池井戸潤×福澤克雄の黄金コンビ『七つの会議』は不正、汚職、隠蔽の抑止力になって欲しい。ネタバレ、感想。

2019年製作
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http://nanakai-movie.jp/about/introduction.html

七つの会議』(119分/日本/2019)

監督 福澤克雄

日本企業でも誠実に真面目にやっている会社があることも理解して欲しい

 大ヒットしている映画である。池井戸潤原作、福澤克雄監督作品。このペアで数々のヒット作品を産んでいる。企業ヒューマン物語と言うのだろうか。テレビドラマ『半沢直樹』は面白かった。大体が企業の腐敗や汚職、隠蔽等をテーマに書かれている。

自己犠牲の精神など世界では全く理解されない

 こういった映画を観ると、日本の企業ってそんなに汚いことをやっているのかと疑いたくなる。確かに日本独自に人間関係はある。上司と部下の関係は外国人から見ると異様だ。仕事が終わっても一緒に飲食したり、休日返上で付き合ったりはまだ良いが、上司の出世の手伝いもしたりする辺りは理解できないと言う。日本は礼儀を重んじる国であった。それは封建制度が長い間敷かれていて、年長者や身分の高い人への尊敬の念を植え付けられてきた。殿のために腹を斬るなどは君主への最上の愛の表現とされている。しかしだ、今は2019年。自己犠牲の精神など要らない。いや、家族だけにすれば良い。

 我々日本人は何も利益がないことに対して切符が良いとか、男気があるとか言って自己犠牲を強いられる場面がある。これは決して海外では評価されない。評価されないどころか理解されない。もっと言うなら単なる馬鹿だと言われる。カッコつけたい、つまり良い人アピールすることに変な快感を得ているおかしな人だ。「先輩のために」などと臭いセリフはもうはかない方が良い。決して自分のためにならない。ましてや先輩が何か御礼をしてくれることなどない。

見渡せば、恐怖ばかり。これでは日本のサラリーマンは安眠できない

 話は逸れたがこの映画は結局は上司のいいなりになった挙句、自らの首を絞めて自滅してしまう話をベースに不正、汚職、隠蔽についてを論じている。上司が怖い、会社が怖い、世間が怖い。おまけに家まで怖い。これでは日本のサラリーマンは休まることができない。おかしくなるのも当然だ。怖いから更に嘘の上塗りと繰り返す。それが不正だとわかっていても、やめられないのだ。感覚が麻痺して「赤信号みんなで渡れば怖いくない」になってしまう。でもこれはみんなで渡っている気持ちになっているのは本人の錯覚で、実際に罰せられるハメになる。こうなってしまうと会社は絶対に個人をい助けてくれないのだ。

不正は日本だけじゃあない、世界中にある。

 映画のエンディングで不正は絶対になくならないと言っている。日本の歴史とか習慣とか精神とかに刷り込まれてしまっているニュアンスがあるが、決して日本だけではないと思う。欧米では中国でも不正はあると思う。表に出ないだけだ。日本がとりわけ多いように感じるが、世界にはもっと酷い国があると思う。

自虐的にならなくていい。ただ“真面目”にやれば良いのだ

 いつの頃か日本人は過度が過ぎるほど自虐的になった。毎日毎日、謝罪謝罪、反省反省を強いられるようになった。それを見ているだけで日本人は正直ではないだろうか。まだ救われると思う。世界の他の国ではここまで自虐的に自らを痛めつけない。この自虐体質がどれほどのデメリットを生み出しているか想像すると恐ろしい。

私はこの映画のように確かに不正隠しを行っている会社はあったし今でもあると思うが、一生懸命やっている会社の方が多いと思う。出来るもことならそう言った会社の物語を観たいものだ。

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映画のことなら映画.comより引用

スタッフ

監督 福澤克雄
原作 池井戸潤
脚本 丑尾健太郎 李正美

プロデューサー 伊與田英徳
音楽 服部隆之
主題歌 ボブ・ディラン

キャスト
野村萬斎 八角民夫
香川照之 北川誠
及川光博 原島万二
片岡愛之助 坂戸宣
音尾琢真 三沢逸郎
藤森慎吾 新田雄介
朝倉あき 浜本優衣
岡田浩暉 佐野健一郎
木下ほうか 田部
吉田羊  淑子
土屋太鳳 三沢奈々子
小泉孝太郎 奈倉翔平
溝端淳平 星野
春風亭昇太 飯山孝実
立川談春 江木恒彦
勝村政信 加茂田久司
世良公則 村西京助
鹿賀丈史 梨田元就
橋爪功 宮野和広
北大路欣也 徳山郁夫

作品データ
製作年 2019年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 119分
映倫区分 G

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