映画『ダイヤルMを廻せ!』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ダイヤルMを廻せ!』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
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『ダイヤルMを廻せ!』
(1954年製作/106分/アメリカ)
原題『Dial M for Murder』
【監督】
アルフレッド・ヒッチコック
【原作】フレデリック・ノット【脚本】フレデリック・ノット【撮影】ロバート・バークス【美術】エドワード・キャレア【編集】ルーディ・ファー【音楽】ディミトリ・ティオムキン
【出演】
レイ・ミランド グレイス・ケリー
ロバート・カミングス ジョン・ウィリアムズ アンソニー・ドーソン レオ・ブリット パトリック・アレン ジョージ・リー ジョージ・アルダーソン ロビン・ヒューズ
【HPサイト】
映画『ダイヤルMを廻せ!』IMDbサイト
【予告映像】
映画『ダイヤルMを廻せ!』トレーラー
映画『ダイヤルMを廻せ!』NHK BSプレミアム放送 2021年6月30日(水)午後1時00分~2時46分
6月30日(水)午後1時00分~2時46分
映画『ダイヤルMを廻せ!』のオススメ度は?
星4つです
「面白い」です
ワクワクドキドキします
グレース・ケリーは本当に「綺麗」「美人」すぎる
映画『ダイヤルMを廻せ!』の作品情報・概要
『ダイヤルMを廻せ!』原題『Dial M for Murder』1954年のアメリカ合衆国のサスペンス・ミステリー映画。アルフレッド・ヒッチコック監督作品。レイ・ミランド、グレース・ケリー、ロバート・カミングス、ジョン・ウィリアムズ、アンソニー・ドーソン、レオ・ブリット、パトリック・アレン、ジョージ・リー、ジョージ・アルダーソンら。妻の浮気を知った男が完全殺人を計画しし、実行する。
映画『ダイヤルMを廻せ!』のあらすじ・ネタバレ
元プロテニスの花形選手だったトニー(レイ・ミランド) は、資産家である妻のマーゴ(グレイス・ケリー) とロンドンのアパートに住んでいる。引退したトニーはテニスのツアーのためにロンドンを離れることが多い。よってマーゴとの夫婦仲は冷え込んでいた。マーゴはトニーの留守を良いことにアメリカ人の推理作家マーク・ハリディ(ロバート・カミングス) と不倫関係を持ってしまった。マーゴはトニーと別れてマークと結婚したいと考えていた。ある日、トニーはマーゴがトニー宛てに書いた手紙を見つけて、二人の関係に気がつく。しかしトニーはマーゴと別れるより、彼女を殺して、莫大な遺産を手に入れることを思いつく。そして緻密な殺害計画を立てる。自らは実行はせず、かつての大学の同級生で、犯罪歴のあるスワン(アンソニー・ドーソン) に依頼することにする。
映画『ダイヤルMを廻せ!』の感想・内容
「何度も繰り返し観たくなる映画」となります。最初から最後まで、ドキドキハラハラは元より、「どうやって捕まえるのか?」とワクワクさせます。本当に面白いです。やはりサスペンス映画の巨匠の演出は世界中の人々を楽しめる術を持っています。映画『ダイヤルMを廻せ!』は1954年製作で、ヒッチコックが54歳の時です。ヒッチコックの最高傑作と言われている『めまい』が1958年ですから、頂点へ向かう一番勢いがある時だったと思います。
映画『ダイヤルMを廻せ!』は室内撮影で完結しています。オープニングからエンディングまで一室で起きた殺人事件をめぐってのサスペンス群像劇です。もう最初から犯人はわかっています。こういう見せ方は「倒叙」と言います。後々、推理映画などで用いられています。
さて、映画『ダイヤルMを廻せ!』のオープニングはとても華やかな音楽と共に始まります。そしてトニー(レイ・ミランド) とマーゴ(グレイス・ケリー)の熱い抱擁へと繋がり、さらにマーゴと マーク・ハリディ(ロバート・カミングス)の抱擁へと繋げるところが上手いと思います。「この美しい女性、浮気しているじゃん」となるのです。
でも、マーゴ演じるグレイス・ケリーがあまりにも「美人」なため、不貞に対しての嫌悪感を抱かずに観てしまうのです。これは大変失礼な例えになりますが、奔放なイメージが付けられたマリリン・モンローであったのなら、「やっぱり」と思わざるを得ません。このような清楚なイメージで売っているグレース・ケリーをキャスティングするセンスもヒッチコックの素晴らしいところでしょう。
映画『ダイヤルMを廻せ!』の考察・評価
本映画『ダイヤルMを廻せ!』は元テニスプレイターの夫トニー(レイ・ミランド) が資産家の妻マーゴ(グレイス・ケリー) の浮気に憎悪を抱き、完全殺人を計画します。しかし自分は実行しません。かつての大学の旧友スワン(アンソニー・ドーソン) に依頼します。スワンは手グセが悪く前科持ちです。しかもジゴロです。お金を持っていそうなご婦人と懇意になり、お金を得ています。トニーがスワンに近寄り、殺人依頼する場面も必見です。心理戦が繰り広げられます。普通であったのなら固辞するのですが、スワンが「断れない状況」に導くのです。スワンは悪党顔ですが、トニーはとても紳士顔なのです。このハンサムでスマートな男が笑いながら殺人を依頼する演出が後半になるにつれて恐ろしくなってくるのです。ひょっとしたらわたしたちの日常生活で、「隣人が殺人者かも」と思わせてくるのです。
マーゴ(グレイス・ケリー) は本当に「美人」です。実際にこんな美人に遭遇したら気絶してしまうのではないかと思うほどです。でも、マーゴはトニーに飽きているのです。もうテニスプレイヤーではありませんし、お金も稼いでくれません。トニーの生活費や交際費はマーゴが出しています。そんな時にアメリカ人の推理小説家であるマーク・ハリディ(ロバート・カミングス) と出会い、二人は恋に落ちます。「不倫」です。マークには才能があります。マーゴは彼の住むアメリカへ行きたいのです。その前にトニーと離婚する必要があります。二人は周到に離婚計画を練っているのです。
でも、でもですね、そうは問屋がおろさないのです。というかトニーが先走ってマーゴ殺人へと舵を切るのです。冷静に考えるとトニーの気持ちがわかります。裏切る妻が憎くなるのは当たり前なのです。二人の不倫の証拠を掴んだのですから、裁判ではとても有利になるでしょう。慰謝料もとれるはずです。でもトニーはそうしなかったのは、やはり元テニスのスター選手というプライドもあったのでしょう。「妻を寝取られた男」ってカッコ悪いのです。世間は同情をはらんだ目で見ますが、実は「嘲笑」していると思わざるを得ません。そして“憎悪”が募り実行へと向かったのです。
本映画『ダイヤルMを廻せ!』で、スワンがマーゴ殺人を実行する場面は確かにハラハラドキドキさせます。でも、ヒッチコック映画の最大の見せ所はトニーを追い詰めていく過程なのです。こちらの方がドキドキします。推理小説家のマークとトニーのやりとりは、もう完全に殺人ストーリーを上書きしています。トニーが「バレないように」表情をキープしますが、完全に動揺しています。
そしてハバード警部(ジョン・ウィリアムズ) の登場で一旦和やかな雰囲気に逆戻りします。映画展開の緩急がきっちりと表されています。一度、盛り上がったわたしたちの感情も少しクールダウンします。でもここからが秀逸なんです。トニーが“鍵”の存在に気がつく場面です。窓越しからトニーの後ろ姿を中心にとっています。もうわたしたちの心もドキドキなんです。素晴らしい演出です。最後は真犯人が終わりエンドとなります。
映画『ダイヤルMを廻せ!』の結末
本映画『ダイヤルMを廻せ!』を鑑賞して、「マーゴが不貞をしなければ」何も起こらなかったという意見もあります。その通りです。マーゴの有名人が好きがもたらした悲劇とも言えます。奔放な女性でありますが、やっぱり“旬な男”を隣に置くことで自身の承認欲求を満たしていると言えます。これは当たり前かもしれません。かつてのテニスんおスター選手も引退してしまえば、普通の男です。マーゴのような美しい女性にとってはひとつのアイテムでしかないのです。「はい、次の男」となるのは必然だったのです。
ただトニーが殺意を抱く気持ちもわかります。ここが重要だと思うのです。浮気相手のマークも憎いでしょう。でも妻を殺すということは、マーゴにはすでに浮気の前科があったかもしれません。もしくはトニー自身がマーゴを誰かから奪ったのかもしれません。ここにトニーのマーゴに寄せる強い愛を感じるのです。そして“殺人”するイコール「永遠に自分のモノにする」という独占欲が達成されるのです。人を束縛したり、独占したいという気持ちが、こういう凶行に走らせる人間を恐るべき本性を描き出した名作だと思います。
映画『ダイヤルMを廻せ!』のキャストについて
トニー(レイ・ミランド)
マーゴ(グレイス・ケリー)
マーク・ハリディ(ロバート・カミングス)
ハバード警部(ジョン・ウィリアムズ)
スワン(アンソニー・ドーソン)
レオ・ブリット
パトリック・アレン
ジョージ・リー
ジョージ・アルダーソン
ロビン・ヒューズ
まとめ 映画『ダイヤルMを廻せ!』一言で言うと!
「妻が浮気したら怒るの当然でしょ!」
もし自分の愛する人が浮気をしたら、冷静でいられる人ってすごいと思います。「争いが嫌い」、つまり人間ができているという言い方もありますが、ちょっと違う気もします。やっぱり感情を抑えることができないんのが、人間の本質だと思うのです。トニーの心は騒がしかったと思います。
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映画『ダイヤルMを廻せ!』の作品情報
映画.comより一部引用
監督
アルフレッド・ヒッチコック
原作
フレデリック・ノット
脚本
フレデリック・ノット
撮影
ロバート・バークス
美術
エドワード・キャレア
編集
ルーディ・ファー
音楽
ディミトリ・ティオムキン
トニー(レイ・ミランド)
マーゴ(グレイス・ケリー)
マーク・ハリディ(ロバート・カミングス)
ハバード警部(ジョン・ウィリアムズ)
スワン(アンソニー・ドーソン)
レオ・ブリット
パトリック・アレン
ジョージ・リー
ジョージ・アルダーソン
ロビン・ヒューズ
1954年製作/106分/アメリカ
原題:Dial M for Murder
配給:ワーナー・ブラザース映画