映画『西部の男』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『西部の男』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
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『西部の男』
(1940年製作/アメリカ)
原題『The Westerner』
【監督】
ウィリアム・ワイラー
【脚色】ジョー・スワーリング ニーベン・ブッシュ【原作】スチュアート・N・レイク【製作】サミュエル・ゴールドウィン【撮影】グレッグ・トーランド【音楽】ディミトリ・ティオムキン
【出演】
ゲイリー・クーパー ウォルター・ブレナン
フレッド・ストーン ドリス・ダベンポート フォレスト・タッカー リリアン・ボンド ポール・ハースト チル・ウィルス チャールズ・ハルトン トム・タイラー ピタ・トバー ダナ・アンドリュース ジュリアン・リヴェロ ロジャー・グレイ アーサー・エイルスワース トレヴァー・バーデット
【HPサイト】
映画『西部の男』IMDbサイト
【予告映像】
映画『西部の男』トレーラー
映画『西部の男』NHK BSプレミアム放送 2021年7月16日(金)午後1時00分~2時41分
7月16日(金)午後1時00分~2時41分
映画『西部の男』のオススメ度は?
星3つです
『ローマの休日』へ続く映画
『許されざる者』へ続く映画
ウィリアム・ワイラー監督
映画『西部の男』の作品情報・概要
『西部の男』原題『The Westerner』ウィリアム・ワイラー監督作品(映画『おしゃれ泥棒』)。1940年のアメリカ西部劇映画。ゲイリー・クーパー(映画『昼下りの情事』)、ウォルター・ブレナン、ドリス・ダヴェンポート、フレッド・ストーン、ドリス・ダベンポート、フォレスト・タッカー、リリアン・ボンドポール・ハースト、チル・ウィルス、チャールズ・ハルトン、トム・タイラー、ルピタ・トバー、ダナ・アンドリュースら。ウォルター・ブレナンが第13回アカデミー賞助演男優賞を受賞した。3回目である。
映画『西部の男』のあらすじ・ネタバレ
南北戦争が終結しても、アメリカは混迷していた。移民の多くは西部へと歩を進めていた。テキサスの小さな町で権威を誇っているロイ・ビーン(ウォルター・ブレナン)は牛飼いたちの後ろ盾になる存在で、酒屋の経営と判事を務めていた。「法律は俺だ」と威張りちらしている。次々と入植してくる農民たちを目の敵にしている。理由は「土地が奪われる」から。ある日、農民のひとりを捕まえて、法廷にかけて即、絞首刑にする。同じ日に馬泥棒の嫌疑で捕まったコール・ハーデン(ゲイリー・クーパー)も絞首刑と判決されたが、機転を利かして刑の延期に成功する。コールはビーンが恋い焦がれる舞台女優リリー・ラングトリー(リリアン・ボンド)を知っており、髪のひとふさを持っていると嘘をついたのだ。リリーに会いたいビーンは「会わせてくれたら無罪だ」と言い放つ。
「巨匠サム・ペキンパー最高傑作」
映画『西部の男』の感想・内容
「奇妙な男同士の友情映画」となります。1940年アメリカ製作です。アメリカ映画、つまり「ハリウッド黄金期」を迎えています。40年代後半にはテレビの登場で、徐々に映画館へ足を運ぶ人は少なくなりますが、日本のそれとは違って、ハリウッド映画は生き残ります。
さて、本映画『西部の男』は巨匠となるウィリアム・ワイラーの若き日の名作と言えます。ワイラー作品で最も有名なのは『 ローマの休日』を思い浮かべる方も多いと思いますが、実は結構な「男臭い」映画をたくさん撮っています。その中で西部劇として代表的な作品が本映画『西部の男』と言えるでしょう。いまでは考えられないような“独裁者”“頑固者”さらに、“高いプライド”を持った男を主人公にしています。しかも「良い人」とは言い切れない男たちです。
「同窓会に行きたくなる」
本映画『西部の男』は後のアメリカ映画に多大な影響を与えます。『牛泥棒』『奴らを高くつるぜ』そして『許されざる者』です。特にクリント・イーストウッドの名作『許されざる者』は本映画『西部の男』無くしては語れません。というのはクリント・イーストウッドが映画俳優になるきっかけを与えた映画が。『牛泥棒』で、『牛泥棒』は本映画『西部の男』の影響を受けて製作されているからです。
「ユル・ブリンナーとスティーブ・マックイーンの水面下の戦い」
本映画『西部の男』を鑑賞すると酒場のオーナー兼判事役のロイ・ビーン(ウォルター・ブレナン)は『許されざる者』のリトル・ビル・ダゲット(ジーン・ハックマン)に踏襲されています。完全な独裁者です。「俺が法律だ」の人物です。ただし、本映画『西部の男』には奇妙な友情関係が芽生える点は異なっています。コール・ハーデン(ゲイリー・クーパー)は馬泥棒の汚名を着せられて、絞首刑寸前ですが、ビーンが崇拝している女優リリー・ラングトリー(リリアン・ボンド)を知っていると嘘をついて、刑の延長につなげます。安易ですが、ジーンは「リリーを好きな奴に悪いやつはいない」と言うのです。この辺りの脚本はちょっと安っぽいなあと感じずに要られません。
「インディアン(ネイティブ・アメリカン)に寄り添う映画」
映画『西部の男』の考察・評価
本映画『西部の男』の本質的なメッセージには“村社会”の建国があると思います。ロイ・ビーン(ウォルター・ブレナン)たちは西部へやってきて町を作っています。彼らはその町の先人であり、町を支配していたいのです。町は農地や牧場も含まれます。そしてジェーン=エレン・マシューズ(ドリス・ダベンポート)らの農民も自分の土地を求めて「西へ西へ」と移動して来たのです。広いアメリカですから、最初に手をつけた者がその土地の所有者になっていたのでしょう。さらに力で他者の土地を奪うこともできた時代だったのでしょう。
「ユル・ブリンナーからシュワルツェネッガーへ」
ですからビーンは新しい入植者たちに「奪われない」ように権威を誇らなくてはいけなかたです。完全なる独裁者であり、憎まれ役をやっていたのです。この気持ちは理解できます。一方、新しい入植者たちも必死です。食べるために頑張りますし、土地も手に入れたいのです。自ずと新旧の住民間で摩擦が起きて、火がつくのが目に見えます。「フロンティアスピリッツの国」アメリカ人ですから、互いに一歩も引きません。そして大変な事件へと発展していくのです。
「雄大なアメリカ大地を堪能できる」
ただですね、コール・ハーデン(ゲイリー・クーパー) の立ち位置がちょっと微妙なんですよ。ビーンとジェーンらの農民たちの間に立つのですが、「良い人ぶっている」と映ってしまうのです。まあ、“調整役”をかって出るのですが、もっとうまくやれば犠牲者が出なかったのではと思うのです。そしてアメリカの保安官という職業についてもちょっと疑問符が浮かんできます。コールがジーンを逮捕するためを直訴すると「保安官になれる」のです。この仕組みがよくわかりませんでした。でもこれはクリント・イーストウッドの『奴らを高くつるぜ』に受け継がれているのでそちらを鑑賞してください。
「絶好調」クリント・イーストウッド&「世界的大女優」シャーリー・マクレーン
映画『西部の男』の結末
さて、本映画『西部の男』のもうひとつの鑑賞方法は「まだ映画が発明される前」というところも意識すると良いでしょう。有名女優リリー・ラングトリー(リリアン・ボンド)は舞台を中心に活躍しています。全米を巡業しながらの大スターです。今も昔もスターに恋い焦がれる人の気持ちは同じです。妄信的ななりがちです。いまはネット配信で、お目当てのスターの映像をすぐさま拝めますが、当時は「ポスター」や「プロマイド」だったのです。あまりにも抽象的な情報だったので、スターという存在はますます巨大化して、憧れを抱くのも当然だったことを描いています。この演出は見事ですね。
さてさて、本映画『西部の男』の監督ウィリアム・ワイラーは『ベンハー』などの大スペクタル映画から『ローマの休日』などの恋愛映画も撮る、とても多彩な才能を発揮した人です。でもやっぱり初期の“男臭い”映画が好きなアメリカ人も多いと聞きます。また主演のゲイリー・クーパーもオードリー・ヘップバーンと『昼下りの情事』に出演します。晩年でしたが、とてもスマートなおじさまを演じていました。
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映画『西部の男』のキャストについて
コール・ハーデン(ゲイリー・クーパー)
ロイ・ビーン(ウォルター・ブレナン)
ケリフェト・マシューズ(フレッド・ストーン)
ジェーン=エレン・マシューズ(ドリス・ダベンポート)
ウェード・ハーパー(フォレスト・タッカー)
リリー・ラングトリー(リリアン・ボンド)
チキンフット(ポール・ハースト)
サウスウェスト(チル・ウィルス)
モート・ボロー(チャールズ・ハルトン)
キング・エヴァンス(トム・タイラー)
Teresitaルピタ・トバー
バート・コブル(ダナ・アンドリュース)
Juan_Gomezジュリアン・リヴェロ
Homesteaderロジャー・グレイ
Second_Homesteaderアーサー・エイルスワース
シェード・ウィルキンス(トレヴァー・バーデット)
まとめ 映画『西部の男』一言で言うと!
「男に権威を与えるとロクなことがない」
男って本当に支配欲が強いと思います。自身の保身のために罪のいないひとを陥れたり、犯罪を行ったり、、、、。もちろん、映画の中での出来事ですが、権威を与えると尊大になる人とは関わりたくないです。
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映画『西部の男』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ウィリアム・ワイラー
脚色
ジョー・スワーリング ニーベン・ブッシュ
原作
スチュアート・N・レイク
製作
サミュエル・ゴールドウィン
撮影
グレッグ・トーランド
音楽
ディミトリ・ティオムキン
コール・ハーデン(ゲイリー・クーパー)
ロイ・ビーン(ウォルター・ブレナン)
ケリフェト・マシューズ(フレッド・ストーン)
ジェーン=エレン・マシューズ(ドリス・ダベンポート)
ウェード・ハーパー(フォレスト・タッカー)
リリー・ラングトリー(リリアン・ボンド)
チキンフット(ポール・ハースト)
サウスウェスト(チル・ウィルス)
モート・ボロー(チャールズ・ハルトン)
キング・エヴァンス(トム・タイラー)
Teresitaルピタ・トバー
バート・コブル(ダナ・アンドリュース)
Juan_Gomezジュリアン・リヴェロ
Homesteaderロジャー・グレイ
Second_Homesteaderアーサー・エイルスワース
シェード・ウィルキンス(トレヴァー・バーデット)
1940年製作/アメリカ
原題:The Westerner
配給:大映洋画部