映画『真昼の死闘』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『真昼の死闘』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
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『真昼の死闘』
(114分/アメリカ・メキシコ合作/1970)
原題『Two Mules for Sister Sara』
【監督】
ドン・シーゲル
【製作】
マーティン・ラッキン キャロル・ケイス
【原案】
バッド・ベティカー
【脚本】
アルバート・マルツ
【音楽】
エンニオ・モリコーネ
【出演】
エンニオ・モリコーネ
【HPサイト】
映画『真昼の死闘』IMDbサイト
【予告映像】
映画『真昼の死闘』トレーラー
映画『真昼の死闘』NHK BSプレミアム放送 10月9日(金)午後1時00分~2時55分
10月9日(金)午後1時00分~2時55分
クリント・イーストウッド主演作品です
世界の映画のレジェンドです
なんと“ラバ”を演じています
世界的大女優シャーリー・マクレーンのラバです
ロードムービーです
演技的にはマクレーンの圧勝です
映画『真昼の死闘』のオススメ度は?
星3つ半です
レジェンドを観ましょう
クリント・イーストウッドという“映画人”です
大女優シャーリー・マクレーンも観ましょう
お茶の子さいさいな演技です
真昼ではなく“夜”決闘しています
映画『真昼の死闘』の作品情報・概要
『真昼の死闘』原題『Two Mules for Sister Sara』1970年制作のアメリカ合衆国の西部劇映画。ドン・シーゲル監督作品。クリント・イーストウッド主演。共演は当時、世界的な大女優となっていた映画『アパートの鍵貸します』のシャーリー・マクレーン。フランス占領下のメキシコを舞台に、革命を目指すゲリラ部隊に協力する男女の恋愛要素を織り交ぜたロードムービー。
映画『真昼の死闘』のあらすじ・ネタバレ
朝焼けの荒野の中、ロバを引いた男ホーガン(クリント・イーストウッド)が現れる。女の悲鳴が聞こえる。半裸状態にされ、男たちから乱暴さっれようとしている。ホーガンは拳銃とダイナマイトで男どもを片付け女を助ける。女の名前はサラ(シャーリー・マクレーン)で修道女であった。ホーガンはメキシコゲリラに協力してお金を稼いでいる。一方のサラはメキシコ革命軍のために資金集めをしたせいでフランス軍から追われている。共にフランス軍からは敵扱いとなる。二人は一緒に旅をすることになる。目指すはメキシコのチワワ。
映画『真昼の死闘』の感想・内容
ドン・シーゲル監督とクリント・イーストウッドコンビの映画
ドン・シーゲル監督とクリント・イーストウッドコンビの第二弾作品です。
正直いって「なんじゃこりゃ?」って映画です。この時点のクリント・イーストウッドはもはや世界の大スターになっています。
セルジオ・レオーネと組んだ“ドル箱三部作”の世界的ヒットで押しも押されぬ存在です。
しかし本映画『真昼の死闘』はそれほどヒットしていません。
理由は西部劇なのかマカロニウエスタンなのか線引きが難しいこともありますが、やっぱり“宿敵”がいなかったことです。
セルジオレオーネvsクリント・イーストウッドの伝説の「ドル箱三部作」
シャーリー・マクレーンとの共演は良いが「宿敵不在」がヒットに繋がらず
“ドル箱三部作”ではちゃんと戦う相手、もしくはライバルがいました。
いぶし銀のリー・ヴァン・クリーフや癖の強いイーライ・ウォラックは本当に物語を盛り上げてくれました。
でも本映画『真昼の死闘』には「こいつは憎たらしい」と思えるキャラがいなかったことが敗因だと言えます。
フランスに占領されているメキシコの解放を交えての恋愛物語という設定は良かったと思います。
共演がシャーリー・マクレーン というのもクリント・イーストウッドは欲を出したのではないでしょうか。
マクレーンは1934年生まれで、クリント・イーストウッドは1930年生まれの同世代です。
マクレーンはもう世界的な大スターでした。
しかもベルリン、ヴェネチア映画祭で女優賞を獲得しています。芸術性の高い演技で世界のフィルムメーカーたちから尊敬されていました。
クリント・イーストウッドはエンタメ系の映画ばかりですから、演技の面ではそれほど評価されていません。
クリント・イーストウッド最高演技と名高い作品
シャーリー・マクレーンとの共演でステップアップを目指した
おそらくですが、イーストウッドたっての願いでマクレーンのキャスティングに至ったのではないでしょうか。
クリント・イーストウッド作品での女優のキャスティングでは彼の好みが大きく反映されます。
しかもかなりの確率で恋愛関係に発展します。共演女優で最も有名なのはソンドラ・ロックですね。彼女との不倫関係は壮絶でした。
しかも破綻後、裁判に発展しています。ソンドラ・ロックが怒った理由もわかります。クリント・イーストウッドとの間に子どもが出来なかったことも一因でしょう。
クリント・イーストウッドは5人の女性との間に8人の子どもがいます。ソンドラ・ロックと付き合っている時にもあちこちに女性がおり、子どもを作ってますから、、、、。
とにかくクリント・イーストウッドはとても女性好きです。もっとはっきりいうと“スケベ”です。
本当に女性が好きで好きでたまらない人なんです(『トゥルー・クライム』のスケベなジャーリスト役が最も素のクリント・イーストウッドに近いと言われています)
だからマクレーンをキャスティングする時も多少の下心はあったと思います。
うまくいったかどうかは知りませんが、、、。もちろん、下心もあったでしょうが、やはり世界的な大女優と共演するということは彼にとっては大きなステップアップに繋がることを計算してのことだったと思います。
その後、大女優との共演作で有名なのは映画『マディソン郡の橋』のメリル・ストリープですね。
ちなみにクリント・イーストウッドは『許されざる者』で共演したフランシス・フィッシャーと恋愛に発展して女の子を作っています。
映画『真昼の死闘』の結末・評価
オープニングのエンニオ・モリコーネ音楽は良い
さて、本映画『真昼の死闘』ですが、オープニングが良いですね。音楽はエンニオ・モリコーネです。
もうドル箱三部作のイメージを引きずっています。
朝焼けの荒野を馬を引いたホーガン(クリント・イーストウッド)が現れます。
フクロウ、ウサギ、ジャガー、ヘビ、クモなどの動物が現れます。この一連の流れはおそらく弱肉強食の時代性を表しているのではないでしょうか。
それとオープニングの朝焼けですが、おそらく撮影時は夕暮れで撮っていると思います。映画ではよくあることです。
エンニオ・モリコーネとクリント・イーストウッドは相性が良い
マクレーンとイーストウッドの恋愛ロードムービー
ホーガンは流れ者のようなイメージですが、メキシコ革命軍に協力してお金を稼いでいます。
荒野でならず者に乱暴されそうなサラ(シャーリー・マクレーン)を助けます。彼女は修道女でした。
サラは修道女の姿をしていますが、メキシコ軍のためにお金を集めています。
そんな二人が旅をすることになるロードムービーです。しかも珍道中です。
最終的にはフランス軍に一泡食わして終わります。
物語の最終的な目的はメキシコ革命です。そのためにフランス軍を殲滅する必要があるのです。
それを実現するための道中を二人の珍道中で面白おかしく描いています。でもちょっと間延びします。
クリント・イーストウッドのダイナマイト多用
本映画『真昼の死闘』でのクリント・イーストウッドは華麗な拳銃さばきはあまり見ることが出来ません。機関銃とダイナマイトが多いです。
一番の見所はフランス軍の汽車を鉄橋ごと爆破する場面です。フランス軍との戦いは夜襲として行われますが、いまひとつです。
おそらくダイナマイトの火花が映えるから夜にしたと思いますが、正直言ってしょぼいのです。
しかもわざとかわかりませんが、“水平”がとれていないのです。斜めになっているカットが気になります。
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シャーリー・マクレーンは圧巻
演技的にはいつも通りです。クリント・イーストウッドはあまり長いセリフを喋りません。
でもやっぱり背も高く姿勢が良いから、仕草や所作、立ち振る舞う演技は天性のものだと思います。
シャーリー・マクレーンは圧巻でした。前半の修道女から後半の娼婦の演技もお茶の子さいさいって感じで演じています。
完全にクリント・イーストウッドを食っていますね。食っていると言うより「遊んでる」ような雰囲気すら感じます。
そりゃそうかもしれません。演技の実績も名声もマクレーンの方が格段に上でしたから。
*原題『Two Mules for Sister Sara』を日本語にすると「修道女サラのための二匹のラバ」となります。ラバとは雄のロバと雌のウマの交雑種のこと。二匹のラバはホーガンとラバのこと。原題からするとやはり当時は世界的な大女優であったマクレーンが主演とみるのが正解かもしれない。
*クリント・イーストウッド主演の『運び屋』https://undazeart.com/hakobiya2/でもラバを扱っており、イーストウッドにとってラバは相性の良い動物なのだろう。
映画『真昼の死闘』のキャストについて
クリント・イーストウッド(ホーガン)
シャーリー・マクレーン(サラ)
マノロ・ファブレガス(ベルトラン大佐)
アルベルト・モリン(ルクレール将軍)
アルマンド・シルヴェストレ(盗賊)
まとめ 映画『真昼の死闘』一言で言うと!
「俺はもっと飛躍したい」
クリント・イーストウッドの名声欲、あるいは自己顕示欲の強さには尊敬の念を感じずには要らせません。とても良いことだと思います。絶えず「挑戦し続ける」姿勢は今でも継続しています。映画が好きなのはもちろんですが、やはり多くの人から賞賛を浴びたいと言う気持ちが強いのではないでしょうか。「承認欲求」ですね。自分を高みにおいて飛躍するために、大女優・男優を共演し着実にステップアップしてきました。素晴らしいとしか言えません。
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映画『真昼の死闘』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ドン・シーゲル
製作
マーティン・ラッキン キャロル・ケイス
原案
バッド・ベティカー
脚本
アルバート・マルツ
音楽
エンニオ・モリコーネ
ホーガン(クリント・イーストウッド)
サラ(シャーリー・マクレーン)
ベルトラン大佐(マノロ・ファブレガス)
ルクレール将軍(アルベルト・モリン)
盗賊(アルマンド・シルヴェストレ)
盗賊(ジョン・ケリー)
盗賊(エンリケ・ルセロ)
フアン(デヴィッド・エスチュアルド)
1970年製作/114分/アメリカ・メキシコ合作
原題:Two Mules for Sister Sara