インド映画『あなたの名前を呼べたなら』身分を越えた恋物語の行方は?差別、貧困とカースト制度について考えてみる。ネタバレ・あらすじ・感想・結末・評価

2019年製作
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「あなたの名前を呼べたなら」 - 映画「あなたの名前を呼べたなら」
監督は、アメリカで大学教育を受け、助監督や脚本家としてヨーロッパでも活躍するムンバイ出身のロヘナ・ゲラ。インドと欧米という二つの視点を持つ彼女

『あなたの名前を呼べたなら』(99分/インド・フランス合作/2018)
原題『Sir

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映画『あなたの名前を呼べたなら』のオススメ度は?

3.0

3

インドを旅行したことのある人なら?を持つでしょう。

歌って踊ってのインド映画ではありません。

ヒンズー語ではなく英語なのがちょっと、、、。

洗練されすぎているインド人が出ています。

恋人と観に行ってください。

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映画『あなたの名前を呼べたなら』の作品概要

ムンバイ出身の女性監督ロヘナ・ゲラの長編デビュー作。自身は助監督や脚本家としてヨーロッパでも活躍している。インド社会における貧困、差別の原因は何なのかを訴求しようと製作された意図が見える。しかし監督自身「本作の身分を超えた恋物語は絶対に起こりえない。タブーに挑戦した」の言葉通りならファンタジー映画となってしまう。希望の光が一筋も見えないのならどうして撮ったのかわからない、、、、。

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映画『あなたの名前を呼べたなら』のあらすじ・ネタバレ

農村出身の貧乏なラトナは19歳で嫁いですぐ、夫が亡くなり未亡人になってしまう。夫の家を追い出されてムンバイに出てメイドとして働きながら故郷に仕送りをしている。密かにファッションデザイナーを夢見ている。一方、旦那様のアシュヴィンは米国に留学しライターとして活躍していたが、兄が死に帰国し父親の建設会社を手伝っている。本来の夢は小説家だった。そんな二人が急接近して恋に落ちる。身分を超えた二人の恋は成就するのだろうか。

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映画『あなたの名前を呼べたなら』の感想・評価・内容・結末

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インド社会では絶対に起こりえない恋物語

この映画の恋の物語は現実のインド社会では絶対に起こりえない内容だ。それはカースト制度によって成り立つ社会であるからだ。

監督のロヘナ・ゲラも堂々と言っている、そしてこのような恋物語は「タブー」と付け加えている。

インドでは同じカーストの人間としか結婚はできない。口をきくことさえ難しい地域もある。ましてや職業選択の自由もない。

生まれた時の親の職業が本人の職業になる。よって言い方を変えれば生まれながらに仕事は保障されていることになる。

映画のように農村出身の女性がファッションデザイナーになることなど許されないのだ

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ロヘナ・ゲラ監督が描くインドの未来像なのか

ではなぜこのようなシチュエーションで映画を撮ったのだろうか。それは監督のロヘナ・ゲラが多様な価値観を持っているからだろう

インドに生まれ欧米で学び仕事をしているから祖国の現状を憂い一手を投じたのであろう。貧困、差別が永遠に解消されることのないインド。

富める者はいつまでも繁栄し、貧しき者は飢えに苦しむ連鎖が続く。この現状に苦言を呈したいと思ったのだろう。

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主役のティロタマ・ショームとビベーク・ゴーンバルが洗礼されすぎている

しかしながら本作を観ている間、メイド役のラトナにも主人のアシュヴィンの心が動かされなかった。それは二人ともあまりにも洗礼されているからだ。

プロフィールを見るとラトナ役のティロタマ・ショーム は欧米に留学経験がある。アシュヴィン役のビベーク・ゴーンバル においてはシンガポール生まれのインド人だ。

出来るなら実際のインド人俳優を用いて欲しかった。映画ではラトナのサクセスストーリーを予感されているのだがら、本作でも素人俳優を用いて応援してあげるのが筋ではないだろうか

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随所で見られるムンバイの経済発展

さて、映画はインドのムンバイの経済発展が目まぐるしい状況下に若き二人をおいている。旦那様役のアシュヴィンは建設会社の御曹司で超大金持ち。

住んでるマンションは東京にありそうな高級マンション。服装も超おしゃれ。街中の人々も表情もそんなに貧困を感じない。

出来るならここはアシュヴィンとの対比として描いて欲しかった。綺麗なムンバイしか出てこない。

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未亡人ならでは悲壮感が欲しい、応援したくなる表情が欲しい

ラトナの表情もイマイチだ。悲壮感が足りないのだ。結婚してすぐ夫が死んで未亡人になってメイドの仕事についているのだが、これはインドでは絶望的な状況なのだ

映画でも言っていたが人生が終わっているのだ。再婚など絶対にできない。故郷へも帰れない。人目を忍んで生きていくしかないのだ。

にも関わらず表情が明るいのだ。出来るのなら最初の表情が救いようのないほどの絶望的な表情で印象つけて、徐々に希望に変わっていくという演出が良かったと思う。

そうすればラトナに心を寄せることができた。やはり人間というのは一生懸命に頑張っている人、挫けても立ち上がる人を応援したいのだ。

ラトナは確かに頑張っているがその必死さが伝わってこないのが残念であった。

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アシュヴィンには男の魅力がない

アシュヴィンにおいてもちょっと安易すぎる。親が決めた婚約者が浮気し破断し、傷心になるが、すぐに気持ちを立て直し、ラトナへ向かう。

その過程というか、理由がわからないのだ。ラトナの健気さとか、不幸な境遇に同情するのは良いが、好きになる理由がよくわからなかった。

まさか「ファッションデザイナーになりたい」という夢に惹かれたのだろうか。アメリカに留学していたアシュヴィンの周りにはそんな夢を持つ女性はたくさんいたであろう。出会いの度に恋していたのではあるまい。

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ラトナのどこに惹かれたのかがとても重要なのだ

この場合、アシュヴィンがラトナに惹かれる理由はやっぱり「優しさ」や「謙虚」な心なのではないだろうか。

アシュヴィンが開いたパーティーには横暴な女性ばかりだったから、ラトナの物静かな性格が光って見えたからだ。そう言ったところをもう少し描くと良い映画になったと思う。

これでは金持ちの家にメイドに来ていた女の子にちょっかい出しちゃった、に誤解されてしまう。女性に失礼であり、可哀想だ。

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インド版シンデレラストーリーは実現するのか

最終的には意味深で映画が終わる。インド版シンデレラストーリーを想像させる

家へ持ち帰ってその後のラトナの物語を勝手に考えてみたが、山あり谷ありで幸せになる気配がしなかった。それだけインドはカースト制が厳しいのだ。

おそらくこの映画はインド国外では評判が良いだろう。タイトルの『あなたの名前を呼べたなら』の意味は最後の最後でわかる。

ちなみに原題の『Sir』というタイトルもなんか上流階級の人に媚を売っているような気がする。本作は決して悪い映画ではないが、やはり監督自身がカーストの上位出身という印象から一般庶民の暮らしが見えていなかった感が否めない。

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映画『あなたの名前を呼べたなら』まとめ 一言で言うと!

真の恋を手に入れるためのメタモアルフォーゼを応援します。

女の男も好きになった人に気に入られようと必死で努力します。ダイエットしたり、おしゃれしたり、振る舞いに気をつけたり。つまり恋をすると違う自分を探すことで、成長する

のです。醜い毛虫がサナギになり、羽化して美しい蝶々になるように。恋とは素晴らしいものです。

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映画『あなたの名前を呼べたなら』の作品情報

映画.comより一部引用

スタッフ・キャスト
監督
ロヘナ・ゲラ
製作
ブリース・ポワッソン ロヘナ・ゲラ
製作総指揮
ラーケーシュ・メーヘラー
脚本
ロヘナ・ゲラ
撮影
ドミニク・コラン
美術
パールル・ソーンド
衣装
キムネイニン・キッゲン
編集
ジャック・コメッツ
音楽
ピエール・アビア
ラトナティロタマ・ショーム
アシュヴィンビベーク・ゴーンバル
ラクシュミギータンジャリ・クルカルニ
アシュヴィンの父ラウル・ボラ
アシュヴィンの母ディビヤー・セート・シャー
ヴィッキーチャンドラチュール・ラーイ
ナンディアディルナーズ・イーラーニー
チョディバーギャシュリー・パンディト
アンキタアヌプリヤー・ゴーエンカー
ラジューアーカーシュ・シンハー
サビーナラシ・マル
2018年製作/99分/G/インド・フランス合作
原題:Sir
配給:アルバトロス・フィルム

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