映画『ファイヤーフォックス』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ファイヤーフォックス』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『ファイヤーフォックス』
(136/アメリカ/1982)
原題『Firefox』
【監督】
クリント・イーストウッド
【脚本】
アレックス・ラスカー ウェンデル・ウェルマン
【製作】
クリント・イーストウッド
【出演】
クリント・イーストウッド
フレディ・ジョーンズ
デビッド・ハフマン
ウォーレン・クラーク
ロナルド・レイシー
ケネス・コリー
【HPサイト】
映画『ファイヤーフォックス』IMDbサイト
【予告映像】
映画『ファイヤーフォックス』トレーラー
映画『ファイヤーフォックス』NHK BSプレミアム放送 6月22日(月)午後1時00分~3時17分
6月22日(月)午後1時00分~3時17分
クリント・イーストウッド製作・監督・主演作品です。
プライベートで大変な時期に作った映画です。
クリント・イーストウッド覇気がありません。
設定も脚本もいまひとつです。
映画『ファイヤーフォックス』のオススメ度は?
星2つです
迷えるクリント・イーストウッドがいます
プライベートな問題が山積み
正妻マギー・ジョンソンとはどうなる、、、
愛人ソンドラ・ロックとの愛の行方は、、、
映画『ファイヤーフォックス』の作品情報・概要
『ファイヤーフォックス』原題『Firefox』クレイグ・トーマスの小説を元に1982年に製作されたアメリカ合衆国の映画。クリント・イーストウッド製作・監督・主演。著者のクレイグ・トーマスは1976年、北海道の函館空港に着陸して亡命を求めるソビエトの飛行士ベレンコ中尉亡命事件をモチーフに書き上げた小説。プライベートで混迷して、休んでいたクリント・イーストウッドの復帰作。
映画『ファイヤーフォックス』のあらすじ・ネタバレ
ベトナム帰りのパイロットのミッチェル・ガント(クリント・イーストウッド)はアラスカで身を隠すように暮らしていた。ベトナムの少女が目の前で焼死したことがトラウマだ。アメリカ政府はソビエトで開発された戦闘機MiG-31、通称ファイヤーフォックスに驚愕する。音速を超えレーダーで感知できない。アメリカの10年先を行っている高性能だ。そしてファイアーフォックスを操縦できるのはガントただ一人。養生中のガントを輸入業者に仕立て上げソビエトへ送り、ファイアーフォックスを盗み出す任務を与える。
映画『ファイヤーフォックス』の感想・内容
クリント・イーストウッドにとって本映画『ファイヤーフォックス』は忸怩たる作品かもしれません。
まずプライベートで妻のマギー・ジョンソンと不仲になり、離婚へと歩を進めています。
その理由は愛人ソンドラ・ロックとの生活が背景にあるのは間違いありません。
ソンドラ・ロックとは『アウトロー』(1976年)で出会ってます。
『ダーティハリー3』(1976年)『ガントレット』(1977年)『ダーティファイター』(1978年)『アルカトラズからの脱出』(1979年)『ダーティファイター 燃えよ鉄拳』(1980年)『ブロンコ・ビリー』(1980年)と順調に映画を製作していますが、1981年は作品がありません。
鬼軍曹を演じるクリント・イーストウッドは笑える
本映画『ファイヤーフォックス』は1982年製作です。
1981年のクリント・イーストウッドは妻マギーと愛人ソンドラとの板挟みで仕事に力を入れられなかったようです。
普通ならクタクタになると思います。
また現代であったのなら絶対にSNSで叩かれて「自粛状態」に追いやられるかもしれません。でもクリント・イーストウッドは違います。
そんな苦しい状況下でも映画を作ってしまうところが凄いのです。
クリント・イーストウッドvsケビン・コスナー
さて、プライベートが不調であったからかもしれませんが、作品も良作とは言えません。
「設定に無理がある」さらに「ツメが甘い」のです。
まず本映画『ファイヤーフォックス』をひとことで言うと「戦闘機泥棒」です。
アメリカの一兵士がソビエトへ侵入してMiG-31 ファイヤーフォックスを盗み出してくる物語です。
国家の命令であれば泥棒は罪にならないのか、というツッコミが入ります。それは当時の米ソ冷戦の緊迫した状況の中では苦言をいう人がいなかったから映画製作へGOが出されたのだと思います。
また映画の中では英語とロシア語が飛び交いますが、それに違和感を覚えます。
アメリカ人のガント(クリント・イーストウッド)がソビエトへ入りますが、ずっと英語なのです。
またソビエト側の入国管理局の人間も、そして一介の兵士も英語なのです。しかもソビエト人同士の会話も英語なのです。
これには「もう少し考えないと」と舌打ちしてしまいます。
西部劇のクリント・イーストウッドは渋すぎる
でもこう言ったハリウッド的映画製作は今世紀まで続いています。
それは仕方ないと言えばそうですが、日本と違ってアメリカで映画を上映する際はほとんどが吹き替えなのです。
字幕を読むという文化は当時はあまりなかったのでしょう。それはアメリカの教育インフラや他民族国家であることに起因します。
一応、先進国で教育にも力を入れていますが、文字の読み書きに難儀している人が多いです。
さらに多民族国家ゆえにあらゆる言語を喋る人たちがいます。その中で唯一の共通語が英語です。
ですからスクリーンで上映する際は英語でなければヒットしないのです(ただ映画『パラサイト 半地下の家族』は字幕上映で大ヒットしましたので、今後は字幕映画が増えるかもしれません)
ソンドラ・ロックとの愛欲の日々が始まる
映画『ファイヤーフォックス』の結末・評価
さてさて、映画の話に戻ります。ガント(クリント・イーストウッド)はベトナム戦争で活躍して帰還しました。
しかし心にトラウマを抱えています。目の前でベトナムの少女がアメリカ軍の落とした爆弾で焼死する姿が忘れられないのです。
精神的にもおかしくなっています。そんな精神状態の悪い兵士を「なぜ、ソビエトへ行かせるのか」ってツッコミが入ります。そうなんです。
本来ならトラウマを取り除くための治療を施すのが国家の役目です。
しかし映画では「飛行技術が高い」という理由だけでソビエトへ向かわせます。
まあ、映画だから大目に見てと言われてもちょっと違う気がします。
ソンドラ・ロックとの最後の共演作品(その後訴訟になる)
ひょっとしたらクリント・イーストウッドは戦争でトラウマを持った兵士は再び戦地へ行けば寛解する、というメッセージを伝えたかったのでしょうか。
いや、違うでしょう。おそらく自身のプライベートの混乱で脚本を読みきれなかったのだと思います。
クリント・イーストウッド作品にしては脚本も酷すぎるのです。
あ、思い出しました。ファイアーフォックスを盗み出す時は夜中です。その流れで外に出ると空が明るいのです。
多分、撮り忘れだと思われます。
アメリカ最強のスナイパーは精神を病んで、、、
それとクリント・イーストウッドにとっては珍しくSFX(特撮)が用いられています。
『スター・ウォーズ』の影響も大きいです。SFXを担当したのはジョン・ダイクストラ。
彼の技術は当時としては最高で、本映画『ファイヤーフォックス』は物語より、特撮ファンが多く劇場に詰めかけヒットしたと言えます。
いま観ると多少、荒いところがありますが十分ではないでしょうか。
戦争を経験した頑固ジジイを演じてます
もう一つ、特筆すべき点があります。
本映画『ファイヤーフォックス』でクリント・イーストウッドが演じているはベトナム帰還兵です。これは注目に値します。
70年代のアメリカンニューシネマのキャラクターはかなりの確率でベトナム帰還兵が多かったです。
しかし80年代になるとニューシネマは終焉へと向かっていきます。
その過程の中でクリント・イーストウッドがベトナム帰還兵を演じた意味を考えると面白いです。しかもガントは精神的な病を抱えています。
クリント・イーストウッドがこのようなちょっと“弱い”人間を演じるのはあまりありません。
後の『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986年)のハイウエイは朝鮮戦争、ベトナム戦争で活躍した軍人です。
『グラン・トリノ』(2008年)も朝鮮戦争で活躍した兵士です。両作品では屈強な人物を演じています。
その点、本映画『ファイヤーフォックス』のクリント・イーストウッドは一味違う魅力があります。プライベートの弱みをそのまま映画に活かしているように見えます。
クリント・イーストウッドが描く日本の戦争
*1982年時はまだ米ソの冷戦が続いていたためロシア人を下に見る表現があります。おそらくアメリカ人は共産主義国家を“悪の総称”とイメージしていたのではないでしょうか。いわゆる印象操作ですね。敵国作ることで国威高揚を行う古い方法だったと思います。
クリント・イーストウッドとソンドラ・ロックの青春恋愛映画
映画『ファイヤーフォックス』のキャストについて
ミッチェル・ガント(クリント・イーストウッド)
ケネス・オーブリー(フレディ・ジョーンズ)
バックホルツ(デイヴィッド・ハフマン)
パヴェル・ウペンスコイ(ウォーレン・クラーク)
セメロフスキー(ロナルド・レイシー)
コンタルスキー大佐(ケネス・コリー)
ウラジミロフ将軍(クラウス・ロウシュ)
ピョートル・バラノヴィッチ博士(ナイジェル・ホーソーン)
まとめ 映画『ファイヤーフォックス』一言で言うと!
「盗人猛々しい」
とロシア人に言われてもおかしくない映画です。国家が先導した泥棒であったのなら罪にならないというのが恐ろしい。それが麻痺したのは戦争ですね。
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映画『スケアクロウ』
驚異ジーン・ハックマンとアル・パチーノ共演
映画『ファイヤーフォックス』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
クリント・イーストウッド
脚本
アレックス・ラスカー ウェンデル・ウェルマン
原作
クレイグ・トーマス
製作総指揮
フリッツ・マーネイズ
製作
クリント・イーストウッド
撮影
ブルース・サーティーズ
美術
ジョン・グレイスマーク Elayne Ceder
音楽
モーリス・ジャール
編集
フェリス・ウェブスター ロン・スパング
特殊効果
ジョン・ダイクストラ
字幕
戸田奈津子
Mitchell_Gantクリント・イーストウッド
Kenneth_Aubreyフレディ・ジョーンズ
Buckholzデビッド・ハフマン
Pavel_Upenskoyウォーレン・クラーク
Semelovskyロナルド・レイシー
Colonel_Kontarskyケネス・コリー
General_Vladimirovクラウス・レービッチェ
Pyotr_Baranovichナイジェル・ホーソーン
First_Secretaryステファン・シュナーベル
1982年製作/アメリカ
原題:Firefox
配給:ワーナー・ブラザース映画