『カメ止め』上田慎一郎監督映画『イソップの思うツボ』作品情報は実験映画卒業と商業映画へスタート宣言作品!ネタバレ・あらすじ・評価・内容

2019年製作
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映画『イソップの思うツボ』の公式サイトとYouTubeを参照ください。

イソップの思うツボ | アスミック・エース
アスミック・エース「イソップの思うツボ」についてのページです。

『イソップの思うツボ』(87分/日本/2019年)

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映画『イソップの思うツボ』のオススメ度は?

4.0

星4つ

面白いです。

上田慎一郎監督の高笑いが聞こえてきます。

恋人と観に行ってください。

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映画『イソップの思うツボ』の作品概要

上田慎一郎監督は前作の『カメラを止めるな!』で日本中を席巻する大ヒットを飛ばした。本作は前作を踏襲するのか、全く新しい作品になるのか注目が集まった。本作は家族の群衆劇であるのと当時に家族なんて一瞬で崩壊してしまう“ウソッパチ”な存在だとも言い放っている。上田監督が旧知の仲間と実験的な映画として作り上げた映画である。三人が監督を勤めている。

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映画『イソップの思うツボ』のあらすじ・ネタバレ

カメ・ウサギ・イヌの冠がついた3家族の群像劇。一般家庭、芸能人家族、復讐請負家族は普段は絶対に交じり合うことがない。しかしある出来事をきっかけに交差することになる。誰が物語の主導権を持っているのかさっぱりわからない。家族とは何か、絆とは何か、そして彼らは再び生きていけるのか、、、。

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映画『イソップの思うツボ』の感想・評価・内容・結末

上田慎一郎監督は娯楽を我々に確実に届けてくれる映画人

わたしは上田慎一郎監督は日本映画界を背負って行く人物だと思っています。何と言っても前作『カメラを止めるな!』の衝撃が大きいです。

あそこまで人をコケにするというか、騙してくれると痛快な気持ちになりました。また監督の顔もコメディーっぽくてとても好感を持ちました。

映画に込める愛がありますそして映画を思いっきり楽しんで作っているのがわかります。

それをお客さんに確実に届けることができる監督だと実感しました。ですから次作がとても楽しみでした。

『カメ止め』とは全く異なる作品 ある意味裏切られた

そして本作。「うーん」と唸ってしまいました。その唸りは作品に込められた深いメッセージ性に答えを求めるというのではなく、「今後、上田監督はどこを目指すのか」という心配事が含んでいるものです。

「あ、やっちゃった」感が否めません。ネットのレビューは散々なコメントばかりです。

これほどバッシングされると製作者たちは相当に凹んでしまうのではないでしょうか。

出る杭は打たれるではありませんが、人間なんて本当に勝手です。前作であれだけ上田監督に称賛を送ったのに本作では奈落の底に落とす、という日本人の悪しき習慣からでしょうか。

でも大丈夫です上田監督、応援してくれる人、理解してくれる人も多いです。このまま突き進んでください。

映画とは10打数3安打でヒットすれば上々なのだ

たぶん前作の衝撃が大きく、多くの人は再び「騙された!」を期待して観に行ったのでしょう。でも確かに本作は今ひとつだったかもしれません。

そう考えると今ひとつであったことに「騙された!」と思えば良いのではないでしょうか。上田監督も「騙してやったぜ、そんなにいつも完全な作品作らんよ」と胸を張れば良いと思います

そして「本作を最後にオレはハリウッド行くぜ!」宣言の映画と考えているのではないでしょうか。

映画は昔からバクチと呼ばれています。蓋を開けて見なければヒットするかどうかなんてわかりません。

特にこれだけネットで情報が流れる時代ですから、ひと昔のヒットの方程式が難しいと言えるでしょう。そもそも仕事なんていうのは野球と同じで10打数3安打で良いのです。

前回、大当たりしているので本作はこれくらい叩かれて良いのです。

チーム上田に対する感謝と最後の実験映画なのだ

わたしが思うに本作は上田監督が自身のチームに対する感謝の表れと、実験的な試みをした作品であったように感じます。

最後の実験映画です。まず前者ですが浅沼直也、中泉裕矢、上田慎一郎の3人の監督で撮られています。

最初はオムニバスかと思ったのですが、ストーリーがちゃんと繋がっています。3人の監督?これはどのように行われたのでしょうか。

本作には3つの家族が登場します。まず監督はそれぞれその家族だけと撮ります。その際、残りの二人は助監督として立ち会います。

そして終盤の“ぶっこめ”シーンは3人がそれぞれのやりたい演出を主張しながら制作されたそうです。

たぶんですが、終盤の現場は監督たちの主張合戦で修羅場であったことが想像できます。その現場の様子自体が映画になると思います。そう考えると早くメイキングが観たいものです。

 

それで話を戻しますが、上田監督と浅沼監督、中泉監督は旧知の仲で、上田監督は彼らにとてもお世話になっていることを踏まえての感謝の気持ちもあり3人で監督をやった理由もあると思います。

でも、その他にも狙いがあるはずです。前作の『カメラを止めるな!』では上田監督はやりたいようにやっています。

それは学生が映画を自由に作るように作っています。その気持ちを大事にしたのだと思います。

映画が一本当たると様々な制約が求めれれます。最大の制約はヒットさせることです。これが監督の自由な感性を失わせてしまうのです。

ですから上田監督はそうならないように本作でも自由に実験的な映画製作を行ったのではないででしょうか。

逆に言えば本作を最後に上田監督は商業映画の監督へと目的を変えるかもしれません。上田監督は賢明なので必ずやヒット作品を世に送り出すでしょう。

繰り返しますが、上田監督の心には絶対に「ハリウッド」の炎があると思います。

さて、肝心の映画ですが、良い意味で期待を裏切っています。“ありえない”シチュエーション三昧です

でも映画はありえないことを描くから面白いのです。それをネットのレビューでディスっている人たちは、子どもへ夢は語れない大人になっていまいましたね。そっちの方が残念です。

であるならライオンが喋る映画って何?ってツッコミが入ります。それはそれで良いんです。

スクリーンの色調もテンポも構成も脚本も“狙って”いる

第一部の映像はソフトフォーカスがきつくて「カラーコレクションやり直せよ」などと思っていましたが、なぜそうしたのかは後半にわかります。

また絵本仕立てにしたのも意味があります。何らかの“アクション”が欲しかったのです。テンポに飽きてくるのであの絵本モードは休めて良かったと思います。

ですから全体的な構成もスピード感も通知表として採点するなら二重丸になるくらい上手くできていると思います。

バランスが取れていますね。特に前半の移動ショットのスピードがちょっと嫌悪感を持ち、イライラ感、不安感を煽ってきます。

でも後半のある家族の崩壊の場面ではロングショットの固定できっちりかっちり撮っています。こちらは安心して観ることができます。「さすが」と思いました。

上田慎一郎監督が影響を受けた映画人は誰だろうか

上田監督が影響を受けた映画人は誰なのかわかりませんが、スティーブン・ソダーバーグ、ダニー・ボイルあるいはガイ・ リッチーらに影響されたような気がします。あるいはM・ナイト・シャマランでしょうか。

上田慎一郎監督の高笑いが聞こえる

映画は前作の『カメラを止めるな!』の裏切り、どんでん返し期待してた人たちを「裏切ってやったぜ」と上田監督が天に向かって大笑いしている姿が見えてきた作品でした。

これだか散々な評価を受けても気にすることはありません。上田監督の最新作は10月公開です。今から待ち遠しいです。

世界に羽ばたいて欲しい、いや羽ばたく監督たち

かつてマーティン・スコセッシ、フランシス・フォード・コッポラ、ウディ・アレンの三人が撮った『ニューヨーク・ストーリー』と言う映画がありました。

円熟期に差し掛かった三人の個性のぶつかり合いの作品です。こちらはオムニバス作品ですが、今では絶対に組むことがない三人です。

20年後、この『イソップの思うツボ』を振り返った時に「世界の巨匠になった上田、浅沼、中泉監督の原点がここにあった」的な作品になることを祈っています。

若手女優がめちゃくちゃ可愛い&ビューティー

石川瑠華さんはどこにでもいそうでいない雰囲気があります。お顔がプリンプリンです。ほっぺもお口も張りがあって羨ましい限りです。 

井桁弘恵さんんは美人ですね。背も高く姿勢も良いのでスクリーン映えします。どんな女優さんになるかとても楽しみです。

紅甘は存在力抜群ですね。アクション演技で行くのでしょうか。それよりも個性派で行って欲しいです。

何と言っても斎藤陽一郎さんがめっちゃ素敵です

斉藤陽一郎さん。大好きな俳優さんです。青山真治監督の『Helpless』から観てます。しびれます。 

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映画『イソップの思うツボ』まとめ 一言で言うと!

面白いことをやるために生まれてきたのだ!

上田慎一郎監督の映画を観ると、彼の生き方が本当に見えてくる。好きなことを好きなようにやっている。本当に素晴らしい。子どもの心を持ったまま大人になっている。それが映画に現れているのだ。自分が面白いと感じたことを人にもわかって欲しい思いを映画に込めている。本当に稀有な人だと思う。応援したい。

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映画『イソップの思うツボ』の作品情報

映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
浅沼直也 上田慎一郎 中泉裕矢
脚本
上田慎一郎
共同脚本
浅沼直也 中泉裕矢
プロデューサー
井西政彦 久保田傑
アソシエイトプロデューサー
廣瀬敏
協力プロデューサー
佐藤美由紀 冨永威允
撮影
曽根剛
照明
曽根剛
音響
黄永昌
美術
福島奈央花
装飾
倉岡真弓
編集
伊藤拓也
ヘアメイク
高村三花子
アクション
二宮由一
ガンエフェクト
近藤佳徳
劇中イラスト
ふくだみゆき
助監督
大杉拓真
制作担当
大川哲史
石川瑠華
井桁弘恵
紅甘
斉藤陽一郎
藤田健彦
髙橋雄祐
桐生コウジ
川瀬陽太
渡辺真起子
佐伯日菜子
2019年製作/87分/G/日本
配給:アスミック・エース

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