村上龍原作映画『ピアッシング』は“性”への飽く無き追求と新しい愛の形を描く ネタバレ・あらすじ・感想・評価

2019年製作
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映画『ピアッシング』(81分/米/2018)
原題 Piercing

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映画『ピアッシング』のオススメ度は?

3.0

星3つです。

村上龍ファンなら原作と映画を比べるために観るのもいいでしょう。

ただ多くの小説は映画となると全く異なる作品になることが多いの覚悟は必要です。

性的描写は原作と違って柔らかく描かれています。

彼氏、彼女と行っても問題ないでしょう。

幼い子どもと行っても意味ないです。

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映画『ピアッシング』の作品情報

【原題】
Piercing
【製作年】
2018年
【製作国】
アメリカ合衆国
【上映時間】
81分
【日本公開】
2019年
【世界公開】
2018年
【原作】
村上龍
【監督】
ニコラス・ペッシェ
【脚本】
ニコラス・ペッシェ
【キャスト】
クリストファー・アボット
『ファースト・マン』(19)『イット・カムズ・アット・ナイト』(18)『スウィート・ヘル』(18)『クリミナル・ミッション』(16)

ミア・ワシコウスカ
『ナチス第三の男』(19)『ボヴァリー夫人』(16)『アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅』(16)『クリムゾン・ピーク』(16)『奇跡の2000マイル』(15)

ライア・コスタ
『ライフ・イットセルフ(原題)』(19)『ヴィクトリア』(16)

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映画『ピアッシング』の作品概要

村上龍の小説を原作に映画化された作品。監督のニコラス・ペッシェはかなりの日本通であるそうだ。本編に登場する殺したい願望の男と死にたい願望の女のバックグラウンドは小説では書いてあるが、本映画ではさらりと描かれているのが良いと思う。それらから推測すると幼児虐待の問題とか恋人からのDV体験の問題もさりげなく描かれている。

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映画『ピアッシング』のあらすじ・ネタバレ

真面目な会社員リードはどうしても人を殺したい願望が捨てられない。美しい妻を生まれたばかりの赤ん坊がいるが、こともあろうか殺意の標的がその愛娘に向かっている。流石にそれはまずいと感じ、標的を娼婦に定めた。狙われた娼婦ジャッキーは自傷行為という性癖があった。お互いが特殊な性癖を持っていることで共鳴し、一夜の性の儀式が行われることに。

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映画『ピアッシング』の感想・評価・内容・結末

村上龍ファンなら観るべきか、いや観ないべきか悩む

この映画の元になっているのは村上龍の小説である。村上龍は日本代表する小説家であり、世界的にも有名である。彼の作品を私は何冊か読んでいるしとても好きな作家の一人りだ。

やはり最高傑作は『コインロッカーベイビー』である。何が面白いかと言うと、やはりストーリーが面白いと言うのが人気の理由だと思う。特に登場人物の性癖が露わにされていく過程のスリルがたまらない。

一言で言ってしまえば変質者だ。一般社会の生活では目立たず生きている人の持つ潜在的な性癖への興味と更なる追求が描かれている。

村上の作品はもちろん繊細であり、超陰鬱な物語が多い

変態と変態がであるとプラスマイナスがゼロになるのか

本映画もかなりの変質的な思考を持った男女の物語だ。変質的と言うよりも変態だ。特殊な性癖趣向を持った男女が出会って、恋に落ちる話と言って良い。

まずはリードという男は見た目な本当に真面目な会社員、美しい妻と生まれたばかりの娘を持っている。生活も裕福だ。でも彼は愛娘を殺したい衝動に駆られている。アイスピックを使って、とにかく刺し殺したい。でもできない。

そこで白羽の矢が立ったのが、娼婦を殺す計画だ。なぜ娼婦をターゲットに選ぶかというと、違法なことをやっている人間が一人死んでも何も損はしないから、という理由だ(もちろん妻も夫のその衝動について知っていて、早く殺してこい耳打ちしている)

選ばれた娼婦はジャッキー。思考回路がメチャクチャだ。仕事にはいつも遅刻、元締のいうことは聞かない、更には依頼者への暴力など数々問題を起こしている。

そしてジャッキーの性癖も独特だ。自傷行為で快感を得られるのだ。しかも自殺願望が強い。そんな二人がホテルで出会い、いざ行為に走るがうまくいきっこない。

生真面目なリードの行動が笑える。ジャッキーが来る前にこれからやる行為を練習するのだ。まるでパントマイムのようにクロロフォルムを嗅がせる、サルぐつわする、首をしめる、そしてアイスピックで刺す、更には解体する、等の練習に余念がないのだ。でも結果的に失敗する。

形勢逆転から始まる性への追求物語

ジャッキーはリードに対して普通の性行為を迫ったが、リードの不審な態度で何かを察して、バスルームで自らの足を刺し自殺未遂をする。

さあ、ここからが面白くなるのだ。性の主導権争いが始まっていくのだ。殺したい男と死にたい女であるからプラスとマイナスが合致して一挙両得なのだが、そう簡単に二人の目的は達成されないのだ。

二人とも「やっと出会えた」理想の性的パートナーを無言で認識して一夜の情事にふけっていく。本当に特殊な性の世界の物語である。

芸術には“性”を扱った作品が多いのはやはり人間の要望なのだろう

こういう性癖をテーマにした映画は数多く制作されてきた。近年で思い出すのは『アイズワイドシャット』『ファムファタール』あと『マジカルガール』も面白かった。

日本人も昔から性の追求に余念のなかった民族だが、欧米でも同様で、性への追求が盛んだった時代を検証すると割と平和な時代が多かったことがわかる。

仮面舞踊会などはとてもエキゾチックなパーティーという名の性への飽くなき追求が行われていた時代の話だ。ただ主に上流階級の人たちの快楽なのは世界共通だ。

性をテーマにしているからこそポップな演出なのだ

この映画が進行していくプロセスで悲観的な内容や恐怖的な要素はほとんどない。ポップなのだ。非常に明るく軽妙なのだ。

そしてコケティッシュで笑えてくるのだ。確かに村上龍の世界をうまく表しているが、わたしは冒頭に書いたように村上の作品はどこか陰鬱な要素が見受けられるからそのエッセンスが欲しかった

でもそれは日本人であるわたしの捉え方でアメリカ人であるニコラス・ペッシェ監督が捉える村上のイメージなのだろう。

 

人によってはこう言った特殊な性癖を持った人たちに危惧感を覚えたり蔑視を向ける人もいるかと思う。もっと言えば猟奇的な殺人を助長しているとか。そういう人に限って憧れを持っている

でもよく考えてみるとこの映画では誰1人死んでいないのだ。そのことが一番重要だ。殺人を助長する映画でもなければ自殺を応援する映画でもないと言うことだ。映画からはそのメッセージがしっかりと受け止めることができた。

大人の観る映画です

これはゲームなのである。大人のゲームなのである。それは二人のある会話からわかる。「その前に食事でもしよう」この言葉ほど救われる響きは無い。

遊び疲れたら腹が減る。腹が減っては戦はできない。一旦、飯でも食べて落ち着いてから始めようぜ!となる。もっと建設的に考えるなら、誰かが突拍子のない行動するときにこの言葉をかけてみよう。

すると一瞬考えて落ち着くのではないだろうか。この映画では結局は一旦立ち止まって考えてみることが大事だとか、早まって何かをしてはいけないと言うことを教えてくれているような気がする。なんだかんだ言って、この映画は大人が観る映画だと思う。

*オープニングの高層マンション群は異常な物語が始まることを明示していると思われる。『コヤニスカッチー』を彷彿させた。

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映画『』まとめ 一言で言うと!

お金がある人、退屈な人ほど性への追求が尋常ではない!

人間にある欲望が一つ一つ満たされていくと、更なる欲望が出てくるものだ。人間はいつまでも若く、美しくいたい。それは異性に対するアピールでもある。よって性欲が失われていくのが恐怖なのだ。恐怖を克服するために自らの性癖で相手を支配したいのだろう。

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以下、クリストファー・アボット出演作品

映画『ファースト・マン』

映画『ファースト・マン』はアームストロングの人間性を評価している。宇宙へ行く人間は謙虚だ。ネタバレ、感想、あらすじなし
この物語はアメリカの国家の威信をかけて人類が初めて月に到達する歴史的快挙と宇宙飛行士ニール・アームストロングの謎に包まれた人間性を如実に描いた作品である。宇宙へ行くものは運もあるが、謙虚で礼節をわきまえて、冷静な人間であること。つまり紳士であることが求められる。しかも忠誠心が高いこと。ニールは正に宇宙へ行くために生まれた。

 

 映画のことなら映画.comより引用
スタッフ
監督
ニコラス・ペッシェ
製作
ジョシュ・モンド
アントニオ・カンポス
スカイラー・ワイス
ジェイコブ・ワッサーマン
製作総指揮
ショーン・ダーキン
マックス・ボーン
アビ・スターン
エミリー・ジョルジュ
ナイマ・アベド
ニコラス・カイザー
アル・ディ
フィル・ホールティング
原作
村上龍
脚本
ニコラス・ペッシェ
撮影
ザック・ギャラー
美術
アラン・ランパート
衣装
ホイットニー・アダムス
編集
ソフィア・スベルカソー
音楽監修
ランドール・ポスター
キャスト
クリストファー・アボットリード
ミア・ワシコウスカジャッキー
ライア・コスタモナ
作品データ
原題 Piercing
製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 パルコ
上映時間 81分
映倫区分 PG12
オフィシャルサイト

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