映画『やっぱり契約破棄していいですか!?』公式サイトとYouTubeを参照ください。
『やっぱり契約破棄していいですか!?』(90分/イギリス/2018)
原題『Dead in a Week: Or Your Money Back』
映画『やっぱり契約破棄していいですか!?』のオススメ度は?
星2つ
イギリス人特有のブラックジョークが散りばめれています。
映像のテンポは抜群です。
何も考えずに観ることができます。
映画『やっぱり契約破棄していいですか!?』の作品概要
死をテーマに作られている。人間はなぜ生まれて、なぜ生きて、なぜ死ぬのか、、、。これは人類の永遠のテーマでひとつの答えは出ないだろう。本映画では死について深い考察を持って、、、、と書きたいところだが、全くそのような言及はありません。むしろコメディタッチで死について描いています。イギリス人のブラックジョーク満載の映画です。
映画『やっぱり契約破棄していいですか!?』のあらすじ・ネタバレ
作家志望の青年は人生に悲観して自殺を繰り返すがことごとく失敗に終わる。死の神様にも見放されて辿り着いた先は暗殺を仕事にする老人の元。暗殺者は毎月殺しのノルマに追われていて、両者の利益が合致して契約が成立。しかし、青年の書いた小説が出版する運びとなり大慌てとなる。果たして両者は互いの望みを達成することが出来るのだろうか。
映画『やっぱり契約破棄していいですか!?』の感想・評価・内容・結末
イギリス映画は“死”というテーマでさえ、ブラックジョークする寛大さがある
とてもイギリスらしい映画だと思います。“死”というテーマでさえ、ブラックジョークにしてしまうところがです。
日本人は割と死にたしてネガティブなイメージを持つ人が多い。友人と死について深く話すことはあまり好まれないかもしれない。
でも欧米人は平気で自らの死生観について語る人が多い。もちろん根底にはキリスト教の影響があることは間違いない。
キリスト教も仏教もあるいはイスラム教も自殺については否定する行為である。
自殺をテーマにから暗殺をテーマに変わっていく
本映画『やっぱり契約破棄していいですか!?』は自殺をテーマに進行していく。ただ全く重たくない。どちらかと言うと軽いのだ。
長く生きていると自殺について考えることがあるし、辛いことがあれば一度くらい「ああ、死にたい」って思ったこともあるだろう。
自殺という行為は地球上の生物の中でとりわけ人間だけが行うモノと認識されている(但しクジラやイルカが海岸に逆ダイブするのは自殺かどうかはわからない)その他の高等動物で自ら命を投げ売るモノはいないはずだ。
人間は発明した言葉があるから生死も操ろうとする
もちろん植物も虫も自殺なんかしないだろう。人間はそれらの動物と絶対的な相違は“言葉”があることだ。
言葉があるということは脳が発達する。知識教養を身につけていく。そして他者と比較するようになる。比較することで自分の劣等生ぶりが拡大されて見えてくる。
それは頭脳であったり、容姿であったりする。そして複雑な人間関係の社会においてはもっと頭を使うから、脳みそは混乱を生じ、比較のスピードが速くなってくる。
こうなるともう収集がつかなくなる。絶えず押し寄せる人間関係から逃げ出したくなるのだ。これが死にたくなる原理になってくるのだろう。
死を題材にしているのに安心して観ることが出来る映画
さて、映画は売れない作家が、いや作家気取りの青年があらゆる自殺を試したが、彼にとっては運悪く全て失敗に終わる。
最後の手段として英国暗殺者協会の人間に「殺してくれ」とお願いする。しかし売れないはずの小説が出版へと向かい、急遽、暗殺を中止して欲しいと懇願する。
しかし時は既に遅し。暗殺者にも暗殺しなければいけない理由がある。映画は死のテーマをコメディタッチで描きながら進んでいく。
監督は新進気鋭のトム・エドモンズ。おそらくダニー・ボイル、ガイ・リッチーの影響を受けているような印象だ。まずショットの切り返し方。そしてテンポの良い編集。
何も考えずに観る映画である
本映画にはこれといった見所もない。ちょっとした恋愛が始まるが、お涙頂戴の感動モノではない。
年老いたヒットマンの奥さんは良妻ぶりにも感動しない。そして何よりイギリスは日本と同じく一般人の銃の所持は認めらていない(狩猟以外では)
その社会の中でドンパチ劇をやる意味は何なのだろうか?ちょっとわからない。
とまあ、この映画に対してのツッコミは尽きないが、これはイギリス人特有のブラックユーモアとして観るしかないのだ。
日本人のユーモアも外人には理解できないところがあるのと同じで、わたしたちも彼らのユーモアを理解できなくて当然である。何も考えずに観た方が良い映画です。
映画『やっぱり契約破棄していいですか!?』まとめ 一言で言うと!
人生、何か見返りを求めるから苦しくなるのだ
誰かに期待したり、誰かに認められたい気持ちはわかります。でも過大に期待するととても辛くなります。人は人です。人と比べると劣等感が出てきます。劣等感を持つと脳も誤作動を起こします。誤作動の先は、、、、となります。出来るだけ温和に生きるのなら見返りを求めない生き方が良いと思います。人は人、自分は自分なのです。比較する動物は人間だけ。
『運だぜ!アート』本日の総合アクセスランキング
合わせて観たい映画
【イギリス映画】
『英国総督 最後の家』
かつて世界の7つの海を制覇したイギリスが、、、
映画『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』
イギリスの王族モノは本当に面白い
映画『女王陛下のお気に入り』
女王陛下に気に入られることがステータス
映画『ヴィクトリア女王 最期の秘密』
女王陛下お気に召したインド人との交流
映画『ガーンジー島の読書会の秘密』
イギリスの女流作家の先駆けとなった女性の物語
映画『やっぱり契約破棄していいですか!?』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
トム・エドモンズ
製作
ダニエル=コンラッド・クーパー ニック・クラーク・ウィンド
製作総指揮
ジーナ・カーター オリオン・リー マイク・ルナゴール アンディ・メイソン スティーブン・フライ
脚本
トム・エドモンズ
撮影
ルーク・ブライアント
衣装
ナタリー・ハンフリーズ
編集
タリク・アンウォー
音楽
ピーター・ジョブソン ポール・ソーンダーソン
レスリー(トム・ウィルキンソン)
ウィリアム(アナイリン・バーナード)
エミリー(フレイア・メーバー )
マリオン・ベイリー
クリストファー・エクルストン
2018年製作/90分/G/イギリス
原題:Dead in a Week: Or Your Money Back
配給:ショウゲート