映画『モガディシュ 脱出までの14日間』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『モガディシュ 脱出までの14日間』公式サイト・IMDbサイト・ Rotten Tomatoesサイトにて作品情報・キャスト情報ならびにレビューをご確認ください。
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『モガディシュ 脱出までの14日間』
2021年製作/121分/G/韓国
原題:Escape from Mogadishu
配給:ツイン
【監督】
リュ・スンワン
【製作】チョ・ソンミン カン・へジョン キム・ヨンファ【脚本】リュ・スンワン【撮影】チェ・ヨンファン【美術】キム・ボムク【衣装】チェ・ギョンファ【編集】イ・ガンヒ【音楽】バン・ジュンソク
【出演】
キム・ユンソク チョ・インソン チョン・マンシク ホ・ジュノ ク・ギョファン キム・ソジン キム・ジェファ パク・ギョンヘ
映画『モガディシュ 脱出までの14日間』外部リンク
【HPサイト】
映画『モガディシュ 脱出までの14日間』公式サイト
【予告映像】
映画『モガディシュ 脱出までの14日間』トレーラー
【公式Twitter】
映画『モガディシュ 脱出までの14日間』
【IMDbサイト】
映画『モガディシュ 脱出までの14日間』
【 Rotten Tomatoesサイト】
映画『モガディシュ 脱出までの14日間』
映画『モガディシュ 脱出までの14日間』のオススメ度は?
星4つです
両国の思惑が「面白い」です
友情は芽生えたと思います
映画『モガディシュ 脱出までの14日間』の作品情報・概要
『モガディシュ 脱出までの14日間』原題『모가디슈』リュ・スンワン監督作品。2021年制作の韓国のアクション・スリラー映画。ソマリア内戦に巻き込まれた韓国と北朝鮮の大使館員たちの生死をかけた脱出劇を実話を基に描く。2021年度の韓国No.1大ヒットを記録、第42回青龍映画賞で作品賞、監督賞、助演男優賞など5部門を受賞した。キム・ユンソク、チョ・インソン、チョン・マンシク、ホ・ジュノ、ク・ギョファン、キム・ソジン 、キム・ジェファ、パク・ギョンヘらが出演。CG無し。モロッコにて撮影。
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映画『モガディシュ 脱出までの14日間』の受賞歴
第42回青龍映画賞
作品賞、監督賞、助演男優賞
映画『モガディシュ 脱出までの14日間』のあらすじ・ネタバレ
1990年、ハン・シンソン大使(キム・ユンソク) はアフリカのソマリアの首都モガディシュへ赴任していた。ソウル五輪を成功させたが未だ国連には加盟しておらず、一議席でも多くの賛成票を集めるのがハン大使の仕事であった。一方、北朝鮮大使・リム・ヨンス(ホ・ジュノ)も同様に国連加盟を狙っていた。両国は互いの足を引っ張ることも仕事の一部となっていた。モガディシュでは汚職にまみれた政府へのデモは日常的で、二人はあまり気にしていなかった。しかしある日、デモは大きなうねりを持って、革命へと向かうことになる。それぞれの大使館で身を隠すが、ソマリアの暴徒に急襲されて、命の危険を感じる。北朝鮮人は同盟国である中国大使館を目指すが、暴徒の手に落ちている。仕方なく同胞である韓国大使館へ向かう。
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映画『モガディシュ 脱出までの14日間』の感想・内容
「とても面白い映画」となります。本映画『モガディシュ 脱出までの14日間』を観て、一番驚いたのは「CG無し」映画だと知らされたからです。このCG多様時代にモロッコでセットを作り、実写として映画を完成させることは非常に難しいと言えます。実写にこだわる『TENET テネット』クリストファー・ノーラン監督は実績があり、興行的な成功を計算ができるため、製作会社は実写撮影へゴーを出します。ですから、製作・配給会社がリュ・スンワン監督に寄せる期待の大きさが伝わってきます。リュ・スンワンはその期待通り、いやそれ以上の結果をもたらしたと思います。本映画『モガディシュ 脱出までの14日間』は韓国映画の歴史に名を刻む名作になるでしょう。
恥ずかしながら本映画『モガディシュ 脱出までの14日間』を鑑賞するまで、1990年時のソマリア内戦のことなど知りませんでした。ネットで調べてみる、今も小規模でありますが、内戦状態が続いているようです。
さて、本映画『モガディシュ 脱出までの14日間』はソマリアの首都モガディシュに駐在する韓国大使・ハン・シンソン(キム・ユンソク) の視点から描かれています。彼の目の上のたんこぶは北朝鮮大使・リム・ヨンス(ホ・ジュノ)です。両者は民族的は同じでありますが、政治的な思想は民主主義と共産主義で対立しています。朝鮮半島から遠く離れたアフリカの地で互いの国の優先度を高めようと躍起になっています。大使館員の仕事は各国の首脳と会って、自国をアピールするロビー活動が主となります。
まず両国の狙いはいち早く国際連盟の加盟国になることでした。そのために多くの国からの賛同を得る必要があります。特に小国が林立するアフリカでのロビー活動は必要不可欠です。大使たちはあの手この手を使って、賛成票を獲得します。もちろん、テーブルチャージ、つまり“賄賂”も当たり前の時代でした。本映画『モガディシュ 脱出までの14日間』では、敵対し合う両国らしく、スパイ工作の一端も垣間見られました。特に前半のハン・シンソン大使(キム・ユンソク)がやっとの想いで、ソマリアの大統領との面談をこぎつけたのに、北朝鮮側の雇ったソマリア人の過激派に急襲され面談が中止された場面などはとてもハラハラしました。でも、はやり同胞意識からか、殺すまではしないのです。しかも、襲われたのにも関わらずハン大使たちは、どこかのんびりとしているのです。ちょっとコメディっぽいのです。こののんびり加減が後半になると、カウンターパンチのように効いてきます。後半はとてもスリリングで、一切の笑いはありません。
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映画『モガディシュ 脱出までの14日間』の考察・評価
本映画『モガディシュ 脱出までの14日間』を鑑賞していて、映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』を思い出しました。こちらも前半はとてもコミカルで、後半になると一気にシリアス路線の構成を強めていきます。こういう作りはとても上手いと思います。
さて、内戦が起きたソマリア・モガディシュで、韓国と北朝鮮の双方が手を合わせて「どうやって脱出するのか」について、激論を交わします。互いのプライドもあります。どちらかというと北朝鮮の方がプライドが高いと印象を受けました。いえ、そのプライドは祖国に“人質”をとられているという悲観的なものでした。北朝鮮の外交官たちは、祖国に家族を最低でも一人は置いて出国しなければいけないからです。
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映画『モガディシュ 脱出までの14日間』の結末
北朝鮮の外交官たちは大使館を暴徒に襲われてしまい、同盟国・中国大使館へ避難を求めます。しかしながら、中国大使館も暴徒の手に落ちています。そこで、止む無く敵対国である韓国大使館へ向かうのです。やはり同胞である朝鮮民族の情けにすがるのです。でも、ハン大使はすぐさま、オッケーは出しません。もし、本国知られると大問題になりかねません。しかし、「人道支援」という役割もあります。眼下に見える北朝鮮の外交員たちには小さな子どもと女性たちがいます。さすがにハン大使も同情せざる得ません。開門です。
両国の人たちは最初こそ警戒しています。特に北朝鮮の人たちは食事に手をつけようとしません。「毒が盛られている」と思っているのです。もちろんそんなことはありません。徐々にですが、コミュニケーションを深めていきます。そして、「どうやってソマリアを脱出するか」について、共同で作戦を立てます。韓国側は北朝鮮人を韓国人へ国籍を移行することを画策します。でも未然でバレてしまい中止です。
韓国側は懇意にしているイタリア大使館へ行き、脱出を計ります。しかし北朝鮮はイタリアと国交を持っていません。よって、北朝鮮はサウジアラビアへ保護を求めます。しかし、サウジアラビア政府は「ソマリアの政権が政府側、反政府側」なった際、北朝鮮の存在が敵対しないように、北朝鮮の申し出を断ります。
結局はハン大使がイタリア大使館に嘘を付きます。「全員が韓国人だ」と。映画の結末で、両国は左右に分かれて終わります。とても切ないのですが、確かに「友情はあった」と互いに理解して終わるセンチメタルな演出が素晴らしいと思いました。
兎にも角にも、一切のCGを排して撮影しているところがすごいです。カメラワークもハリウッド並みです。日本の映画でここまで撮れるかどうかわかりません。
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映画『モガディシュ 脱出までの14日間』のキャストについて
ハン・シンソン(キム・ユンソク)
カン・テジン(チョ・インソン)
コン・スチョル(チョン・マンシク)
リム・ヨンス(ホ・ジュノ)
テ・ジュンギ(ク・ギョファン)
キム・ミョンヒ(キム・ソジン)
チョ・スジン(キム・ジェファ)
パク・ジウン(パク・ギョンヘ)
まとめ 映画『モガディシュ 脱出までの14日間』一言で言うと!
「いつか統一する日が来るのだろう」
と願っています。両国はプライドが高い民族です。なんとか友好的な関係を築いて欲しいところです。
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『アメリカン・スナイパー』
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映画『モガディシュ 脱出までの14日間』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
リュ・スンワン
製作
チョ・ソンミン カン・へジョン キム・ヨンファ
脚本
リュ・スンワン
撮影
チェ・ヨンファン
美術
キム・ボムク
衣装
チェ・ギョンファ
編集
イ・ガンヒ
音楽
バン・ジュンソク
ハン・シンソン(キム・ユンソク)
カン・テジン(チョ・インソン)
コン・スチョル(チョン・マンシク)
リム・ヨンス(ホ・ジュノ)
テ・ジュンギ(ク・ギョファン)
キム・ミョンヒ(キム・ソジン)
チョ・スジン(キム・ジェファ)
パク・ジウン(パク・ギョンヘ)
2021年製作/121分/G/韓国
原題:Escape from Mogadishu
配給:ツイン