『オーヴァーロード』(110分/米/2018)
原題『Overlord』
ハリウッドの新しい企画なのだろうか、第二次大戦にホラーをテイストした画期的な作品
もはやハリウッドはネタ切れか、、、でもヒトラーよりゾンビの方が面白い
この映画をひとことで言うと?
ヒトラーを倒そうと決意したのに、最強“ゾンビ”が養成工場に来てしまった
ジュリアス・エイバリー監督はどうな人?
短編映画でとても実績を残している人です。
『Jerrycan』(2008)カンヌ映画祭で審査員賞を受賞。その他、オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞、トライベッカ映画祭、サンダンス映画祭、ベルリン国際映画祭などでも映画賞を獲得している。
あらすじ
第二次世界大戦、勢いを増した連合軍はドイツを倒すために是が非でもフランスに歩を進める必要があった。いわゆるノルマンディー上陸作戦だ。
アメリカ軍は空から海からフランスに入る。しかし苦労して入ったフランスの小さな町はドイツの秘密基地があり、何とゾンビが養成されていたのだ。
倒せど倒せど立ち上がってくるゾンビ、果たして無事、フランスを解放させることができるか、、、、。
あるゆるいみで本作は画期的だ 今後、黒人俳優の活躍に弾みがつくだろう
感想、ネタバレ、評価
第二次世界大戦という悲劇に新しいエッセンスを盛り込む
まずさすがハリウッドと言いたい。最近の傾向として何でもありを考慮すると「出たあ」と叫んでしまうのだ。
このところアメコミを中心にバットマンとスパイダーマン、スーパーマンが手を組んだり、ジェイソンとフレディーが共演したりと何でもありだ。
アベンジャーシリーズなどもう訳わかりません。で、この企画はあの20世紀の大戦の最中にゾンビを持ち込むと言うスーパー企画である。笑えるのです。
第二次大戦ものの映画は結構真面目な作品が多いのです(いや、本作が不真面目と言っているのではありません)『大脱走』『ライフ・イズ・ビューティフル』『シン・レッド・ライン』『戦場のピアニスト』などあげたらきりがない。
まさかヒトラーではなくゾンビと戦う羽目になるとは兵士も思っていなかっただろう
過去において、ゾンビが登場した作品は記憶がない。それ故に画期的だ。しかも本作では黒人俳優を主演においている。これも珍しい。
第二次世界大戦をテーマにした映画では大抵、白人が主人公だ。それは実際、戦地でも階級が白人が上級になっていた、つまり1945年時点ではまだ黒人が解放されていなかった悲しい歴史がある。
でも実際は戦地へ行っているはずだから今まで黒人が登場しなかったことがおかしい。だから本作を機に今後、大戦ものの映画には黒人俳優が起用される予感がする。
アクション、サスペンス、ホラー、そしてちょびっとコメディーがミックスされている
さて、肝心の映画は戦争という悲惨な状況とアクションとホラーがミックスされているはちゃめちゃな映画と言える。しかもあの戦乱の中でほのかな恋の予感も盛り込まれている。
わずか1日の物語であるが忙しすぎる。たった4人で当時、最強と言われたドイツ軍数十名をかたずけるとはすごすぎる。
途中「バレるだろ~」「死んじゃうよ」など突っ込みを入れずにいられなかった。奇妙な動きをするゾンビに後ろの席の人に失笑が聞こえてくるほどだ。戦争という悲惨な舞台で大変失礼であるが、笑ってしまう場面が多かった。
息つく暇もないほど、あっという間の110分
しかしだ。よくハリウッド映画にありがちな英語オンリーではないところは良かった。ハリウッド映画でなぜかフランス人もドイツ人もはたまた日本人も英語を流暢に話しているからだ。
映画は最後の最後にはちゃんとハッピーエンドを迎える。110分間、飽きることなく楽しめる。この映画だったらコーラをすすり、ポップコーンを食べながら観ることをお勧めする。
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スタッフ
監督 ジュリアス・エイバリー
製作 J・J・エイブラムス リンジー・ウェバー
製作総指揮 ジョー・バーン ジョン・コーエン コリー・ベネット・ルイス
原案 ビリー・レイ
脚本 ビリー・レイ マーク・L・スミス
撮影 ローリー・ローズ ファビアン・ワグナー
美術 ジョン・ヘンソン
衣装 アンナ・B・シェパード
編集 マット・エバンス
音楽 ジェド・カーゼルキャスト
ジョバン・アデポエド・ボイス
ワイアット・ラッセルフォード伍長
ピルウ・アスベックワフナー
マティルド・オリビエクロエ
ジョン・マガロチベット
イアン・デ・カーステッカーチェイス
ドミニク・アップルホワイトローゼンフェルド
ボキーム・ウッドバイン作品データ
原題 Overlord
製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 プレシディオ
上映時間 110分
映倫区分 R15+