映画『事故物件 恐い間取り』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『事故物件 恐い間取り』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『事故物件 恐い間取り』
(111分/G/日本/2020)
【監督】
中田秀夫
【原作】
松原タニシ
【脚本】
ブラジリィー・アン・山田
【製作】
大角正 藤島ジュリーK. 有馬一昭 関根康 田中祐介 堀内蔵人 井田寛
【プロデューサー】
秋田周平
【撮影】
花村也寸志
【出演】
亀梨和也
奈緒
瀬戸康史
江口のりこ
MEGUMI
真魚
瀧川英次
木下ほうか
【HPサイト】
映画『事故物件 恐い間取り』公式サイト
【予告映像】
映画『事故物件 恐い間取り』トレーラー
映画『事故物件 恐い間取り』のオススメ度は?
星4つです
面白いです
楽しめます
物語として完成しています
脚本が良い
演出も良い
でも「住みたくない」です
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本映画『事故物件 恐い間取り』の原作者・松原タニシさんを事故物件芸人に導いたのは北野誠さんです
『事故物件』伝道師・北野誠さんの『北野誠のおまえら行くな。』というテレビ番組が出発点となっています
今の松原タニシさんの活躍を誰よりも喜んでいるのは間違いなく北野誠さんです。北野さんの番組『北野誠のおまえら行くな。』の企画から全てが始まったのです。伝説的な番組です。
そして、今U-NEXTで配信されています。是非ともご覧ください。
今現在(2020年9月)は以下の番組が無料で観ることできます。
『北野誠のおまえら行くな 不死鳥編』(2010年)
『北野誠のおまえら行くな 飛翔編』(2010年)
『北野誠のおまえら行くな 2nd SEASON 突撃編』(2011年)
『北野誠のおまえら行くな 2nd SEASON 驚愕編(』2011年)
『北野誠のおまえら行くな。北海道ぶらり心霊道中記』(2016年)
『北野誠のおまえら行くな。原点怪奇SP』(2017年)
北野誠さんは元祖『謹慎芸人』かもしれません
北野誠さんは元祖『謹慎芸人』かもしれません。過去において何度か謝罪会見を開き、謹慎生活を乗り越えて復活してきた不撓不屈の男です。
以後続く『謹慎芸人』から『謹慎俳優』の先駆け的存在であり、大きな指針となっています。「どう乗り越えれば良いのか」または「ほとぼりが冷めるまで」の見極めが非常にうまいと思います。
あまり書けませんが、「もはやこれまでか?」と思われる出来事もありましたが、復活しました。どちらかというとその理由の方が「恐い話」です。
今では禁句となっており『北野誠のおまえら聞くな。』状態です。
北野誠さんは名古屋のCBCラジオで『北野誠のズバリ』でリスナーを集めての『マコ酒RUN』を開催しています。
これは画期的な企画で東海地方にあるお酒が飲めるお食事処、居酒屋、バーなどでリスナーと語り合うというファンにとっては嬉しい内容です(今はコロナのためオンラインでやっています)
その『マコ酒RUN』にかつて参加した人の話では誠さんの『謹慎芸人』についての話は一切禁止だそうです。
まさに『北野誠のおまえら聞くな。』状態です。
芸能界色々ありそうで「恐い」です。
いま映画『事故物件 恐い間取り』が大ヒットしています。
そして北野誠さんの炎のように燃え盛る「怨念」ならぬ「恩恵」を最大限に開花させたのは松原タニシさんです。
あれだの苦境を乗り越えた北野誠さんの番組を観ることで何か「恩恵」(怨念ではなく)をもらえるかもしれません。
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映画『事故物件 恐い間取り』の作品情報・概要
『事故物件怪談 恐い間取り』事故物件住みます芸人・松原タニシによるノンフィクション書籍を映画化。監督は『リング』『貞子』『スマホを落としただけなのに』の中田秀夫。主演はジャニーズ事務所所属で男性アイドルグループ・KAT-TUNの亀梨和也。脚本はブラジリィー・アン・山田。テレビ番組の企画に体当たりで挑んだことが松原タニシの「ライフワーク」となっている。事故物件の存在を世に広めた作品。
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映画『事故物件 恐い間取り』のあらすじ・ネタバレ
お笑いコンビジョナサンズの山野ヤマメ(亀梨和也) と中井大佐(瀬戸康史)は結成から10年の月日が経つが芽が出ない。中井は放送作家転身を山野に告げる。ピン芸人として生きる山野は番組プロデューサーからある提案を出される。「事故物件に住んでみ。面白い映像が撮れたらレギュラーにしてやる」後が無い山野は住むことに。最初の物件でまさかの“オーブ”が撮れた。番組は話題となり、山野は次々と事故物件に住む。そして、、、。
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映画『事故物件 恐い間取り』の感想・内容
物語の筋がしっかりしているので映画に入り込める
正直「めっちゃ面白かった」です。満足度においては今年1番の映画と言ってもいいです。
冒頭からエンドまで、まったく飽きることなく観ることができました。
物語の筋がしっかりしているので映画に入り込むことができました。久しぶりに“引き込まれた”感を味わった一本です。
本映画『事故物件 恐い間取り』はジャンル的にはホラーになります。若干サスペンス色もありますが、真相追及までは行なっていません。
ひょっとして次作があるのであれば、“心霊現象”の真相を追いかけながら製作されるとさらなる面白さが広がるのかもしれません。
松原タニシ氏の実体験という説得力がある映画
では本映画『事故物件 恐い間取り』がなぜオススメ映画なのかを説明します。1番の土台は松原タニシ氏の実体験からの映画化に尽きます。
体を張っていますが、とても「説得力」がある体験なのです。ここには嘘偽りがないと信じたいのです。
いくらテレビ番組の「事故物件」に住む企画から派生したとはいえ、もう9年ですよ(2012年から)住んだ事故物件も10件になるそうです。
いくら芸能界で売れるためとはいえ、普通は「嫌です」。
ここです、ここなんです。正直、精神的にタフじゃあないと出来ません。
“心霊現象”という非科学的な出来事って、証明されていないから怖がる必要なないのですが、人間という生き物に理論を説明しても、感覚には勝てません。
誰もが「幽霊なんていない」って思っても、やっぱり怖いのですよ。
そんな怖い思いをしながら「事故物件に住む」を貫き通していることが実績であり、信用・信頼を獲得しているのです。だからこそヒットするのです。
もう、松原タニシさんの「継続するは力なり」精神の賜物です。もちろん、タニシさんの背中を押した北野誠さんの尽力も相当なものだったと思います。
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映画『事故物件 恐い間取り』の結末・評価
さて、以上のように松原タニシさんが築いた土俵で見事なお仕事をしてくれたのは間違いなく中田秀夫監督です。
以下は本映画『事故物件 恐い間取り』がなぜ面白かったのかを検証する内容となっています。
2、脚本が完璧で飽きがこない
3、撮影技術が素晴らしい
4、編集のテンポが日本的
5、役者さんからリアル感が出ている
6、次回作を観たくなる
1、中田秀夫監督の演出の賜物
1の中田秀夫監督の演出の賜物についてですが、これはもう日本のホラー映画の巨匠ですからわたしがとやかくいう必要はありません。
でも近作の中田監督作品、映画『貞子』と『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』はファンとしては納得出来かねぬものでした。
正直「まったく面白くなかった」のです。前者出演の池田エライザさんはとても良かったのですが、後者の、、、、。
人気アイドルグループって言うだけで演技経験もない女性には、まるで魅力がありませんでした。プラスティックですか、あの表情は?
敗因はそこだったと思います。
ですから映画のキャストってとっても大事なのですよ。本映画『事故物件 恐い間取り』主演の亀梨和也くん、瀬戸康史くん、そして奈緒さん、江口のりこさん、皆さん本当に良かったと思います。後述します。
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中田監督の初期の作品というか、なんか「懐かしさ」を感じる映画になっていたと思います。一時期、テクニカルに走った時期がありましたが、本作は『仄暗い水の底から』あるいは『女優霊』の頃を思い出させてくれました。
いきなり恐怖が襲いかかってくるのではなく「染み込む」ように物語が進行していくのです。
つまり“気配”を引っ込めたり、出したりする演出が秀逸なのです。冒頭ではほとんどホラーの雰囲気はありません。
明るく、面白く、元気に活動するお笑い芸人の山野ヤマメ(亀梨和也) と中井大佐(瀬戸康史) のくだらない漫才でわたしたちを「リラックス」いや「怠く」させてくれます。
ここです。ここ。この最初の「怠く」させてくれるから後半まで持ちこたえることができるのです。
だって映画を観ていて「あ、亀梨くんが漫才やってる」「マジ?アイドルでしょ!」ってツッコミ入れてしまうじゃあないですか。
そのネタもくだらないのですから心身ともに弛緩的になるのです。ここで英気を養うことができるのです。
それで一旦、お笑いコンビが解散する流れになるのですが、ここでお客さんは山野ヤマメ(亀梨和也) に同情していくのです。
山野は結果的に中井大佐(瀬戸康史) に捨てられるのです。観ていて「中井はひどいなあ」って思った人っていませんか?
よってわたしたちの心は山野を応援したい気持ちに向かっていきます。
そして山野のことを見守る女性小坂梓(奈緒) の優しさ溢れる雰囲気にも共感を覚えるのです。
冒頭から一気に山野へ観客の意識を向ける演出はとても難しいのですが、さすが中田監督です。
あっさりとやってのけてます。「つかみオッケー」が成功したのです。
それからの物語の展開はとてもスムーズです。
山野の「売れたい」「有名になりたい」という気持ちを見せながら「幽霊に会いたい」という気持ちが強くなっていく様が描かれています。
しかもかつてコンビを一方的に解散した中井大佐(瀬戸康史) が戻ってきて、受け入れるのです。
かつての相方を優しく迎え入れたのは共感を得ますし、後半に生きてくる理由につながっています。
もしここで中井を拒否したら違う作風になっていたでしょう。「裏切り者は許せない」って安っぽい映画に。
そしてですね。本映画『事故物件 恐い間取り』に華を添えるのは間違いなく小坂梓(奈緒) と横水純子(江口のりこ) です。
前者は可憐な花ですが、実は恐ろしい闇を持っているのです。後者は見た目は怖いのですが、実は弱い存在なのです。
それは後半、梓は生き残り、横水は自死することで、どちらが心霊現象に免疫があったのかで明らかにされます。
物語では山野に恋心を抱く梓の一途な想いも応援したくなるのです。
わたし的に中田監督の演出で「ここは素晴らしい」と思った箇所は山野と梓が大阪の公園で別れるところです。
東京進出が決まった山野に対して梓が心配します。「山野さん、やめてください、心配なんです」に対して山野は「正直、迷惑や。10年でやっとみつかった。これが最後や」と言います。
それに対して梓は山野の体が心配でさらに引き止めます。そして山野が「口、出さんでくれ」と突き放します。
そして梓が泣きながら走り去ります。その二人の別れを中景で撮っているのです。そして、梓が向こうに去り、カメラ側に山野が歩き出すのです。
これは名場面です。しかもカメラが少しドリーバックするのです(50センチくらい)そして電車の音が一瞬入ります。で、次のカットへと。ここは絶妙でしたね。
今まで山野は梓の霊感にお世話になっているのに「捨てる」のです。それは芸人として最後のチャンスに賭ける想いもあったのでしょうが、やはり心のどこかには「梓を守りたい」という気持ちもあったと思うのです。
二人は背中合わせで別れるところに再会への伏線を感じさせるのです。
もうひとつ。こちらも梓が登場します。4件目のあおば荘に駆けつけた梓がドアを叩き山野を呼ぶ場面です。
ここは敢えて手持ち感を出していることで緊迫した雰囲気を出しています。カットも激しく割っています。「山野さん、山野さん」と叫ぶ梓のバストアップを左右のフレームにうまく収めながら捉えています。
梓の目線にも力があります。良い演技です。中田監督作品は“きっちり”“かっちり”撮ってきた実績があります。
むやみにキャメラを振り回しません。固定ショットと手持ちショットの使い分けが素晴らしいのです。ここぞという場面でこういったショットを用いてきます。
例えが適切かわかりませんが、セルジオ・レオーネの『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン』のロング、クロースアップ、ロング、クロースアップの魔法のようなショットを彷彿させます。
もちろん、他にも、たくさんの演出で唸らせる箇所はありましたが、わたし的にこの二つが最も心に残りました。
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2、脚本が完璧で飽きがこない
2の脚本が完璧で飽きがこないですが、これは脚本家のブラジリィー・アン・山田さんの知性教養の高さを表しています。
まずお笑い対してのリスペクトがあります。それは山野の「174秒」ってところです。
笑いでかつてお婆ちゃんの寿命を3ヶ月から6ヶ月に伸ばしたってところに表れています。あの逸話は良かったですね。
さて、上記でも書きましたが、冒頭の“つかみオッケー”の「怠さ」感が全てを作ったのではないでしょうか。
ホラーなんですよ、この映画。ホラー映画を観にくるお客さんって気合が入っている人が多いです。
「最初から最後まで“恐怖”来い」です。ですからハリウッド系のホラーは全力で引っ張りますよね。
映画が終わるとドッと疲れはてます。疲れ果てるところもホラーの魅力です。でも本映画『事故物件 恐い間取り』の冒頭は大阪心斎橋、グリコ、漫才、解散、、、、雨って来るんですよ。
この雨が良い味を出してリラックスさせてくれます。しかも山野が梓にあげるビニール傘ですが「恥ずかしくてさせないでしょ!」ってツッコミ入れてしまいました。
で、その傘が終盤に大いに活躍するのです。それにはびっくりしました。見事です。
本映画『事故物件 恐い間取り』の原作には恋愛要素は入っていません。
中田監督とブラジリィー・アン・山田さんは映画に恋愛要素を盛り込みつつ、実はテレビ業界の厳しさも描いているのも見逃せません。
山野ヤマメ(亀梨和也) も小坂梓(奈緒) も中井大佐(瀬戸康史) もテレビ業界からのパワハラに近い扱いを受けています。
このホラー映画のサイドストーリーにこういった業界の裏事情を入れているには良いと思います。
実際、原作者の松原タニシ氏が事故物件に住むようになったのは、北野誠氏のガチンコ・ホラー・ドキュメンタリー番組『北野誠のおまえら聴くな。』に端を発します。
映画の中では松尾雄二プロデューサー(木下ほうか)から無茶振りされます。「事故物件住んでみん?良い撮れたらレギュラーしたるで」と。
まあ、実際にこのやり取りかどうかはわかりませんが、「売れたい」芸人にとっては甘い砂糖水のようにも感じられたでしょう。
しかし、北野誠氏によると手を挙げたのは松原タニシ氏だけとのこと。ここで既に松原氏が選ばれているということです。
この事実を脚本にうまく盛り込ませています。ハラスメントではありません。「相互フォロー」です。
中井の場合はちょっと惨めです。お笑いをやっていた人間が放送作家に転身するのはそんなに容易なことではない描写に業界の厳しさを表しています。
実際はもっと厳しいやり取りがあると思いますが、映画ではオブラートに包むように描いています。
「全然、企画が通らん」っていう場面はキツイですね。テレビ番組を制作するというのは毎日が「ネタ出し」に追われるのですよ。
絶えず懐にアイデアを10個くらい持っておかないとやっていけない世界でしょう。10本企画を出して1本通れば儲けもんくらいの気持ちです。
精神的にタフな人間じゃなないとやっていけないでしょう。企画が通らないと本当に惨めです。
周りからの視線が辛いのです。冷ややかな視線には「ダメな奴」という無言のメッセージがあります。中井はそれに絶えられなかった模様がちゃんと描かれています。
ただそこには救いがあります。脚本家の山田さんはちゃんと用意しているのです。映画の最後の最後に中井が大活躍する場面を。
これは良いですね。本当に良いですね。
弱者を見捨てる社会に反論したような印象を受けて安堵感を持ちました。
この映画『事故物件 恐い間取り』の展開は4つの事故物件を渡り歩くのですが、これをいかにして“間延び”しないように脚本を書かなくていけないというプレッシャーもあったと思います。
前半から徐々に雰囲気を盛り上げて最後のクライマックスへ導くための手法も見事だと思います。
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1軒目の違法建築が発覚したTマンションでの“オーブ”を捉えて恐怖を植え付けてきます。
2軒目のMマンションは息子が母親を殺した物件ですが、排水口の髪の毛にリアリティーがあり、鳥肌もんです。
そして3軒目のIアパートは男が自殺した部屋です。ここはそれほど怖くはなかったです。観ていて骨休みできました。
そして4軒目へ突入します。それも梓と別れてです。梓と別れたことが、わたしにとっては大きな喪失感で不安を助長させて来るのです。
ある意味、梓が山野の“守り神”的な存在ですから、彼女がいなくなったことで、山野は「死ぬのだろう」と想像してしまったからです。
そしてあの展開です。まあ、やりすぎって言えばそうかもしれませんが、最後の4軒目ですからね。
一応、クライマックスですから。ただあの黒いマントの男がどうしても映画『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』のパルパティーンに見えてしまったのです。
いやいや、ここはもっと日本的なキャラクターが欲しかたです。できれば仮面ライダーの死神博士の天本英世さんが理想です。
そしてホラー映画のお決まりの“追い込み”も用意されています。とてもリラックスした場面です。
山野と梓がめでたく結婚するという流れです。不動産屋にいます。横水純子(江口のりこ) が登場ですよ。
まあ、大体の予想はついていたのですが、あの死に方は、、、、。ちょっと笑ってしまいました。でも、良かったと思います。
本当に丹念に練られた脚本だったと思います。素晴らしい。
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3、撮影技術が素晴らしい
3の撮影技術が素晴らしいですが、映画を観ていただければ実感できるでしょう。
照明が美しい。4軒の物件ごとの奥行き感から、色合いも明暗、彩度に至るまでこだわっています。
俗にいう全部に光やピントを合致させる“ドンピシャ”がないのです。
絶えず露出計を持ち歩くスタッフの姿が見えてきます(これが見えるわたしは霊能力はありません)
先にも書きましたが、わたし的に骨休みとなった3軒目のロフトタイプ間取りの話ですが、実はこの白い部屋の映像って、とても強烈だったことが今になってわかります。
照明で窓の外からの日の光で、清々しさを表しています。何気ない光ですが、今思うとゾッとする映像です。
当たり前の光景の中で起きた悲劇と恐怖って、日常生活でも起こりうるからです。
撮影監督・花村也寸志作品
4、編集のテンポが日本的
4の編集のテンポが日本的というのも安心しました。
やはりハリウッド的な激しい編集は飽きてきました。ジワっと忍び寄るような編集だと感じました。
編集って昔は「三三七拍子」とか重宝されていましたが、最近ではあまり使いません。長いカットに耐えられない人がいるからです。
テレビやユーチューブに慣れてしまったのも原因でしょう。でも、実際は“きっちり”“かっちり”した映像を観たい人もいるのです。
ですから本映画『事故物件 恐い間取り』の編集はカットとカットの間にある物語を想するには十分でした。脚本の行間の物語と同じです。
最近の編集は「前へ前へ」行くことばかりに注視しているようですが、本映画『事故物件 恐い間取り』は「三歩進んで二歩下がり」を繰り返す的な編集だった気がします。
全く飽きませんでした。「あれはなんだっけ?」となった時に拾い集めてくれました。
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5、役者さんからリアル感が出ている
5の役者さんからリアル感が出ているは、もう語る必要がないですね。
主演の山野ヤマメ演じた亀梨和也くんは、ベテランの域ですね。アイドルの印象を封印していましたね。
極力笑ってないのが良かったです。中井大佐演じた瀬戸康史は「逼迫感」がよく出ていたと思います。
そして絶賛はやっぱり小坂梓演じた奈緒さんですね。この人無くして成り立たなかったと思います。
あの大きい目がいいですね。絶叫はしていませんが、絶叫しているかのような表情が素晴らしかったです。山野を想う気持ちもうまく表現していたと思います。
6、次回作を観たくなる
6の次回作を観たくなるですが、これは本作『事故物件 恐い間取り』ヒット次第で実現できるのではないでしょうか。
まだまだ事故物件ネタはたくさんありそうです。というより、ひょっとしたら海外リメイクもあり得るかもしれません。
事故物件って海外の不動産でも頭の痛い案件ではないでしょうか。もし、アメリカでリメイクされるのであれば中田監督の演出を期待しています。
今、記事を書いていますが、猛烈に吐き気がしてきました。一旦やめます。続く。
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映画『事故物件 恐い間取り』の怨念か?
実はわたしの体調の問題かと思いますが、前回、映画『事故物件 恐い間取り』の記事を書いている時に猛烈な吐き気に襲われて途中で終わってしまいました。
ご無礼をお許しください。というのもこれには前兆がありまして、、、、。
先週の金曜日に本映画『事故物件 恐い間取り』が公開されました。とても楽しみにしていましたので金曜日に映画館へ向かおうと車のエンジンをかけましたら、全然かかりません。
バッテリーが上がっているのではありません。ちゃんとセルは回るのです。小一時間ほど休みましたらちゃんとエンジンはかかりました。
でももう映画には間に合いませんでした。
よって翌日の土曜日の朝1番の会に行くことにしました。車ですが、その朝は問題なくかかりました。そして映画にも間に合いました。
映画『事故物件 恐い間取り』はとても楽しく鑑賞させていただきました。しかし映画が終わってから異変がわたしを襲ったのです。
左足のふくらはぎが“つった”のです。こむら返りというやつです。もうそれは痛くて痛くて歩けません。
次の上映が始まる20分をかけてロビーに逃れました。すぐさま水分を摂ってはみたものの痛みは引きませんでした。
何とか我慢して車に乗り帰宅して映画『事故物件 恐い間取り』の記事を書こうと机に向かいました。
少し書いていると今度は左肩が急激に痛くなってきたのです。“引っ張られる”ような痛みです。
わたしは腰痛持ちですが、肩がこれほど痛くなる経験はありません。「疲れているのかな」と思い、その日の執筆はやめました。
寝ている時は昼間の影響なのか、ふくらはぎがピクピクを繰り返してあまり眠れませんでした。
翌朝、コーヒーを飲んでから執筆に取り掛かりましたが、再び左肩が引っ張られる感覚が襲ってきます。
わたしは性格的にある程度、記事を書かないと気が済まないところがあります。しかしながら、痛みに耐えられません。
結局、日曜日にアップするのを断念したのです。
そして月曜日と火曜日に分割しながら書き上げたのが、前回の記事です。その際は猛烈な吐き気に襲われてしまいました。こんな経験は初めてです。
ひょっとしたら映画『事故物件 恐い間取り』の祟りではないか危惧しています。
ですから映画『事故物件 恐い間取り』の記事はまだまだ未完成です。おそらくですが、追記、追記を繰り返すことになりそうです。
今、また気分が悪くなってきました。
続く
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映画『事故物件 恐い間取り』のキャストについて
山野ヤマメ(亀梨和也)
お笑い芸人松原タニシ役を演じています。お笑い芸人を目指したきっかけは「174秒」の奇跡から。余命3ヶ月のおばあちゃんを毎日笑わせてた。それは「人間が笑うと174秒寿命が伸びる」ことから。結果的におばちゃんは半年延命した。
中井とジョナサンズを結成し10年。全く芽が出ない。遂に中井から解散を申し出される。引き止めに失敗。中井は放送作家の道へ。山野は途方にくれる。しかしテレビ番組のプロデューサーの松尾雄二から「事故物件、住まへん?」企画に乗る。
実際の松原タニシさんが亀梨くんのようなハンサムな方ではない(失礼)です。この役はやっぱりハンサムな亀梨くんで当たりだったと思います。もし、実際のお笑い芸人がやるのであれば、「ヒリヒリ感」が生まれなかったと思います。
小坂梓(奈緒)
お笑い大好きな女性。ジョナサンズの山野を応援している。ライブでは奈緒だけが笑っている(彼らのコントは面白くないのに)メイクアップアーチストの修行中。
運良くテレビ局で働くことに。上司はMEGUMI演じるカオリ。厳しい業界でイジメにもあう。“霊感”を持っていることがわかり、山野に協力する。
奈緒さんは本映画の『事故物件 恐い間取り』を全力て引っ張ってくれた立役者間違いなしです。良い演技でした。「見えないものが見えてしまう得意な体質」で「人の顔色を伺ってしまう」性格の役柄をうまく演じていました。さらに“夢”を持って生きている人間を応援する優しいところにも惹かれました。
中井大佐(瀬戸康史)
山野とジョナサンズを結成。芽が出ず解散を申し出て放送作家の道へ。しかし、そちらでも通用せず。企画が通らない。仕方なく山野の「事故物件」シリーズに相乗り。故郷の父親が倒れて一旦、離れる。
瀬戸康史さんは難しい役だったのではないでしょうか。実は本映画『事故物件 恐い間取り』の中で一番「葛藤」しているキャラクターだったと思います。山野を捨て、放送作家にもなれず、山野に戻り、故郷へ帰る。まさにお笑い芸人の場末のような生き様を見せってくれました。こういう芸人は多くいるのではないでしょうか。その悲しき人生の機微を実にうまく演じていたと思います。
横水純子(江口のりこ)
不動産屋勤務。数々の事故物件を扱っている。淡々とした性格である。“霊感”を持っている。しかしあまりにも霊感能力が強いためか、引き込まれてしまって最後は“自死”する、させられる、展開に。
江口sさんはとても実力がある役者さんです。ただ和田アキ子っぽい感じがするのが勿体無い。関西出身ということで関西弁も板についていたと思います。舞台をやっている方なので迫力が違いますね。素晴らしい。個人的は『愛がなんだ』の演技が最高です。
江口のりこさんの個性的な演技が観ることができます
カオリ(MEGUMI)
テレビ局に派遣されているメイクアップアーチスト。業界慣れしている。助手を探していたところ、奈緒がくる。
こういう淡々とした女性スタッフてテレビ局にいます。MEGUMIさん、特徴をうまく掴んでいました。
下中裕美(真魚)
テレビ局勤務。松尾プロデューサーのアシスタント。いつも金魚のフンのようにくっついている。
真魚さんは『カメラを止めるな!』の印象が強いです。本映画『事故物件 恐い間取り』ではあまり目立ちませんでした。自戒を期待します。
松尾雄二(木下ほうか)
テレビ番組のプロデューサー。視聴率が気になる。視聴率のために何でもやる、いや、やらせるタイプ。山野に「事故物件住んでみん?良いの撮れたらレギュラーにしたるで」と無茶振りする。結果的には成功。
木下ほうかさんの役は実際はタレントの北野誠さんの役だったと思います。民放、それも関西のテレビ局のプロデューサーって感じが現れていたと思います。多分、関西のバラエティースタッフは“乗り”が一番大事なのでしょう。それに乗った松原タニシさんは偉い!
熊谷(瀧川英次)
まとめ 映画『事故物件 恐い間取り』一言で言うと!
「知らぬが仏、事故物件」
わたしの住んでいるアパートをずっと履歴を遡るとひょっとして「事故物件」だったのかも?と勘ぐってしまいました。でも調べる気がしません。知らぬが仏で行きます。
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映画『テッド・バンディ』
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映画『私の知らないわたしの素顔』
ビノシュの妖艶さが恐ろしさを増長させます
映画『事故物件 恐い間取り』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
中田秀夫
原作
松原タニシ
脚本
ブラジリィー・アン・山田
製作
大角正 藤島ジュリーK. 有馬一昭 関根康 田中祐介 堀内蔵人 井田寛
工グセクティブプロデューサー
吉田繁暁
アソシエイトプロデューサー
矢島孝
プロデューサー
秋田周平
撮影
花村也寸志
照明
志村昭裕
録音
秋元大輔
美術
瀬下幸治
装飾
中村三五
衣装
加藤哲也
ヘアメイク
外丸愛
VFXスーパーバイザー
浅野秀二
特殊造形
松井祐一
整音
室薗剛
編集
青野直子
音響効果
大河原将
音楽
fox capture plan
助監督
佐伯竜一
スクリプター
吉田久美子
キャスティング
神林理央子
プロダクションマネージャー
山田彰久
ラインプロデューサー
松田憲一良
音楽プロデューサー
高石真美
山野ヤマメ(亀梨和也)
小坂梓(奈緒)
中井大佐(瀬戸康史)
横水純子(江口のりこ)
カオリ(MEGUMI)
下中裕美(真魚)
熊谷(瀧川英次)
松尾雄二(木下ほうか)
肉戦車(加藤諒)
肉戦車(坂口涼太郎)
佐々木(中田クルミ)
団長安田
クロちゃん
ヒミコ(バービー)
定食屋店主(宇野祥平)
伊崎努(高田純次)
篠崎(小手伸也)
有名タレント(有野晋哉)
有名タレント(濱口優)
2020年製作/111分/G/日本
配給:松竹