映画『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』音楽:川井憲次 出演:皆口裕子・進藤尚美の演技に涙。解説・感想・評価・作品情報・概要(あらすじ・ネタバレなし)から。

『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』 アクション映画
音楽:川井憲次 出演:皆口裕子、進藤尚美 監督・脚本:岩木呂卓巳
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映画『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』の解説・感想・評価(あらすじ・ネタバレなし)から作品情報・概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。

『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』

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『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』

【出演】
皆口裕子、進藤尚美、矢田耕司、稲田徹、高木一成、佐藤正治、山口奈々、川津泰彦、塩山由佳、田中大丈、町井美紀、岡本麻見

【スタッフ】
脚本・監督:岩木呂卓巳
音楽:川井憲次
プロデューサー:福山研輔、野田実
美術:上田光孝
キャスティングプロデューサー:池田克明
編集:掛須 秀一
助監督:貝本敏弥
音楽制作:安田玲子、仲野智子、大久保絵美、奥澤麻由美
エグゼクティブプロデューサー:仙頭武則
原作:ウィリアム・シェイクスピア『Romeo and Juliet 』

【製作】
名古屋テレビ 2002年

映画『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』

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外部リンク

『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』

川井憲次オフィシャルウェブサイト

名古屋テレビ放送

青二プロダクション

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映画『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』のオススメ度は?

星5つです
川井憲次さんの音楽映画!
出演俳優さん演技が絶品!
虫に感情があるんあんて!
シェイクスピアの戯曲を24分に収めた手腕にも評価!

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映画『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』の作品情報・概要

2002年経済産業省所轄IPAの『クリエイター支援型コンテンツ制作事業』で採択され受託。並行して名古屋テレビ40周年事業に手応募して採択される。製作は名古屋テレビ、ランブルフィッシュ、IPA。

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映画『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』のあらすじ(簡易版)

舞台は南国マレーシア。ヴェローナと呼ばれる森では、カブト家とクワガタ家が縄張り争いがいつも絶えません。
ところが両家の息子と娘、ロミオとジュリエットがクワガタ家の樹液パーティーで出会い、恋に落ちてしまったから、さあ大変。
ロレンス神父の教会で密かに結婚式をあげる二人。
その幸せもつかの間、結婚を知ったクワガタ家は怒りのあまり、森中の虫たちにあたり散らします。
そんな争いに巻き込まれたロミオは、誤ってジュリエットのいとこ、チボルトを死なせてしまいます。
森を追放され、ジュリエットとも離れ離れになってしまったロミオ。
両家の憎しみの中、ますます燃えさかる二人の恋の行方は――。

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映画『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』の感想・内容

「虫を使ってシャイクスピアなんて!」と批判と嘲笑を持った人も多いと思います。しかしながら、映画というのは自由な発想で制作されるものです。

過去において、『ロミオとジュリエット』は何本も映画化されています。

有名なのは1968年、オリヴィア・ハッセー主演作品。公開当時、世界中で大ヒットし社会現象を巻き起こした程です。

その後、1996年レオナルド・ディカプリオ主演で制作されています。その他、各国でたくさん制作されていますが、数えきれません。

また、映画のカテゴリーで「恋愛悲劇映画」のことを『ロミオとジュリエット』映画と呼ぶこともあります。

例えば、『ウエスト・サイド物語』もロミオとジュリエット映画と言っていいでしょう。

さて、『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』ですが、やはり川井憲次さんの音楽が素晴らしいです。

ロミオとジュリエットの出会いから、ダンスシーンの音楽には胸がワクワクと踊ります。

「若いって良いなあ」と呟いてしまうのです。

そして、有名なバルコニーでの告白場面です。

こちらのメロディは本当に切なくて、甘くて、心が震えます。

そして、やはり川井憲次さんの最大の見どころは、マキューシオとチボルトからロミオとチボルトの決闘場面の音楽です。

こちらは本当に手に汗握る壮大な音楽です。押井守作品を彷彿されます。

エンディングの悲しいメロディが涙腺を刺激します。本当に素晴らしい音楽です。

さて、出演俳優も素晴らしい。まずはロミオ役の進藤尚美さん。

真面目で熱血型のロミオを見事に演じています。

ジュリエットに告白する場面では不安と期待、そして喜びを若者らしく表現しています。圧巻なのはやはりチボルトとの決闘場面。

マキューシオが殺されたしまった憎しみをこめての熱演、そして、今度は自身がチボルトを殺してしまった現実に人間(虫)として、理性を取り戻す感情の機微を見事に演じています。

そして、ジュリエット役の皆口裕子さん。もう何も言う必要がありません。

素晴らしいです。

皆口さんの鼻にかかった声には吸引力があります。

一言も聞き漏らさまいと耳を傾かせる、いや「耳を大きくさせる」のです。

ロミオと初めて出会ったパーティーでは陰鬱な表情をしています。

それは、後日、ゴキブリ族のパリスを政略結婚させられるという希望に反した儀式があるからです。

ですからロミオにも冷たい態度をとります。

しかしながら、ロミオの純粋無垢な瞳に惹かれて、恋心が芽生えていく心境を見事に演じています。

さらにバルコニーでに「独り言」場面では、恋する乙女の心模様をマレーシアの夕日をバックに見頃に表現しています。

圧巻なのはエンディングです。

ロミオが死んでしまったと気がついてから、一大決心までの流れです。

ロミオと再会した瞬間は天に昇るほどの喜びを表現したのにも関わらず、二人の夢が「終わった」と知って、自ら地獄への道を選ぶ過程の落差の感情の上下を完璧に表しています。

この場面は涙なくては語れません。

さて、この映画の他の重要なキャストはまず、ロレンス神父。

演じるのは佐藤正治さんです。ロミオとジュリエットを応援します。

しかし、この時代にはスマホがありません。

ですからロレンス神父が立てた計画の過程を二人に伝えることができませんでした。

でも、スマホを持っているわたしたちから見たら、不便な時代と思うかもしれませんが、当時としては使いを送るのは最先端の情報送信だったのです。

逆に考えると今現在のわたしたちの時代では、便利すぎて、悲劇に繋がる物語がたくさん生まれているのかもしれません。

そして、そして、もう一人、大事な人がいます。語り部のベローナ爺さんです。

演じるのは巨匠・矢田耕司さんです。しゃがれた声が印象的です。

小学校の校長先生的なイメージでしょうか。

昔、カブト家とクワガタ家の醜い争いしていたが、今は平和になったという結論までを若い二人の恋愛物語を通して子どもたちに丁寧に語っています。

子どもたちはベローナ爺さんの抑揚のある語り口に引き込まれていきます。

そもそもウィリアム・シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』は何がテーマだったのでしょうか?

多くの人が見解を述べていますが、「憎しみからは悲劇しか生まれない」と言う意見が多いです。

確かにそうですね。

それと人間にはエゴや、プライド、見栄、面子といった一種の自分だけの「正義」や「権威」を持ってしまう生き物です。

この『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』の中で最も印象的なセリフはチボルトが言う「恥をかかせやがって!」です。

この「恥」は人間が持つ感情の中で最も醜いものかもしれません。

「恥をかいた」ことで、プライドが傷つき、面子を失い、憎しみを抱きます。

でも逆にプライドが低いと人はついてきません。

カブト家とクワガタ家の過去にどのようなことがあって、憎しみ合う間柄になったかと想像すると、ほんの小さな出来事で、「恥をかいた」ことがきっかけだったのではないでしょうか。

それが、何代も後になって、ロミオとジュリエットの悲劇によって、爆弾が爆発して、両家は気がつくのです。

本映画『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』は虫が演じることで、人間という「生き物の本質をうまく表現しています。

もっと言うなら、虫は憎しみも持たないし、無益な戦いをしないと言うことを嫌味っぽく語っています。

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映画『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』のキャストについて

ロミオ(声:進藤尚美)

勇敢で誠実なロミオを演じるのはコーカサスオオカブトムシ。カブトムシの王様と呼ばれ、3本ある立派な角は他を圧倒する。その角を使った戦いは見る者を愉悦に引きずり込む。
Romeo (Voice: Naomi Shindo)
Playing the brave and sincere Romeo is the Caucasus beetle. He is called the king of rhinoceros beetles, and his three magnificent horns overwhelm all others. His fighting style, which utilizes his horns, draws the audience into a state of rapture.

ジュリエット(声:皆口裕子『YAWARA!』)

気高い高潔なジュリエットを演じるのは、クワガタ界の女王ゴールデンオニクワガタ。希少価値で、人目になかなか触れることもなく、森の宝石と呼ばれる。独特の輝きが自慢。
Juliet (Voice: Yuko Minaguchi “YAWARA!”)
Playing the noble and dignified Juliet is the queen of the stag beetle world, the Golden Onikawagata (golden giant stag beetle). She is a rare and precious insect, seldom seen by people, and is called the jewel of the forest. She is proud of her unique brilliance.

マキューシオ(声:田中一成)

ロミオの親友。お調子者のマキューシオにはヒメカブトムシ。普段はとてもひょうきんなのだが、怒ると大きな音を出す。
Mercutio (Voice: Kazunari Tanaka)
Romeo’s best friend. The mischievous Mercutio is played by a Himekabutomushi (a species of rhinoceros beetle). He is usually very comical but makes a loud noise when he gets angry.

ベンボリオ(声:川津泰彦)

ロミオの親友、ベンボリオには、オオツノメンガタカブトムシ。ずんぐりむっくりの愛嬌ある体つきは人気沸騰の気配。
Benvolio (Voice: Yasuhiko Kawazu)
Romeo’s best friend. Benvolio is played by a giant rhinoceros beetle. His plump and charming physique is a sign of a looming popularity boom.

チボルト(声:稲田徹)

ジュリエットのいとこで暴れん坊のティボルトにはセアカフタマタクワガタ。短気で、怒りっぽく、大きなアゴを武器に戦う。
Tybalt (Voice: Tetsu Inada)
Juliet’s cousin and a troublemaker, Tybalt is a red-backed saw-toothed stag beetle. He is short-tempered and irritable, fighting with his large jaws as weapons.

ロレンス神父(声:佐藤正治)

森の教会に住むロレンス神父にはハビロタマムシ。冷静で、明晰な判断でロミオたちを助けるが、手足の動きには落ち着きがない。
Friar Laurence (Voice: Masaharu Satoh)
Friar Laurence, who lives in a forest church, is a Habiro-tamamushi (a species of jewel beetle). He helps Romeo and his friends with his calm and clear judgment, but his limbs are always in restless motion.

ヴェローナじいさん(声:矢田耕司)

物語の語り部、ヴェローナじいさんにはテナガコガネムシ。長い手を振りかざした大げさな動きで皆を楽しませてくれる。
Old Man Verona (Voice: Koji Yada)
The storyteller, Old Man Verona, is a long-armed scarab beetle. He entertains everyone with his exaggerated movements, brandishing his long arms.

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まとめ 映画『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』一言で言うと!

「川井憲次映画最高作品」

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『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』は以下から。

『虫が演じるシェイクスピア ロミオとジュリエット』

『運だぜ!YouTube』

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