映画『探偵物語(1983)』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『探偵物語(1983)』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
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『探偵物語(1983)』
(111分/日本/1983)
【監督】
根岸吉太郎
【脚本】鎌田敏夫【原作】赤川次郎【製作】角川春樹【プロデューサー】黒澤満 長谷川安弘 紫垣達郎
【出演】
薬師丸ひろ子
秋川リサ 岸田今日子 北詰友樹 坂上味和 松田優作
【HPサイト】
KADOKAWAグループHPサイト
映画『探偵物語(1983)』IMDbサイト
【予告映像】
映画『探偵物語(1983)』トレーラー
映画『探偵物語(1983)』NHK BSプレミアム放送 4月18日(日)午後1時00分〜2時52分
4月18日(日)午後1時00分〜2時52分
薬師丸ひろ子さんです
松田優作さんです
赤川次郎さん原作です
昭和です
主題歌が素晴らしい
映画『探偵物語(1983)』のオススメ度は?
星4つです
面白いです
薬師丸ひろ子さん「かわいい」
松田優作さん「素敵」
主題歌が胸に染み入ります
空港での別れの場面は名シーン
映画『探偵物語(1983)』の作品情報・概要
赤川次郎原作の同名小説の映画化。薬師丸ひろ子が大学進学のため休業していたが、進学が決まり復帰作として出演。相手役はハードボイルド路線で売っていた松田優作。年齢差と身長差30センチが話題となる。清純派アイドル女優として売り出していた薬師丸は体当たりのラブシーンに挑戦している。かなり濃厚なキスで話題をさらった。薬師丸ひろ子が門柱を乗り越えたりする様は痛快であるし、運動神経の良さがわかる映画。
薬師丸ひろ子さんの輝きを観よ!
映画『探偵物語(1983)』のあらすじ・ネタバレ
父子家庭で育った新井直美(薬師丸ひろ子) はお嬢様大学に通っている。一週間後、アメリカへ留学する。その前に憧れの先輩・永井裕(北詰友樹) とデートする。旅立つ前に結ばれたいと思っている。ホテルで「いざこれからベッドへ」の場面で突然「叔父だ」と言って男が入ってくる。探偵の辻山秀一(松田優作)だ。その瞬間、直美の恋が終わる。辻山は家政婦・長谷沼君江(岸田今日子) が雇ったボディーガードでもあった。直美は腹正しくも辻山に惹かれていく。そして殺人事件に巻き込まれる、、、。
映画『探偵物語(1983)』の感想・内容
新東京国際空港でのキスシーンはとても印象的すぎる映画
薬師丸ひろ子さんと松田優作さんコンビということで大ヒットした映画です。今観ても胸が締め付けられます。
若き薬師丸ひろ子さんの生き生きとした演技も素晴らしいのですが、数年後に亡くなってしまう松田優作さんのことを想像させてしまうからでしょう。
本映画『探偵物語(1983)』の時の薬師丸さんは19歳。松田優作さんは33歳です。
当時は年の差カップルと言われていたそうですが、今では14、5歳のカップルは珍しくありません。そして身長差が30センチということでも話題になったそうです。
確かに最後の新東京国際空港でのキスシーンはとても印象的です。薬師丸さんが背伸びしています。綺麗なショットです。
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赤川次郎原作小説の映画化
さて、映画は赤川次郎さん同名の小説をモチーフにしています。主人公・新井直美(薬師丸ひろ子) は大学生。父子家庭です。
一週間後アメリカへ留学する予定です。性格がとてもポジティブ。積極的な人間です。思い立ったら即行動するタイプです。
サークルに好きな人がいます。永井裕(北詰友樹) です。留学の前に永井と結ばれたいと思っています。海へバイクで行き、そのままホテルに入りました。
そこへ現れるのは辻山秀一(松田優作)です。直美の叔父を名乗って二人の逢瀬を邪魔します。永井は帰っていきます。直美は辻山を警察に突き出します。
辻山は探偵であることがわかります。家政婦の長谷沼君江(岸田今日子) が雇っていました。
“探偵ごっこ”から始まった殺人事件解決物語
つまり「お嬢様に悪い虫がつかないように」見張らせていたのです。直美は頭にきます。そしてひょんなことから事件に巻き込まれていきます。
辻山の元妻が殺人事件の容疑者になって全国に指名手配されたのです。即行動の直美は二人を自宅に匿います。
しかし、直美が殺したと思われる相手はヤクザの息子という厄介な展開になっています。直美は“探偵ごっこ”のつもりから本格的に真犯人を探そうと奔走します。
遂に100万人突破!大ヒット御礼
時代にあったと思いますが「あり得ない」設定に笑ってしまう
物語は最終的に全面解決へ進みます。ただ時代を感じる映像と今では考えられないような安易は物語になっています。
まず殺人を犯す人物は永井の恋人の進藤正子(坂上味和) です。彼女は永井がお嬢さんでお金持ちが好きなので、売春をやって貢いでいます。そして妊娠しています。
殺されたヤクザ・国崎和也(鹿内孝) が売春の手配をしているのですが、あまりの強引な客引きに激怒した正子が殺すのです。
その殺し方ですが、ちょっと笑ってしまうというか、「あり得ない」とツッコミを入れてしまいます。
ラブホテルの隣の部屋の浴室の天井から忍び込み、シャワーを浴びている和也の背中をナイフで刺します。
ヤクザだったら「気がつけよ!」と再びツッコミを入れてしまいます。それに正子が素っ裸で天井から降りてくるところも笑ってしまいました。
時代にあったと思いますが「あり得ない」設定に笑ってしまいます。
映画『探偵物語(1983)』の結末・評価
目の前に背の高い年上のハンサム男性が現れると女子大生は、、、
でも、でもです。こういう時代だったのです。良いのです、これで!素直に観ましょう。
本映画『探偵物語(1983)』は殺人事件解決物語ではないのです。やっぱりアメリカ留学前のお嬢様の恋物語なのです。
本当はサークルの先輩である永井に恋しており、自身の“処女”を捧げてから留学する予定だったのでしょう。でもそれが未遂に終わります。
そして目の前に背の高い年上のハンサムな人が現れました。探偵は離婚歴があり、元妻への未練もある男です。
そしてちょっとドジな姿に胸がキュンとなってしまった直美です。もう大人の男性に速攻で落ちてしまったのでしょう。
長澤まさみちゃんってこんな怪演するのか
1980年代の男性はまだ女性に対して処女性を求めていたこともわかる
しかし元々、気が強い性格ですから素直に告白など出来ません。辻山も直美に惹かれていますが、やっぱり仕事ですから依頼主のお客には手を出せません。
事件が解決して残り15分くらいは直美と辻山の恋の駆け引きが展開されています。直美が辻山のアパートへ来て、想いを告げます。
「今日はここにいたい」と伝えています。でも辻山は我慢します。子ども相手する辻山に知らない男をホテルに泊まったことを話します。
辻山は「初めてだったんだろ、初めてなのになんで見ず知らずの男と寝たりするんだよ」と諌めます。
そしてアパートを出る際に背中を向ける辻山に「ホテルで何もなかった。わたし辻山さんのことを好きになったの」と言って帰っていきます。
この演出は今では使われないかもしれません。それは女性に「処女性が美」とされていた昔とは違うからです。
本映画『探偵物語(1983)』からは1980年代の男性はまだ女性に対して処女性を求めていたこともわかります。その時の辻山のショックそうな顔に現れています。
根岸吉太郎監督の生涯一の演出だと言えるラストシーン
そして、そしてです。この映画の名場面へと繋がっていく過程が素晴らしいのです。アパートを出た直美は呆然としながら帰路に着きますが、絶妙のタイミングで主題歌が流れるのです。
「あんなに激しい潮騒が~」って。薬師丸さんの透き通った声が心に入ってきます。後ろを振り替える直美、でも辻山はいません。
門柱を乗り越えても後ろを振り返ります。でもいません。わたしはスクリーンに向かって「おい、辻山の意気地なし」と叫んでしまいました。
そして朝の新東京国際空港へ繋げます。もう失恋の顔の直美です。
でも、でもです。現れるんですよね。
ボーディングパスをもらって搭乗へと向かうエスカレーターを降りる直美の目が輝きます。シカゴ行きの搭乗アナウンスが切なく聞こえてきます。
そしてエスカレーターを逆走します。無音になります。フェンス越しに辻山とキスします。
二人だけの世界です。背伸びしてます。長いキスです。一切、言葉はありません。
飛行機の音が入ります。離れます。
そして見つめ合います。軽いキスを辻山がします。
カメラが二人を邪魔しないように引いていきます。徐々に二人は離れます。
エスカレーターの前で立ち止まる直美。拡がった距離の中で、名残惜しそうに見つめ合う二人。
軽く手をふる直美、辻山は微動だにしません。
直美はエスカレーターを降りて去っていきます。そして辻山が一人見送る遠景で終わるのです。
これは良い演出ですね。素晴らしいです。根岸吉太郎監督の生涯一の演出ではないでしょうか。本当にここは良かった。このショットだけを観れば良い映画です。
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映画『探偵物語(1983)』のキャストについて
新井直美(薬師丸ひろ子)
直木幸子(秋川リサ)
長谷沼君江(岸田今日子)
永井裕(北詰友樹)
進藤正子(坂上味和)
辻山秀一(松田優作)
まとめ 映画『探偵物語(1983)』一言で言うと!
「あんなに激しい潮騒ってキスのことだった」
主題歌が切ないですね。胸に染み入ります。薬師丸さんの声が良い。激しい潮騒ってキスのことだったんですね。
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映画『探偵物語(1983)』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
根岸吉太郎
脚本
鎌田敏夫
原作
赤川次郎
製作
角川春樹
プロデューサー
黒澤満 長谷川安弘 紫垣達郎
撮影
仙元誠三
美術
徳田博
音楽
加藤和彦
主題歌
薬師丸ひろ子
録音
橋本文雄
照明
渡辺三雄
編集
鈴木晄
助監督
一倉治雄
スチール
藤沢俊夫 遠藤功成
新井直美(薬師丸ひろ子)
直木幸子(秋川リサ)
長谷沼君江(岸田今日子)
永井裕(北詰友樹)
進藤正子(坂上味和)
和田(ストロング金剛)
ラブホテルのマネージャー(三谷昇)
佐藤(山西道広)
若い男(清水昭博)
警官(林家木久扇)
国崎剛造(藤田進)
直美を誘う男(加藤善博)
黒背広の男A(草薙良一)
黒背広の男B(清水宏)
黒背広の男C(檀喧太)
黒背広の男D(南雲勇助)
アパートの住人(榎木兵衛)
国崎三千代(中村晃子)
国崎和也(鹿内孝)
赤川晶(荒井注)
高峰刑事(蟹江敬三)
岡野(財津一郎)
辻山秀一(松田優作)
1983年製作/111分/日本
配給:東映