映画『アオラレ』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『アオラレ』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『アオラレ』
(2020年製作/90分/PG12/アメリカ)
原題『Unhinged』
【監督】
デリック・ボルテ
【製作】リサ・エルジー マーク・ギル アンドリュー・ガン【製作総指揮】ガイ・ボサム クリスタル・ブルボ メアリー・C・ラッセル クリストファー・ミルバーン ギャレス・ウェスト ピーター・タッチ アンダース・エアデン【脚本】カール・エルスワース
【撮影】ブレンダン・ガルビン【美術】フレデリック・ワフ【衣装】デニス・ウィンゲイト【編集】マイク・マカスカー スティーブ・ミルコビッチ ティム・ミルコビッチ【音楽】デビッド・バックリー【音楽監修】セリーナ・アリザノビッチ
【出演】
ラッセル・クロウ
カレン・ピストリアス ガブリエル・ベイトマン ジミ・シンプソン オースティン・P・マッケンジー
【HPサイト】
映画『アオラレ』公式サイト
【予告映像】
映画『アオラレ』トレーラー
映画『アオラレ』のオススメ度は?
星3つです
ラッセル・クロウの豹変ぶりに驚愕!
謝って逃げましょう!
映画『アオラレ』の作品情報・概要
『アオラレ』原題『Unhinged』2020年に公開されたアメリカ合衆国のスリラー映画。デリック・ボルテ監督作品。主演はラッセル・クロウ。原題を直訳すると「不安定な」となる。現代アメリカの社会問題である、自動車運転のマナーから起きる事件をモチーフに製作。交通渋滞、無用なクラクション、無理な割り込みと追い越し、そして“アオリ運転”から発生する傷害、殺人事件を浮き彫りにしている。実際はどこの国でも起きている問題を映像化。ラッセル・クロウの演技が秀逸。
映画『アオラレ』のあらすじ・ネタバレ
真夜中、静かな住宅街に巨漢の男が車(ラッセル・クロウ)から降りて一軒の家へ入っていく。叫び声がする。男はガソリンを撒いて火をつけて逃走する。
朝、美容師のレイチェル(カレン・ピストリアス) は、相変わらず朝寝坊をして、息子カイル(ガブリエル・ベイトマン) を不安にさせる。朝食もそこそこにカイルを学校まで送迎するために車を発進させる。しかし、道は大渋滞の兆しが見て取れる。カイルはだらしない母親のせいで、放校寸前だ。レイチェルの運転マナーは最悪。スマホを見ながら、強引な車線変更と割り込みを繰り返す。前方の車が青信号なのに発進しないことに腹を立てたレイチェルはクラクションを鳴らす。男はレイチェルに謝罪を要求するが拒否。すると男はレイチェルを執拗に追い回す。カイルを学校に送り届けてひと安心していると、先ほどの男が付け回していることに気がつく。そして、、、、。
映画『アオラレ』の感想・内容
「車に乗るのを止めようと思った映画」となります。正直言って、いまのストレス社会で生きていると「あり得る」と感じました。たったひとつのクラクションからこのような惨劇が起きる可能性はあります。もし「無い」という人がいたら、それは遠い平和だった過去から来た人ではないでしょうか。日本も世界もコロナ禍で、終わりのない苛立ちを抱きながら生活しています。自由は抑制され、人との距離感も希薄になっています。その分、人と接した時に感じるストレスは相当大きいです。ましてや、その人物が自分とは違う価値観や、反対の思想の持ち主であったのなら、苛立ちが沸点に向かって爆発してしまう可能性の社会でわたしたちは生きています。
本映画『アオラレ』は、両者のストレスが頂点に向かう寸前で出会ってしまった起きた物語です。つまり一方の人間だけが怒りを発散するのであれば、このような末路にならなかったはずです。「売られた喧嘩は買う」「やったらやり返す」「謝ったら負け」を信望とするアメリカ社会の誇りを見事に否定してくれた映画です。わたしは「逃げるが勝ち」「謝って帰ろう」と考えるタイプの人間です。だって、あんまり面倒臭いことに巻き込まれたくないじゃあないですか。時間の無駄ですよ。後々、「あの時、謝ったよね」と言われてら「命の危険を感じたから」と言います。
映画『アオラレ』の考察・評価
さて、本映画『アオラレ』の主人公はラッセル・クロウです。オスカー俳優です。名優です。 映画『グラディエーター』の時のような筋骨隆々の姿はありません。不気味な巨漢の男を演じています。とにかく横にデッカいです。こんな男が近寄ってきたら、逃げたくなります。でも、レイチェル(カレン・ピストリアス) は食ってかかるのです。これがいけなかったのです。きっかけはレイチェル運転の車の前の男が青信号なのに発進しなかったことに腹を立ててクラクションを鳴らしたのです。これって、よくあることですね。それに対して男は謝罪を求めるのですが、レイチェルは男をバカにして走り去ろうとするのです。男にとっても気分は悪いですよね。
この時点で、観ているわたしたちはどちら側に心を同調して良いのか、迷いが出ます。というのは男は映画の冒頭で、妻を殺して火をつけています。完全に狂っています。でもレイチェルの人間性に好感を持てないのです。何故なら、生活態度が非常にだらしないのです。朝、ベッドからなかなか出てきません。小学生の息子カイル(ガブリエル・ベイトマン) に急かされてやっとでてきます。カイルの表情は不安げです。「遅刻を心配」しています。母親が車で送迎するのですが、何度か遅刻しているため、学校で問題となっています。今度遅刻したら退学の危機です。レイチェルは時間にルーズです。出発したは良いが、ロサンゼルスのラッシュの真っ只中に突入です。下道を走っても、ハイウエイに乗っても渋滞です。カイルの心中は穏やかでいられません。しかもレイチェルの交通マナーは超がつくほど悪いのです。運転しながらのスマホは当たり前、強引な車線変更、割り込みは繰り返すし、バックで走ったりします。これでは後々起きた事件に対して「自業自得だろ」と口をついてしまいます。
さて、そしてレイチェルのご機嫌を最大限に損ねる出来事が起きます。まずは早朝、弁護士からの電話で、離婚訴訟中の夫からの要求に腹を立てています。彼女はフリーランスの美容師で、クライアントに登録していたのですが、遅刻ぐせのため「首を宣告」されるのです。お先真っ暗です。それが車中で起きました。そのイライラを背負って渋滞の中、前方の車にクラクションを鳴らしてしまったのです。男(ラッセル・クロウ)は当初は紳士的に解決を望みましたが、レイチェルの悪態に腹を立てます。実は男も離婚問題を抱えており、前夜、妻を殺害して放火してきたばかりです。男は死ぬ場所を探していたと思いますが、気の強いレイチェルに対して怒りを覚えるのです。
こうしてストレスが沸点に達している二人が出会ったらもう収集はつきません。激突必至です。いやいや、本当に恐ろしい展開が待っています。ラッセル・クロウの演技が本当に不気味なんです。眉間にシワを寄せて、じっと見つめてくるのです。ゾクゾクします。しかもあの巨漢で近寄ってきます。さらに頭が良いのです。携帯、スマホ、タブレットを駆使してレイチェルを追跡するのです。車追跡映画の『激突!』は追跡者の姿が見えないところに恐怖が内存されていましたが、本映画『アオラレ』は姿形も頭脳も見える恐怖感が続くのです。「何をしでかすかわからない」ではなく「コイツだったら何でもする」という恐怖感です。
映画『アオラレ』の結末
さてさて、映画的な結末は勧善懲悪で終わります。男(ラッセル・クロウ)イコール悪者で、殺してハッピーエンドです。うーん、この結末はどうなのでしょうか。確かに男の行為は行き過ぎた感があります。しかしながら、もっと違う結末があっても良かったと思うのです。殺され方も予想した通り、母親のレイチェルがアンディを守るために戦って、殺しましたというもの。しかも撲殺です。車を主体とした映画であるなら、車によって殺された方が納得できます。安易ではありますが、レイチェルが男を轢き殺すとなります。もしくは男が車にレイチェルとアンディをさらって、車に大量の爆弾を詰め込み、ロサンゼルスのハイウエイに入り、自ら渋滞を作っての爆死とか、、、、。まあ、これはわたしの個人的な夢想なので、忘れてください。しかしながら本映画『アオラレ』を観た後の車の運転には気をつけました。車間距離を普段の倍は開けました。そしてこれからはあまり車を運転しないような生活を目指そうと誓いました。
映画『アオラレ』のキャストについて
男(ラッセル・クロウ)
レイチェル(カレン・ピストリアス)
カイル(ガブリエル・ベイトマン)
アンディ(ジミ・シンプソン)
オースティン・P・マッケンジー
まとめ 映画『アオラレ』一言で言うと!
「負けるが勝ち」
わたしはヘナチョコなので、こちらが悪くなくても謝ってしまうところがあります。もちろん、海外では通用しないのでしょう。でも、人間というのはメンツを大事しますから、怒った相手に対してこちらも怒りを露わにすると、相手のメンツを潰す結果に繋がります。いざと言う時は証拠のビデオを回してから、謝るのが賢明かと思います。やっぱり常軌を逸した人物とはすぐさま離れる術を身につけた方が良いです。
『運だぜ!アート』本日の総合アクセスランキング
合わせて観たい映画
【ホラー&サスペンス映画オススメ】
映画『事故物件 恐い間取り』
中田監督新作は事故物件芸人ホラー
映画『ラ・ヨローナ 彷徨う女』
グアテマラという国の怨念物語
映画『ミッドサマー』
新しいジャンル“フェスティバル・スリラー”誕生です
映画『透明人間』
姿も形も見えない恐ろしさってどんな感じだろうか?
映画『ルース・エドガー』
なんとも言えない「あと味」が残る映画です
映画『サイコ (1960年の映画)』
サスペンスの神様と言ったらヒッチコックです
映画『ナイチンゲール』
人種・女性差別を楽しむゲスな人間がいました
映画『ダーティーハリー』
「サイコパスって?」を世界に広めた映画
映画『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
レイプと殺人を楽しむクソ野郎です
映画『テッド・バンディ』
テッド・バンディ無くしてサイコパスは語れません
映画『私の知らないわたしの素顔』
ビノシュの妖艶さが恐ろしさを増長させます
映画『アオラレ』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
デリック・ボルテ
製作
リサ・エルジー マーク・ギル アンドリュー・ガン
製作総指揮
ガイ・ボサム クリスタル・ブルボ メアリー・C・ラッセル クリストファー・ミルバーン ギャレス・ウェスト ピーター・タッチ アンダース・エアデン
脚本
カール・エルスワース
撮影
ブレンダン・ガルビン
美術
フレデリック・ワフ
衣装
デニス・ウィンゲイト
編集
マイク・マカスカー スティーブ・ミルコビッチ ティム・ミルコビッチ
音楽
デビッド・バックリー
音楽監修
セリーナ・アリザノビッチ
男(ラッセル・クロウ)
レイチェル(カレン・ピストリアス)
カイル(ガブリエル・ベイトマン)
アンディ(ジミ・シンプソン)
オースティン・P・マッケンジー
2020年製作/90分/PG12/アメリカ
原題:Unhinged
配給:KADOKAWA