映画『ダーティハリー4』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ダーティハリー4』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『ダーティハリー4』(117分/アメリカ/1984)
原題『Sudden Impact』
【監督】
クリント・イーストウッド
【脚本】
ジョセフ・C・スティンソン
【製作】
クリント・イーストウッド
【出演】
クリント・イーストウッド
ソンドラ・ロック
パット・ヒングル
ブラッドフォード・ディルマン
映画『ダーティハリー4』NHK BSプレミアム放送 4月23日(木)午後1時00分〜2時58分
4月23日(木)午後1時00分〜2時58分
『ダーティハリー』シリーズ最大のヒット作『ダーティハリー4』がNHK BSプレミアムで放送されます。監督はクリント・イーストウッドです。もちろん主演です。そして共演に愛人のソンドラ・ロックを迎えています。
ソンドラ・ロックの演技がとても良いのです。ミステリアスな画家です。影を引きずっています。ハリーはその魅力に落ちてしまいます。映画の中でも二人は熱く燃え盛ります。でもその恋は一瞬でした。
この映画を最後にクリント・イーストウッドとソンドラ・ロックは二度と共演しません。
そしてソンドラ・ロックはクリント・イーストウッドを裁判で訴えます。映画さながらの法廷劇が実生活で繰り広げられます。そういった意味でもこの『ダーティハリー4』は二人にとって大きな意味があったと思います。
映画『ダーティハリー4』のオススメ度は?
星4つです
クリント・イーストウッドとソンドラ・ロック共演
女性の敵をやっつけろ
ハリーが恋に落ちます
ソンドラ・ロックの狂気ぶりが良い
映画『ダーティハリー4』の作品情報・概要
『ダーティハリー4』原題『Sudden Impact』1983年製作のアメリカ映画。『ダーティハリー』シリーズの4作目。本シリーズ主演のクリント・イーストウッドが監督。 主演に当時の愛人ソンドラ・ロックを起用。ワーナー・ブラザース配給。シリーズ一番のヒット作品になる。ソンドラ・ロックとは最後の共演。
映画『ダーティハリー4』のあらすじ・ネタバレ
夜のサンフランシスコの上空。海岸へ移動するキャメラ。岸壁に一台の車が止まっている。中では男女が愛を交わそうとしている。女の手が男を触る。しかし拳銃を取り出し発砲する。女は車から降りて海を見つめる。一方、裁判所で判決に不服そうな顔のハリー。やりすぎた逮捕劇は裁判官に却下された。行きつけのカフェへ行くハリー。砂糖たっぷりのコーヒーに異変を感じる。案の定、強盗団がカフェを占拠していた。すぐさまハリーの拳銃が火を吹く。あっという間に片付けて、海辺の殺人事件現場へ向かう。車の中の男は股間を撃ち抜かれていた。遠くからその現場を見ている女がいる。昨夜の女だ。女は街を去っていく。ハリーはサンフランシスコ市警から“暇”をもらい故郷のサンパウロへ帰る。そして偶然、殺人女と出会いことになる、、、。
映画『ダーティハリー4』の感想・評価・内容・結末
『ダーティハリー』シリーズで初の監督作品。悪を許せないハリーが初めて悪を見逃す名作
『ダーティハリー』シリーズ第四弾でようやくクリント・イーストウッドが監督をやった作品です。もちろん製作・主演も兼ねています。
もうクリント・イーストウッドはフィルムメーカーとしてはオールラウンドプレイヤーですね。
そして映画『ダーティハリー4』はシリーズ最大のヒット作品になりました。この作品では長年の恋人であるソンドラ・ロックを主演女優に迎えています。
そう考えると意味深というか、複雑というか、まさかこの後に二人が憎しみあい裁判闘争を繰り広げるとは思いもしなかったことでしょう。
クリント・イーストウッドとソンドラ・ロックの愛人関係とは
二人の共演は『アウトロー』『ガントレット』『ダーティーファイター』『ブロンコ・ビリー』『ダーティーファイター燃えよ鉄拳』と数えて6作品目となります。
繰り返しますが、本作が最後の共演となりました。このシリーズでは久しぶりにラブシーンがあります。
二作目の『ダーティハリー2』のサニー(アデル・ヨシオカ)以来です。そりゃあ、女性大好きのクリント・イーストウッドですし、しかも相手が愛人のソンドラ・ロックですから当たり前と言っては当たり前です。
というか、クリント・イーストウッド監督作品では本当に主演女優とラブシーンが多いです。監督冥利に尽きますね。
クリント・イーストウッドのラブシーン映画
美しいソンドラ・ロックが凶悪殺人鬼と化す理由を応援したくなる
さて、物語は画家のジェニファー(ソンドラ・ロック)が凶悪殺人鬼として男どもを殺しまくり作りになっています。
その背景は大学生だった数年前に妹共々、ある女友達に誘われパーティーへいった際、その女友達の男どもにレイプされてしまったことに遡ります。
しかも妹がレイプされたショックで精神的におかしくなり廃人になってしまうのです。
そしてジェニファーは、連中に復讐を誓いチャンスを伺い犯行を重ねていくのです。一人一人男を誘い出し、娼婦のふりをします。
二人っきりになったや否や男の股間目がけて銃弾を放ち殺害するのです。かなり凄惨な殺し方です。
この時のソンドラ・ロックは可憐だった
刑事として心を許した相手が殺人鬼とは、、、
ここにクリント・イーストウッド演じるハリー(クリント・イーストウッド) が絡んできます。
ハリーはサンフランシスコ市警の刑事ですが、相変わらず上層部からは疎まれており、故郷のサンパウロへ一時的に飛ばされます。
そこで事件に遭遇します。独自の捜査を行っていますが、偶然、ジェニファーと知り合います。
そして事もあろうにジェニファーと愛を交わしてしまうのです。それだけならまだしも自身が刑事であること、さらには(ジェニファーが犯している殺人)事件の担当刑事であることをしゃべってしまいます。
この時の二人は辛うじてラブラブでした
現代版の西部劇の仇討ちである。
物語はジェニファーの復讐劇を主体に進行して行きます。結末は今までのシリーズとは異なります。ハリーが初めて犯人を見逃すのです。
理由はそのジェニファーと妹の辛い心情を察したからです。
“強気をくじき弱きを助ける”と言って良いのかわかりませんが、現代版の西部劇の仇討ちをジェニファーに体現させたのです。
昔なら許されたであろう復讐を1980年代に舞台を移して実行させたのです。でもいくら復讐と言っても人を殺すことは犯罪です。
ここに本シリーズの隠された意味があると思うのです。
この『ダーティハリー4』にはれっきとした正義があるからです。
わたしも映画を観ていていつの間にかジェニファーを応援している自分に気がつきました。
女性に手をあげたり、乱暴する男は絶対に許せません。しかも彼らはのうのうと暮らしており、新たな犠牲者を生み出そうとしている悪の存在だからです。
ですからここはジェニファーに成敗してもらうのが本道と思いました。
じゃじゃ馬のソンドラ・ロックも素晴らしい
冒頭から終盤までも雰囲気が暗い。復讐劇を醸し出すために夜を多くした
さて、この映画は冒頭から終始暗い雰囲気です。とにかく暗い。
無論ロケーションが夜の場面が多いので、画面が暗いのは当たり前ですが、やはり内容が、、、。
暴力、レイプ、殺人、復讐となるととても凄惨な雰囲気になり気分も落ち込んでいきます。
もちろんイーストウッドがそれらの相乗効果を狙って夜のロケーションを多用したと思います。
映画の終わりと同様に二人の関係も終止符がつく
この映画の中でも、そして映画撮影が終わってから、ソンドラはイーストウッドと別れます。捨てられたと言った方が良いでしょう。
先にもあげましたが、後に映画顔負けの裁判を起こします。
クリント・イーストウッドを「詐欺罪」で訴えます。そちらの方が怖かったりします。
イーストウッドは一人の女性と長年愛人関係にありました。結婚の約束もしていたそうです。
ソンドラ・ロックはクリント・イーストウッドとの結婚を夢見ていたし、子どもも欲しかったと思います。(実はこの時期、クリント・イーストウッドは他にも愛人がいました。そしてその女性は子どもを産んでいます)
言い方によってはソンドラ・ロックを捨てたのだから報いるのが当たり前だと思います。
まるで本当の『恐怖のメロディ』が始まったかのような二人の争いが続きます。
そう言った意味でもこの映画は二人の命運を暗示しているように見えてきます。
しかしクリント・イーストウッドはタフなんでしょうね。
その後も映画を作り続けます。変わってソンドラ・ロックは次第にハリウッドからフェイドアウトしていきます。
映画『ダーティハリー4』のキャストについて
Harry_Callahan(クリント・イーストウッド)
サンフランシスコ市警の刑事。破天荒で一匹オオカミ的な性格。強引な捜査で上層部から睨まれている。過去、検挙した連中から恨みを買い、命を狙われている。“暇”をもらい、故郷のサンパウロへ派遣される。相変わらずほとんど笑っていません。冒頭のカーチェイスからの銃撃戦はなかなか見応えがあります。ジャケット姿よりスーツ姿が似合ってきました。ソンドラ・ロックとのラブシーンはどことなくもの悲しい雰囲気がしました。
Jennifer_Spencer(ソンドラ・ロック)
女性画家。今回の凶悪な連続殺人犯。10年前、女子大生の時に妹と共に3人組にレイプされ、妹が廃人となってしまった。犯人たちは逮捕もされなかったため復讐を誓う。娼婦になりすまして男どもを誘い出し、股間を撃って殺害していく。ハリーと偶然出会い一夜を共にする。ソンドラ・ロックはとても華奢で美しいです。どこかミステリアスな雰囲気を弱々しい雰囲気から抱きしめたくなります。やはり彼女の魅力は“声”なのではないでしょうか。あの低音が背中を撫で上げられるような感じにゾクッとします。
まとめ 映画『ダーティハリー4』一言で言うと!
「愛した女のためなら人肌脱ぐぜ!」
クリント・イーストウッドとソンドラ・ロックは本作を最後に二度と共演しません。イーストウッドは『アウトロー』からずっとソンドラを売り出そうと躍起になってきました。そしてソンドラを育てました。そして本作は見事にヒットします。クリント・イーストウッドに言わせれば「これで肩の荷が下りた。ソンドラ、あとは自由に生きるんだ」だったのかもしれません。でもそうは問屋が降ろさなかったのです。
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映画『ガントレット』
不倫の二人は青春を“謳歌している感”満載です
映画『ダーティファイター 燃えよ鉄拳』
「俺はケンカも強いんだ」と見せつけるクリント・イーストウッド
映画『ブロンコ・ビリー』
じゃじゃ馬のソンドラ・ロックを乗りこなしてみせるぜ
【『ダーティハリー』シリーズ一覧】
映画『ダーティーハリー』
映画『ダーティハリー2』
映画『ダーティハリー3』
映画『ダーティハリー4』
映画『ダーティハリー4』の作品情報
スタッフ・キャスト
監督
クリント・イーストウッド
脚本
ジョセフ・C・スティンソン
原案
アール・E・スミス チャールズ・B・ピアース
製作
クリント・イーストウッド
キャラクター創造
ハリー・ジュリアン・フィンク リタ・M・フィンク
撮影
ブルース・サーティーズ
音楽
ラロ・シフリン
Harry_Callahanクリント・イーストウッド
Jennifer_Spencerソンドラ・ロック
Chief_Janningsパット・ヒングル
Captain_Briggsブラッドフォード・ディルマン
Mickポール・ドレイク
Ray_Parkinsオードリー・ニーナン
Krugerジャック・チボー
Lt.Donnellyマイケル・カリー
Horace_Kingアルバート・ポップウェル
Bennettマーク・キールーン
1984年製作/アメリカ
原題:Sudden Impact
配給:ワーナー映画