映画『燃えよスーリヤ!!』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『燃えよスーリヤ!!』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
映画『燃えよスーリヤ!!』(138分/G/インド/2018)
原題『Mard Ko Dard Nahi Hota』
【監督】
バーサン・バーラー
【製作】
ロニー・スクリューワーラー
【出演】
アビマニュ・ダサーニー
ラーディカー・マダン
グルシャン・デーバイヤー
マヘーシュ・マーンジュレーカル
映画『燃えよスーリヤ!!』のオススメ度は?
星2つです
まあまあです
機会があるなら観てください
笑いのツボが違いすぎます
映画『燃えよスーリヤ!!』の作品概要
映画『燃えよスーリヤ!!』は第43回トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門で観客賞を受賞したインド映画。アクション、コメディー、ラブの要素を詰め込んだ映画。
監督はバーサン・バーラー。主演はアビマニュ・ダサーニーとラーディカー・マダン。
映画『燃えよスーリヤ!!』のあらすじ・ネタバレ
生まれながらに痛みを感じない特異体質のためいじめの対象になっていたスーリヤ。おじいちゃんからもらった映画のVHSで見た“空手マン”に憧れるようになる。学校では友達ができず唯一、スプリという女の子と仲良くなる。しかし二人は離れ離れになる。数年後、街中で、ギャングと対決する女性に遭遇する。スプリだった。スーリヤの運命はそこから急変していく。
映画『燃えよスーリヤ!!』の感想・評価・内容・結末
おバカさん映画になってしまった
正直、めちゃくちゃおバカな映画です。
予告にある通り、痛みを感じないから空手マンになろうって話です。
ついでに初恋の女性を助けちゃおう、、、。
インド映画が元気が良い証拠だと思います。
もうとにかく観客を笑わそうというサービス精神に溢れた映画を言っても良いです。
しかしながら日本人の笑いのツボとは若干ずれているのは否めません。
おそらくインド国内では大笑いになったのではないでしょうか。
技術はあるけれど、編集がひどい
映像的には綺麗に撮っています。撮影技術も素晴らしいし、CGも多用しています。
音楽もインド映画には欠かせません。
ただ観ていて“飽きる”のです。
演出もありきたりですし、何より編集がもはや時代遅れなのです。
スロー映像の多用とそれに乗せるBGM。
これってもう古い手法です。
ダニー・ボイルやガイ・リッチーがCMの手法を映画界に持ち込んで一時流行りましたが、今では笑われる手法になっています。
最初から最後までBGMがあることのデメリット
本映画『燃えよスーリヤ!!』ではとにかく最初から最後まで、BGMを乗せすぎているため「またかよ」ってツッコミを入れる始末。
しかも長いのです。BGMが長いのです。
だから眠たくなるのです。
物語も単調で面白みにかけてくるのです。
アクションも凄いかと思いきや、大したことないです。
40年以上前のブルース・リーやジャッキー・チェンの方が格段にキレがあります(そう考えると彼らが後世に与えた影響は大きいです)本作ではワイヤーを使ってのアクションです。
まあ、それを否定すると現在の映画製作に異議を唱えることになるのでやめます。
多分ですが、演じる役者の体が大きいことがマイナスに働いている可能性が高いのではないでしょうか。
ブルースやジャッキーは割と小柄です。
ですから彼らのカンフーはとてもスピード感がありました。
それでいて大きな敵と戦うので心を寄せることが出来ました。
でも本作のアクションにはそれほどの迫力がありませんでした。
体が大きい分、キレが無いように映るのも無理はありません。
唯一の良い点は“女性の地位向上”を訴求した点
ただ良い点もあります。
近年のインド映画もようやく国際化へ向けてのメッセージを発信しているところです。
映画『あなたの名前を呼べたなら』もそうです。
男女差別、カースト問題、女性の地位向上についての表現がありました。
男性からの暴力です。
インドでは女性は男性に対して意見を言うことが難しい社会があります。
男性は女性を奴隷のように扱う習慣もあります。
本映画でも夫から暴力を受ける場面があります。
見兼ねた娘が父親に反旗を起こしますが、逆に娘が悪者にされます。
男の暴力は罪になりませんが、女の暴力は許されません。
また貧しい身分のスプリと母がお金持ちの人にお金で養われている場面もあります。
一切、口答え出来ません。
製作者もキャストもカーストでは上層階級であるのなら
本映画『燃えよスーリヤ!!』ではそのことについてしっかりと描かれていたのが良かったです。
「暴力を振るう男の言うことをいつまでも聞いていたらダメ」と言う母親の言葉が胸を打ちました。
ただ、インド映画でいくら男女差別、カースト制について訴求しても映画を作っている製作者や出演者のほとんどが上位のカーストに属しているのが現状です。
もし本気でインド社会を変えたいのであれば、一般市民参加型の製作スタイルとキャスティングにしなければ変わりようがないことも確かです。
しかし、インド5千年の歴史に刻まれた階級世界を易々と変えることは難しいでしょう。
結局はお決まりパターンでエンドへ
さてさて、物語ですが最終的には“空手”で街の悪を倒し、初恋の女性と結ばれるという勧善懲悪で終わります。
何にも考えずに観るには良い映画では無いでしょうか。
ここが惜しいと思った点
*スーリヤは結局、“痛みを感じない”から学校へ行くことが出来ず、家で10年間も監禁のような状態に置かれた理由をもっと描かないと。そう描かないと幼児虐待になってしまう。
*近年、アメリカの映画では“毒親”をテーマにした映画が多く公開されていますが、このように監禁されているイメージはインド映画としてよろしくないと感じました。
*冒頭、バイクに乗ったひったくりにネックレスを奪われる場面がありますが、あの場面の伏線を回収して欲しかった。意味があるのだろうとずっと思っていましたが、全くなかった。予想としてはあのひったくりの犯人が実は、、、という展開を期待していました。作りが浅いかなあ。
インド映画の製作本数は世界一だからこそ
インドは世界的に映画製作本数が多い国です。
世界一だからこそ、もっと思慮深い作品を作って欲しいと思いました。
いまだに映画は庶民の娯楽です。
テレビよりもネットよりも映画なのです。
ですから映画のクオリティーも相当あるはずです。
でも、でもです。インド国内向けに作った映画を海外マーケットに売るのは難しいと思います。
若干、表現なり編集なりを変えないと面白くないです。
まず、説明がクドイのです。
丁寧と言えば聞こえはいいのですが、本作『燃えよスーリヤ!!』の冒頭からスーリヤの生い立ちやら何やらが長すぎます。
いつになったらスーリヤの活躍と人間的な成長を見ることができるのかと心待ちにしている間に気持ちが冷めてしまうのです。
音楽を入れるのは良いのですが、全篇に渡っては要りません。
それとやっぱり、「自分は恵まれない境遇」を映画でアピールしていますが、説得力に欠けるのです。
なぜなら役者さんたちが裕福な階級出身だからです。
勿体ない映画でした。
映画『燃えよスーリヤ!!』のキャストについて
スーリヤ・サンパト(アビマニュ・ダサーニー )
体を鍛えての出演だったと思います。顔がかっこいいですね。育ちの良さが現れていました。痛みを感じないという特異体質な役ですから顔での表現が難しかったと思います。喜怒哀楽に欠けていたのが勿体ないと思いました。
スプリ(ラーディカー・マダン)
アクションシーンはとても良かったと思います。顔が綺麗ですね。インド人の香って本当に堀が深くて、同じアジア人には見えないです。とにかく目鼻立ちが良く、スクリーン映えします。色白ですから身分の高い人だと感じました。
空手マニ/ジミー(グルシャン・デーバイヤー)
見事な演技だっっと思います。一人二役を完璧に演じていたと思います。空手の先生役は片足での演技ですから相当難しかったでしょう。クロマキー撮影とCGで今は簡単に消せるとは言え、大変だっと思います。ギャング役に方も“いやらしさ感”がバッチリ出ていました。こちらも良かったです。
まとめ 映画『燃えよスーリヤ!!』一言で言うと!
「やっぱり空手映画は絵になる」
カンフーと空手は全く異なる格闘技です。今ではカンフーの方が有名になっていますが、一昔前は空手の方が世界的に有名だった時代があります。そうです。ブルース・リーの時代です。ブルースはカンフーですが、世界に発信されたの空手映画という触れ込みが大きかったと思います。わたしの先輩が若い頃、世界旅行をしていた時、現地で有名な日本人は「ブルース・リーで、日本人はみんな空手マンだ」と言われたと言っていました。空手という武道が映画を通じて世界に広がったことは良いことだと思います。
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映画『燃えよスーリヤ!!』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
バーサン・バーラー
製作
ロニー・スクリューワーラー
脚本
バーサン・バーラー
撮影
ジェイ・I・パテル
編集
ブレールナー・サイガル
スーリヤ・サンパト(アビマニュ・ダサーニー )
スプリ(ラーディカー・マダン)
空手マニ/ジミー(グルシャン・デーバイヤー)
じいちゃん(マヘーシュ・マーンジュレーカル)
2018年製作/138分/G/インド
原題:Mard Ko Dard Nahi Hota
配給:ショウゲート