映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』IMDbサイト・ Rotten Tomatoesサイトにて作品情報・キャスト情報ならびにレビューをご確認ください。
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『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』
(2021年製作/105分/PG12/アメリカ)
原題:Prisoners of the Ghostland
配給:ビターズ・エンド
【監督】
園子温
【製作】マイケル・メンデルソーン レザ・シクソ・サファイ ローラ・リスター コウ・モリ ネイト・ボロティン【製作総指揮】ナタリー・ペロッタ ニック・スパイサー アラム・ターツァキアン 定井勇二 横濱豊行【脚本】アーロン・ヘンドリー レザ・シクソ・サファイ【撮影】谷川創平【美術】磯見俊裕【衣装】松本智恵子【編集】テイラー・レビ【音楽】ジョセフ・トラパニーズ【視覚効果監修】ジョージ・A・ルーカス
【出演】
ニコラス・ケイジ ソフィア・ブテラ ビル・モーズリー ニック・カサベテス TAK∴
中屋柚香 YOUNG DAIS 古藤ロレナ
縄田カノン 栗原類
渡辺哲
潤浩
映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』外部リンク
【HPサイト】 映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』公式サイト
【予告映像】 映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』トレーラー
映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』IMDbサイト
映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』 Rotten Tomatoesサイト
映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』のオススメ度は?
星3つ半です
園子温監督の「世界観」を満喫しよう!
TAK∴さんの殺陣がカッコいい
ニコラス・ケイジは「ダラっとしている」オッケー
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映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』の作品情報・概要
『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』原題『Prisoners of the Ghostland』2021年のアメリカのスリラー映画。園子温監督ハリウッドデビュー作品。ニコラス・ケイジ主演。ソフィア・ブテラ、ビル・モーズリー、ニック・カサベテス、TAK∴、中屋柚香、YOUNG DAIS、古藤ロレナ、縄田カノン、栗原類、渡辺哲、潤浩らが出演。場所や時代設定が独創的である。時代劇と西部劇の融合で、近未来に訪れるディズトピア社会を描いている。脚本はアーロン・ヘンドリーとレザ・シクソ・サファイ。
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映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』のあらすじ・ネタバレ
ヒーロー(ニコラス・ケイジ)はプロの犯罪者として名をとどろかせていた。ある日、サイコ(ニック・カサベテス) と共に銀行強盗を行うが失敗する。女・子どもに銃口を向けてしまったのだ。裏社会を牛耳るガバナー(ビル・モーズリー) に失敗を責められたヒーローは、ガバナーから自分のもとを逃げ出した女バーニス(ソフィア・ブテラ) を連れ戻すよう命じられる。ヒーローは差し出されたボディスーツを着る。そのスーツには爆弾が仕掛けられていた。期限は5日。バーニスを救出しないと命ははい。ヒーローは彼女を探すうち、“ゴーストランド”という町にたどり着く。そこは、東洋と西洋の文化が混じり合う、暴力に満ちた町だった。
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映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』の感想・内容
「園子温監督の最高傑作映画」となります。本映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』は間違いなく邦画史に残る名作となるでしょう。今はそれほど評価されないです。それは時代が「園子温監督に追いついていない」からです。各映画サイトのレビューは軒並み「酷評コメント」が続出していますが、わたし的に「そうか、園子温監督は“既成概念”をぶち壊したかったのか!」と賛否の拍手を送っています。すごい心意気だと思うのです。よくぞここまで「トチ狂った映画」を作ってくれたと感動しています。
まずは圧倒的な世界観に敬意の念を抱きます。「ここはどこ?」「時代設定は?」などの雑念が頭に浮遊しますが、そんなことはどうでも良くなるのです。確かに『マッドマックス』『キル・ビル』っぽいと思われる方も多いと思いますが、全然違います。とにかく「はちゃめちゃ」な設定が最高ではないですか!こういう狂った映画って昔はたくさんあったのです。でも、近年はとても「お利口さん映画」が多いのは、やはりフィルムメーカーの「コンプライアンスを気にしている」としか言いようがありません。特に邦画はやたらと“格差社会”と“LGBTQ”を意識した映画製作が花盛りと言えます。アメリカ映画ではこのブームは一段落しています。
ですから園子温監督の本映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』のぶっ飛ばし方にわたしは「めっちゃスッキリした」のです。映画のオープニングからエンディングまで、園子温監督の好きなように作っているのです。やりたいことの80パーセントくらいは達成しているのではないでしょうか。展開される物語のメッセージとか、登場人物への心情移入など関係ないです。そんなこと考える必要はありません。もう、最初から最後まで「園子温監督の“わがまま”を観るしかない」のです。本当に素晴らしいと思います。
ハリウッド資本ですから、それなりの製作費がかかっていると思います。羨望の目を向けている日本人の映画監督も多いのではないでしょうか。「やりたい放題」ですもん。わたしとしては、園子温監督が海外へ拠点を移して、素晴らしい映画作品を作ってくれることを期待します。
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映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』の考察・評価
さて、肝心の映画の内容について書きます。本映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』はアメリカの西部劇、日本の時代劇、さらには人類滅亡間近の近未来などのイメージが浮かびます。はっきり申しますと「全部当たっている」のです。どの時代でも構いません。西部劇の荒くれガンマンと武士道を貫くサムライが、スクリーンを縦横無尽に駆け巡ります。特に目につくのは、ヤスジロウ演じるTAK∴さんでしょう。この人の存在感は半端ないですね。 映画『キングダム』でも話題になりましたが、「近寄りがたい雰囲気」を醸し出しています。近づいたら「殺される」ような危ない人間なのです。
このTAK∴さんが映画全体をピシッと締めてくれたのは間違いないと思います。主演のヒーロー演じるニコラス・ケイジですが、近年はあまりヒット作がありません。奇行蛮行ばかりが話題になっています。でも、俳優ですからそれで良いのです(しかしSNSの普及でちょっとヤバいかも)元々、酒好きなので、酒がフリーで飲みまくれるラスベガスに引越したり、「ノリで結婚と離婚を繰り返したり」で、大いに笑わせてくれています。しかも本映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』に出演している芝田璃子さんと5度目の結婚をしています。若いアジア人女性がお好きなようです。
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話を戻しますが、実際ニコラス・ケイジに関しては辛口コメンントしか言えないのです。何だか「ダラっとしてる」印象なのです。アクションのキレもそんなにありません。ガン捌きはまだしも、日本刀を振り回す殺陣は目も当たられないほどの演技です。ですからTAK∴さんの存在がとても重要になってくるのです。主演ニコラス・ケイジにしっかりと光を当てる演技をしていたと思います。
それとわたし的にとても素晴らしいと思ったのは“ママチャリ”です。ヒーロー(ニコラス・ケイジ) がママチャリを乗って暴走するのです。これは最高です。車でもないし、馬でもないのです。わが国が世界に誇る“ママチャリ”なのです。この発想をした園子温監督に「あっぱれ」です。背の高いニコラス・ケイジが必死に漕ぐ姿になんだか涙が出てきました。「哀愁感たっぷり」でした。
それと原爆を想起させる場面の用い方も上手いのではないでしょうか。ひとつ間違えると、抗議が殺到しそうな演出です。戦後生まれのわたし的にオッケーだと思いました。アニメーションとして原爆グモ、つまりキノコ雲を何度も登場させています。わたしたちは世界で唯一の被爆国で生まれ育っています。戦争、そして核兵器に対してはとても敏感です。原爆投下の映像を見ると「悲しくて辛い気落ち」になります。でも、海外の人、特にアメリカ人の心情は日本人のそれと違います。放浪時代、アメリカ人と食事をしている時に、サラダのマッシュルームをフォークで持ち上げて、「原爆」と笑いながら言った時はショックでした。
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映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』の結末
わたしたちは原爆について、好意的な意見を言う人を排除しがちです。もちろん、「核兵器は許されない」のは重々承知しています。でも、被爆国でない外国の人たちは割りと安易に考えている人が多いことも忘れてはいけません。わたし的な見解ですが、園子温監督は敢えて、「日本人と外国人の原爆に対する温度差」を描くために紙芝居アニメーションにしたのではないでしょうか。わたしの心には新たに「核廃絶」への気持ちが強くなりました。それと女・子どもに対して暴言や暴力的なことをすると「爆破」する危険があるという点は素晴らしいと思いました。「DV反対」や「男女平等」の世界を描いていると思います。
さて、本映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』の結末ですが、「一体、何だったのか」で終わります。観終わった後、わたしの目の前には荒果てた砂塵の世界、あるいは人類滅亡を迎えた『猿の惑星』、破壊と創生を目指す『マッドマックス』などのエンディングが浮かんできました。圧倒的な世界観を満喫したのと、とてつもない脱力感と虚無感が包まれて家路に着いた一本となりました。
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映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』のキャストについて
ヒーロー(ニコラス・ケイジ)
バーニス(ソフィア・ブテラ)
ガバナー(ビル・モーズリー)
サイコ(ニック・カサベテス)
ヤスジロウ(TAK∴)
スージー(中屋柚香)
ラットマン(YOUNG DAIS)
ステラ(古藤ロレナ)
ナンシー(縄田カノン)
キュリ(栗原類)
ナベ(渡辺哲)
ガムボールボーイ(潤浩)
まとめ 映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』一言で言うと!
「やりたいことをやって生きよう!」
本映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』を鑑賞して思ったことです。これほどまでに、映画製作を自由にやっていることに驚愕しました。わたしも自分のやりたいことをやろうと決意しました。
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映画『シャイニング』
やはりキューブリック描くと100倍の怖さです
映画『ドクター・スリープ』
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映画『ジョーカー』
こんなに真面目で努力しているのに、、、
映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』の作品情報
スタッフ・キャスト
監督
園子温
製作
マイケル・メンデルソーン レザ・シクソ・サファイ ローラ・リスター コウ・モリ ネイト・ボロティン
製作総指揮
ナタリー・ペロッタ ニック・スパイサー アラム・ターツァキアン 定井勇二 横濱豊行
脚本
アーロン・ヘンドリー レザ・シクソ・サファイ
撮影
谷川創平
美術
磯見俊裕
衣装
松本智恵子
編集
テイラー・レビ
音楽
ジョセフ・トラパニーズ
視覚効果監修
ジョージ・A・ルーカス
ヒーロー(ニコラス・ケイジ)
バーニス(ソフィア・ブテラ)
ガバナー(ビル・モーズリー)
サイコ(ニック・カサベテス)
ヤスジロウ(TAK∴)
スージー(中屋柚香)
ラットマン(YOUNG DAIS)
ステラ(古藤ロレナ)
ナンシー(縄田カノン)
キュリ(栗原類)
ナベ(渡辺哲)
ガムボールボーイ(潤浩)
2021年製作/105分/PG12/アメリカ
原題:Prisoners of the Ghostland
配給:ビターズ・エンド