『英国総督 最後の家』

スポンサーリンク
いじめ・陰湿映画
映画『英国総督 最後の家』公式サイト
2018年8月11日(土・祝) 新宿武蔵野館他全国順次ロードショー

 

『英国総督 最後の家』(106/英/2017)

原題 『Viceroy’s House』

スポンサーリンク

かつてヨーロッパの国々はインドを目指した。一度、インドを手にしたら手放すことは国力が衰える。何としてもインドを死守しなければいけない理由がある。

祝福されるべき国家の誕生の影に見える大国の狡猾な政策

 かつて世界7つの海を制覇していた大英帝国。栄枯盛衰とは古今東西当てはまるものだ。あれだけ巨大な権威を誇っていた大英帝国も第二次世界大戦後、国力は一気に疲弊していった。そしてアジアで最も重要だった植民地であるインドを手放すことになる。インドにとっては解放であり、悲願の独立であったのは言うまでもない。しかし産みの苦しみは新たな苦痛が伴う。嵐の如く、火種が降りかかる。ヒンドゥー教とイスラム教の争いの始まったのだ。宗主国イギリスからその争いを収めるように命じられたのはマウントバッテン卿であった。彼は遥々イギリスから家族共々インドへ新総督として赴任する。当初は両宗教の争いを収めることは簡単だと考えていた。しかしそれは非常に困難だと気付き奔走することとなる。

 イギリスはインドを分離する予定はなかったが、終わりのないヒンドゥー教とイスラム教の争いを収める手段として分離へと舵を切る。分離すればヒンドゥー教のインドとイスラム教のパキスタンが誕生する。両宗教にとっては一見祝福されるべき独立だが、ことはそんなに甘くない。ガンジーが言う。「心臓を二つに切ったら戻らない」その通りだ。実際、インドが分離すると正式に発表されると国中で混乱が起きる。それまで仲良く暮らしていた人々が「これはイスラム、これはヒンドゥー教」と出来るだけ多く取ろうと主張し始める。今でもインドとパキスタンは争っているのは、おそらくこの分離の発表があった瞬間からだから、永遠にこの争いは続くと思われる。もう悲劇だ。

宗主国のしたたかな政策に翻弄されるインドとパキスタン

 でもイギリスが統治していた300年間、あるいはそれ以前は両者は争っていたのだろうか。いや決してそうではない。劇中「イギリス人がヒンドゥー教とイスラム教の争いを巧に操って統治してきた」とセリフがあった。当たっていると思う。植民地支配のプロフェッショナルだから人心掌握術に長けている。しかしもう限界が来たのだろう、、、、。イギリスは大きな心を持ってインドを手放す決意を固めたのだ、、、と一瞬納得してしまう。

 いや違った。イギリスの政策はもっとしたたかだった。最初からイギリスは分離する設計図を持っていた。チャーチルがすでに描いていたのだ。それはインドとパキスタンを新しい形で支配する方法でだったのだ。第二次世界大戦後、世界は西側と東側の対立構造が生まれてくる。その前に西側世界はアジアでも覇権をとっておかなければならない。対ソ連と対中国対策にだ。だからインドという巨大な国で内戦が起きたら収集がつかない。未曾有の殺戮と戦費がかかる。その前に分離しておく方が良いと考えた。一見、平和的な分離をしておけばインドにもパキスタンにも恩を着せることができるからだ。

インドとパキスタン誕生の舞台で燃え盛る恋の炎

 さて、この映画のもう一つの要はヒンドゥー教とイスラム教の禁じられた恋愛だ。ロミオとジュリエット以上に障壁がある。貧富とか人種の問題より難しいのが宗教問題だ。しかし若い二人は障害があればあるほど恋の炎が燃え上がらせる。若さとは美しい。恋する情熱は無敵だ。インド独立、分離の最中でこの二人は賢明に愛し合う。その姿がいつか来るであろう、ヒンドゥー教とイスラム教の分かり合える日の到来を期待してしまう。

スポンサーリンク

『運だぜ!アート』本日の総合アクセスランキング

映画『望み』ネタバレ・あらすじ・感想・結末「息子は加害者か被害者か」崩壊する家族「世間体」も気になる映画。
映画『人数の町』ネタバレ・あらすじ・感想。「衣食住完備」「性欲も満たされる」としたら住むことが出来るか?
スター・ウォーズ初心者はここから!映画を見る順番や見所をわかりやすく解説!ネタバレ若干あり!
【ネタバレ酷評】映画『マチネの終わりに』あらすじ・結末。物語も演出も撮影もダメ。福山雅治&石田ゆり子の糸引くキスシーン。
映画『ラストレター』あらすじ・ネタバレ・感想。福山雅治vs松たか子vs岩井俊二が描く“死と再生”物語。“手紙”の錯綜が描くノスタルジー。
映画『ONE PIECE FILM RED』ネタバレ・あらすじ「ニカとヤマト」感想「尾田栄一郎先生は最高!」」「結末「海賊やめる?」
映画『楽園』ネタバレ・あらすじ・結末。ムラ社会は日本社会の縮図。長老(独裁者)の「決めつけ」こそ悪害なのだ。綾野剛、佐藤浩市もOKだが村上虹郎が最高だ!
映画『ミッドナイトスワン』ネタバレ・あらすじ「草なぎくんこそ“母親”だ」感想「LGBTQ」の知識が深まる「未来に伝えたい」映画!結末「アカデミー賞2冠達成!」
実話映画『愛と死をみつめて』ネタバレ・あらすじ「創価学会の意味?」感想「笠智衆が泣く」感想「軟骨肉腫で死亡」結末。
映画『ばるぼら』ネタバレ・あらすじ「美乳」二階堂ふみ&「美尻」稲垣吾郎の衝撃愛!手塚眞とクリストファー・ドイルが紡ぐ「究極の芸術愛」誕生!感想・結末。

タイトルとURLをコピーしました