映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
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『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』
(130分/アメリカ/1986)
原題『Heartbreak Ridge』
【監督】
クリント・イーストウッド
【脚本】
ジェームズ・カラバトソス
【製作】
クリント・イーストウッド
【出演】
クリント・イーストウッド
マーシャ・メイソン
エベレット・マッギル
モーゼス・ガン
アイリーン・ヘッカート
ボー・スベンソン
ボイド・ゲインズ
マリオ・バン・ピーブルズ
アーレン・ディーン・スナイダー
【HPサイト】
映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』IMDbサイト
【予告映像】
映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』トレーラー
- 映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』NHK BSプレミアム放送 6月16日(火)午後1時00分~3時11分
- 映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』のオススメ度は?
- 映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』の作品情報・概要
- 映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』のあらすじ・ネタバレ
- 映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』の感想・内容
映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』NHK BSプレミアム放送 6月16日(火)午後1時00分~3時11分
6月16日(火)午後1時00分~3時11分
クリント・イーストウッドの腕っ節が良い。
「ポンコツ」集団を徹底的に鍛え上げます。
若い上官に逆らえない辛さがあります。
妻への想いは本物でしょうか。
1986年製作です。レーガン政権下です。
米ソ冷戦も終結に向かっている時の映画です。
微妙な雰囲気です。
映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』のオススメ度は?
星3つです
戦争映画ではなく、、、
青春映画でもなく、、、
コメディー映画かも、、、
「米ソ冷戦」終結時目前の映画です
映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』の作品情報・概要
『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』原題『Heartbreak Ridge』1986年公開のアメリカ映画。クリント・イーストウッド監督・主演。戦争帰りの兵士が鬼教官となって若者を?兵士として教育していく。その過程で若いエリート上官との諍いや、元妻への愛を絡めて進行していく。当初「ポンコツ」だった若者と一緒にグレナダへ行って戦うことで若者の成長を描いている。
映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』のあらすじ・ネタバレ
朝鮮戦争、ベトナム戦争で大活躍したトム(トーマス)・ハイウェイ一等軍曹(クリント・イーストウッド) はトラブルばかり起こしている。酒に酔って暴れ刑務所に留置されているが、そこでも乱闘騒ぎを起こす。しかし戦争での名誉勲章のおかげで100ドルの罰金で放免される。戦地へ希望するがよりによって教官の任務を命じられる。しかも実戦経験が「ポンコツ」集団だった。
映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』の感想・内容
戦争映画と言えばそうなります。ただそれほど激しい戦闘光景はありません。またシリアスな米ソ問題も絡めていません。どちらかというとコメディータッチ色が強い作品です。この映画が製作されたのは1986年です。レーガン政権時の映画です。時のレーガンはソビエトのゴルバチョフと4度にわたる会談を行っており、「もはや冷戦は終わりだ」と言われていました。本映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』のソビエト色はAK-47の銃くらいしか見当たりません。その辺りはクリント・イーストウッドも十分配慮して製作したのでしょう。
サム・メンデス監督が描く第一次世界大戦
正直言って本映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』は先の『愛と青春の旅だち』(1982)のヒットを受けて作られた感が否めません。もちろん『愛と青春の旅だち』は若者が海軍士官養成学校で厳しい訓練うけ、パイロットに成長していく過程を友情、恋愛、挫折、挑戦を交えて描いた感動作です。そして映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』はすでに軍隊に属している若者たちが主人公になっています。しかも若者たちが本当に“ポンコツ”なのです。体力もないし、口答えはするし、実戦経験がないのに口だけは一人前なのです。
ピーター・ジャクソンが描く第一次世界大戦
そこへ実戦経験豊富なハイウエイ(クリント・イーストウッド)が鬼教官となってやってくるのです。『愛と青春の旅だち』は若者目線からでしたが、本作は鬼教官であるハイウエイ目線で描かれています。そしてハイウエイのことを気に食わない人物の存在を強調しています。パワーズ少佐(エベレット・マッギル) です。学歴が高く若いエリートです。ハイウエイの上官になります。でも実戦経験がありません。ハイウエイを目の敵にしています。この二人の構図は後半まで引っ張りますが、それほど強いプロットではない気がしました。大事なのはポンコツが成長するところです。乱暴な言い方ですが『愛と青春の旅だち』も『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』も「最初はポンコツだった」でも「努力することで成長」することができるのだ、とのメッセージは共通しています。余談ですが「努力した結果得るものは何?」と聞かれたら兵士たちはなんと答えるのでしょうか。
戦車の視点から描く迫力と恐怖が感じられる映画
また映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』にはクリント・イーストウッド演じるハイウエイの兵士としての“性”と一途な“愛”も描くことで物語に厚みを持たせています。まず兵士ハイウエイは朝鮮戦争、ベトナム戦争で大活躍した戦歴があります。名誉勲章をもらってます。しかしながら学位がないため昇進は止まってます。そして彼は絶えず「戦いを求める男」なのです。戦地でしか自身の生きている証しを感じることができないのです。
戦地が彼女を駆り立てた理由とは?
以前テレビのドキュメンタリーで見ましたが、一度戦場へ行って生きて帰ってきた兵士は再び戦場が恋しくなると、、、。それは戦場において人間は究極の精神状態になるそうです。その時、アドレナリンが全身を駆け巡るそうです。長時間「生きるか死ぬか」状態に置かれて、生還した時の達成感たるや凄まじい快感を与えてくれるそうです。その快感が忘れられなくて再び戦場を目指すそうです。このハイウエイもそのタイプなのではないでしょうか。敢えてクリント・イーストウッドはそういう悲惨なキャラクター設定にしたのかもしれません。
笑って観ることができる戦争映画
そして後者の“愛”ですが、ハイウエイはかつて結婚していたマギー(マーシャ・メイソン)にずっと思いを寄せているのです。一途の愛と言いたいですが、冒頭でハイウエイが刑務所で他の囚人に「女はゴマンと買った」とか「最高なのはベトナムのダナンの女だ」などと嘯いていますから、あまり説得力がありません。つまりハイウエイは戦地では散々女遊びはするが、真実の愛を捧げるのはアメリカ女性であるマギーだけという男です。この映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』が1986年製作なのでこういった男の設定は違和感がなかったのかもしれません。今では難しいかもしれません。
男たちは戦場へ行ってしまった
映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』の結末・評価
さて、映画のトップカットに注目してみましょう。白黒映像が3分ほど続きます。朝鮮戦争の実際の映像かと思われます。始まりは結構重たいです。ピーター・ジャクソン監督の映画『彼らは生きていた』を彷彿させました。でも最初だけです。あとはコメディータッチに進んでいきます。映画を観終わって「あれは何だったのか?」と感じる人もいるでしょう。物語との関連性はほとんどありませんから。
死して“信念”を守り通した気高い男
さてさて、映画は予定調和で進んでいきます。ペンコツだった若者が立派な兵士になります。グレナダ侵攻に駆り出されます。わずかな経験しかないのに大活躍です。敵対するのはキューバ軍を中心として共産主義者です。ここでもソビエト兵は出てきません。クリント・イーストウッドが政権に気を使っているのがわかります。そして人質となっていたアメリカ人を救出して帰国します。国中をあげて拍手喝采の大歓迎です。
幼い二人に涙が止まりません
かつてハイウエイが帰還した時はこのように祝福されなかった描写も挿入されています。戦地から帰還した兵士を冷遇したベトナム戦争とは違うことを表しているのでしょう。そして孤独だったハイウエイを待っているのはかつての妻マギーです。二人は抱き合って再出発を誓うところで映画は終わります。それなりに楽しめる映画だと思います。
*映画のタイトル『ハートブレイク・リッジ』は、心の張り裂けそうな(激戦の戦場と成った)隆起した場所を指している。
戦火の中でも変わらなかった愛の物語
映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』のキャストについて
トム(トーマス)・ハイウェイ一等軍曹(クリント・イーストウッド)
百戦錬磨の兵士。戦場で生きる男です。酒浸りで喧嘩好き。体力もある。鬼教官として指導に当たる。離婚した妻のことが忘れられない。クリント・イーストウッドはタフガイなソルジャー、そして酒浸りのダメっぷりを見事に演じていたと思います。立ち姿は決まっていました。
アギー(アグネス)(マーシャ・メイソン)
ハイウエイの元妻。バーで働いている。気が強い。バーの経営者に求婚されている。本音っはハイウエイが好き。マーシャ・メイソンは気の強い女性をしっかりと演じていたと思います。
まとめ 映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』一言で言うと!
「黙って俺について来い!」
この映画のクリント・イーストウッドはまさにこの言葉が似合います。「俺様が法律だ」とでも言わんばかりです。鬼教官として若者の指導に当たりますが、暴力は働きません。それは良かったです。妻に対しては本当に「お前がいないと生きていけない」モードを出していました。
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映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
クリント・イーストウッド
脚本
ジェームズ・カラバトソス
製作総指揮
フリッツ・マーネイズ
製作
クリント・イーストウッド
撮影
ジャック・N・グリーン
美術
エドワード・C・カーファグノ
音楽
レニー・ニーハウス
編集
ジョエル・コックス
字幕
岡枝慎二
トム(トーマス)・ハイウェイ一等軍曹(クリント・イーストウッド)
アギー(アグネス)(マーシャ・メイソン)
パワーズ少佐(エベレット・マッギル)
ウェブスター軍曹(モーゼス・ガン)
リトル・マリー(アイリーン・ヘッカート)
ロイ・ジェニングス(ボー・スベンソン)
リング中尉(ボイド・ゲインズ)
スティッチ・ジョーンズ伍長(マリオ・バン・ピーブルズ)
チューズー曹長(アーレン・ディーン・スナイダー)
フラゲッティ(ビンセント・アイリザリー)
アポンテ兵卒(ラモン・フランコ)
プロファイル(トム・ビラード)
1986年製作/アメリカ
原題:Heartbreak Ridge
配給:ワーナー・ブラザース映画