映画『オールド』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『オールド』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『オールド』
(2021年製作/108分/G/アメリカ)
原題『Old』
配給:東宝東和
【監督】
M・ナイト・シャマラン
【製作】M・ナイト・シャマラン アシュウィン・ラジャン マーク・ビエンストック【製作総指揮】スティーブン・シュナイダー【原作】ピエール=オスカル・レビ フレデリック・ペータース【脚本】M・ナイト・シャマラン
【出演】
ガエル・ガルシア・ベルナル ビッキー・クリープス アレックス・ウルフ イーモン・エリオット ノーラン・リヴァー ルカ・ファウスティーノ・ロドリゲスエリザ・スカンレン カイル・ベイリー ミカヤ・フィッシャー トーマサイン・マッケンジー エンベス・デイヴィッツ アレクサ・スウィントン アビー・リー ケン・レオン アーロン・ピエール ニキ・アムカ=バード キャスリーン・チャルファント グスタフ・ハマーステン フランチェスカ・イーストウッド マシュー・シアー M・ナイト・シャマラン
【HPサイト】
映画『オールド』公式サイト
【予告映像】
映画『オールド』トレーラー
映画『オールド』のオススメ度は?
星4つです
「人生について」
「時間とは限られている」
迫り来る余命がわかったら「あなたはどうする?」
ウエルカムドリンク「飲みたくない」
映画『オールド』の作品情報・概要
『オールド』原題『Old』2021年製作のアメリカ合衆国のスリラー映画。M・ナイト・シャマラン監督作品。主演はガエル・ガルシア・ベルナル(映画『リメンバー・ミー』)。本作は2010年、フレデリック・ペータースとピエール・オスカル・レヴィーが発表したグラフィックノベル『Sandcastle』が原作となっている。出演はビッキー・クリープス、アレックス・ウルフ(映画『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』)、イーモン・エリオット、ノーラン・リヴァー、ルカ・ファウスティーノ・ロドリゲス、アレクサ・スウィントン、アビー・リー、ケン・レオン、アーロン・ピエール、ニキ・アムカ=バード、キャスリーン・チャルファント、グスタフ・ハマーステン、フランチェスカ・イーストウッド(映画『トゥルー・クライム』)、マシュー・シアー、M・ナイト・シャマラン
映画『オールド』のあらすじ・ネタバレ
ガイ・カッパ(ガエル・ガルシア・ベルナル)とプリスカ・カッパ(ビッキー・クリープス) は息子トレント・カッパ(6歳)(ノーラン・リヴァー)と娘マドックス・カッパ(11歳)(アレクサ・スウィントン)の四人でリゾート旅行にやってきた。島はサンゴ礁が囲まれており、ビーチがきれいだ。ホテルについてウエルカムドリンクを頂き、部屋に入る。するとすぐにガイとプリスカが喧嘩を始めて、子どもたちはゲンナリする。ホテルの進めで「シークレットビーチ」は招待されて四人は行くことに。その他のツアー客も一緒になって楽しむことになる。運転手(M・ナイト・シャマラン)はビーチから遠い場所に車を止めて立ち去る。ビーチにはセダン/ブレンダン(アーロン・ピエール)という名の知れたラッパーが佇んでいた。
映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』ネタバレ・あらすじ「2021年世界興行収入第一位!」感想「コロナ禍で良く頑張った!」結末「3密守って上映&鑑賞スタイル成功」 」
映画『オールド』の感想・内容
「人生について考えてしまう映画」となります。M・ナイト・シャマラン監督作品です。彼が世界の映画界に衝撃を与えたのは間違いなく『シックス・センス』でした。わたしも物語の進展に引き込まれて、最後まで「騙された」記憶があります。スリラー映画の旗手と言われていますが、彼の作り出す“恐怖”とは血しぶきや絶叫などの作品とは違って、一滴一滴が天井から頭に落ちて浸透していくような怖さを醸し出しているのが魅力です。
本映画『オールド』も同様に何か得体の知れないとんでもない事実が「ポツリポツリ」と迫ってくる静かなる迫力がありました。オープニングからエンディングまでのスクリーンへの吸引力はとても強かったと言えます。
本映画『オールド』はM・ナイト・シャマラン監督のオリジナルストーリーではありません。2010年、フレデリック・ペータースとピエール・オスカル・レヴィーが発表したグラフィックノベル『Sandcastle』にインスパイアされて映画化したものです。「なんだ、オリジナルではないのか」とガッカリする人もいるかもしれません。でも脚本は原作とかなり異なっています。その点についての是非が問われていますが、わたしとしては本映画『オールド』の結末を支持したいと思っています。というのはやはり世界中が“コロナ禍”に包まれています。コロナワクチンの特効薬の開発もあっという間というか、いま現在も続けれています。結末的にはスリラー要素や、大どんでん返しのネタバレはありません。製薬会社の壮大なる人体実験が行われていた、となっています。つまり、世界の人たちが「生命とは何か」あるいは「自分の身は自分で守れ」的なメッセージも内包していると思うのです。
映画『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』ネタバレ・あらすじ「大感動の家族愛映画」感想「ミリセント・シモンズを応援したい」結末「続編は恋して欲しい」
映画『オールド』の考察・評価
タイトルが『オールド』で、予告でも「一日であっと言う間に歳をとる物語」と紹介されていた通りの展開です。親などの年配の人が次々と亡くなっていくという展開も予想できます。そして、集まっているメンバー内での内紛というか、騒動も予想通りです。「何か恐ろしい存在」がある雰囲気がずっと漂っていますが、登場人物たちがそれを暴き出して、退治するという展開ではありません。
本映画『オールド』で意識して観てほしいのは「時間という概念」についてです。わたしたち日常生活に於いて、時間ほど大事なことはありません。そうです「人生とは時間」なのです。でも、それが当たり前になってしまって、「時間」についてあまり考えることがないと思うのです。毎日「時間ない、時間がない」と口々に言っている人っていますが、それは目の前の雑多に追われているだけであって、人生という時間について考えているのではありません。
本映画『オールド』のガイ・カッパ(ガエル・ガルシア・ベルナル)とプリスカ・カッパ(ビッキー・クリープス) 夫妻はビーチへ来た時は、離婚寸前の状態でした。ガイは妻ブリスカが浮気を知っているけれど、見て見ぬ振りをしています。ブリスカは自身のお腹に出来た腫瘍が肥大して死を悟っています。二人はホテルでもビーチでも喧嘩ばかりしています。子どもたちの面前です。でも、30分が一年分の時間が流れるビーチでどんどん年をとっていくに連れて、「やさしく」なっていくのです。相手を慮る人間へと変化するのです。これは人間という生き物が人生を終える瞬間、いわゆる「終活」をうまく表していると思うのです。
若い時は「未来」ばかりと夢見ています。過去を振り返る若者はあまりいませんし、好感を持てません。でも人間は年を重ねるといつの間にか「過去を懐かしむ」懐古思想を発動させて、余命のエネルギーに転換します。もちろん、人によって異なりますが過去を懐かしむことは、「人間が丸くなる」ことへも繋がるのです。許せなかった事柄や人のことも許せるようになるし、憎しみも和らいでいく効果をもたらします。そういった作用を引き起こすのは「時間」なのです。ガイとブリスカ夫妻の体が衰えていくと同時に、そういった心の年齢も「終活」へ向かって、見事に昇華されていったの良かったです。二人がビーチで亡くなる場面はM・ナイト・シャマラン監督も一番のこだわりがあったのではないでしょうか。
ただですね、子どもたちの描き方はどうなんでしょうか?体はどんどん大きくなっていきますが、「心の成長速度」も比例しているのです。ここはちょっと工夫して欲しいという意見もあります。6歳のトレント・カッパ(ノーラン・リヴァー)と11歳のマドックス・カッパ(アレクサ・スウィントン)はどんどん大人になっていき、50歳越えのトレント・カッパ(イーモン・エリオット)マドックス・カッパ(エンベス・デイヴィッツ)になっています。彼らは知恵を出してビーチを脱出しました。そして人間的にも成熟しています。ここはもう少し考えて欲しかったです。心と体の成長が比例せず「葛藤」「苦悩」「恐怖」する場面等を挿入するのであったなら、完全なる「人間成長物語」が達成されていたと思うのです。
映画『ダイヤルMを廻せ!』ネタバレ・あらすじ「グレース・ケリーが美人すぎる」感想「浮気したからこんな事件になった」結末「ヒッチコックは観客の心を振動させる」
映画『オールド』の結末
映画の結末には賛否両論が繰り広げられるでしょう。原作ではビーチでみんな死ぬという終わり方になっているようです。そこにはある意味、諦念というか、人生を達観した境地に至っての“死”だそうです。でも本映画『オールド』は製薬会社の新薬開発の陰謀論を交えての結末です。これはコロナによって、世界は変容してしまったこと、そして「犠牲者があって、人は助かる」的なダーウイン論と「世界を信じてはいけない」的な他者否定論を描いていると思います。こういう時期ですから、結末はこれで良かったと思います。
映画『見知らぬ乗客』ネタバレ・あらすじ「妻を憎む心の隙間に入り込む悪魔」感想「巧みな話術に引き込まれてしまう」結末「犯罪をしなくて良かった」
映画『オールド』のキャストについて
ガイ・カッパ(ガエル・ガルシア・ベルナル)
プリスカ・カッパ(ビッキー・クリープス)
トレント・カッパ(15歳)(アレックス・ウルフ)
トレント・カッパ(中年)(イーモン・エリオット)
トレント・カッパ(6歳)(ノーラン・リヴァー)
トレント・カッパ(11歳)(ルカ・ファウスティーノ・ロドリゲス)
カラ(15歳)(エリザ・スカンレン)
カラ(6歳)(カイル・ベイリー)
カラ(11歳)(ミカヤ・フィッシャー)
マドックス・カッパ(16歳)(トーマサイン・マッケンジー)
マドックス・カッパ(中年)(エンベス・デイヴィッツ)
マドックス・カッパ(11歳)(アレクサ・スウィントン)
クリスタル(アビー・リー)
ジャリン・カーマイケル(ケン・レオン)
セダン/ブレンダン(アーロン・ピエール)
パトリシア・カーマイケル(ニキ・アムカ=バード)
アグネス(キャスリーン・チャルファント)
マネジャー (グスタフ・ハマーステン)
マドリード(フランチェスカ・イーストウッド)
シドニー(マシュー・シアー)
運転手(M・ナイト・シャマラン)
映画『ザ・スイッチ』ネタバレ・あらすじ「JKと連続殺人鬼が入れ替わる」感想「キャスリン・ニュートン可愛い」結末「ビンス・ボーンも可愛い」
まとめ 映画『オールド』一言で言うと!
「人生という時間を大事にしなくては」
わたしは毎日、怠惰に生きている方の人間です。守るべき存在がないから、その日暮らしでも良いと考えてしまいます。でも、やっぱり人生って限られた時間しかありません。「やりたいことをやりきって死にたい」と再認識させてくれた映画でした。
『運だぜ!アート』本日の総合アクセスランキング
合わせて観たい映画
【ホラー&サスペンス映画オススメ】
映画『事故物件 恐い間取り』
中田監督新作は事故物件芸人ホラー
映画『ラ・ヨローナ 彷徨う女』
グアテマラという国の怨念物語
映画『ミッドサマー』
新しいジャンル“フェスティバル・スリラー”誕生です
映画『透明人間』
姿も形も見えない恐ろしさってどんな感じだろうか?
映画『ルース・エドガー』
なんとも言えない「あと味」が残る映画です
映画『サイコ (1960年の映画)』
サスペンスの神様と言ったらヒッチコックです
映画『ナイチンゲール』
人種・女性差別を楽しむゲスな人間がいました
映画『ダーティーハリー』
「サイコパスって?」を世界に広めた映画
映画『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
レイプと殺人を楽しむクソ野郎です
映画『テッド・バンディ』
テッド・バンディ無くしてサイコパスは語れません
映画『私の知らないわたしの素顔』
ビノシュの妖艶さが恐ろしさを増長させます
映画『オールド』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
M・ナイト・シャマラン
製作
M・ナイト・シャマラン アシュウィン・ラジャン マーク・ビエンストック
製作総指揮
スティーブン・シュナイダー
原作
ピエール=オスカル・レビ フレデリック・ペータース
脚本
M・ナイト・シャマラン
ガイ・カッパ(ガエル・ガルシア・ベルナル)
プリスカ・カッパ(ビッキー・クリープス)
トレント・カッパ(15歳)(アレックス・ウルフ)
トレント・カッパ(中年)(イーモン・エリオット)
トレント・カッパ(6歳)(ノーラン・リヴァー)
トレント・カッパ(11歳)(ルカ・ファウスティーノ・ロドリゲス)
カラ(15歳)(エリザ・スカンレン)
カラ(6歳)(カイル・ベイリー)
カラ(11歳)(ミカヤ・フィッシャー)
マドックス・カッパ(16歳)(トーマサイン・マッケンジー)
マドックス・カッパ(中年)(エンベス・デイヴィッツ)
マドックス・カッパ(11歳)(アレクサ・スウィントン)
クリスタル(アビー・リー)
ジャリン・カーマイケル(ケン・レオン)
セダン/ブレンダン(アーロン・ピエール)
パトリシア・カーマイケル(ニキ・アムカ=バード)
アグネス(キャスリーン・チャルファント)
マネジャー (グスタフ・ハマーステン)
マドリード(フランチェスカ・イーストウッド)
シドニー(マシュー・シアー)
運転手(M・ナイト・シャマラン)
2021年製作/108分/G/アメリカ
原題:Old
配給:東宝東和