映画『ザ・マジックアワー』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ザ・マジックアワー』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
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『ザ・マジックアワー』
(2008年製作/136分/日本)
【監督】
三谷幸喜
【脚本】三谷幸喜【製作】亀山千広 島谷能成【企画】清水賢治 市川南【エグゼクティブプロデューサー】石原隆【プロデューサー】重岡由美子 前田久閑 和田倉和利【撮影】山本英夫【照明】小野晃【録音】瀬川徹夫【美術】種田陽平【音楽】荻野清子【編集】上野聡一
【出演】
佐藤浩市
妻夫木聡 深津絵里 綾瀬はるか 西田敏行 小日向文世 寺島進 戸田恵子 伊吹吾郎浅野和之 市村萬次郎 柳澤愼一 香川照之 甲本雅裕 近藤芳正 梶原善 阿南健治 榎木兵衛 堀部圭亮 山本耕史 市川亀治郎 市川崑 中井貴一 鈴木京香 谷原章介 寺脇康文 天海祐希 唐沢寿明
【HPサイト】
映画『ザ・マジックアワー』IMDbサイト
【予告映像】
映画『ザ・マジックアワー』トレーラー
映画『ザ・マジックアワー』NHK BSプレミアム放送 2021年3月16日(火)午後1時00分~3時18分
3月16日(火)午後1時00分~3時18分
これが三谷幸喜の映画製作です
フジテレビ製作です
有名俳優出演
映画『ザ・マジックアワー』のオススメ度は?
星2つ
確かに笑えます
「感動」はしません
有名俳優を使いすぎ感がある
映画『ザ・マジックアワー』の作品情報・概要
『ザ・マジックアワー』英題『The Magic Hour』2008年6月7日に公開された日本映画。三谷幸喜監督作品。マジックアワーとは、日没後の「太陽は沈み切っていながら、まだ辺りが残光に照らされているほんのわずかな、しかし最も美しい時間帯」を指す写真・映画用語。本映画『ザ・マジックアワー』では「誰にでもある『人生で最も輝く瞬間』」を意味する。マジックアワーの時間のみで『天国の日々』作ったテリー・ギリアムへのオマージュかと思ったが違うらしい。劇中には美しいマジックアワーの描写はほとんどない。佐藤浩市(映画『楽園』や映画『記憶にございません!』)妻夫木聡(映画『浅田家!』や映画『一度死んでみた』)深津絵里、綾瀬はるか(映画『今夜、ロマンス劇場で』綾瀬はるか(映画『奥様は、取り扱い注意』や映画『海街diary』や映画『今夜、ロマンス劇場で』))西田敏行が出演。
映画『ザ・マジックアワー』のあらすじ・ネタバレ
日本のどこかにある港町・守加護(すかご)が舞台。その町はマフィアが仕切っている。マフィア「天塩商会」のボス・天塩幸之助(西田敏行) の愛人高千穂マリ(深津絵里)に手を出した備後登(妻夫木聡) はコンクリート詰めにされて絶体絶命。怒り狂う天塩に「助けて欲しい」と懇願するしかない。助けてもらう条件は伝説の殺し屋「デラ富樫」を連れてくること。備後はお迷わず即答する。しかしまったく当てがないから、デラ富樫は見つからない。学生時代、映画製作のアルバイトのことを思い出し、奇策を思いつく。陽の目の当たらない俳優・ 村田大樹(佐藤浩市) を映画製作と騙し、デラ富樫に仕立てあげる。その場しのぎのはずが、村田の熱演でマフィアたちが一目を置くというまさかの展開に発展。そして嘘がバレて、、、。
映画『ザ・マジックアワー』の感想・内容
「好き嫌いがはっきりと分かれる映画」です。これはどんな事柄にでも言える当たり前の事ですが、三谷幸喜の映画においては明暗がはっきり分かれます。「テレビ好きな人と映画好きな人」「ギャグが好きな人とコメディーが好きな人」「すでに有名な俳優とこれから上を目指す若手俳優」前者に当てはまるのが三谷幸喜です。ある意味、三谷幸喜は確信犯だと言えます。確信犯とはビジネス的な成功を狙っている人のことを指します。興行的に三谷幸喜の映画は投資した資金を回収できますから、出資者にとっては渡りに船と言えるのです。ちなみに「小林聡美さん好きは三谷幸喜が嫌い」という一派もあります。
でも映画好きの人にとってはこれほど「つまらない監督はいない」という意見があるのも事実です。いつもマンネリで、媚びており、冒険をしない面白みのない映画なのです。“感動”というものがありません。予定調和の代表的な作品ばかりです。テレビで放映される吉本新喜劇を有名な俳優を使って劇場公開しただけという辛辣な意見もあります。実際当たっていると思います。出演俳優の顔ぶれを見れば納得できると思います。その点、吉本は有名無名の芸人を出演させているのでまだ共感が持てます。
さて、本映画『ザ・マジックアワー』は確かに笑えます。コテコテのギャグが満載です。大抵の落とし所は予想が付いているので、安心して観ることができるのです。それが三谷幸喜作品の特徴といえます。行き先のわかる飛行機って安心じゃあないですか。もうゴールは決まっているからとてもリラックスできるのです。でもどこへ行くのかわからない飛行機ってとても恐ろしいのです。映画鑑賞する際もあらかじめ予告を観たり、簡単なあらすじを読んで観ると、より一層理解できますし、安心できます。でも、真のフィルムメーカーは奇想天外であったり、難解な物語に挑戦しがちです。そういう場合は大抵、興行的に失敗します。
ですから三谷幸喜の作る映画はとてもシンプルでわかりやすくて、お金を払っても「後悔しない映画製作」を目指しているので、出資者にも観客もある程度、満足するのです。ただ心に残る名作か否かはまったくの別問題です。正直、心に残りませんし、何度も鑑賞する気持ちにはなれません。一度こっきりで十分です。
映画『ザ・マジックアワー』の考察・評価
さて、本映画『ザ・マジックアワー』の訴求点は一体何なのかを考えてみます。「コメディ映画の素晴らしさ」を世界に広めようでしょうか。それとも「笑いが人々を幸せにする」か「有名俳優を使って映画作っちゃったよ」か。コメディ映画を観ると気分は晴れて明るくなります。特にアメリカ映画のコメディは本当にバカげていて、非現実感を味わえます。日本人とは笑いのツボが違うので、驚きを含んだ笑いになります。わたしの好きなウディ・アレン監督の映画はまさに「ロマンティック・コメディ映画」の代表だといえます。おそらく三谷幸喜はウディ・アレンのことを意識していると思います。本映画『ザ・マジックアワー』のオープニングなんかアレンの映画の一場面に似ています。音楽の挿入の仕方も似ています。ただアレンはジャズを重宝しています。
ウディ・アレンと三谷幸喜の映画の違いは、前述した通り「何度でも観たいか否か」で明暗が分かれると思います。ウディ・アレンの映画は何度でも観たくなるのです。それは男女の恋愛や家族の普遍的なテーマを扱っており、心を同調させるからです。単なるコメディではなく人生の悲哀を描いている点も人々を魅了するのでしょう。しかしながら三谷幸喜の作品には人間の人生、あるいは成長が描かれているとは言い切れません。「映画は娯楽だからそんなのは必要ない」と三谷幸喜ファンからお叱りの声を頂きそうですが、昔はそれで良かったのです。でも今の映画ファンは笑いだでは満足しない趣向を持つ人が増えてきました。特にネット社会になったことで、人々は新しい知識をどんどん詰め込んで、自身の人生について考えるようになっています。映画を観る理由も「人生に役立つ」気持ちを持って足を運ぶ人が多くなっています。
映画『ザ・マジックアワー』の結末
このように考えると三谷幸喜の映画は「一過性のイベント」とか「深夜に食べるインスタントラーメン」のような存在であることがわかります。ただ深夜に食べるインスタントラーメンって癖になるんですよね。インスタントラーメンばかり食べていると、職人が無化調で作ったラーメンの味がわからなくなるのです。本当に美味しい食べ物がわからなくなる味覚音痴になります。映画鑑賞の場合は“映画音痴”になります。ですから、三谷幸喜作品を観るときは気をつけた方がいいでしょう。
映画『ザ・マジックアワー』のキャストについて
村田大樹(佐藤浩市)
備後登(妻夫木聡)
高千穂マリ(深津絵里)
鹿間夏子(綾瀬はるか)
天塩幸之助(西田敏行)
長谷川謙十郎(小日向文世)
黒川裕美(寺島進)
マダム蘭子(戸田恵子)
鹿間隆(伊吹吾郎)
清水医師(浅野和之)
菅原虎真(市村萬次郎)
高瀬允(柳澤愼一)
江洞潤(香川照之)
まとめ 映画『ザ・マジックアワー』一言で言うと!
「コメディ映画こそ人生を描いて欲しい」
笑いと悲しみは表裏一体だと思います。120分間ひたすら笑い続けるのは苦痛です。物語には起承転結があるように、人間には喜怒哀楽があります。それをどうやって映画の中で構成し演出するか名作への道だと言われています。
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映画『家族にサルーテ!イスキア島は大騒動』
イタリア人て本当に「家族愛」が強い!
映画『ザ・マジックアワー』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
三谷幸喜
脚本
三谷幸喜
製作
亀山千広 島谷能成
企画
清水賢治 市川南
エグゼクティブプロデューサー
石原隆
プロデューサー
重岡由美子 前田久閑 和田倉和利
撮影
山本英夫
照明
小野晃
録音
瀬川徹夫
美術
種田陽平
音楽
荻野清子
編集
上野聡一
村田大樹(佐藤浩市)
備後登(妻夫木聡)
高千穂マリ(深津絵里)
鹿間夏子(綾瀬はるか)
天塩幸之助(西田敏行)
長谷川謙十郎(小日向文世)
黒川裕美(寺島進)
マダム蘭子(戸田恵子)
鹿間隆(伊吹吾郎)
清水医師(浅野和之)
菅原虎真(市村萬次郎)
高瀬允(柳澤愼一)
江洞潤(香川照之)
太田垣直角(甲本雅裕)
今野貴之介(近藤芳正)
西さん(梶原善)
野島(阿南健治)
なべさん(榎木兵衛)
バンビ(堀部圭亮)
愚痴る男(山本耕史)
カメ(市川亀治郎)
監督(市川崑)
磐田とおる(中井貴一)
小夜子(鈴木京香)
ニコ(谷原章介)
ワンチャイ・バンダラビカル(寺脇康文)
喪服の女(天海祐希)
ゆべし(唐沢寿明)
2008年製作/136分/日本
配給:東宝