映画『哀愁』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『哀愁』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『哀愁』
(1940年製作/アメリカ)
原題『Waterloo Bridge』
【監督】
マービン・ルロイ
【脚色】
S・N・ベールマン ハンス・ラモウ ジョージ・フローシェル【原作戯曲】ロバート・E・シャーウッド【製作】シドニー・フランクリン マービン・ルロイ【撮影】ジョセフ・ルッテンバーグ【美術】セドリック・ギボンズ【編集】ジョージ・ベームラー【作曲】ハーバート・ストサート
【出演】
ビビアン・リー
ロバート・テイラー
ルシル・ワトソン バージニア・フィールド マリア・オースペンスカヤ C・オーブリー・スミス ジャネット・ショウ ジャネット・ウォルド ステフィ・デューナ ヴァージニア・キャロル レダ・ニコヴァ フローレンス・ベイカー マージェリー・マニング
Frances Maclnerney エレノア・スチュワート
【HPサイト】
映画『哀愁』IMDbサイト
【予告映像】
映画『哀愁』トレーラー
映画『哀愁』NHK BSプレミアム放送 2月18日(木)午後1時00分〜2時50分
2月18日(木)午後1時00分〜2時50分
ビビアン・リーが悲しすぎます
『風と共に去りぬ』の女性と比較して観るべし!
戦争はダメ!
蛍の光がきになる
映画『哀愁』のオススメ度は?
星3つ半です
ビビアン・リーに同情してしまう
恋愛映画だけではない
「反戦映画」の要素があります
1940年製作について考えてみましょう!
映画『哀愁』の作品情報・概要
『哀愁』原題『Waterloo Bridge』1940年のアメリカ合衆国の恋愛映画。マーヴィン・ルロイ監督作品。主演はヴィヴィアン・リーとロバート・テイラー。原案は劇作家ロバート・E・シャーウッド作の2幕の舞台劇(Waterloo Bridge)から。本ヴィヴィアン・リーは、前年の『風と共に去りぬ』でアカデミー主演女優賞を獲得して、本作を選んだ。前作のたくましく強いアメリカ人女性とは打って変わって、繊細な女性を演じて好評を得た。
映画『哀愁』のあらすじ・ネタバレ
映画『哀愁』の感想・内容
「世界的な大女優になったビビアン・リーが一番好きな映画」です。本映画『哀愁』を改めて観ると、後々のビビアン・リーの数奇な人生の一端が窺いしれる作品と言えます。ご存知の通り、ビビアン・リーは『風と共に去りぬ』で、全世界の人々を熱狂させました。当時から世界一の美女と言われており、オファーも引き手数多だったと思います。前作同様、大作映画に出演するかを思われていました。本映画『哀愁』の相手役ですが、当初は、ビビアン・リーの恋人であるローレンス・オリヴィエであったのですが、ロバート・テイラーに変更されました。それはビビアン・リーとローレンス・オリヴィエは恋人と言えど、二人とも配偶者があり、いわゆるダブル不倫というイメージが悪いから回避されたと言われています。
『風と共に去りぬ』でもかなりエキセントリックな演技を見せています。いわゆる“キレる”のです。ビビアン・リーは後に双極性障害を発症して苦しみます。離婚してローレンス・オリヴィエと再婚しますが、それはもう大変な結婚生活だっとそうです。ローレンス・オリヴィエは毎日ビビアンに「罵倒される」日々で精根尽き果てたと言われています。しかもビビアンは不特定多数の男性と情事を交わしたことをローレンス・オリヴィエに自慢するかのように話すといった、典型的な双極性障害となっていきます。
本映画『哀愁』での結末はマイラ(ビビアン・リー)が車に飛び込み自殺を図るという超バッドエンドで幕を閉じます。映画撮影中はまだ発症していないと思います。でもさ結末に至るまでのビビアンの表情は「思い詰める顔」になっていく様にドキッとさせられるのです。演技なのかそれとも素の顔なのかを考えると、胸が痛くなります。
映画『哀愁』の考察・評価
さてさて、本映画『哀愁』は1940年に製作されています。第二次世界大戦前です。ここが重要だと思うのです。まるでその後に起きる大戦争を予見しているのです。物語の始まりは1939年なんです。大佐のロイ(ロバート・テイラー)は過去を振り返っているのです。その過去とは第一次世界大戦を指しています。出兵間際に二人は出会って、恋をして、 マイラ(ビビアン・リー)が自殺するのです。その時のロイは将校でした。 今は大佐として出世しています。ということはロイは第一次世界大戦が始まった1914年からずっと軍人なんです。そして第二次世界大戦でも軍人なんです。これってとても重要です。
ヨーロッパ諸国が描く第一次世界大戦は本当に悲惨極まりない戦いの描写が多いです。いわゆる地獄の“塹壕戦”なんです。これは映画『彼らは生きていた』や映画『1917 命をかけた伝令』でもそのおぞましさが描かれていました。ヨーロッパ人にとって戦争は「第一次世界大戦を指す」ことが多いようです。それで話を戻しますが、ロイはマイラを失っても軍人を貫き通す意味ってなんだろう、と思うのです。戦争は無益だとわかっていると思うのです。二度と行かないと思うのです。でも、敢えて結末を「戦争に行く」で終わりにしたのかについて、わたしは大評価したいと思っています。「反戦映画」とも言えるのです。
映画『哀愁』の結末
戦時中の映画製作は国威高揚として用いられる悲しい歴史がありました。ディズニーも日本バッシングを展開していますし、我らが黒澤明も作っています。となると本映画『哀愁』が発表された1940年は連合国のイギリスにとっては「憎っくきドイツ・イタリア・日本」なんです。ですからもっと敵対心を煽って、兵士動員に繋げなくてはいけません。でも本映画のロイはとても疲れており、精気がありません。「戦争に行きたくない」「戦争によって恋人を失った悲しみ」を表しています。ここがすごいと思うのです。第二次世界大戦が始まる前後にこのような映画を作ったということが。普通の戦争賛否映画であるなら、完全なるハッピーエンドに向かうのです。戦争によって離れ離れになった恋人が再会して、幸せな人生を送るという予定調和です。でもそうならなかったのですね。ロイの運命はおそらく“死”だと思うのです。ですから本映画『哀愁』は単なる悲劇の恋愛映画ではなく、「戦争は無益で残酷だ」と明確に伝える映画だと言えるのです。当時としては勇気ある反戦映画だと思います。うまく検閲をくぐり抜けたと思います。
映画『哀愁』のキャストについて
Myraビビアン・リー
Roy_Croninロバート・テイラー
Lady4Margaret_Croninルシル・ワトソン
Kittyバージニア・フィールド
Madame_Oiga_Kirowaマリア・オースペンスカヤ
The_DukeC・オーブリー・スミス
Maureenジャネット・ショウ
Elsaジャネット・ウォルド
Lydiaステフィ・デューナ
Sylviaヴァージニア・キャロル
Maricレダ・ニコヴァ
Beatrceフローレンス・ベイカー
Maryマージェリー・マニング
VioletFrances Maclnerney
Craceエレノア・スチュワート
まとめ 映画『哀愁』一言で言うと!
「ビビアン・リーは幸せだったのか」
正直、ビビアン・リーのことを知ってしまってから彼女の作品を鑑賞すると胸が痛みます。これほど成功を手にしたのに彼女の精神を崩壊させてしまった原因はなんでしょうか。ジュディー・ガーランドは薬とアルコールで壊されていきました。ビビアンを壊してしまったのは誰?
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映画『硫黄島からの手紙』
二宮くんは故郷に残した妻子に生還を誓う
『アメリカン・スナイパー』
イラク戦争で「スナイパー」として活躍したが、、、
【】
映画『』の作品情報
https://eiga.com/movie/41737/
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
マービン・ルロイ
脚色
S・N・ベールマン ハンス・ラモウ ジョージ・フローシェル
原作戯曲
ロバート・E・シャーウッド
製作
シドニー・フランクリン マービン・ルロイ
撮影
ジョセフ・ルッテンバーグ
美術
セドリック・ギボンズ
編集
ジョージ・ベームラー
作曲
ハーバート・ストサート
Myraビビアン・リー
Roy_Croninロバート・テイラー
Lady4Margaret_Croninルシル・ワトソン
Kittyバージニア・フィールド
Madame_Oiga_Kirowaマリア・オースペンスカヤ
The_DukeC・オーブリー・スミス
Maureenジャネット・ショウ
Elsaジャネット・ウォルド
Lydiaステフィ・デューナ
Sylviaヴァージニア・キャロル
Maricレダ・ニコヴァ
Beatrceフローレンス・ベイカー
Maryマージェリー・マニング
VioletFrances Maclnerney
Craceエレノア・スチュワート
1940年製作/アメリカ
原題:Waterloo Bridge