映画『天使にラブ・ソングを…』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『天使にラブ・ソングを…』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『天使にラブ・ソングを…』(100分/アメリカ/1992)
原題『Sister Act』
【監督】
エミール・アルドリーノ
【脚本】
ジョセフ・ハワード
【製作】
テリー・シュワルツ
【出演】
ウーピー・ゴールドバーグ
マギー・スミス
ハーベイ・カイテル
キャシー・ナジミー
ウェンディ・マッケナ
映画『天使にラブ・ソングを…』日本テレビ 金曜ロードSHOW! 22020.5.15 よる9時~10時54分放送
2020.5.15 よる9時~10時54分放送
痛快な映画です。マフィアが登場しますが、恐ろしくないです。笑えます。そして気持ちが明るくなります。
やっぱりアカデミー賞女優・ウーピー・ゴールドバーグの演技が素晴らしいです。この人を見ていると悩みなど吹っ飛んでしまいます。
元気が出ます。勇気が出ます。幸せな気持ちになれます。
映画『天使にラブ・ソングを…』のオススメ度は?
星3つです
楽しくなれます
明るくなれます
元気が出ます
勇気をもらえます
ストレス発散になれます
映画『天使にラブ・ソングを…』の作品情報・概要
1992年製作のアメリカのコメディー映画。閉鎖的なイメージの修道院で繰り広げられるドタバタコメディーだが、友情、挑戦、変革等の要素を上手く取り入れている。主演のウーピー・ゴールドバーグの絶賛演技。ハーヴェイ・カイテルの座った演技とコミカルな雰囲気も素晴らしい。アメリカでは6ヶ月のロングランを記録。
映画『天使にラブ・ソングを…』のあらすじ・ネタバレ
小さなクラブで歌手として糊口をしのぐデロリスにはマフィアのボス・ヴィンスの愛人である。ヴィンスの愛が本当かは疑わしいが、妻と別れる気持ちがないことも承知の上で付き合っている。仕事を紹介してくれるし。しかし毛皮のコートを贈られ狂喜したのもつかの間、奥さんの名前の刺繍が、、、。これにて一気に気持ちが冷めてヴィンスに別れを言いに行くと、そこは殺人現場だった。デロリスは警察に助けを求めたが証拠不十分で無理。身を守ってもらう先を紹介されたのは修道院。厳格な規則と窮屈な日々の中、聖歌隊の指揮者に任命され、、、、大成功する。しかしヴィンスたちマフィアの追跡の手が迫ってくる。
映画『天使にラブ・ソングを…』の感想・評価・内容・結末
強い、面白い、上手い、そして優しい人間ウーピー・ゴールドバーグ
大女優です。しかも才女です。
誰のことかというとウーピー・ゴールドバーグのことです。
日本ではそれほど有名ではありませんが、アメリカでは絶大なる人気を博したスターです。近年は映画よりテレビ番組の出演が多いです。
彼女はニューヨーク大学を卒業してから役者の道に入りました。
黒人であること、そして差別されることへの抵抗として女優を目指したと言ってもいいでしょう。
本当に心の優しい人という噂です。
ミュージカルと言ったらディズニー映画です
アメリカエンタメきってのマルチな才能を持つ人
当初、舞台でスタンダップ・コメディーを行なっています。
しかも歌手としてアルバムを出していきなり第28回グラミー賞最優秀コメディ・アルバム賞受賞します。
その勢いのまま『ゴースト/ニューヨークの幻』に出演しアカデミー助演女優賞を受賞します。運がいいといえばそうなりますが、やっぱり演技が良かったと思います。
しかも彼女のすごいのはエミー賞、グラミー賞、オスカー(アカデミー賞)、トニー賞の4つの賞をすべて受賞した人物(EGOT)だということです。
大変、稚拙ではありますが、日本に当てはめると日本アカデミー賞、日本レコード大賞、文化庁芸術祭賞、上方演芸大賞となるのでしょうか。
そんな女優を起用してヒットしないはずがありあません。アメリカでは6ヶ月に渡ってのロングランとなりました。
こんなマルチな才能を持った人はアメリカのエンタメ業界でも稀有な存在です。
日本のミュージカルも負けてません
さて、映画の内容はとても簡単です。簡単だからヒットしたとも言えます。
- 売れないゴスペル歌手→夢は大スター
- 恋人は世帯を持ったギャング→つまり不倫
- 別れを切り出そうと行った先で殺人を目撃→恐怖&死にたくない
- 警察へ逃げる→神にすがる思い
- 修道院に隠れる→退屈・窮屈・人間関係のトラブル
- ヘタクソ聖歌隊に歌を教える→特技が人のためになる・やり甲斐を感じる
- 「まさか」の高評価→女性修道女の地位向上に貢献
- ローマ法王の前で歌う計画が上がる→退所するかも
- ギャングに誘拐される→絶体絶命
- 聖歌隊の仲間が救出→友情
- ローマ法王の前で歌う→大成功
となります。
本映画『天使にラブ・ソングを…』はコメディー要素が強くなったはもちろん主演のウーピー・ゴールドバーグの賜物ですが、実際にこの映画を分析すると結構深い作品だと言えます。
まず黒人女性であるデロリス(ウーピー・ゴールドバーグ)が修道女になるという設定です。
映画を観ているとお気づきになったかと思いますが、他の修道女はすべて白人です。これがとても大きな意味があると思うのです。
また監督のエミール・アルドリーノ狙いもあったのではないかと思うのです。その狙いとはアメリカ社会の永遠のテーマ“差別との戦い”です。
ちなみにアルドリーノは同性愛者でエイズに死にます。彼の差別・偏見で悩んでいたことは間違いありません。
アメリカ社会にはいまだに有色人種に対する差別はあります。1992年なんてもっとひどい時代です。ロサンゼルス暴動があった年です。
オードリー・ヘプバーンのキレキレのダンス
「ロス暴動」直後の公開
これはアメリカの歴史に大きな汚点を残しています。
黒人男性ロドニー・キングがスピード違反を犯して、それを取り調べた白人警官20人が無抵抗のキング氏に暴行を加えました。
しかし裁判で白人警官たちは無罪になったのです。それに激怒した黒人たちがロサンゼルスで大暴動を起こしたのです。
1992年4月29日です。そして本映画『天使にラブ・ソングを…』は暴動が若干収まった1992年5月29日から全米で公開されました。
黒人たちにとっては痛快でしょう。
エルトン・ジョンも差別・偏見に悩みました
アメリカ社会にも変化が訪れていた
白人を従えるウーピー・ゴールドバーグに熱狂したことは間違いありません。
しかも黒人たちが作り出したゴスペルを白人たちが熱唱しているのです。
ゴスペルのような激しいリズムは神様を愚弄しているという聖職者もいたほどですから。
でも人権派の白人たちはちゃんと許容したことが素晴らしいのです。
映画の中で修道院長のキャサリン(マギー・スミス)は最初は怪訝な顔をして敵対しますが、最後は手を取り合って感謝の念を伝えている場面がまさに心の変化を表していると思います。
(もちろん彼女は人種差別思想なないと思うます。伝統を重んじる保守派の存在です)
女性の地位向上に貢献する強い弁護士
一概には言えませんが、「ロス暴動」でガス抜きされたアメリカ社会。でも暴動の陰で多くの犯罪が行われたのも事実です。
キリスト教は懺悔すれば罪は赦されます。
神をテーマに持つ『天使にラブ・ソングを…』を観に行くことで赦しを求めた人もいたと思います。
そう考えると騒乱状態になったアメリカ社会を沈静化するのに一役も二役もかった映画であると言えます。
本当に映画のエンディングを観るとアメリカ人が一斉に歌って踊っています。
まるで一致団結しているように見えます。ただし、観客に黒人の姿は少ないのが残念です(映画撮影は「ロス暴動」の前です)
アメリカには根深い人種差別が存在する
「コロナ禍」も少しは収束へと向かっていますが、やはり相当なストレスを負ったと思います。
体を動かすこと、人と会うこと、しゃべることの大切さが身にしみてわかりました。
本映画を観て大声で歌いたくなります。もうすぐその日が来ます。
それまでみなさん、頑張りましょう!スカッとする映画でした。
映画『天使にラブ・ソングを…』のキャストについて
Deloris(ウーピー・ゴールドバーグ)
売れない歌手。ギャングの愛人。性格は明るい。前向き。強制されたり命令されることが大っ嫌い。修道院で歌手としての才能を発揮。聖歌隊を率いて市民から好感をもらう。ウーピー・ゴールドバーグは言うことないですね。この人を見ているどんな悩みなどたいしたことない、乗り越えられると思えてきます。
Mother Superior(マギー・スミス)
典型的な修道女。規律に厳しい。修道女育成に熱心。最初はデロリスに手を焼いていました。でも新しい時代の到来を感じて受け入れていきます。マギー・スミスはとても熟練された演技でした。抑えた感が素晴らしい。
Vince La Rocca(ハーベイ・カイテル)
ギャングのボス。デロリスを愛人にしている。犯罪者。ハーベイ・カイテルです。もう有名ですよね。マーティン・スコセッシ監督の常連です。ロバート・デ・ニーロとも共演作が多いです。遅咲きの俳優です。『ピアノ・レッスン』を思い出します。
まとめ 映画『天使にラブ・ソングを…』一言で言うと!
「どんな時も笑って行こうぜ!」
ウーピー・ゴールドバーグを見ているとこんな言葉が去来します。彼女はやはり黒人差別に悩まされた人生だったと思います。人種への偏見を乗り越えて有色人種に大きな勇気を与えてくれました。でも有色人種であることが劣等な存在ではありません。白も黒も黄も同じ人間だと思います。みんなで笑い飛ばせばいいのです。
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映画『天使にラブ・ソングを…』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
エミール・アルドリーノ
脚本
ジョセフ・ハワード
製作総指揮
スコット・ルーディン
製作
テリー・シュワルツ
撮影
アダム・グリーンバーグ
美術
ジャクソン・デ・ゴビア
音楽
マーク・シェイマン
編集
リチャード・ハルシー
衣装デザイン
モリー・マギニス
字幕
太田直子
Delorisウーピー・ゴールドバーグ
Mother Superiorマギー・スミス
Vince La Roccaハーベイ・カイテル
Mary patrickキャシー・ナジミー
Mary Robertウェンディ・マッケナ
Mary Rozarusメアリー・ウィックス
Eddie Southerビル・ナン
Joeyロバート・ミランダ
Willyリチャード・ポートナウ
Mary AlmaRose Parenti
1992年製作/100分/アメリカ
原題:Sister Act
配給:ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン