こちらからお読みください。『スター・ウォーズ』シリーズ全部をまとめて紹介しています。
映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』ディズニー公式サイトならびにIMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(121分/アメリカ/1977)
原題『Star Wars』
【監督】
ジョージ・ルーカス
【製作】
ゲイリー・カーツ
【出演】
マーク・ハミル
ハリソン・フォード
キャリー・フィッシャー
ピーター・カッシング
アレック・ギネス
アンソニー・ダニエルズ
ケニー・ベイカー
スター・ウォーズ素人が見た『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の驚きまとめはコチラ
映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』のオススメ度は?
星3つ半です
今観ても新鮮です
ルーカスの生い立ちと重ねると面白いです
アメリカの歴史とアメリカ人の気質も表しています
戦争の舞台を宇宙で展開したことが良かったと思います
映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の作品概要
遠い昔、遥か彼方の銀河系で…。
『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』原題『Star Wars: Episode IV A New Hope』1977年に公開されたアメリカ映画。ジョージ・ルーカス監督・脚本。2019年の映画『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』まで全9作品の最初の映画。壮大なスペースオペラでありサーガの始まり。映画シリーズとしては最大のヒットとなる。
映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』のあらすじ・ネタバレ
遠い昔、遥か彼方の銀河系で…。
銀河帝国は皇帝ダース・シディアスに支配されていた。その圧政に抗う有志たちが反乱同盟を組織して戦っていた。「いつかレジスタンスのパイロットになりたい」と夢見ながらタトゥイーンで鬱屈した生活を送っていた青年がいた。後のジェダイの騎士になルーク・スカイウォーカーだ。彼はポンコツのドロイド、C-3POとR2-D2を手入れしたことで一変する。R2-D2には反乱軍のリーダーであるレイア姫がジェダイの騎士オビ=ワン・ケノービに宛てたメッセージが収められていた。名を変えて砂漠で隠居していたオビ=ワン密輸船のパイロットのハン・ソロと相棒チューバッカ、らと共に、ルークは宇宙へ旅たつ。そして銀河大戦の渦中へと飛び込んでいく。
映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の感想・評価・内容・結末
『スター・ウォーズ』シリーズの始まりはダークサイドの始まりだった
『スター・ウォーズ』シリーズをこれから観る人にとっては本作『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』はハリソン・フォード主演なのかと思うほどハリソンの存在力が強いと言えます。
それは後々のハリソンの大活躍のイメージを背負うのが原因ですが、実際にハリソンの演技に目を心奪われるのは事実です。
主演はルーク・スカイウォーカー演じるマーク・ハミルと キャリー・フィッシャーです。
以後、42年間本シリーズが続きます。
よくダークサイドに落ちたという表現が本シリーズで語られます。
これは暗黒面にに心が変容していく様のことを言います。
本シリーズに出演している俳優のその後のキャリアをこの表現で言うならハリソン・フォード以外の全員はダークサイドに落ちたといってもいいでしょう。
彼だけは栄光を掴みました。
マーク・ハミルもキャリー・フィッシャーも以後の俳優人生は恵まれません。
特にキャリーは各オーディション行ってもレイア姫のイメージが強すぎて即様落とされます。
俳優としても仕事はなく、スクリプト・ドクター(脚本監修)をしながら食いつなぎます。
でもこれが非常に評価されて脚本家が彼女に読んで欲しいと列をなしてほどです。
その後、精神的な病とアルコール依存、そして薬物依存などに陥ります。
彼女はそして心臓発作で亡くなりました。
決して恵まれた俳優人生ではなかったと思います。
ルーカスは自身を『スター・ウォーズ』に投影した
さて、映画ですが今観ても新鮮です。
確かに技術的にはアラ探しをするマニアがいますが、当時としては最高のクオリティーだったと思います。1977年製作です。
それまでのSF映画で世界的に評価されていたのは紛れもなく『2001年宇宙の旅』でしょう。
こちらも今観ても素晴らしい作品です。
ルーカスが本映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』を撮ることになる背景は多々あります。
まずルーカス自身の生い立ち。
カリフォルニア州モデストというの田舎町で生まれました。
見渡す限り畑です(ルークの生まれ故郷と同じ)
彼の父親は小さな事務用品の店を営んでいました。とても厳しくてルーカスを支配しようとしていたそうです。
ルーカスが映画をやりたいと言ってもバカにしていたそうです。
ルーカスは父親コンプレックスだったのです。
成長したルーカスはこのまま街に残っても未来はないと思い、ハリウッドへ行きます。
本作でルークが父親に街を出ると告げた時「あと一年いてくれ」と言われ、大地の向こうに沈む二つの太陽を見つめる場面がありますが、あれはまさにルーカスが田舎町で見た光景そのものです。
そしてルークは新しい世界で正義のために生きる喜びを得ます。
巨大帝国に対してレジスタンスとして反乱します。
この描写をルーカスに置き換えるとそれまで映画監督に与えられた権利は小さく、製作会社の圧力に屈していました。
でもルーカスは監督料はいらないから商品の権利を欲しいと提案したのです。
これが後の映画監督に勇気を与えることになったのです。
ご存知の通り『スター・ウォーズ』シリーズのグッズや書籍、ビデオ、DVDは莫大なビジネスとなりルーカスに巨万の富をもたらします。
ルーカスがハリウッドを主体とする映画製作会社という帝国に打ち勝った瞬間なのです。
ルークの活躍そのままです。
挑戦と自由を獲得するための映画
この旧三部作(オリジナル・トリロジー)はルーカスの生い立ちとハリウッドメジャーへの挑戦状であり自由の獲得だったのです。
またダース・ベイダーを殺すルークの心情はルーカスそのものです。
あれだけ自分をバカにした父親への悲しき叫びをルークを通して表しています(『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』でダース・ベイダーがルークに対して愛を表現してくれたのが救いでした)
ルーカス世代に圧倒的に支持されている
もう一つ。ルーカスの育った世代は第二次世界大戦後の世代です。
ご存知の通りアメリカ経済が世界に君臨していく様を見て育っています。
文化、芸術も享受しています。特にロックンロールの誕生。
プレスリーやビートルズなどの音楽も世界を席巻します。
世相的には公民権運動、ケネディ暗殺、さらにベトナム戦争の泥沼化、アポロ月面着陸、そしてソ連との冷戦とあらゆることに影響された世代です。
そしてアメリカン・ニューシネマと黒澤明(ルーカスはとても影響を受けています)
こういった経験を元にルーカスは激動する時代の中でこの『スター・ウォーズ』を思い付きます。
先に挙げたことが全部入っています。
ですから成功したと言えるのです。それにこれは単なる戦争映画ではありません。
宇宙を舞台にした戦争映画です。
これが良かったのです。
もし地球を舞台に戦争映画を撮ったのなら、観る方は現実感に苦しみます。
しかし宇宙での戦争なら非現実的で悲観的な気持ちになりません。
「遠い宇宙で起きていること」と思えばいいのです。
この着想が良かったと言えます。
そしてルーカスと同世代の人たちから圧倒的に支持されることになるのです。
共感を得たのです。
スター・ウォーズは“This is アメリカ”を表している
そしてこの物語はやっぱり“アメリカ”を強く表しています。
ヨーロッパの階級社会から逃れてきた先祖たちは開拓し世界一の国を作り上げました。
そしてその矛先は宇宙なのです。
フロンティアスピリッツを忘れてはいけません。
アメリカは勝ち続けなければいけないのです。
決して諦めてはいけないのです。挑戦あるのみなのです。
この映画のレジスタンスは自由獲得のために戦います。
まるで植民地からの独立を目指した先祖たちのようです。
しかしここでやっぱりアメリカ人の多くが自らのルーツ探しを行うように本シリーズでも自身の出自について考える場面が多く出てきます。
やはり遠いヨーロッパへの憧憬があるのでしょう。
それと気になる表現もあります。
C-3POとR2-D2を買い取る場面はまるで奴隷市場で黒人たちを買っていた時代を彷彿させます(実際にアメリカにはそういう暗黒の時代がありました)このあたりはわざと狙ったのかもしれません。
ロボットを用いて人権の大切さを訴求していたのであれば、先見の明があったと思います。
映画はハッピーエンドで終わります。満面の笑みです。一話完結の映画の終わり方です。まさかここから42年も続くとはルーカス本人も想像だにしていなかったと思います。
映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』のキャストについて
ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)
まだあどけなく頼りない青年という感じのマーク・ハミルです。
本映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』がデビュー作です。
演技的にはやっぱりドタバタしている感が強いです。
というより登り坂のハリソン・フォードに完全にのまれています。
農家の青年からジェダイに変わっていく心模様をもう少し表現して欲しいと思いました。
ハン・ソロ(ハリソン・フォード)
ハリソンの演技はとても良かったです。
この時、彼は35歳。ノリに乗っている時期だったと思います。
本作『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』以降、さらに人気は頂点に達します。
まだ荒削りではありますが、存在感が半端無く強いです。
役回りは密輸業者ですが、パイロットとして活躍します。
アメリカの西部劇に登場する自由気ままで、利己的ですが、本当は人情があるというキャラをうまく演じています。
にくまれ口を叩きますが、ハリソンの優しい顔で言われると許したくなります。
この頃のハリソンは不良少年の持つ危険性と女性を誘惑する目つきが一番の魅力では無いでしょうか。
レイア・オーガナ(キャリー・フィッシャー)
キャリーもいい演技をしていると思います。
自由気ままに育ったわがままなお姫様というイメージを持ちましたが、物語が進んでいくにつれて、実際は相当の苦労をしていたのでは、と感じさせてくれます。
気が強く正義のために戦う姿勢はアメリカ女性の代表的なイメージを確立したと思います。
時は1977年ですから、ウーマンリブ運動の影響で女性の地位向上が盛んだった時代です。
そこに現れたレイア姫が男性に檄を飛ばし、先陣を切って平和のために尽力しているわけですから圧倒的な支持を得たと思います。
キャリーは華奢な体で気高く演技することで映画を引き締めています。
C-3PO(アンソニー・ダニエルズ)
スター・ウォーズシリーズの中でも最も愛されるキャラクターになるとはアンソニー・ダニエルズも想像だにしなかったと思います。
実際、本人は顔を出していません。
普通、俳優というのは顔を売って商売をする物ですが、彼は本作以降42年間、一切顔を出さずに演技します。
これはすごいです。実際、アンソニー・ダニエルズの演技はとても素晴らしいです。
動きが衝撃的でした。
ロボットの動きというイメージを全世界に印象つけたといっても過言ではありません。
セリフ回しにおいても人間では無い無機質な感情をうまく出しています。
R2-D2(ケニー・ベイカー)
こちらも非常に難しい役だったと思います。
あの小さなR2-D2の中に入っているということはかなりの労力を用いたと言えます。
チューバッカ(ピーター・メイヒュー)
ひょっとしたらチューバッカの演技が一番難しいのでは、と考えてしまいます。
理由は人間の言葉を話すことができないからです。
でも人間の言葉は理解できます。このジレンマってあると思います。
しかもセリフが「ウォーン」とか「ヒャー」とかの雄叫びです。
それでいて臆病、さらに暴れかたが凄まじい。
動きもハードです。ですからピーター・メイヒューは相当なプレッシャーだったのではないでしょうか。
本作ではハン・ソロ(ハリソン・フォード) との名コンビで共感を寄せます。目立たず騒がずの演技は難しいでしょう。
ベン(オビ=ワン)・ケノービ(アレック・ギネス)
ちょっと疲れた感のある人物というイメージでした。
本来の姿を隠して暮らしています。登場の仕方が良かったです。
顔を衣服で覆って、正義か悪かわからない雰囲気が良かったです。
伝説のジェダイの騎士役をうまく演じています。
まとめ 映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』一言で言うと!
「少年よ、大志を抱け!」
まさにこの言葉を地でいくような物語です。今で言えばルーカスは毒親に苦しめれれていたのです。そして自身を投影するかのようにルークに希望を与えます。故郷を捨てて大海へ誘ったのです。ルーカスが故郷を後にするのと同じです。やはり若者には好きなことをさせてあげたいです。たった一度きりの人生、思いっきり挑戦することは決して後悔しません。
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映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ジョージ・ルーカス
製作
ゲイリー・カーツ
製作総指揮
ジョージ・ルーカス
脚本
ジョージ・ルーカス
撮影
ギルバート・テイラー
美術
ジョン・バリー
編集
ポール・ハーシュ マーシア・ルーカス リチャード・チュウ
音楽
ジョン・ウィリアムズ
特撮
ジョン・ダイクストラ
ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)
ハン・ソロ(ハリソン・フォード)
レイア・オーガナ(キャリー・フィッシャー)
グランド・モフ・ターキン(ピーター・カッシング)
ベン(オビ=ワン)・ケノービ(アレック・ギネス)
C-3PO(アンソニー・ダニエルズ)
R2-D2(ケニー・ベイカー)
チューバッカ(ピーター・メイヒュー)
ダース・ベイダー(デビッド・プラウズ)
ダース・ベイダー(声)(ジェームズ・アール・ジョーンズ)
オーウェン・ラーズ(フィル・ブラウン)
ベルー・ラーズ(シェラ・フレイザー)
ウィラード将軍(エディ・バーン)
ウェッジ(デニス・ローソン)
ビッグス(ギャリック・ヘイゴン)
1977年製作/121分/アメリカ
原題:Star Wars
配給:20世紀フォックス映画