映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』
(92分/PG12/アメリカ/2019)
原題『A Rainy Day in New York』
【監督】
ウッディ・アレン
【脚本】
ウッディ・アレン
【製作】
レッティ・アロンソン エリカ・アロンソン
【出演】
ティモシー・シャラメ
エル・ファニング
セレーナ・ゴメス
ジュード・ロウ
ディエゴ・ルナ
リーブ・シュレイバー
【HPサイト】
映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』公式サイト
【予告映像】
映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』トレーラー
映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』のオススメ度は?
星4つ半です
ウディ・アレンが帰ってきました
ティモシー・シャラメの憂鬱
エル・ファニングは天真爛漫
セレーナ・ゴメスは知的
ジュード・ロウは渋すぎる
「雨」と「ニューヨーク」と「恋」です
映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』の作品情報・概要
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』原題『A Rainy Day in New York』2019年のアメリカ合衆国のロマンティック・コメディ映画。ウディ・アレン監督作品。主演はティモシー・シャラメとエル・ファニング。共演はセレーナ・ゴメス、ジュード・ロウ、ディエゴ・ルナ、リーヴ・シュレイバーなど。1935年生まれで85歳のウディ・アレンがマンハッタンへ戻ってきた話題作。雨のニューヨークで繰り広げられる若者の恋物語。Me Too運動の影響でアメリカでは公開されていない。
映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』のあらすじ・ネタバレ
マンハッタン生まれのギャッツビー(ティモシー・シャラメ) とアリゾナ出身のアシュレー(エル・ファニング) は芸術系の大学に通っている。アシュレーが有名映画監督ローランド・ポラード(リーブ・シュレイバー)のインタビューを取り付けた。場所はニューヨーク。ギャッツビーは生まれ故郷であるためアシュレーをエスコートすることに。しかしアシュレーはポラードに口説かれ、ランチをすっぽかす。不貞腐れマンハッタンを歩くギャッツビーの前に、かつての恋人の妹チャン(セレーナ・ゴメス)が現れる。雨が降るニューヨークで ギャッツビー、アシュレー、チャンの恋の行方は、、、、。
映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』の感想・内容
ウディ・アレン最新作“Me Too運動”を乗り越えて公開
ウディ・アレンの新作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』が遂に公開されました。2年ぶりです。
昨年、ハリウッドで起きたMe Too運動の影響でウディ・アレンの新作はアメリカで公開されませんでした。今もされていません。
しかし日本やフランス、スペインでは公開されるに至りました。
Me Too運動の背景については詳しく述べませんが、私はウディ・アレンは無実であると信じたいです。男女の愛憎劇と言うのは本当に恐ろしいです。
あれだけ愛し合っていたウディ・アレンとミア・ファローが憎しみ合うというまるで「映画のサスペンス」を地で行っているようです。
クリント・イーストウッドとウディ・アレンはもはや伝説です
ウディ・アレンを観なければ一年が始まらない
さて、本映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』ですが、ウディ・アレンの過去作通りロマンチックラブコメディーです。ほとんどいつもと同じペースで進んでいきます。
男と女がすれ違って、てんやわんやあって最後には落ち着くというお決まりのパターンです。
「毎回、同じなのになぜ観るんだ?」などのツッコミが入りますが、ウディ・アレン映画の“型”を堪能するというお楽しみがあるのです。
邦画では「寅さん」っていつも同じじゃあないですか。でも観終わった後は何かしら「今年も一本観た」っていう満足感があります。
それと同じでウディ・アレン作品はわたしにとって毎年、絶対に観るべき映画であって、人生のバロメーターなのです。
アレンを観なければ、今年が始まらないのです。だから昨年、公開されなかったのが実に惜しいのです。
マーティン・スコセッシが描くニューヨークは恐ろしい
ウディ・アレンの「知性教養」の高さに惹かれます
わたしは生粋のウディ・アレンファンになったのは、かつてのパートナーがウディ・アレンが好きだった影響が大きいです。初めて観た時の衝撃は忘れません。
『アニー・ホール』でした。知性と教養の高さ、そして社会性を帯びた皮肉の効いたジョークに心惹かれました。
アメリカ社会のアメリカ人ならもっと理解できるユーモアがあると思います。
ウディ・アレン作品を観ると、憧憬の念に包まれてしまうわたしがいます(ちなみにわたしは過去を捨て去る人間ですがアレン作品の時だけは思い出してしまいます)
本映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』はウディ・アレンの願望が詰まっている作品です。いやいや、彼の過去作すべてに願望が詰まっているます。
もし本人が若ければギャッツビー(ティモシー・シャラメ) の代わりに出演していたでしょう。
ギャツビーは若かりし頃のウディ・アレンの服装や猫背でうつむいて歩く姿がとても似ています。
でも残念ながらティモシー・シャラメはウディ・アレンより100倍ハンサムです。
ニューヨークを陰鬱な顔で歩くギャッツビーから若かりし頃のアレンを思い出さずにいられません。
コッポラも負けじとニューヨークを描いています
日本人はウディ・アレンが大好きです
そして本映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』にはたくさんの大スターが出演していることが見逃せません。
ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメス、そしてジュード・ロウです。これでもうお腹いっぱいです。
アレンの映画はアメリカでは必ず興行的に成功します。フランスでもヒットします。その次にヒットする国が日本なのです。
日本人はウディ・アレンが好きなのです。女性ファンが多いのはやはり“オシャレ感”があることと“知性”に惹かれるからでしょう。
そして意外や意外、男性ファンも負けじと多いのです。その理由は「俺でもやれる!」と勇気をもらえるからと言います。
ニューヨークを舞台にした「女詐欺師」軍団が美しすぎる
ウディ・アレンに幻想を抱く日本男児も多い
アレンは正直言ってハンサムとは言えません。髪の毛も薄く、背も低いですし、オシャレでもありません。それでいて実生活ではモテモテなのです。
そこに我が日本男児は憧れを持って、「自分の方がイケてる」と勘違いシンパシーを寄せてしまうのですね。
でも結果的にアレンに追いつくことはできないでしょう。最後はやっぱり「知性と教養」プラス「お金」になるからです(アレンは相当なお金を持っています)
1960年代にニューヨークも必見です
若手俳優ティモシー・シャラメとエル・ファニングの輝きを観よ!
さてさて、映画の内容ですが、ギャッツビー(ティモシー・シャラメ) とアシュレー(エル・ファニング) は大学生で、ニューヨーク近隣の芸術系の大学に通っています。
アシュレーは将来ジャーナリスト目指しています。アシュレーは大学のレポートとして映画監督を取材して記事を書こうと考えます。
彼女の実家は銀行で、そのコネクションを使って知有名な映画監督のローランド・ポラード(リーブ・シュレイバー)取材を取り付けました。場所はニューヨーク。
ギャッツビーは生まれも育ちもニューヨークです。アシュレーをエスコートできる喜びを感じます。
アシュレーは取材、そして二人はひと時のロマンスをニューヨークのホテルで楽しむという段取りです。でもでも、そんなに上手くいかないのがアレン映画なのです。
アシュレーはポラードを取材中に口説かれます。
ここですね、ここになぜか映画業界の現実味を感じるのです。
ウディ・アレンの映画人生でもこういうことあったのかと思わせるのです(あったかどうかわかりませんが、結果的にアレンは女優からもモテモテです)
オードリー・ヘプバーンの悲しい歌声が、、、
映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』の結末・評価
ウディ・アレンを演じるティモシー・シャラメに胸がときめく
話を戻しますが、ウディ・アレンが巻き込まれているMe Too運動の発端の映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインは自身の権力を行使して女優たちにハラスメントをしていました。
ですから本映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』の中で有名映画監督が自身の地位を利用して女子大生を口説き落とそうとする演出にはちょっとしたハラスメントが感じられます。
ニューヨークの図書館は世界一!
さらにさらに、アシュレーはイケメンの映画俳優フランシスコ・ヴェガ(ディエゴ・ルナ) に口説かれて危うく一夜を共にしようとするのです。よくある話なのでしょう。
一方、ギャッツビーはアシュレーにランチをすっぽかされて、ニューヨークのマンハッタンを不貞腐れながら歩いています。
この姿にウディ・アレンを彷彿させるのです。
マンハッタンは狭いです。ギャッツビーは昔の友だちに出会ったり、かつてのガールフレンドの妹チャン(セレーナ・ゴメス) とも再会します。
ここからです。ちょっと違うのです。
予想としてはギャッツビーとアシュレーがなんだかんだとありながらも、元の鞘に戻るのだろうと期待します、
全く異なる展開になっていくところに「さすがアレン!」と手を叩く結末になるのです。素晴らしい。
世界のセレブ御用達の有名ホテルの物語
「雨」が最高の役者を演じている
この作品は全編を通してマンハッタンで撮っています。アレンのホームグランドです。
しばらくマンハッタンで映画を撮れなかったアレンは「これでもか!」ってくらいに美しく撮っています。魂を込めているのがスクリーンから伝わってきます。
そしてマンハッタンを一際、美しく魅せるアイテムが“雨”なのです。雨が降る場面が所々に挿入されています。
ギャッツビーもアシュレーは傘やレインコートを羽織ってマンハッタンを歩きます。
静かな雨から激しい雨と様々な種類で描いています。アスファルトからはマンハッタンの香りが、ビルを伝わる雫に切なさを覚えます。
雨はいつも上から下へ流れますから時間の流れを表すには十二分の存在であり「雨降って地固まる」的なラストへ繋げる最高の役者を演じています。
観よ!ジーン・ハックマンがニューヨークを駆け抜ける
雨、曇り、太陽、、、三者三様の心模様は
さてさて、映画はこういった雨模様の心情光景をギャッツビーの性格や人生に例えています(ちなみにギャッツビーの夢はギャンブラーかピアニストです)
ギャッツビーとアシュレーの二人は裏切ることなく再会しますが、太陽のように明るく、天真爛漫のアシュレーに対して、いつも曇り空、あるいは雨模様の心を持つギャッツビーはかつての恋人の妹のチャンこそが我が恋人とわかり二人は回り道をして結ばれるのです。
この結末には驚きましたが、納得しました。
福山雅治と石田ゆり子がニューヨークで再会
役者の個性と物語を「雨のニューヨーク」で融合させる実力
ウディ・アレンは映画の撮影は好天の日に行いません。曇天が一番美しい光をフィルムで捉えることができるからです。
色彩や明暗がとても繊細で芸術的な雰囲気を醸し出せるからだそうです。
本映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』のシャラメもゴメスもロウもとても雨が似合っていました。
変わってファニングはキラキラしていて好天のイメージで対比させていました。
役者の個性と映画の物語の主軸である「雨」と「ニューヨーク」を舞台に描いた最高のラブコメディに仕立て上げるウディ・アレンは本当にカッコいい監督だと思いました。
ゴッサムシティは間違いなくニューヨークをイメージしています
映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』のキャストについて
ギャッツビー(ティモシー・シャラメ)
アシュレー(エル・ファニング)
チャン(セレーナ・ゴメス)
テッド・ダヴィドフ(ジュード・ロウ)
フランシスコ・ヴェガ(ディエゴ・ルナ)
ローランド・ポラード(リーブ・シュレイバー)
まとめ 映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』一言で言うと!
「雨って美しく残酷だが、憎む人はいない」
雨って時には残酷な結果をもたらすこともあります。特に自然災害に悩まされている日本では憎っくき存在になることも多々あります。でも心底、雨を憎んでいる人ってあんまりいないと思うのです。「雨だから仕方ない」と言って許されてしまいます。映画の中の雨はとても芸術的です。・
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映画『リヴァプール、最後の恋』
映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ウッディ・アレン
製作
レッティ・アロンソン エリカ・アロンソン
製作総指揮
アダム・B・スターン ハワード・フィッシャー ロナルド・L・シェ
脚本
ウッディ・アレン
撮影
ビットリオ・ストラーロ
美術
サント・ロカスト
衣装
スージー・ベンジンガー
編集
アリサ・レプセルター
ギャッツビー(ティモシー・シャラメ)
アシュレー(エル・ファニング)
チャン(セレーナ・ゴメス)
テッド・ダヴィドフ(ジュード・ロウ)
フランシスコ・ヴェガ(ディエゴ・ルナ)
ローランド・ポラード(リーブ・シュレイバー)
2019年製作/92分/PG12/アメリカ
原題:A Rainy Day in New York
配給:ロングライド