『ライオン・キング』(119分/アメリカ/2019)
原題『The Lion King』
映画『ライオン・キング』のオススメ度は?
星3つ半
将来CGをやりたい人は必見です。
動物好きの方はフィクションと割り切って観てください。
暑い夏、気持ちの良い119分を過ごせます。
子どもと行ってください。
恋人と行ってください。
物語も単純でわかりやすいです。
映画『ライオン・キング』の作品概要
ディスニーのCG技術の最高傑作と言えるでしょう。長年積み上げてきた集大成ではないでしょうか。CGと実写の区別がつきません。もうそういうレベルではないようです。もっと新しい感覚、思考で作られたアニメーションです。
映画『ライオン・キング』のあらすじ・ネタバレ
父親ムファサと伯父スカーの不仲に巻き込まれて、父親を死なせてしまったシンバ。後悔の念から群れから離れて大人になった。しかしかつても群れはスカーとハイエナが支配し荒廃していた。そこへ許嫁のナラが現れ、シンバはかつての群れへ戻り伯父のスカーと対決することに、、、、。過去を悔いて生きるか、それとも決別して未来に生きるか、、、
映画『ライオン・キング』の感想・評価・内容・結末
ディズニーがたどり着いたCG作品最高傑作
1994年に発表された元祖『ライオン・キング』のリメイク作品である。ストーリーについては後述する。その前にやはりCG技術が遂に行き着くところまで来たことを確認できる映画だ。
つまりCGの最高作品、いや最高領域にたどり着いたと言える。よって本作を製作したディズニーの実力を世界に知らしめたのだからストーリーは後からついて来れば良いと考えたのではないだろうか。
ここまでCGで実写表現ができるようになったことが驚きだ。かつてのCGは不自然な感じがして気持ち悪い感じを抱いたが、本作にはそれが全くなかった。本当の動物が演じていると言われても遜色はない。ジョン・ファブロー監督曰く「超実写映画」に納得する。
CGに命が確実に宿っている
もう色彩とか明暗とかのレベルではなく、それぞれのキャラクターに命が宿っているように見えた。動物も虫も植物も、そして土、空、風、水も実写そのものだ。
こんな映画を作ってしまうディズニーは本当に恐ろしい。折しも『トイ・ストーリー4』はアニメっぽいCGでん表現された最高傑作であるから、ディズニーは本作と合わせて他社の追随を許さないレベルにあると断言できる。
一体、どれほどの血と汗と涙が流されたのか知りたい。そしてこのような作品を作る土壌に尊敬の念を禁じ得ない。
VR技術を駆使した製作工程も革新的だ
そして本作の製作工程がまた革新的だ。VR技術を駆使している。
アニメの場合はセル画を描く、あるいはパソコンでCGを描きながら進行していくが、本作はVR空間を作り監督以下スタッフがヘッドマウントディスプレイをかぶって、監督からの指示のもと製作されたそうだ。
全員が仮想のアフリカの草原で「ここにライオン、こっちからハイエナが、、、」というような具合だ。
日本ではまだそのような製作が行われているかは不明だが、将来的なアニメーションはこれが主流になるのかもしれない。
ではCGの先にあるのはどういう世界だろうか
となるとCGの先にあるのはやっぱり演出力になってくるのだろう。VR空間でいかに速く具体的な演出ができる監督が重宝されるだろう。
そのために監督は何を身につければ良いかを試行錯誤する日が来るだだろう(わたしが思うにVRをやるからにはより多くの実物を見たり触ったりする経験が必要だと感じる。実体験を拡張させた場所にCGがあると思う)
人間世界にある権力闘争をライオン社会に置き換えた作品
さて、肝心の物語は子どもにもわかりやすくなっている。お父さんライオンとおじさんライオンの権力争いに巻き込まれたライオンが大人になって王様ライオンになるお話とでも言おうか。
人間世界にある後継争いをそのままライオン社会に置き換えたのだが、中々うまくできている。実際のライオンの生態や社会も踏襲されている。
ライオンはオスは成長すると群れから追い出され、他の群れを乗っ取る。狩りをするのはほとんどメスでオスは縄張りを守ることに専念する。
ただ群れを乗っ取ったオスは全ボスライオンの子どもを殺すのだが、本作にはその描写はない。もちろんメスは新しいオスに従うのだが本作は反抗しているなどの違いもあるが、それは物語を盛り上げる意味で必要だから目を瞑る。
先に挙げた通り本作はCG技術の最高点を世界に誇示するために作られているからだ。繰り返すが遂にCG技術は本作を持って最高レベルに達したと言ってもいい。おそるべし、ディズニー。
映画『ライオン・キング』まとめ 一言で言うと!
こんなの本当のアフリカじゃない!
などと野暮なことは言わないでください。「ハキリアリはアフリカにいないぞ」などのツッコミも不要です。ディズニーの映像世界にどっぷりつかってください。
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映画『ライオン・キング』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ジョン・ファブロー
製作
ジョン・ファブロー ジェフリー・シルバー カレン・ギルクリスト
製作総指揮
トム・ペイツマン ジュリー・テイモア トーマス・シューマッハ
脚本
ジェフ・ナサンソン
撮影
ケイレブ・デシャネル
美術
ジェームズ・チンランド
編集
マーク・リボルシー アダム・ガーステル
音楽
ハンス・ジマー
歌曲
ティム・ライス エルトン・ジョン
視覚効果監修
ロバート・レガート アダム・バルデス
アニメーション監修
アンドリュー・R・ジョーンズ
シンバ(声)ドナルド・グローバー
ナラ(声)ビヨンセ・ノウルズ=カーター
プンバァ(声)セス・ローゲン
ティモン(声)ビリー・アイクナー
サラビ(声)アルフレ・ウッダード
スカー(声)キウェテル・イジョフォー
ムファサ(声)ジェームズ・アール・ジョーンズ
ラフィキ(声)ジョン・カニ
ザズー(声)ジョン・オリバー
シンバ(幼少期)(声)JD・マクラリー
ナラ(幼少期)(声)シャハディ・ライト・ジョセフ
サラフィナ(声)ペニー・ジョンソン・ジェラルド
カマリ(声)キーガン=マイケル・キー
アジジ(声)エリック・アンドレ
シェンジ(声)フローレンス・カスンバ
2019年製作/119分/アメリカ
原題:The Lion King
配給:ディズニー