映画『真実』ネタバレ・あらすじ・感想・評価。ドヌーブとビノシュの人物設定がダメ。吹き替えが心に響かない。

2019年製作
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映画『真実』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。

YouTubeで予告映像もご覧ください。

是枝裕和監督作品 映画『真実』公式サイト
カンヌ国際映画祭パルムドール受賞『万引き家族』是枝裕和監督作品 映画『真実』10月11日(金)公開

『真実』108/フランス・日本合作/2019
原題『La verite』

【監督】
是枝裕和
【製作】
ミュリエル・メルラン 福間美由紀 マチルド・インセルティ
【出演】
カトリーヌ・ドヌーブ
ジュリエット・ビノシュ
イーサン・ホーク
リュディビーヌ・サニエ

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映画『真実』のオススメ度は?

2.0

2つです。

人物設定がいまひとつです。

カトリーヌ・ドヌーヴの演技はオッケー。

ジュリエット・ビノシュの設定がダメ。

母娘の関係性を描いていますが、、、。

こじれている理由が小さい。

そもそも自伝なんて真実を書かない。

恋人と行ってください。

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映画『真実』の作品概要

『万引き家族』で第71回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した是枝裕和監督の最新作。フランスで撮影。カトリーヌ・ドヌーブとジュリエット・ビノシュが母娘で共演。

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映画『真実』のあらすじ・ネタバレ

フランスの大女優ファビエンヌ・ダンジュヴィル(カトリーヌ・ドヌーブ) を母に持つリュミール(ジュリエット・ビノシュ) はアメリカで脚本家として活動している。母が自伝を出版するにあたり夫と娘を連れて帰国する。母の本を読んで憤慨する。真実が書かれていないからだ。母と娘はいつの頃からか、心の距離が出来てしまっている。その距離を埋めることができるか、、、

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映画『真実』の感想・評価・内容・結末

字幕版と吹き替え版ではまったく違う印象になってしまう

是枝裕和監督の新作『真実』を観ました。正直言って心はそんなに震えませんでした。

吹き替え版を観てしまったからです。字幕版を観れば良かったと少々後悔しています。

わたしはあおいちゃんのファンです。

ファンどころか大ファンです。

彼女が10代の時の映画『EUREKA ユリイカ』がわたしの映画人生で最も好きな映画なのです。

ちなみにEUREKA ユリイカ』でのあおいちゃん(梢)はほとんど喋っていません。最後の最後に熊本、阿蘇の大観峰で叫びます。最高です。

それからずっとあおいちゃんのことを注目しています。とにかく表情だけで演技ができる女優さんです。

宮崎あおいちゃんが好きだからこそ

目は口ほどに物を言うという諺がある通り、あおいちゃんの目はとにかく喜怒哀楽をうまく表現しています。

わたしの中であおいちゃんを越える女優はいませんでした。ですからあおいちゃんは声だけではいけないのです。

ちゃんと姿も顔もそしてを出してくれないと意味がないのです。ですから本映画の声優だけをやっているのはちょっとがっかりしてしまったのです。

だからこの映画の吹き替えにはとても違和感を覚えるのです。

人物の年齢設定が気になってしまう

まず出演している女優さんの年齢と映画での設定が気になってしまうのも事実です。

カトリーヌ・ドヌーヴは1943年生まれですから75歳。この映画の主人公にあっています。

ジュリエット・ビノシュは1964年生まれですから55歳です。映画の中では10歳くらいの娘を持っています。

そのことを鑑み、映画での年齢設定は45歳くらいとしましょう。

そうすれば35歳くらいで娘を産んでと考えれば辻褄が合います(すみません、パンフレットを買っていないので、単なる予想です)

ビノシュと宮崎あおいちゃんのキャラが結びつかない

それで1985年生まれの34歳の宮崎あおいさんがビノシュの声をやるっていうのが、全く意味がわからないのです。

役柄に合っていません。とても残念です。

これはあおいちゃんの責任ではありません。やはり是枝監督のキャラクターの設定ミスと言わざるをえません。

確かに映画では人物設定を自由にできますが、ちょっと無理があります。

ドヌーヴの声を演じる宮本信子さんの声も微妙です。声が微妙と言うよりも、フランス語を日本語に喋るセリフに違和感を覚えました。

フランス語の嫌味が心地よくない作品になってしまった

なぜならフランス人はちょっと意地悪でイヤミな性格の人が多いと聞きます。

フランス語で嫌みを言うのは日本人のわたしたちはなぜか心地良いのです。音楽を聴いているみたいです。そう、シャンソンです。

嫌味の内容は関係ありません。

でもその嫌味を日本語に置き換えたは全く心地よくないのです。

ただの悪口、もしく歪んだ人間に見えてくるのです。

ドヌーブに心を寄せたいのに、「これ、ちょっと違う」と感じるのです。映画に入っていけませんでした。

女優の自伝とは虚飾で良いのではないか

さて映画の内容はフランスの大女優ファビエンヌ・ダンジュヴィル(カトリーヌ・ドヌーブ) が自伝を書き上げて、その内容について娘が反感を持ちます。

自伝を書いてファビエンヌの人生のすべてが女優に捧げていることが主張されています。

彼女がいかにしてフランス映画界でトップをとったかについても如実に語っています。友人、娘などは二の次です。

娘のリュミール(ジュリエット・ビノシュ) そんな母に対して反感を持っています。

人を犠牲にしてまでスターに上り詰めた母を許せないのです。

またリュミールは母に対するコンプレックスも持っています。女優になれませんでした。

女優とは役をとらないければ生きていけないのです

一番許せないのはサラという女優の存在を無視していることです。サラはリュミールの面倒を見てくれました。

ファビエンヌより才能があったのかもしれませんが、サラの役を奪うために監督と寝たこともあります。

それに対してファビエンヌは昔はそんなことはよくある話で、役を取られる方が悪いとまで言います。

サラは結局、陽の目を見ることなく死んでしまいました。

リュミールは母があるのはサラの犠牲の上に成り立っているのに自伝にサラのこと一言も書いていない母が許せないのです。

(でもなぜ許せないのか、分かりません。女優とは役を得て初めて存在価値を見出し生きていけるのです。ファビエンヌの仕事をとるためのプロ意識を評価してあげるのが成長した娘だと思うのです)

カトリーヌ・ドヌーブの嫌な女の存在感は良い

なぜ書かなかったかと尋ねると母は「真実を書いても面白くないじゃん、死んだ人の事などどうでもいい」などと突っぱねます。

この言葉が意味するようにファビエンヌはとにかく嫌な女を演じています。

誰かに何かを言われてもすべて嫌味で返します。

コーヒーの温度もぬるいと言ったり熱すぎると言ったり注文が多いです。観ていてとにかく嫌な女だという印象しか伝わりません。(これはこれで成功か)

映画製作の苦悩と母娘関係の修復を重ねたが、、

さてこの映画を見ているとトリフォーの『アメリカの夜』を思い出させます。

映画の中で映画製作での苦悩を描いていますが、本映画も映画製作の難しさを描きながら、ファビアンヌの映画への愛の深さを描いています。

これはこれでとっても面白いアイデアで素晴らしい試みですが、やはり人物設定の分かりにくさと、映画の中の映画の設定も分かりにくくしたのが、失敗だったと思います。

ちなみに映画の中の映画ではファビアンヌはアンナ・ルロワ(リュディビーヌ・サニエ)の娘を演じています。

母アンナは宇宙へ行っており、7年おきに地球に帰ってきます。

母はずっと若いままです。でも娘役のファビアンヌは年をとっていきます。

この設定のアイデアはわかります。

実生活のファビアンヌとリュミールの不仲を比喩的に表現しています。

でも分かりにくいです。

若き日のサラに重ねることで母娘関係の修復を狙ったと思いますが、、

しかもアンナ・ルロワ(リュディビーヌ・サニエ)に若き日のサラのイメージを被せてくるので、観ている方は頭が混乱してしまうのも無理がありません。

演じる役者の実際の年齢映画内での設定、さらに映画の中の映画内での年齢設定、、、、。もうわけ分かりません。

映画とは単純な方が良い時があります。ですから心情光景を描くには少々足りなかったと思います。

設定を複雑にしすぎたから演出が厳かになった

おそらく是枝監督は映画撮影を通しながら、サラを思いを話し、しかもファビアンヌとリュミールの親子関係の修復を目指していたと思います。

上記した通り文章にするとたった二行で説明できることを2時間かけてしまったのです。

ちょっとひねりすぎでした。

気が強くて頑固な大女優のファビアンヌに涙は似合いません。

でも涙は流さず、もう少しセンチメンタルな演出があっても良かったと思います。

音楽で盛り上げても良いし、背中で泣かせても良い(恰幅の良くなったドヌーブの背中の泣きを見たい)

もしくはドヌーブの代表作『シェルブールの雨傘』を彷彿させる“雨”を使って涙を見せるような演出とか。

最後にあの傲慢な大女優にも心があった、というようなものが欲しかったです。

このままだと本当に横柄な嫌な女優で終わってしまうからです。まぁ女優なんてそれぐらいの気概がなければやっていられませんか。

是枝監督は何を目指しているのかわからなくなった

是枝監督は雰囲気を描くのがうまいです。彼の映画を観終わると何とも言えない曖昧な気持ちが残ります。

果たして「この家族は?今後、どうなる、、、」それが彼の持ち味です。

でも本作ではある種、完結した家族の物語を目指したと思われます。

最後の最後に母娘の和解というイメージで終わっています。でも描ききれていないです。

是枝監督、路線を変えてきました。

今までカンヌ常連だったのですが、今回はベネチア国際映画祭に出品しています。

イタリアです。路線を変えるのは分かりますが、物語が描けていませんでした。

*是枝監督が目指すは世界三大映画祭、カンヌ・ベルリン・ベネチア映画祭の制覇でしょうか。グランプリホルダーを目指しているのでしょうか?

映画祭ごとに作風を変えるような監督にはなってほしくないです。

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まとめ 映画『真実』一言で言うと!

「スターの人生は虚飾であった方が良い」

有名人の自伝を読むと「ウソだ」と感じることはありませんか?かなり大袈裟に書いていたり、絶対にありえないようなエピソードを盛り込むのが通例ではないでしょうか。逆にスターの真実など知りたくないのです。夢が壊れますから。もっというならウソも突き通せば真実になるのです。

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映画『ハイ・ライフ』

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人間の“命”への関心は尽きないものなのだろうか。地球では人口爆発、環境汚染、そして戦争を繰り返す愚かな人類は来たる未来に於いて、宇宙空間へと命の活路を求めて旅たつ可能性があるのか。本作は人間の欲望と命の尊厳について描いている。ビノシュの悪玉的で妖艶な演技が息を飲むほど美しい。やっぱり美女は悪女が似合う。

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映画『真実』の作品情報

映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
是枝裕和
脚本
是枝裕和
製作
ミュリエル・メルラン 福間美由紀 マチルド・インセルティ
撮影
エリック・ゴーティエ
美術
リトン・デュピール=クレモン
衣装
パスカリーヌ・シャバンヌ
編集
是枝裕和
音楽
アレクセイ・アイギ
ファビエンヌ・ダンジュヴィル(カトリーヌ・ドヌーブ)
リュミール(ジュリエット・ビノシュ)
ハンク・クーパー(イーサン・ホーク)
アンナ・ルロワ(リュディビーヌ・サニエ)
シャルロット(クレモンティーヌ・グルニエ)
マノン・ルノワール(マノン・クラベル)
リュック(アラン・リボル)
ジャック(クリスチャン・クラエ)
ピエール(ロジェ・バン・オール)
2019年製作/108分/G/フランス・日本合作
原題:La verite
配給:ギャガ

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