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『見えない目撃者』(128分/日本/2019)
監督
森淳一
出演
吉岡里帆
高杉真宙
大倉孝二 浅香航大 酒向芳 松田美由紀 田口トモロヲ
映画『見えない目撃者』のオススメ度は?
星4つです。
単なるサイコスリラーではありません。
社会的な問題を内包しています。
「困っている人を助ける、わたしも誰かや社会の役に立ちたい」
身体障害者の人たちの声も代弁しています。
吉岡里帆さんが本当に素晴らしい。
盲導犬も可愛い。
友だち、恋人と観に行ってください。
映画『見えない目撃者』の作品概要
韓国映画「ブラインド」(2011年)を日本のいリメイク。吉岡里帆((映画『ハケンアニメ!』や映画『ホリック xxxHOLiC』や『パラレルワールド・ラブストーリー』))が視力を失った元警察官役を演じるサスペンススリラー。毒親、ネグレクト、家出少女、JK売春と言った日本が抱える闇の世界の問題も浮き彫りにしている。また障害を持った人の気持ちを代弁している。
映画『見えない目撃者』のあらすじ・ネタバレ
警察官を目指していたが、卒業式の夜、弟を乗せた車で事故を起こし弟を死なせてしまう。自身は視力を失い警察官の夢も諦めた。失意の日々を過ごしていたが、ある日、車の事故の目撃者になる。目が見えないのに“目撃者”と言い張る。聴覚と臭覚で得た情報を警察に話すが相手にされない。そこで自身で捜査を開始していく。単なる交通事故ではなく誘拐、虐待、猟奇的な異常性を孕む事件が浮き彫りになっていく。
映画『見えない目撃者』の感想・評価・内容・結末
吉岡里帆さんの演技は神がかっている
吉岡里帆さんの演技が素晴らしいと思いました。前作の『パラレルワールド・ラブストーリー』がいまひとつだったから尚更良かったです。
目の見えないキャラクターの演技は簡単なようでとても難しいと思います。ただ焦点をボカすような眼差しをしていれば良いと思われますが、それを継続させるには並大抵の集中力がないとできません。
しかもセリフがあります。「見ない&話す」と2つの労力が重なってくるのです。これがどんなキツいかは演じた者にしかわからないでしょう。
一度、鏡に向かって歌でも唄ってみるとその難しさがわかると思います。わたし、やってみましたがすぐに頭が痛くなりました。
視覚障害者が“目撃者”という設定がすごく良い
さて、映画は新人研修を終えて晴れて警察官になるという女性、浜中なつめ(吉岡里帆 )が弟を乗せて車の運転中に事故に遭い弟を死なせてしまいます。さらに自身の視力も失ってしまい、警察官を辞めてしまいます。
失意のどん底の日々が数年続きます。母、浜中満代(松田美由紀)と二人で暮らしていますが、弟を死なせてしまった後悔と精神的な病も発症してうまくいっていません。弟の墓参りに行った帰り道に事故の“目撃者”になります。目が見えないのに目撃者になるのです。この設定がとても面白いと思いました。
警察がやってくれないのなら自力で捜査しよう
なつめは音で“視る”ことができるのです。女の子が誘拐されている可能性があり警察に相談しますが、目が見えないことで相手にされません。
警察も面倒な仕事をしたくない雰囲気です。この警察の怠惰な対応は本当にうまく表しており、笑ってしまいました。
それでなつめは自ら捜査を開始します。人間とはひとつの機能が損傷したら他の機能なり器官が発達し補ってくれる能力があると聞いたことがあります。なつめは視力を失ったことで聴覚と臭覚が鋭利になりました。
日本の闇の世界、闇のビジネスにメスを入れた映画
この映画は単なるサイコパスの映画ではありません。毒親、ネグレクト、家出少女、JK売春と言った、表には出ませんが実際にある深刻な社会的な闇を正面から問題として取り上げてるところが素晴らしいと思います。
彼女たちがなぜそのような被害者になるかについて「親が無関心なんだ」とあきらめ顔で話す少女の言葉に全て集約されていると思います。
サイコパスたちは彼女たちに甘いハチミツを垂らして近づき犯行を楽しむのです。
人間は困っている人を助けたい、社会に貢献したいと思っている
更にこの映画の素晴らしいところは「困っている人を助ける、わたしも誰かや社会の役に立ちたい」という気持ちが伝わってくるところです。
障害を持つ人たちの気持ちを代弁しているのです。かつて警察官だったなつめは日々、失意の中で過ごしていましたが、この誘拐事件をきっかけにもう一度前を向いて歩いて行こうと立ち上がります。(映画ではそのような強い表現はありませんが)
そしてなつめの思いに同調するのが高校生の国崎春馬(高杉真宙 )です。当初は冷めてる若者で非協力的、全く無関心でしたが、なつめの一直線の正義感にほだされて少しずつ事件に関心を寄せていくあたりの表現がとてもうまく描かれています。
知らず識らず春馬を応援している自分もいました(またこの高杉くん、可愛いんです)この2つが映画を最後まで飽きることなく引っ張ってくれたと思います。
最初から最後まで楽しめるのは、やっぱりは吉岡里帆さんの演技
さてさて、映画はサイコスリラーのジャンルになると思いますが、本当に気持ち悪いのと恐ろしいのが前面に出て終始、体を怖がらせます。
また犯人は誰だ?と推理させてくれる要素も散りばめられており楽しめます。ただ途中で「あ、あいつが犯人か」とわかってしまいました。
そこが勿体無いのですが、それはそれで納得しました。あと、映画のトップカットがなつめが射撃の練習をしている場面から始まります。
これが後半、かなりの重要な意味合いを持ちますが、出来ることならもう少し、予想が出来ない演出が欲しかったです。
兎にも角にも映画を観終わった直後わたしも「困っている人を助ける、わたしも誰かや社会の役に立ちたい」と思える作品でした。
田口トモロヲさん
木村友一演じるトモロヲさんの声を聞いてるだけで満足ですが、やっぱり真面目に捜査する刑事役ははまり役だと思いました。
浅香航大さん
日下部翔演じる浅香さんははまり役だったと思います。非常に冷酷な表情が恐怖を煽ってきました。ジャニーズ事務所所属とは知りませんでした。俳優として将来が楽しみです。
松田美由紀さん
浜中満代演じる松田さん母親役が多い年齢だと思います。とても安心感がある演技でした。心筋梗塞を発症したとのことですが、お大事にしてください。
森淳一監督
テレビドラマ出身とのことであまり情報はありませんですが、良い仕事をしたと思います。今後も期待したいです。
実際に行方不明の届け出を出していない親は多いと思います。
映画『見えない目撃者』まとめ 一言で言うと!
生まれてきたからには誰かの役に立ちたい!
人には誰かに認めてもらいたい承認欲求があります。生まれてきたからには誰かを助けたいとか社会の役に立ちたいと思うそうです。単なる名声欲ではなく、心底願うそうです。特に年をとるとその思いが強くなるそうです。
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吉岡里帆さん出演映画
ちょっとしんみりした演技です。二人の男性と、、、
星、ロマンティックです。
超笑えます。ホント、小ちゃい声です
合わせて観たい映画
【吉岡里帆さん主演映画】
映画『パラレルワールド・ラブストーリー』
東野圭吾原作。観ているだけでパラレルしちゃいます
【サイコパスな映画】
映画『カニバ パリ人肉事件38年目の真実』
パリ人肉殺人事件の佐川くんのドキュメンタリー
映画『見えない目撃者』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
森淳一
脚本
藤井清美 森淳一
製作
村松秀信 加太孝明 アンディ・ユン 與田尚志 久保雅一 宮崎伸夫 有馬一昭 高木雄一郎 猪野丈也
エグゼクティブプロデューサー
紀伊宗之 アンディ・ユン
プロデューサー
小出真佐樹
共同プロデューサー
飯田雅裕
アソシエイトプロデューサー
高橋大典
ラインプロデューサー
山下秀治
撮影
高木風太
照明
藤井勇
録音
竹内久史
美術
禪洲幸久
装飾
森公美
衣装
宮本茉莉
ヘアメイク
佐野真知子
特殊メイク
江川悦子
編集
瀧田隆一
音響効果
大河原将
音楽エディター
大河原将
音楽
大間々昂
主題歌
みゆな
助監督
水野責之
スクリプター
湯澤ゆき
制作担当
星雅晴
スチール
蒔苗仁
警察監修
石坂隆昌
医療監修
中澤暁雄
ドッグトレーナー
宮忠臣
浜中なつめ(吉岡里帆 )
国崎春馬(高杉真宙 )
吉野直樹(大倉孝二 )
日下部翔(浅香航大 )
高橋修作(酒向芳)
浜中大樹(松大航也)
平山隆(國村隼)
横山司(渡辺大知)
桐野圭一(柳俊太郎)
浜中満代(松田美由紀)
木村友一(田口トモロヲ)
2019年製作/128分/R15+/日本
配給:東映