映画『ホワイト・ラブ』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ホワイト・ラブ』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
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『ホワイト・ラブ』
(110分/日本/1979)
【監督】
小谷承靖
【脚本】
藤田敏八 小林竜雄
【原案】
中川美知子
【製作】
堀威夫 笹井英男
【撮影】
萩原憲治
【美術】
坂口武玄
【音楽】
広瀬健次郎
【出演】
山口百恵
三浦友和
北村和夫
范文雀
小林桂樹
岩城滉一
【HPサイト】
映画『ホワイト・ラブ』IMDbサイト
【予告映像】
映画『ホワイト・ラブ』トレーラー
- 映画『ホワイト・ラブ』NHK BSプレミアム放送 2021年1月4日(月)午後1時00分〜2時51分
- 映画『ホワイト・ラブ』のオススメ度は?
- 映画『ホワイト・ラブ』の作品情報・概要
- 映画『ホワイト・ラブ』のあらすじ・ネタバレ
- 映画『ホワイト・ラブ』の感想・内容
- 映画『ホワイト・ラブ』の結末・評価
- 映画『ホワイト・ラブ』のキャストについて
- まとめ 映画『ホワイト・ラブ』一言で言うと!
- 『運だぜ!アート』本日の総合アクセスランキング
- 合わせて観たい映画
- 映画『ホワイト・ラブ』の作品情報
映画『ホワイト・ラブ』NHK BSプレミアム放送 2021年1月4日(月)午後1時00分〜2時51分
1月4日(月)午後1時00分〜2時51分
山口百恵&三浦友和ゴールデンカップルです
プライベートでも仕事でも恋愛しています
羨ましい限りです
スペイン語も勉強しています
「子ども」も手にしてハッピーエンドです
映画『ホワイト・ラブ』のオススメ度は?
星3つ半です
強気な山口百恵さんが良いです
育ちの良い三浦友和さんが「投げやり」感も良い
スペインのセビリアの風景も見所
酔っ払い運転はダメ
映画『ホワイト・ラブ』の作品情報・概要
『ホワイト・ラブ -White Love-』1979年製作の日本映画。東宝配給。山口百恵・三浦友和の主演コンビ10作目。原案は一般からの公募で中川美知子さん作品。監督は小谷承靖。サンフランシスコロケをした『ふりむけば愛』以来の2度目の海外ロケはスペイン。マドリードやサラゴサ、さらにパンプローナの「サン・フェルミン祭(牛追い祭り)」の映像は必見。出演に若き日の田中邦衛、岩城滉一ら。文芸シリーズと打って変わって爽やかなハッピーエンドを迎える物語。
映画『ホワイト・ラブ』のあらすじ・ネタバレ
スタイリストの上村忍(山口百恵)は密かにスペイン語学校に通っている。ロビーで休んでいるとタバコの火が飛んできて服が焦げてしまう。山野辺健(三浦友和) が飛ばしたのだ。謝る健に反感を持ちながらも惹かれていく忍。二人には「スペイン」という共通の“秘密”があった。付き合う二人。忍は死んだと思われていた父に会いにスペインに。健はスペインに残した恋人を探しにスペインへ行く。そして二人は過去の清算を果たす、、、。
映画『ホワイト・ラブ』の感想・内容
山口百恵と三浦友和のゴールデンカップルが二度目の海外ロケは「スペイン」
とても「かわいい映画」だと思います。
キャッチコピーは「愛は、いつもバラ色に染まりながらいくつもの涙と混ざりあっていつか、白くかわってゆく――」です。タイトルの「白い愛」の意味が読み取れます(どうせならスペイン語にすれば良いのに)
山口百恵と三浦友和が二度目の海外ロケを行った作品です。
大林監督の『ふりむけば愛』はアメリカのサンフランシスコで、本映画『ホワイト・ラブ』はスペインです。
ただ当時のお客さんは海外映画となると物語より、やはり海外の町並みや風景に視点がうつりがちで物語の内容にあまり注意がいかなくなる傾向があったと思うのです。
前作の『ふりむけば愛』など内容はめちゃくちゃでした。演出も酷いものだったけれど、それなりにヒットしたのは山口百恵と三浦友和のゴールデンカップルが「サンフランシスコへ行った」からだったと思います。
そのことを踏まえるって本映画『ホワイト・ラブ』を観ると、『ふりむけば愛』よりは数倍良い映画だと思います。
テリー・ギリアムのドン・キホーテはスペイン撮影です
スタイリスト上村忍(山口百恵)が内緒で通っているスペイン語学校から始まる恋物語
映画のオープニングが面白いです。山口百恵の唇の超ドアップから始まります。スペイン語を喋っています。
上村忍(山口百恵)はスタイリストとして働いています。広告の撮影やテレビ番組のロケなどの現場に出向いています。しかしいつもミスばかりで怒られてばかりです。
スペイン語の学校へ通っていますが、母には内緒です。
スペイン語のレッスン後、ロビーで休んでいるとタバコの火が飛んで忍のスカートが焦げてしまいます。
山野辺健(三浦友和) が吸っていたタバコです。横柄な態度の健に腹が立ちますが、あまりのしつこさに負けて食事に行く約束をします。でもすっぽかします。
その後、健の執拗な誘いに負けて食事とお酒を共にし恋に落ちます。
スペイン最高女優はペネロペ・クルス間違いなし!
「スペイン」という共通の“秘密”が二人を強く結びつけます。
忍がスペイン語を習う理由は死んだと思っていた父・上村圭介(小林桂樹) がスペインに存命しており、山下洋一郎(北村和夫) を通して「会いたい」と手紙を送ってきたから。
母には知らせず、一人でスペインへ行って父と会うためです。
一方、健にも秘密がありました。外大を卒業して商社で働くエリートでしたが、「女性問題」で退職し、帰国。
そして今は臨時のスペイン語講師とミッキー・安田(岩城滉一) と外国人相手の詐欺まがいのブローカーをやっています。
「スペイン」という共通の“秘密”が二人を強く結びつけます。
父の危篤の知らせでスペインへ行ったが健の恋人を見つけてしまう
ある日、山下から父が危篤なのですぐにスペインへ行こうと言われます。そして即座に飛びます。父はセゴビアにいます。
しかし、山下が体調を壊しマドリードで足止めをくらいます。
その際、忍は健の部屋にあった写真の女性を見かけます。彼女の後をつけて話をします。名前は野川多恵子(范文雀)と言います。
2歳くらいの男児がいて名前は「ケン」でした。頭が混乱したまま体調が回復した山下とセゴビアの父を訪ねます。その時、健も急いでスペインへ発ちます。
スペインでクリント・イーストウッドは「神」の次に偉大です
父を許し健に多恵子と会った話をすると、、、
父は脳溢血のため寝たきりです。数十年ぶりに会った忍との再会に涙が止まりません。
父が母と娘を捨てた理由も明らかになります。父は山下の妹を恋に落ちてしまったこと、世話になった山下を裏切ることが出来なかったと、、、、。忍は父を許します。
翌日、忍を追いかけてセゴビアに来ていた健とスペインを観光することになります。
車中で忍はマドリードで会った多恵子のことを話します。激しく動揺する健を見て、忍も動揺します。
しかしすぐさま二人はマドリードで多恵子探しに奔走します。多恵子がパンプローナの祭りに行ったと聞いた二人は後を追います。
多恵子が消えた理由が明らかになる「子どもを産みたかった」
ようやく見つけた多恵子はマッサージの仕事をしていました。
健は「なぜ、あの時消えたのか?」と問います。多恵子は「あなたの子どもに賭けてみようと思った」です。
実は多恵子は健の上司の支社長(高橋昌也) に強姦され、妊娠していたのです。でも健の子どもである可能性も捨て切れません。
スペインでは堕胎が禁じられており、二人はフランスへ向かうのですが、健が眠っている時に多恵子は消えてしまったのです。
健はその後、多恵子を探しますが、見つからず、失意のままスペインを去ったのです。
スペイン語映画でアカデミー賞獲得を目指すも、、、
多恵子の死とケンの親になることを決意する二人
二人のやりとりを見ていた忍は耐えられず外へ走り出します。
外ではパンプローナの「サン・フェルミン祭(牛追い祭り)」が行われており、忍は牛から逃げます。
健は忍を守ろうと追いかけます。多恵子はバルコニーから二人の無事を祈りますが、落下して死亡してしまいます。
二人は多恵子を埋葬して、健の上司の元へケンを連れて行き「お土産」だと言って渡します。
狼狽する上司に怒りを感じた忍が「この子は私たちで育てましょう」と言います。
頷く健。そして二人はケンを連れて日本行きの飛行機に乗ります。完全なるハッピーエンドです。
映画『ホワイト・ラブ』の結末・評価
捨てられた側の人間が最終的に選んだのは「拾う」側に人間になる
本映画『ホワイト・ラブ』は一般公募して作られた映画です。主軸は忍ですが、ちゃんとサイドストーリーの健の問題も解決してきっちりとした結末を迎えています。
とても一般の方が書いた話とは思えないです。
先の『ふりむけば愛』がドタバタで終わって、「一体、何だったのか」感が抜けない海外ロケとは大違いです。
本映画『ホワイト・ラブ』の魅力は何と言っても二人が共通の秘密を「スペイン」に置いていたことです。
忍は家族を捨てた父、健は自分を捨てた多恵子。二人とも捨てられた側の人間です。
ここに二人の心は一致していきます。
そして最後は「ケンを拾う」という選択をします。とても上手い結末だと思います。
ディズニーはスペイン語製作にも力入れています
多恵子が飛び出した方がスッキリしたと思うが、、、
でも、でもです。あの時、忍がヤケになって牛追いが行われている通りに飛び出さなければ多恵子の悲劇はなかったのです。ここがちょっと勿体無いですね。
出来るのであったら、多恵子が飛び出した方がスッキリします。前者であったのなら忍は一生涯に渡って苦しみます。
「わたしがあの時、ヤケを起こしたばかりに、、、」と。そうなってくると忍はまた問題を抱えて人生を生きなければいけないからです。
多恵子が牛に引かれるのであれば、やはり通りに飛び出したケンを守るため、となります。
全編スペイン語のホラー映画って意外と怖い
山口百恵さんの演技も良いが、三浦友和さんの演技の方が素晴らしかった
すみません、もう過去の映画ですからどうにもなりません。当時としては思案されて選択した結末だったと思います。
演技的に山口百恵さんは前作の『炎の舞』での妖艶な雰囲気とは打って変わって「普通のOL」ぽさを出していたと思います。淡々としています。
一方、三浦友和さんの演技はぶっきら棒であり、投げやりな雰囲気です。
三浦さんは育ちが非常に良さそうなのでちょっと違和感を覚えましたが、健のキャラクターを考えると「なるほど」と納得しました。
彼はスペインを失意のまま去っています。人生を一度失っています。だから投げやりな生き方で良いのです。健の所作でそれが現れていました。
例えばタバコの箱を放り投げるとか、酒の入ったグラスを音を立ててテーブルに置くとか、忍に着替えの服を投げるとか、です。
こんなイケメンスペイン語で囁かれたらたまりません
大スター同士も結婚生活って「映画の思い出」とか話しているのだろうか
さて、山口百恵と三浦友和のゴールデンカップル『天使を誘惑』そして『古都』を持って銀幕からサヨナラします。
下世話ですが、大スター同士の結婚生活ってなにを話しているのか気になります。思い出話はやっぱり若い頃の話になると思うのです。
映画を観ながら「ああ、スペイン行ったよね」とか「セゴビアのご飯美味しかったね」とか話しているのでしょうか。二人は仕事でもプライベートでも映画のフィルムに残っているんですよね。
わたしたちのようなホームビデオではなく、、、、。わたし、役に立たないホームビデオはほとんど見ません。
でも二人はプライベートも仕事もきっちりと納めた映画という商品を持っています。
年取ってから二人で観る自身の映画はさぞ素晴らしい時間をくれるのではないでしょうか。
映画『ホワイト・ラブ』のキャストについて
上村忍(山口百恵)
スタイリスト。母子家庭。結婚した姉もいる。気が強い。密かにスペイン語を習っている。理由は死んだと聞かされていた父がスペインのセゴビアに存命だから。スペイン語を話せる健に急接近する。
山野辺健(三浦友和)
元エリート商社マン。現在は非常勤のスペイン語講師と外国人相手のガイド。ぶっきら棒で投げやりな雰囲気。スペインで別れた恋人のことで悩んでいる。気の強い忍に興味を持つ。
山下洋一郎(北村和夫)
父の旧友。忍だけに父の存在を教える。
野川多恵子(范文雀)
元フラメンコダンサーで、健の恋人。恋愛関係であったが健の上司に犯されて妊娠。堕胎手術を受けるためフランスへの道中、消える。
上村圭介(小林桂樹)
忍の父。ギターを作っている。脳溢血で余命いくばくもない。忍家族を捨てた理由が明らかになる。
ミッキー・安田(岩城滉一)
健の仕事仲間。外国人相手に商売している。忍に乱暴しようする。健にボコボコにされる。
上村律子(岩崎加根子)
忍の母。美容院を営んで二人の娘を
竹内典子(永島暎子)
忍の姉
竹内真由美(藤丸由華)
姉・典子の娘
竹内信夫(林ゆたか)
姉・典子の夫
柿沼女史(赤座美代子)
支社長(高橋昌也)
商社のスペイン支社長。多恵子に乱暴して妊娠させる。悪びれない。
バーテンの梶山(田中邦衛)
バーテン。健をよく知っている。
まとめ 映画『ホワイト・ラブ』一言で言うと!
「リアルな恋愛状態の二人が映画で恋愛するってどういう気持ちなのだろう?」
実際、この時の山口百恵と三浦友和は恋愛していたと思います。リアルな二人が映画で恋愛するってどういう気持ちなのでしょうか。全く想像できません。「楽しい」と思いますが、その点はやっぱり仕事なので「厳しい」気持ちで挑んでいたのでしょうか。何れにしても天から選ばれた人間だけが体験できる物語です。
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合わせて観たい映画
【山口百恵文芸シリーズ】
映画『伊豆の踊子(1974)』
山口百恵と三浦友和のゴールデンカップルの始まり!
映画『潮騒 しおさい(1975)』
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映画『絶唱(1975)』
もう「絶望的」としか言いようがない映画です
映画『風立ちぬ(1976)』
昭和初期の上流階級の二人の悲恋
映画『炎の舞』
あまりにも「絶望的な結末」の絶句します
山口百恵出演映画全リスト
山口百恵の軌跡を観ましょう!
【オススメ昭和を感じる映画】
映画『あいつと私(1961)』
石原裕次郎と芦川いづみの純愛
映画『太陽の季節』
石原裕次郎衝撃のデビュー作
映画『嵐を呼ぶ男』
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映画『夜霧よ今夜も有難う』
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映画『七人の侍』
日本を代表する映画と言ったらこれ!
映画『キューポラのある街』
吉永小百合さんって本当に永遠のアイドル
『男はつらいよ お帰り 寅さん』
山田洋次監督はずっと昭和にこだわっています
映画『居酒屋兆治』
高倉健さんの顔って本当に「芸術的」にハンサム
映画『探偵物語(1983)』
薬師丸ひろ子と松田優作の恋愛映画
映画『Wの悲劇』
「ああ、薬師丸ひろ子、ああ、薬師丸ひろ子」ため息が出ます
映画『ホワイト・ラブ』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
小谷承靖
脚本
藤田敏八 小林竜雄
原案
中川美知子
製作
堀威夫 笹井英男
撮影
萩原憲治
美術
坂口武玄
音楽
広瀬健次郎
録音
福島信雅
照明
川島晴雄
編集
井上治
助監督
中川好久
スチル
蒔田研一
製作プロダクション
ホリプロ
上村忍(山口百恵)
山野辺健(三浦友和)
山下洋一郎(北村和夫)
野川多恵子(范文雀)
上村圭介(小林桂樹)
上村律子(岩崎加根子)
竹内典子(永島暎子)
竹内真由美(藤丸由華)
竹内信夫(林ゆたか)
ミッキー・安田(岩城滉一)
柿沼女史(赤座美代子)
支社長(高橋昌也)
バーテンの梶山(田中邦衛)
エレナ(ベルニース・ド・ヤング)
スペイン人の女老教師(エリサ・ワトキンス)
スチール・カメラマン(岸田森)
ディレクター(大林宣彦)
古美術商の主人(藤木悠)
赫い髪のローラ(宮井えりな)
1979年製作/110分/日本
配給:東宝