映画『家族にサルーテ!イスキア島は大騒動』ゴタゴタホームコメディではない。社会が抱える諸問題を代弁した作品 ネタバレ・あらすじ・感想・評価

2019年製作
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http://salute-movie.com

『家族にサルーテ!イスキア島は大騒動』(107//2018
原題 A casa tutti bene

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映画『家族にサルーテ!イスキア島は大騒動』のオススメ度は?

3.5

3つ半

イタリアの家族のゴタゴタ映画です。

でも本当は社会が抱える問題へのメッセージも内包しています。

陽気な国民です。

明るいです。

喋りまくります。

ケンカがすごいです。

登場人物が多いので事前に相関図を見ておいた方が良いです。

恋人と行くのがオススメです。

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映画『家族にサルーテ!イスキア島は大騒動』の作品概要

監督のガブリエレ・ムッチーノはハリウッドが活躍した後、故郷に戻り本作を撮って大ヒットした。何とイタリア国内で150万人が観たという。一見、家族のゴタゴタムービー、あるいはホームコメディーと思われるが、実際は社会に向けての強いメッセージが込められている映画だ。本作の原題『A casa tutti bene』を日本語訳すると「家ではみんないい感じ」となる。この意味を考えながら鑑賞すると奥深さが見えてくる。

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映画『家族にサルーテ!イスキア島は大騒動』のあらすじ・ネタバレ

ピエトロ&アルバ夫妻は結婚50周年。金婚式をを祝うために、親戚総勢19名がイタリアの美しいイスキア島に集まる。久しぶりに会うファミリーはどことなくよそよそしい。祝宴も終わり、帰途のフェリーに向かうが嵐のた欠航となる。仕方なくファミリーは二日間、寝食をともにすることになる。それからが大変だ。鬱積していた不満、不安が爆発する。浮気、不倫、介護、借金、無職、子供問題など、皆が罵詈雑言の限り尽くす。これこそが本当の嵐の始まりだった。

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映画『家族にサルーテ!イスキア島は大騒動』の感想・評価・内容・結末

イタリア語の響きは本当に気持ちいい

イタリア人は本当によく喋る。しかも喋り出したら止まらないのだ。身振り手振りも大げさなので、主張することストレートに伝わってくる。

しかも世界一のビューティフル・ランゲージと言われるイタリア語だからどことなく気持ちいいのだ。

何だろう、イタリア語って音楽を聴いているような錯覚になる。オペラだ。本当にイタリアに住んだら何て楽しいのだろうと思ってしまうが、引きこもり体質のわたしはちょっと耐えられないかもしれない。

古今東西、日本も世界も抱える悩みに違いなし

さて、映画はとにかくイタリア人に圧倒される。登場人物が多すぎて付いて行くのがやっとだ。顔の判別がつくかどうかで次の人に話が移るので必死だった。

物語を簡単に言うと久しぶりに会った親族たちにはそれぞれ悩みがあり、ストレスを抱えている。そして家族が集まった席で互いに暴露しまくる、という内容だ。それぞれの悩みも古今東西抱える物で、浮気、不倫、介護、借金、無職、子育てなど様々だ。

このような悩みは日本でも多く、例えばラジオの人生相談やネットの悩み事相談を見聞きすると大抵が不倫問題とお金問題に占められる。だからこの映画を観て世界も同じなのだなあと納得してしまった。

ラテン気質ゆえの暴露合戦が笑える

先に観た『誰もがそれを知っている』はみんなが個人の秘密を知っているが、黙っているというシチュエーションだったが、本作はみんな知ってるそして暴露する、になる。これも国民性なのか。

いや先の作品の監督はイラン人であるから彼の感性が強い。スペイン人もイタリア人に負けず劣らず陽気なので実際は喋りまくるだろう(笑)同じラテン気質で気候も温暖だから性格も似てくるはずだ。

ガブリエレ・ムッチーノ監督がイタリアに帰国した理由

本作品のガブリエレ・ムッチーノ監督の実績は素晴らしい。イタリアでの活動後、ハリウッドへ行きいくつかの作品を撮って、イタリアに戻ってきた。

多くのイタリア人監督はイタリアにこだわるのに対してムッチーノは海外に挑戦した功績は大きい。

ただやっぱりハリウッド帰りであるからショットのカットが早いように感じた。イタリア映画の伝統的なじっくり魅せるには欠けている気がする。いつまでもフェリーニやヴィススコンティーにこだわっている暇はない。

原題『A casa tutti bene』の意味を考えてみる「家ではみんないい感じ」となる

本作の原題『A casa tutti bene』を直訳すると「家ではみんないい感じ」となるらしい。笑える。みんな罵詈雑言しまくる。人の心を傷つけまくっている。

家族の前では良い人っていうより、実は家族の前では思いっきり本音を語れる存在ともとれるし、逆に家族の繋がりが面倒臭く縁を切ってしまいたいくらいだ、という意味にもとれる。

でもだ、さすが芸術的、哲学的なイタリア人監督だ。コメントに「このタイトルは偽善の仮面を被って生きてきた、大家族の化けの皮が剥がれるまでの状況を表しているんだ」と答えている。

うーん、とても奥が深い。インタビュー記事を要約すると「逃げられない空間と時間の中で、人間が向き合うことで、不安、不満、裏切り、怒り、嫉妬が浮かび上がってくる。家族を通してだが、社会全体の関係性のエネルギーを語っている映画だとなる。

さすがイタリア人監督 世界のことを考えている

なるほど、とても知性的だ。監督はいま世界中にある危機的な概念や思想への危険性を訴えていると思う。

保護主義的の拡大と右傾する人たち。イスラム過激派問題。さらには移民難民問題などで世界中の人たちはストレスを持って生きているが、本音としては肯定できないから、多数派の集団に自分を置こうとする。

でも本音を語れる人たちと会えば、このようにストレス発散のごとく罵詈雑言の空間になるということか。とあるならこちらの方が健全な人たちに思えてくる

まあ、兎にも角にも本作を観る際は思いっきりイタリア感を満喫するつもりが一番良いのではないか。明るい人たち、美しい景色、美味しそうな食事、そして歌を踊り。楽しい映画であることは間違いない。

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映画『家族にサルーテ!イスキア島は大騒動』まとめ 一言で言うと!

長生きの秘訣は「人の悪口と少しのワイン」と誰かが言っていた。

イタリア人はとにかく陽気だ。よく喋る。でも言葉の抑揚が音楽を聴いているみたいで心地よい。ラテン気質だから小さなことは気にしない。そしてストレス発散の大げんかが必要不可欠という。聞いた話だが、男女の別れの現場は相当な修羅場になるらしい。もちろん女性の面子を守るために男は受け身になる。女性はまずは物を投げる、壊すを行ってから罵詈雑言の雨あられの嵐。そしてこの世と思えないくらいの大泣き。そして別れる。その後はスッキリするというから中々な人たちだ。

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クリント・イーストウッドがセルジオ・レオーネ監督と組んだ第三弾。

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映画『家族にサルーテ!イスキア島は大騒動』の作品情報

映画.comより一部引用
スタッフ
監督
ガブリエレ・ムッチーノ
『パパが遺した物語』(15)『スマイル、アゲイン』(13)『最後のキス』(13)『7つの贈り物』(09)『幸せのちから』(07)『もう一度キスを』(10)

脚本
ガブリエレ・ムッチーノ
パオロ・コステッラ
撮影
シェーン・ハールバット
美術
トニーノ・ゼッラ
衣装
アンジェリカ・ルッソ
編集
クラウディオ・ディ・マウロ
音楽
ニコラ・ピオバーニ
キャスト
ステファノ・アコルシ(パオロ)
『はじまりは5つ星ホテルから』(14)『最後のキス』『僕たちの大地』(14)(13)『ぜんぶ、フィデルのせい』(13)『息子の部屋』(02)

カロリーナ・クレシェンティーニ(ジネーヴラ)
『カプチーノはお熱いうちに』(15)『長い裏切りの短い物語』(12)

エレナ・クッチ(イザベッラ)

ピエルフランチェスコ・ファビーノ(カルロ)
『バスターズ』(18)『修道士は沈黙する』(18)『暗黒街』(17)『ラッシュ プライドと友情』(14)『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』(13)

クラウディア・ジェリーニ(ベアトリーチェ)
『愛と銃弾』(19)『恋するローマ、元カレ元カノ』(13)『題名のない子守唄』(07)『赤いアモーレ』(05)

マッシモ・ギーニ(サンドロ)
サブリナ・インパッチャトーレ(サラ)
イバノ・マレスコッティ(ピエトロ)
ジュリア・ミケリーニ(ルアナ)
サンドラ・ミーロ(マリア)
ジャンパオロ・モレッリ(ディエゴ)
ステファニア・サンドレッリ(アルバ)
バレリア・ソラリーノ(エレットラ)
ジャンマルコ・トニャッツィ(リッカルド)
ジャンフェリーチェ・インパラート
作品データ
原題 A casa tutti bene
製作年 2018年
製作国 イタリア
配給 アルバトロス・フィルム、ドマ
上映時間 107分
映倫区分 G

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