『マローボーン家の掟』(110分/西・米/2017)
原題 『Marrowbone』
ホラー映画は新しい作風へと向かっているのだろうか。本作は絶叫系ではない
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』はきつかった
今年はホラー系の映画をたくさん観ると計画をしている。いつの頃からホラー系の映画を観なくなったのだろうか?思い出せないくらい遠い昔だ。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の影響も大きい。インターネット配信で世界に火を点け爆発的なヒットをした。しかし、そして後日劇場で公開され足を運んだ。これがいけなかった。俗にいう“スクリーン酔い”してしまったのだ。手持ちカメラというシチュエーションで全編撮られているが、あまりにも手ブレがひどく、しかもピントも曖昧で辛かった。それ以来、ホラー系を観るのに抵抗感を持ってしまった。
“音”をテーマにしたホラー、サスペンス系の映画が増えている現状
けれど、昨年『クワイエット・プレイス』を観てから、今年から積極的にホラー映画の克服を目指している。先の作品はハリウッド特有の絶叫系とは異なり、水がスポンジに染み入るような恐怖感を味あわせてくれた。近年(ホラー系を知らないのに)、ホラー系は何だか“音”にテーマを絞っている作品が多くなってきたように思える。極度に音を出さずに恐怖を助長するのだ。その手法は邦画に近い。これだったら落ち着いて観ることができる。私の場合、絶叫が続くと飽きて寝てしまうのだ。
青春純愛ホラーは大歓迎
さて、本作は従来のホラー映画とはちょっと異なる印象だ。一言で言えば青春ホラーというのだろうか。若者の愛の物語だ。今年初めに観た『シシリアン・ゴーストストーリー』を思い出した。こちらはサスペンスであるが、思いっきり純愛の物語だった。ということはこれからのホラー、サスペンス系は若者の純愛を織り交ぜたテイストになるような気がした。それはそれで楽しみだ。
終始飽きることがない、伏線が効いてくる
さて、映画は序盤から終始、謎解きが展開され飽きることがない。“5つの掟”とは何かがわかるたびにそれまでの伏線を思い出し「ああ、そういうことか」と納得できるように作られている。
田舎の古民家や周辺の野原等が美しく撮られている。四人兄妹が力を合わせて生きている。いや、実は、、、。
風が柔らかく4兄弟を掠めるシーンで胸が締め付けれる。
兄妹愛も美しいが、こんな自然豊かな場所で暮らしたいと思った。
オススメの作品です。
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スタッフ
監督 セルヒオ・G・サンチェス
製作 ベレン・アティエンサ アルバロ・アウグスティン ジスラン・バロワ
製作総指揮 J・A・バヨナ サンドラ・エルミーダ パロマ・モリーナ
脚本 セルヒオ・G・サンチェス
撮影 シャビ・ヒメネス
美術 パトリック・サルバドル
衣装 ソニア・グランデ
編集 エレーナ・ルイス
音楽 フェルナンド・ベラスケスキャスト
ジョージ・マッケイジャック
アニヤ・テイラー=ジョイアリー
チャーリー・ヒートンビリー
ミア・ゴスジェーン
マシュー・スタッグサム
カイル・ソーラー
ニコラ・ハリソン
トム・フィッシャー作品データ
原題 Marrowbone
製作年 2017年
製作国 スペイン・アメリカ合作
配給 キノフィルムズ
上映時間 110分
映倫区分 G