映画『アラン・ドロンのゾロ』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『アラン・ドロンのゾロ』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『アラン・ドロンのゾロ』
(120/イタリア/1975)
原題『Zorro』
【監督】
ドゥッチオ・テッサリ
【脚本】
ジョルジオ・アルロリオ
【原作】
ジョンストン・マッカレー
【製作】
ルチアーノ・マルチーノ
【撮影】
ジュリオ・アルボニコ
【音楽】
グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス
【字幕監修】
山崎剛太郎
【出演】
アラン・ドロン
オッタビア・ピッコロ スタンリー・ベイカー エンツォ・セルシコ
ムスタシュ アドリアーナ・アスティ ジャコモ・ロッシ=スチュアート
【HPサイト】
映画『アラン・ドロンのゾロ』IMDbサイト
【予告映像】
映画『アラン・ドロンのゾロ』トレーラー
映画『アラン・ドロンのゾロ』NHK BSプレミアム放送 11月19日(木)午後2時46分〜4時46分
11月19日(木)午後2時46分〜4時46分
映画『アラン・ドロンのゾロ』のオススメ度は?
星2つです
コメディーです
楽しめます
リラックスできます
真昼に観る最適な映画です
やっぱりアラン・ドロンは「美しい」です
映画『アラン・ドロンのゾロ』の作品情報・概要
『アラン・ドロンのゾロ』原題『Zorro』1975年のイタリア・フランス製作の映画。ドゥッチョ・テッサリ監督作品。主演はアラン・ドロン。共演はオッタヴィア・ピッコロ。ジョンストン・マッカレーの小説『怪傑ゾロ』が原作。アラン・ドロンにしては珍しいコメディー映画。ナタリー・ドロンとの間にできた息子・アントワーヌを喜ばせるために出演したと言われている。
アラン・ドロン演じる「サムライ」は緊張感が半端ない
映画『アラン・ドロンのゾロ』のあらすじ・ネタバレ
剣術の達人のディエゴ(アラン・ドロン) は故郷スペインへ帰る途中、南米のカルタヘナに立ち寄り、旧友のミゲル(マリノ・マッセ)と再会する。ミゲルはニュー・アラゴンの新総督に任じられ、妻子を伴って任地に赴く途中だった。しかしミゲルは何者かに暗殺されています。ミゲルから「わたしに成り代わって行ってくれ!でも絶対に人を殺すな」と遺言を受けます。ディエゴはミゲルの代わりに提督として赴任します。しかしその地は、ウエルタ大佐(S・ベイカー)が軍隊を率いて支配していました。ディエゴはあくまでも弱腰な提督を演じて、ウエルタ大佐を倒すチャンスを伺います。そして一計を案じ、黒マスクで顔を隠して、ウエルタ大佐の圧政に苦しむ民衆のために戦う。
映画『アラン・ドロンのゾロ』の感想・内容
「ほっこりする映画」だと思います。アラン・ドロンのイメージはハンサム、女たらし、さらには殺し屋と思い浮かべるかもしれません。
でもアラン・ドロンはコミカルな演技もできることを本映画『アラン・ドロンのゾロ』で教えてくれます。
アラン・ドロンは1935年生まれですから、本映画『アラン・ドロンのゾロ』製作時は40歳になります。結構なアクションシーンがあります。
もちろんスタンドダブルも多少使っていると思いますが、よく観察するとほぼアラン・ドロンが演じているように見受けられます。
銃を持たせては天下一品と言われていますが、本映画『アラン・ドロンのゾロ』では見事な剣術サバキを見せてくれます。
レオナルド・ディカプリオが一番美しい時代
アラン・ドロンの魅力は何と言っても“顔”です。フランスではこれほど美しい俳優はいないと未だに言われています。
アラン・ドロンほど俳優として「危険な男」と言われる人物はいません。彼の出自と育ちがとても複雑かつ、ミステリーです。
青年時代はギャングまがいのことをしていたそうで、ギャングへの憧れが強いことも後々、語れます。さらにインドシナ戦争へ出兵していることも忘れてはいけません。実際の戦地へ行って戦っているのです。
戦地で何をしていたのかについてはアラン・ドロンはほとんど語っていません。
でも彼の映画の中での銃の扱い方を見て「撃った経験がある」と多くのフィルムメーカーが背筋をゾッとさせるほどの恐ろしさがあったそうです。
さて本映画『アラン・ドロンのゾロ』は正直言って彼の出演作の中では数少ないコメディ映画の部類に入ります。
アラン・ドロンの出演作品は本当に骨太なフィルムノワール的なものばかりです。
なぜ本映画『アラン・ドロンのゾロ』に出演したかは、ナタリー・ドロンとの間にできた息子・アントワーヌ(後にアントニー・ドロンの名でデビュー)を喜ばせるためだったと言われています。
1964年生まれのアントワーヌは本映画『アラン・ドロンのゾロ』製作時は10歳です。ただアラン・ドロンとナタリーはすでに別居あるいは離婚状態で、淋しい思いをさせた償いの気持ちからの出演だったのでしょう。
ジョーカーの変身は「社会」への憎悪か「母親」への愛の希求か?
さて本映画『アラン・ドロンのゾロ』には『サムライ』のようなヒリヒリ感はまったくありません。終始、リラックスして観ることができます。
ソファーに座ってビールとお菓子を食べながら、あるいは畳で寝転び腕枕をしながら観るには最適かもしれません。「勧善懲悪」映画の代表です。
最後には必ず「アラン・ドロンが勝つ」と決まっています。決まっていても面白いので、録画して何度も観てしまうのやはりアラン・ドロンの魅力があるからでしょう。
物語を簡単に紹介すると、剣の達人であるディエゴ(アラン・ドロン)は故郷スペインへ帰る途中、南米のカルタヘナで旧友のミゲル(マリノ・マッセ)と再会する。
ミゲルはニュー・アラゴンの新総督に任じられ、妻子を伴って任地に赴く途中だった。しかしミゲルは何者かに暗殺されています。
ミゲルから「わたしに成り代わって言ってくれ、でも絶対に人を殺すな」と約束します。ディエゴはミゲルの代わりに提督として赴任します。しかしその地は、ウエルタ大佐(S・ベイカー)が軍隊を率いて支配していました。
ディエゴはあくまでも弱腰な提督を演じて、ウエルタ大佐を倒すチャンスを伺います。そして一計を案じ、黒マスクで顔を隠して、ウエルタ大佐の圧政に苦しむ民衆のために戦うのです。
最後に「Z(ゼット)」の文字を剣で描いて去っていきます。最終的には民衆に自由と平和が訪れます。
仮面と言ったら「ダースベイダー」でしょう
本当にこれだけの物語です。少しだけ恋の予感があります。オルテンシア(O・ピッコロ)という貴族の娘とです。二人が結ばれる場面はありません。
アラン・ドロンには危険は色恋が似合いますが、このようなコメディーからの発する恋物語にはあまり興味がなかったのではないでしょうか。
死地を歩くような、あるいは背中にカミソリを当てられているような映画の中での恋愛ほど、「ドキドキさせる」ものはありません。
死と愛は表裏一体ですから、観ていると引き込まれます。でもコメディー映画の中でアラン・ドロンが恋をするのは何だかイメージダウンな気がします。
ですから脚本には最初からラブシーンはなかったのではないでしょうか。あったとしてもアラン・ドロンが却下した可能性があります(もちろんわたしの個人的な推測です)
映画『アラン・ドロンのゾロ』の結末・評価
本映画『アラン・ドロンのゾロ』の見所は何と言っても、剣術アクションです。結構な尺を使っています。
市場のようなところのアクションはまるでドリフターズのコントを見ているように綺麗に繋がっていきます。
屋台を飛び跳ねて、梯子を駆け上がり、さらに馬に飛び降りたりしながら、悪人を退治して行くシーンはとても痛快です。
ドリフターズもイメージしますが、あまりにも連続するので、「ピタゴラスイッチかい!」とツッコミを入れてしまいました。本当に見所はこれだけなんですよ。
あとは音楽が良いですね。製作がイタリアなので、ニーノ・ロータなのかと期待してしまいますが、グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリスです。ちょっと「かったるい感じ」が良いと思います。
最後に仮面の男が出てきます
仮面をかぶる映画って世界中にあります。『バットマン』『ウルトラマン』『キャッツアイ』『仮面の男』などあげたらキリががありません。
なぜか、人は仮面に憧れてしまうところがあります。わたしもあります。
それは「変身願望」から来るのでしょう。違う自分になってみたいのです。日本発祥もコスプレ文化も変身願望の表れでしょう。
素顔を隠すことで、得られる新しい世界の快感はとても大きいです。ヨーロッパ貴族たちが“仮面舞踏会”を頻繁に開いて楽しんだ理由もわかります。
見知らぬ誰かと一時の恋愛に陥って、情事を楽しむのですが、仮面を被っているのは別人であり、決して不貞ではないと言い訳もできるのです。
心は愛する妻、夫にあるという大義も立ちます。
本映画『アラン・ドロンのゾロ』はアラン・ドロンにとって珍しいコメディー映画ですが、アラン・ドロンもコメディーを演ずるにあたり「仮面を被らずにはできない」と思ったのではないでしょうか。
後々「なんであんな映画に出た?」と聞かれたら「あれはわたしではない」と言えるでしょう。何れにしても「リラックスして楽しむ映画」であることは間違いありません。
カポーティーの本当に素顔はやっぱりわからない
映画『アラン・ドロンのゾロ』のキャストについて
Don Diego & Zorroアラン・ドロン
Hortensiaオッタビア・ピッコロ
Huertaスタンリー・ベイカー
Bernardoエンツォ・セルシコ
Garciaムスタシュ
Zia di Don Miguelアドリアーナ・アスティ
FranciscoGiancarlo Albertini
Von Merkelジャコモ・ロッシ=スチュアート
まとめ 映画『アラン・ドロンのゾロ』一言で言うと!
「たまには息子にいいところを見せたいよ」
アラン・ドロンに子どもが何人いるのかはわかりません。プレイボーイ、いやその言葉が霞むほど女性にモテたのは確かでしょう。やっぱり「危険な美しさ」に惹かれるのでしょうか。しかもアラン・ドロンは「強い男」だからでしょう。頼りになるのでしょう。でも息子のために映画に出演するという優しさもあります。女性が放っておくはずがありません。
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初恋の人に再会って結構「恐ろしい」かも
映画『シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢』
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映画『サムライ』
若き日のアラン・ドロンに気絶しそうです
映画『パリに見出されたピアニスト』
「ピアノが弾きたい」でもお金がない
映画『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』
笑いあり涙ありの傑作映画!
映画『田園の守り人たち』
男は戦争にとられた「農地は女が守る」
映画『北の果ての小さな村で』
とってもほっこりする映画です
映画『アマンダと僕』
泣かないと決めていても「泣いちゃいます」
映画『アラン・ドロンのゾロ』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ドゥッチオ・テッサリ
脚本
ジョルジオ・アルロリオ
原作
ジョンストン・マッカレー
製作
ルチアーノ・マルチーノ
撮影
ジュリオ・アルボニコ
音楽
グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス
字幕監修
山崎剛太郎
Don Diego & Zorroアラン・ドロン
Hortensiaオッタビア・ピッコロ
Huertaスタンリー・ベイカー
Bernardoエンツォ・セルシコ
Garciaムスタシュ
Zia di Don Miguelアドリアーナ・アスティ
FranciscoGiancarlo Albertini
Von Merkelジャコモ・ロッシ=スチュアート
1975年製作/イタリア
原題:Zorro
配給:東宝東和