映画『銀座の恋の物語』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『銀座の恋の物語』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『銀座の恋の物語』
(1962年製作/93分/日本)
原題『The Love Story of Ginza』
【監督】
蔵原惟繕
【脚本】山田信夫 熊井啓【企画】水の江瀧子【撮影】間宮義雄【美術】松山崇【音楽】鏑木創【録音】福島信雅【照明】藤林甲【編集】鈴木晄【スチール】井本俊康
【出演】
石原裕次郎 ジェリー藤尾 浅丘ルリ子 江利チエミ
清水将夫 深江章喜 清川虹子 高品格 牧村旬子 河上信夫 三崎千恵子 和泉雅子 南風洋子 新井麗子 守屋徹 織田俊彦 千代侑子 金井克予 星ナオミ 小島忠夫 木浦佑三 下絛正巳 神山勝 古田祥 林茂朗 山之辺潤一 峰三平 花村典昌 松下達夫 井上昭文
【HPサイト】
映画『銀座の恋の物語』IMDbサイト
【予告映像】
映画『銀座の恋の物語』トレーラー
BS日テレ開局20年スペシャル番組 石原裕次郎5作特別企画 映画『銀座の恋の物語』2021年6月19日(土)12:00~13:55放送
2021年6月19日(土)12:00~13:55放送
映画『銀座の恋の物語』のオススメ度は?
星3つです
石原裕次郎は「太陽の笑顔」
浅丘ルリ子は「花」
時代に選ばれし男が「石原裕次郎」
日本人みんなが「勇気をもらった」
映画『銀座の恋の物語』の作品情報・概要
『銀座の恋の物語』は1962年3月4日に公開された歌謡メロドラマ映画。蔵原惟繕監督作品。主演は石原裕次郎と浅丘ルリ子。1961年1月リリースされた石原裕次郎と牧村旬子のデュエット曲をタイトルを同じくして映画化。脚本は山田信夫と熊井啓。
今こそ石原裕次郎を観よう!
映画『銀座の恋の物語』のあらすじ・ネタバレ
画家を夢見る貧乏青年、伴次郎(石原裕次郎) は人力車で銀座の夜を走らせている。彼を同居する青年、宮本修二(ジェリー藤尾) は音楽家を目指している。次郎は宮本が作った楽曲に詩をつけて口ずさんでいる。絵の才能がある次郎は美術会社への就職の口もあったが、断る。恋人の秋山久子(浅丘ルリ子) は安定した結婚生活を夢見ており、落胆して次郎の元を去る。宮本は音楽の道を諦めてヤクザまがいの密造酒売買で商才を発揮する。関口典子(江利チエミ) は婦人警官の素性を隠して、宮本らの組織を追い詰めていく。そして次郎に恋する。次郎は久子とよりを戻すために美術会社への就職を決意する。そして次郎の故郷の長野へ一緒に行く夜に事件が起きる。久子が行方不明になったのだ。
映画『銀座の恋の物語』の感想・内容
「銀座が流行の最先端だった時代の映画」となります。
まずタイトルと同じレコードがヒットして、後追いで製作された映画であることを念頭においてください。
以後、こういうパターンの映画はたくさん造られていきます。最近では菅田将暉くんと小松菜奈さんが出演した映画『糸』です。
楽曲は中島みゆきさんですが、物語とはまったく関係ないです。名曲である楽曲に無理やり物語を作った感が否めない作品となっています。
さて、本映画『銀座の恋の物語』の主役を演じる石原裕次郎さんですが、若い人は「なんで大スターなのかわからない」という意見をよく聴きます。
今の時代ではおそらく大スターになり得なかったのかもしれません。
顔もふっくらしており、なんとなく腫れぼったいです。歯並びも悪いです。
背もそれほど高くないです。
繰り返しますが、いまの時代であったのなら映画スターのトップに君臨するのは難しかったと思います。
でも、でもです。石原裕次郎が「日本人に勇気与えた」「戦後復興の象徴的存在」だったことを考えると、 世紀の大スターだとわかるのです。
戦後復興を目指す日本人の前にジオ分の生き方を貫く石原慎太郎・裕次郎の威風堂々とし態度を見て「もうアメリカに遠慮しなくて良いのだ」と誰もが思ったのです。
そして、石原裕次郎の“太陽の笑顔”を見ると、何も心配などないと思わせてくれたのです。
わたし自身、若い頃テレビに出ている石原裕次郎さんを見て、失礼ながら「顔色悪い人だなあ」とか「ずっと座ってるじゃん」などと母親に苦言を呈していました。
もちろん、母親は裕次郎に励まされて生きてきた世代ですから、即座に頭を弾かれました。
「時代がスターを生む」そして「スターが国を作る」象徴的な俳優が石原裕次郎だったと言えるのです。
もちろん、裕次郎と同じ時代に活躍した映画俳優はいますが、やっぱり圧倒的存在感と安心感、並びに未来への希望の活力を与えてくれたのは間違いなく「石原裕次郎」がナンバーワンです。
もうこんな大スターは現れないでしょう。
わたし、思うのですが、人って「暖かい場所」が好きじゃあないですか。
縁側、ひだまり、焚き火など。そして笑顔も同様だと思うのです。
笑顔って暖かいですよね。
まさに石原裕次郎の“太陽の笑顔”は「人が集まる」条件を完全に満たしているのです。
いまのアイドルのようにプラスティックな笑顔って、嘘っぽいじゃあないですか。それが無いのです。
もちろん、わたしは直に会ったことがないのでわかりませんが、フィルムを通して伝わってくるのです。
もし、日本がこれから危機的状況に陥ることになったら、石原裕次郎の映画を流せばみんなに元気を与えると思います。
映画『銀座の恋の物語』の考察・評価
さて、本映画『銀座の恋の物語』はタイトル通り舞台は東京の銀座です。
1962年製作時の銀座は「日本で一番イケてる街」だったのでしょう。
オープニングがすごいです。なんと伴次郎(石原裕次郎) が人力車で走っています。こういう商売があったんだ!と驚きます。
次郎は画家を目指すプータローのような青年です。
同じく音楽家を目指す友人の宮本修二(ジェリー藤尾) とアパートで一緒に暮らしています。次郎は貧乏との設定ですが、ファッションがおしゃれなですよ。
肩幅がひろい裕次郎がアイビールック風のジャケットを着ています。ここも注目ですね。
次郎の恋人の秋山久子(浅丘ルリ子) はお針子です。ミシンで洋服を作る職人です。ここに時代を感じますね。
日本がまだアパレル産業で繁栄していたことがわかります。
本映画『銀座の恋の物語』のテーマは「愛する人と幸せに」とか「夢を実現する」などが内包されて展開します。
裕次郎お得意の派手なアクションはそれほどありません。
恨み、つらみ、そねみ、憎悪、復讐といった人間の業をさらけ出す脚本でもありません。とてもゆったりと進んでいきます。
かと言って間延びせずに観ることができるのはやっぱり石原裕次郎の安心感がなせる技でしょう。
そして浅丘ルリ子さんの存在も花を添えています。若い頃ってふっくらしていたのですね。
健康的な笑顔ですし、歯並びも綺麗です。彼女の一挙手一堂の立ち振る舞いがとても上品ですし、“目の演技”に引き込まれます。まさに「太陽と花」です。
本映画『銀座の恋の物語』は伴次郎(石原裕次郎) と結婚したい秋山久子(浅丘ルリ子) が、交通事故に遭ってから急展開していきます。
死んだのか行方不明なのかわからないのです。ちなみに浅丘ルリ子さんは映画『夜霧よ今夜も有難う』でも、交通事故に遭って、行方をくらましています。
こういう演出は当時は常套手段だったのでしょうか?
まあ、そういうツッコミ所がたくさんあるのは時代のせいにしましょう。
その他、久子はどうやってデパートに就職できたのか?久子と次郎がどうして同じ病院で鉢合わせしたのか?また医師の診察に次郎が同席していいのか?などのツッコミも入ります。
もっと言うなら記憶を失った久子のアパートは「ヤバイ場所でしょ」と感じてしまいます。アパートへ着くまで木材や石ころの瓦礫を乗り越えて行くんですから。
それを本映画『銀座の恋の物語』のキャストで重要なのは次郎の友人である宮本修二(ジェリー藤尾) です。
音学家の夢を追いかけていますが、まったく芽が出ずヤクザと密造酒の売買をします。
設定的にはわかるのですが、地に落ちる決定的な事件なり出来事に説得力がないのです。
もうひとり、婦人警官の関口典子(江利チエミ) の存在ももうひとつなんです。おそらく当時、人気アイドルとしてのサービス出演ですが、次郎との絡みがもっと欲しかったです。
次郎に想いを寄せる理由と心情光景をもっと深く描いて欲しかったです。出来るなら次郎に「告白」して、失恋へと向かって欲しかったです。
そうすることで、次郎の久子への一途の愛がより一層際立ちます。
映画『銀座の恋の物語』の結末
さて、本映画『銀座の恋の物語』は最後にはテーマ曲が大合唱で流れてエンディングを迎えます。
次郎は久子と結婚して、会社に就職しながら画家としても活躍しています。
この結末を無理やり感想を述べるとしたら、「就職しても“夢”は叶えられる」です。
プータローのように暮らすのは得策ではない、生業について、報酬をもらいながら、自身の夢実現に向かった方が賢い生き方なのだ、となります。
確かにそうかもしれません。
映画『銀座の恋の物語』のキャストについて
伴次郎(石原裕次郎)
宮本修二(ジェリー藤尾)
秋山久子(浅丘ルリ子)
関口典子(江利チエミ)
春山(清水将夫)
沢村(深江章喜)
お松(清川虹子)
武さん(高品格)
柳井樹理(牧村旬子)
源六(河上信夫)
秀子(三崎千恵子)
キン子(和泉雅子)
銀座屋のマダム(南風洋子)
須藤女史(新井麗子)
橋本(守屋徹)
尾形(織田俊彦)
弘美(千代侑子)
千枝(金井克予)
芸者(星ナオミ)
トランペットの青年(小島忠夫)
佐藤(木浦佑三)
医者(下絛正巳)
男A(神山勝)
男B(古田祥)
男C(林茂朗)
刑事(山之辺潤一)
月賦屋(峰三平)
吉本(花村典昌)
部長(松下達夫)
東北弁の巡査(井上昭文)
まとめ 映画『銀座の恋の物語』一言で言うと!
「石原裕次郎に懐って深いのだろう」
わたしは石原裕次郎の全盛期は知りませんが、おそらく誰もが魅了されてしまう力を放っていたのでしょう。“オーラ”と簡単に言いますが、それだけでは言い表せない何か特別な「選ばれし者」だったのではないでしょうか。日本復興にとても貢献した人だと思います。
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映画『マチネの終わりに』
映画『ボーダー 二つの世界』
映画『あなたの名前を呼べたなら』
映画『秒速5センチメートル』
映画『マーウェン』
映画『ほしのこえ』
映画『COLD WAR あの歌、2つの心』
映画『リヴァプール、最後の恋』
映画『銀座の恋の物語』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
蔵原惟繕
脚本
山田信夫 熊井啓
企画
水の江瀧子
撮影
間宮義雄
美術
松山崇
音楽
鏑木創
録音
福島信雅
照明
藤林甲
編集
鈴木晄
スチール
井本俊康
伴次郎(石原裕次郎)
宮本修二(ジェリー藤尾)
秋山久子(浅丘ルリ子)
関口典子(江利チエミ)
春山(清水将夫)
沢村(深江章喜)
お松(清川虹子)
武さん(高品格)
柳井樹理(牧村旬子)
源六(河上信夫)
秀子(三崎千恵子)
キン子(和泉雅子)
銀座屋のマダム(南風洋子)
須藤女史(新井麗子)
橋本(守屋徹)
尾形(織田俊彦)
弘美(千代侑子)
千枝(金井克予)
芸者(星ナオミ)
トランペットの青年(小島忠夫)
佐藤(木浦佑三)
医者(下絛正巳)
男A(神山勝)
男B(古田祥)
男C(林茂朗)
刑事(山之辺潤一)
月賦屋(峰三平)
吉本(花村典昌)
部長(松下達夫)
東北弁の巡査(井上昭文)
1962年製作/93分/日本
原題:The Love Story of Ginza
配給:日活