了されてBBCのプロデューサーにローズの歌声を送ります。それが功を奏しローズはロンドンで面会のチャンスを掴みます。
鉄道に乗ってロンドンへ向かう時はもうお登りさんになっていて、バックや財布を全部盗まれるといったハプニングもありましたが、結果的にあ自作曲を作ってこいと言われ失意のもと帰郷します。
ベトナムの民族楽器を想像して観て欲しい映画です
映画『ワイルド・ローズ』の結末・評価
同じ穴のムジナが足を引っ張る悲しき人間
映画は所々に擦った揉んだがありながら展開していきます。こういう映画は必ず誰かが悪人、つまり足を引っ張る邪魔者が登場します。
それがスザンナの夫です。彼は今やビジネスで成功していますが、元々はローズと同じ貧しい地区の出身です。
彼はローズが家族に近寄ることを許しません。この場面は“類は友を呼ぶ”ではありませんが、結局は彼自身は今は貧困から脱出したけれど、心は貧しいという描写を表しています。
甘酸っぱい青春時代のメロディーが聴こえてきます
カントリーの本場ナッシュビルで「負けた」のか、、、
結局ローズは挫折します。落ち込みます。母親のマリオン(ジュリー・ウォルターズ) が助け舟を出します。
ナッシュビル行きの費用を出すのです。そしてローズはナッシュビルへ行きますが、何かが違うと感じるのです。
あまりにもナッシュビルが商業的すぎて「ここでは戦えない」「勝ち目はない」と思ったのでしょうか。それとも自身の存在場所がわかったのでしょうか。
彼女はナッシュビルでの売り込みをやめてスコットランドに帰国します。そして一年後、拍手喝采のステージに立っています。
アイドル山口百恵の歌はどこか寂しい
ナッシュビルから帰国後の一年間を描いて欲しい
まあ、映画の物語としては最後はハッピーエンドにしなければいけないとわかっていますが、終盤のいきなり「一年後って何?」です。
今までの引っ張りはなんだったのか、です。一番重要なのは「この一年で何があったのか」です。
ナッシュビルで圧倒されて帰国して、もう一度自分をどのように見つめ、戦い、歌への情熱を保ち続けたのかを知りたいのでrす。
ここが勿体ないのです。逆に言えばナッシュビルから帰国してからの一年間だけを描けば良いのです。その前は要りません。
俳優にとって音楽映画は「おいしい」のだろう
音楽映画は俳優にとって「おいしい」役なのかもしれません。
演技だけではなく“歌唱力”を誇示できるからです。パフォーマスとしてはデメリットはないのかもしれません。
ナタリー・ポートマンもめちゃくちゃな人間を演じていましたが、最後の歌唱力で帳消しになった感があります。
本映画『ワイルド・ローズ』の主人公演じたジェシー・バックリーもたぶんにもれず最後の熱唱だけが先行されていますから、彼女にとってはメリットがあったのでしょう。ただ映画の物語としてはいまひとつでした。
男同士が奏でる愛のハーモニーは超切ない、、、
映画『ワイルド・ローズ』のキャストについて
ローズ=リン・ハーラン(ジェシー・バックリー)
マリオン(ジュリー・ウォルターズ)
スザンナ(ソフィー・オコネドー)
まとめ 映画『ワイルド・ローズ』一言で言うと!
「夢を掴むためなら悪魔にもなる」
どこかで聞いたことのある言葉です。自身の夢や目的を達成するためなら魂を売り果たしても構わないという意味でしょう。理解できるようでできない部分もあります。本映画『ワイルド・ローズ』のローズは最初こそ傍若無尽なあ振る舞いでした。子どもの存在が邪魔なようにも見えました。でも流石に子どもを捨てることはしなかったのでホッとしました。最後は夢も子どもも大事にしたエンディングは良かった思います。
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映画『ワイルド・ローズ』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
トム・ハーパー
製作
フェイ・ウォード
製作総指揮
ナターシャ・ワートン レスリー・フィンレイ アリソン・オーウェン ザビエル・マーチャンド ポリー・ストークス
脚本
ニコール・テイラー
撮影
ジョージ・スティール
美術
ルーシー・スピンク
衣装
アナ・メアリー・スコット・ロビンズ
編集
マーク・エカーズリー
音楽
ジャック・アーノルド
ローズ=リン・ハーラン(ジェシー・バックリー)
マリオン(ジュリー・ウォルターズ)
スザンナ(ソフィー・オコネドー)
ジェイミー・シーベス
クレイグ・パーキンソン
ジェームズ・ハークネス
ジャネイ・ゴドリー
デイジー・リトルフィールド
アダム・ミッチェル
ライアン・カー
2018年製作/102分/PG12/イギリス
原題:Wild Rose
配給:ショウゲート