新海誠『君の名は。』ネタバレ解説と考察・評価。巫女さん三葉と瀧の恋は結末。恋は成就したのか

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映画『君の名は。』公式サイト
新海誠監督最新作『君の名は。』2016年8月全国東宝系公開 声の出演:神木隆之介 上白石萌音 キャラクターデザイン:田中将賀 作画監督:安藤雅司 出会うことのない二人の出逢い。少年と少女の奇跡の物語が、いま動き出す。

『君の名は。』(107分/日本/2016)

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映画『君の名は。』のオススメ度は?

4.5

4つ半です。

単なる恋愛物語ではありません。

時間空間、距離を超えて会いたい叫びが聞こえます。

二人は人命を救うことに力を合わせます。

恋人、友人、家族、子どもと観てください。

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映画『君の名は。』の作品概要

本映画『君の名は。』は多感な高校生の男女が夢の中で入れ替わりながら、お互いに恋心を抱く過程を通して、来たる彗星落下という悲劇の中で繰り広げられる人命救助に懸命になる若い二人の勇気ある物語である。最後にタイトルの『君の名は。』って叫ぶシーンが涙ものです。

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映画『君の名は。』のあらすじ・ネタバレ

東京に住む瀧と飛騨地方に住む三葉が夢の中で入れ替わる。最初はそれが現実は気がつかないが、異変を感じそれぞれが証拠を残す。そしてその入れ替わりが現実をわかってから、二人の心の距離と時間に異変が起きいく。「会いたい」と願う二人。果たして会えるのだろうか。二人が知っているのは君の名だけだ。

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映画『君の名は。』の感想・評価・内容・結末

タイトル、ポスター、コピーに渡って新海誠のセンスが光っている

新海誠監督の映画で毎回、「タイトルが良い」と感心させられます。しかも、今回は句点が付いているところが今風で良い。若者の心をグッと掴む術を知っている。

ポスターも良い。新海誠の空感を背景に二人の男女が距離を置くように並んでいる。しかもその真ん中を星十字で仕切られている。

更に宇宙から降り注ぐ彗星が、二つに割れて双方に向かっているのは、実は元々同じだったが、何らかの理由で引き裂かれてしまい、もう戻れない暗喩も想像される。

これを見た瞬間に「でも、この恋は成就して、、、」と祈りたくなった

コピーも良いまだ会ったことのない君を、探している新海誠作品における男女はいつも時間と距離という障害がある。

衝撃的なデビュー作『ほしのこえ』たるや、その時間と距離が紡ぎ出す切なさが胸を締め付けた。本映画『君の名は。』はもっと切なさを覚えてしまう。繰り返すが、どうか二人が結ばれて欲しいと神様に手を合わせながら観てしまった。

そして最後に滝と三葉と一緒に「君の名は?」と叫んでしまった

新海作品に設けられた障害ロマンスとは

さてさて、肝心の映画は高校生の男女の遠距離恋愛を主軸に展開していく。遠距離恋愛は単なる距離ではなく、現在、過去という時間空間で結ばれているから二人が実際に出会うのはかなり困難であると感じる

それが新海誠監督の真骨頂の距離と時間の障害であろう。更にそういった障害の最中に二人は心を通じあわせながら彗星が落下による被害を最小限に留めようと、果敢に挑戦するあたりに胸が熱くなる。

これまでも新海誠作品には一貫してこういった地球を守る、愛する人を助けるという描写がある。『ほしのこえ』等。でも本作はその正義を二人が実際に会うことなく人命を助けるといく発想が素晴らしいと思う。このように時間空間を駆使しながら、純愛を貫き、尚且つ地球を守るという話は聞いたこともないし、見たこともない。新海誠監督恐るべし!なのだ。

映画のレビューには本映画『君の名は。』について揶揄するコメントがあるが、気にしてはいけない。例えば大林宣彦監督の『転校生』と『時をかける少女』、そして『地下鉄に乗って』を合わせたような作品と言っている人がいるが、全くそれらとは違う。まず第一に二人は会わないのだ。そして第二に超能力を持っていない。そして第三は二人は人命を助けることだ。本当によく考えられていると思う。これだけ多くの人を魅了したのはやはり強い共感が得られたからだろう。

震災を通して日本人は優しくなった

震災。確か映画の中の東京の街で、「震災から8年」とポスターが貼られていた。日本人は3.11というかつてない大地震と大津波を経験し、絆を深めてきた。

今では人を助けるという行為が誰もが率先的に行うほど、素晴らしい国民になったと思う。

震災のみならず困っている人にも手を差し伸べるようになったと思う。その優しさに我々は共感したのだ。だから二人の恋愛を応援したのは「どうか、みんな生き延びて」という思いからだろう。二人に日本人全員が共感したのだ

主観ショットの移動について思うこと

さてさて、良いことばかり書いてしまったが、若干気になる点もある。アニメにおけるチルドアップ、ダウンの使い方である。

このスピードが何だか乗り物酔いを覚える時があるのだ。映像を動かす時はちゃんと意味があると思う。尺を稼ぐためではない。次のカット、あるいは物語の展開によってチルドは有効的に使って欲しいと感じた。

アップするのであれば夢や希望があったり、逆にダウンするのであれば現実を受け入れるなどと線を引いて欲しい。

ちなみに新海誠作品ではクレーンショットはあまりないように見える。今後はドローンの目線による演出も入れてくるのだろうか、、、。

新海誠監督の活躍をずっと期待してる

何れにしても新海誠監督の世界観の豊饒さに驚きを禁じ得ない。新開監督がどのような体験をしてきたのか気になる。物語を紡ぐ時はどんな気持ちなのだろうか。わたしにはそんな才能がないから今後も新海誠監督を応援したいと思う。

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映画『君の名は。』まとめ 一言で言うと!

実は人命救助第一!の物語

本映画『君の名は。』は高校生の二人の恋をバックボーンに、宇宙から落ちてくる彗星から人々と街を守るために全力を尽くす物語である。スケールが大きい。

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映画『君の名は。』の作品情報

映画.comより一部引用
スタッフ
監督
新海誠
原作
新海誠
脚本
新海誠
製作
市川南
川口典孝
大田圭二
企画
川村元気
プロデュース
川村元気
エグゼクティブプロデューサー
古澤佳寛
プロデューサー
武井克弘
伊藤耕一郎
共同製作
井上伸一郎
弓矢政法
畠中達郎
善木準二
坂本健
キャラクターデザイン
田中将賀
安藤雅司
作画監督
安藤雅司
井上鋭
土屋堅一
廣田俊輔
黄瀬和哉
演出
居村健治
オープニング作画監督
田中将賀
回想シーン演出・原画・撮影
四宮義俊
脚本協力
加納新太
プロップ設定
岩崎たいすけ
巫女舞創作・振付
中村壱太郎
美術監督
丹治匠
馬島亮子
渡邉丞
美術設定
高橋武之
美術設定協力
滝口比呂志
色彩設計
三木陽子
色指定検査
仲條貴子
撮影チーフ
福澤瞳
撮影
三木陽子
李周美
藤田賢治
津田涼介
八木昌彦
岩井和也
新海誠
3DCGチーフ
竹内良貴
3DCG
宮原眞
河合完治
山元隼一
音響監督
山田陽
整音
山田陽
音響効果
森川永子
編集
新海誠
音楽
RADWIMPS
主題歌
RADWIMPS
音楽プロデューサー
成川沙世子
制作プロデューサー
酒井雄一
制作
コミックス・ウェーブ・フィルム
キャスト(声の出演)
神木隆之介立花瀧
上白石萌音宮水三葉
長澤まさみ奥寺ミキ
市原悦子宮水一葉
成田凌勅使河原克彦
悠木碧名取早耶香
島崎信長藤井司
石川界人高木真太
谷花音宮水四葉
てらそままさき宮水トシキ
大原さやか宮水二葉
井上和彦瀧の父
茶風林勅使河原の父
かとう有花勅使河原の母
花澤香菜ユキちゃん先生
寺崎裕香
小野塚貴志
滑川洋平
辻美優
浜添伸也
佐藤奏美
合田慎二郎
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富岡英里子
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ラヴェルヌ知輝
大川春菜
池田優音
兼光ダニエル真
桑原彰
武田祐介
作品データ
製作年 2016年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 107分
映倫区分 G

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